挑戦するなら関西。そんな土壌を創るために関西からイケてるベンチャーを生み出していきたい
株式会社レスタス HRマネージャー 桑原 航 氏

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プロフィール

株式会社レスタス HRマネージャー 
桑原航(くわばら わたる)

京都大学大学院医学研究科卒業後、大手専門商社に入社し、新卒採用などを担当。2014年に労務管理領域のHR SaaS事業「ジョブカン」などを展開する株式会社Donutsへ転職し、人事責任者として同社成長を支える。2020年より現職。

株式会社レスタス

2020年6月に関西ベンチャーの株式会社レスタスに転職を決めた桑原氏。彼の過去のキャリアで感じたこと、関西ベンチャーに対する想いを今回語って頂きました。

目次

会社の看板ではなく、自分自身で勝負したい

岩崎 新卒で商社を選択した経緯、入社して感じたことをお聞かせください。

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桑原 大学院は理系でMRIを研究していました。サンプルに遺伝子操作したメダカを使っていました。研究自体は面白い部分もあるのですが、人力でメダカの世話をしていたため、友人と飲んでいる時もメダカに餌をあげるために途中で帰ったり、弱っていて死にそうなので朝6時にメダカを介抱しにいくみたいな生活でした。研究はとても大事ですし、世の中を進歩させていく為に必要とは思うのですが、メダカに左右される人生は私にとってはちょっと嫌だなと正直思ったのが当時の本音でした(笑)。

そうであればビジネスで何か世界を動かすことに挑戦していきたいと思い、文系就職に切り替えました。ただちょうどリーマンショック直後の年でもあり、あまり関西へ合同説明会などに企業が来なかった状況でもありました。結局あまり調べず、先輩の影響で給与も高くて女の子にモテて、海外に行けるなんて最高の世界だなと商社に就職しました(笑)。

商社では精密機器系の商材を扱う部署で営業をし、2年目の途中から人事に異動しました。ただ商社で働いていく中で、良くも悪くも「会社の看板」で仕事をしていると感じることが増えてきました。例えば新卒採用の学内セミナーで、ある時私が都合がつかず、内定者に代わりに話して貰う機会があったのですが、商社は新卒では人気業界でもあり、自分の時と変わらないぐらいに多くの学生が集まるような場面もありました。

それならこの仕事は別に自分ではなくてもいいんじゃないか、寧ろ会社の看板が無くなった時に自分の力で仕事ができるのか、ということを思うようになりました。当時は漠然とそのような普遍的な力は、まだ知名度も無いITベンチャーなどで働くことで培われるのではと思い、転職を考えたのが4年目でした。

岩崎 当時ITベンチャーに可能性を感じられたきっかけは何だったのでしょうか。

桑原 ちょうどITベンチャーが伸び始めていて、話題になることが多かった時期でもありました。私が新卒で就職活動をしていた当時は、ベンチャーといってもサイバーエージェント、DeNAなどしか知らなかったんですが、色んな領域で成長著しいITベンチャーが話題に上がってる印象を2014年当時受けていました。 こういうゼロイチで新しいものを生み出していく力、全然知名度もない小さい会社がすごいサービスを産み始めてた時代の中で、自分で勝負できる実力が獲られるのではないかと思ったのが、前職に転職したきっかけです。

自分が頑張れば、会社が変わる手ごたえ

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岩崎 前職(Donuts社)に入社した経緯についてお聞かせください。

桑原 大学の同期が新卒で超有名な会社に入った後に起業し、それをDonuts社に売却をしたこともあって前職の存在は知っていました。転職を考えたときに調べてみたらすごく面白そうでイケてる会社という印象を受け、話を聞けたらなと思っていたところでした。そんな最中、仕事で移動してた際に乗る新幹線を間違えたんですが、ちょうどその友人と鉢合わせしました(笑)。5年ぶりに再会をし、ちょうどDonutsで人事を探してるという話から運命を感じて入社しました。

ちょうどその頃は100名規模だったんですが、整備されていないと思うところは多々ありましたが、同時に大企業での当たり前は当たり前じゃないんだと気づかされました。大企業の様に仕組みが整っていないとできないということは、実は能力がないんだと。もし整っていないのであれば、自分で仕組みを作るなど自分で何か変えていくしかない。そうしていくことで仕事が面白くなってきたというのが前職に入って一番良かったことのように思います。

岩崎 ベンチャーの世界に飛び込んでみていかがでしたか。

桑原 振り返って一番衝撃だったのは、会社が大きくなるにつれての変化をダイレクトに感じる部分の様に思います。急激に社員が増えて当初の100名から400人名規模にまで成長していった中で、整備しなければならないことや問題も多々ありましたが、その変化が本当に面白かったです。新卒で入社した商社でも前年比プラス500億円成長なんて年もありましたが、年商数千億規模の組織だと特段大きな変化を感じる瞬間というのはそこまでなかったですね。

特に自分は採用に関わってましたので、採用する分だけオフィスが狭くなっていき、さらに新しい事業をその人達が生み出す。自分が頑張って成果を上げれば、会社が変わるんだという感覚を持ちながら働けたことで毎日が面白かったですし、前職でのかけがえのない財産のように思います。

関西の学生に東京就職を勧める違和感

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岩崎 Donuts社で活躍もされていたかと思いますが、そんな中、関西でのチャレンジを決めたのはどんな経緯があったのですか。

桑原 京都支社の責任者を任されて、ちょうど京都に来て2年ぐらい経ったときなんですが、当時は私は新卒採用だけではなく、学生へのキャリア支援などもやっていたんです。小・中学校時代を大阪で、大学・大学院時代を京都で過ごしていて、関西には愛着があったんですが、学生のキャリア支援とかやってる中で、いつの間にか優秀な学生には「東京に行った方がいいよ」と言ってしまう自分に気づきました。

自分は関西が好きで、関西を盛り上げていきたいという気持ちがあるのに、なぜか東京に行くことを勧めてしまう違和感が当時は強くありました。学生のことを考えてる自分と、関西を考える自分とがリンクしないようになってきている。それを紐解いていくと東京と比較して関西でイケてるベンチャーってのはそんなに多くないんだという結論に至りました。そうであれば関西を盛り上げていくために、イケてる企業を増やすようなことに関わることが出来たらいいなと思い、関西でイケてるベンチャーを探し始めたのが、関西で挑戦の機会を探すことを決めた背景になります。


岩崎 桑原さんが思う関西の魅力はどんな部分にあるのでしょうか。

桑原 物理的に東京より家賃や物価安いとか、美味しいものが多いとか色々ありますけど、私にとっては人情深さなど関西ならではの人間性がいいなと感じています。後は今は東京と差があるものの、優秀な人材も本当に多い街でポテンシャルがある、そんな部分も私は魅力に思っています。例えば京都は学生の街で優秀な学生もいっぱいいますし、日本を代表する多くの企業が生まれるなどの商売文化も昔からあって、面白い会社、事業が生まれる土壌があると感じています。

でも活かしきれない何かがある、結局優秀な学生は東京に行ってしまう。そうであれば関西でイケてると思える会社に自分が飛び込み、会社の成長にコミットしようと決めました。それが波及効果になり、関西が盛り上がって良い会社が増えるといいなと思い、転職活動を始めました。

転職活動で見えたこと

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岩崎 転職活動を通じて関西のベンチャーマーケットにどんなこと感じましたか。

桑原 東京と比べるとイケてるベンチャーはまだ多くないとは思います。「イケてるベンチャー」の定義は、人によって違うと思うんですが、人事である自分の観点としては、会社の存在意義を感じられ、自社でプロダクト、サービスを持ってスケーラビリティのある成長曲線を描いているベンチャーと考えています。

前職で人事として人を採用したり組織を作っていく中で、何かを生み出していくことが私はすごく魅力的に感じていました。そんな観点で関西本社でサービスでしたり、プロダクトをもっている会社を中心に探したんですが、なかなかこれだと思える出会いに苦戦していたのが当初の転職活動でしたね。

岩崎 そんな中でレスタス社と出会われたわけですが、最初はどんな印象をお持ちだったのでしょうか。

桑原 正直、レスタスのことは全然存じ上げてなくてですね(笑)。ただもともと前職が旧態依然としたHRの在り方を変えていくSaaSでもあり、「既存 × IT」で産業を変えていくようなビジネスには元々興味持ってました。これまでオーダーメードでECサイトみたいなベンチャーはありましたが、やり方や考え方を変えて展開していることに興味を持ちましたね。そして「名入れカレンダー」という誰もが突っ込まなさそうなところで成功させてることに「すげえな(笑)」と思ったのが本音です。こんなことを考えている代表、ボードメンバーにはお会いしてみたいと思ったのが最初でしたね。

岩崎 代表の大脇さんとお話をされたときに感じられたことをお聞かせください。

桑原 率直に面白い方だなと思いました。これまで東京でも色んな経営者の方とお会いする機会もあり、クールで尖ってて頭切れる系の経営者は多いんですが、弊社の大脇は人情深いところもある一方でビジネスセンスの凄みも感じられ、最初から一緒に働いてみたいと思いましたね。初めての面談では、開口一番でいきなり事業のプレゼンしちゃうみたいなアグレッシブな部分も面白く、魅力的でした(笑)。そんなのがレスタスへの第一印象ですかね。

そして大脇の想いとしてはレスタスだけではなく、関西全体を盛り上げたい気持ちが強く、私もそれには共感しています。勿論、レスタスのことを一番に考えてくれてはいますが、そういうマーケット全体をみた考え方をもっている大脇は魅力的に思いますし、逆に東京のベンチャーと違う、東京に負けまいと追随する大阪の起業家ならではなのかなと感じます。

岩崎 最終的にレスタス社での挑戦を決断した時はどんなことを考えていましたか。

桑原 正直、もう1社関西にあるスタートアップと迷っていました。そんな中、弊社代表、ボードメンバーの皆さんと食事に行く機会があり、色んなお話を頂きました。レスタスに来て欲しいという気持ちも仰って頂きましたが、だからといって特別扱いするわけではないよというメッセージもありました。自分の限界を超えろではないですが、常に自分の想定を超えていく本気度はもってチャレンジして欲しい、そんな一体感をもって成長していこうというお話を頂けたのが最終的な決め手です。

岩崎 レスタス社に飛び込んでみて今思うことをお聞かせください。

桑原 とにかくスピードがとても速いです。入社してもう4カ月になりましたが、3カ月前と全然違う会社だなというスピード感ですね。特にこの3カ月で10億円規模の大きな資金調達、事業提携、新サービスのリリースもあり、それを形にするために人も増えました。勿論、前職もスピードが早かったですけど、現職はそれを上回るぐらいにアクセル全開で、入社前の想定以上ですね。その変化を楽しみながら、苦しみながら毎日を過ごしています。

なぜそんなスピード感なのかなと考えたときに思う要因が、レスタスの人は前向きにチャレンジする人が多いことにあると思っています。これまで最高に頭の切れる系の経営者がリードする組織もみてきましたが、自分のチャレンジで事業を前に進めたいというマインドの人が多い組織かなと思います。リスクを考えてストップをかけることも確かに大事なことだと思うんですが、保守的なロジックでチャレンジをやめてしまうよりも、可能性があるならまずはやってみるということが組織に浸透しているように思います。これは会社の方針で掲げる部分でもありますし、そんなカルチャーが今のレスタスのスピード感に繋がっているように思います。

関西ベンチャーをリードできる存在へ

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岩崎 急成長の裏側でベンチャーならではの痛みの部分もあったのではないですか。

桑原 成長痛ではないですが、人も増え、事業(サービス)も増えていく中で、上手くワークさせるためにはどうするかが今後の課題と考えています。まだまだ組織として整っていない部分は多く、あるべきものがなかったりするのが現状な中で、成長スピードを落とさずに組織をどう変えていくか、これは正にどこの会社も直面することかと思います。

今後、レスタスは世の中を驚かすことも積極的に仕掛けていきたい思うのですが、それを驚かすだけではなく、成功させる為には私は組織・人をどのように支えていくかにかかっていると思うので、特にその点は自分の果たすべき役割として頑張っていきたいと思っています。

岩崎 最後にレスタス、関西のベンチャーマーケットを今後どうしていきたいのかお聞かせください。

桑原 そんな壮大なことではないですが、関西でイケてるベンチャーを増やしていきたい、そのためにもまずは東京に行ってしまった関西の優秀な若手の方などが戻ってくる土壌を作りたいと考えています。将来的には優秀な学生もビジネスパーソンも、挑戦するのであれば関西で働くことが第一想起されるような世界観、地域を作っていくことに貢献できるといいなと思ってます。何よりレスタスがその中心的な存在になれればと思っています。

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