配属ガチャとは?納得できる環境で働くための“配属ガチャハズレ対策”や転職を判断する際のポイント

近年、「親ガチャ」や「隣人ガチャ」など、自分の意思では選べないことを、スマホゲームの「ガチャ(抽選)」になぞらえる表現が流行し、様々なシーンで使われるようになりました。そのような「ガチャ」の一つである「配属ガチャ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

主に新卒で入社して間もない20代の方の間で使われることが多い言葉ですが、転職を検討中の方も、新しく入社した企業でどんな職場環境・上司・同僚のもとに配属されるか分からない以上、「配属ガチャ」は他人事ではありません。こちらの記事では「配属ガチャ」について解説します。

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配属ガチャとは

配属ガチャとは、配属先が自分で選べずどのような部署に配属されるのかが分からないことを指します。「配属ガチャに外れる」とは、以下のような状況が挙げられます。

部署・仕事内容が希望と違う

配属ガチャに外れてしまったと感じるケースとして、具体的には「希望していた部署に配属されなかった」もしくは「希望の部署に配属はされたが、想定外の仕事を任された」などが挙げられます。たとえば、本来はマーケティングに携わりたくて入社したにもかかわらず営業部に配属されてしまったケースや、希望のマーケティング部に配属されたものの任される仕事は事務作業ばかりというケースです。

いずれにせよ、配属先・仕事内容が希望とは異なっていたときに「配属ガチャを外した」と表現することが多いです。希望していた部署へ配属されなかったり、希望していた仕事内容へ携われなかったりすると、業務におけるモチベーションや作業効率などが低下してしまうため、部署や仕事内容に関する配属ガチャは深刻な問題であると考えられるでしょう。

上司・環境が合わない

希望した部署に配属され、やりたかった仕事を任されることになっても、上司や環境が自分と合わないといった配属ガチャの失敗例があります。上司が自分に合わないタイプだったなどの声は新卒社員や中途入社の社員ともに非常に多く「上司ガチャ」というワードが生まれるほどです。上司と合わないと感じる事例としては、「パワハラ発言が多い」「残業が当然という考え方をしている」などが挙げられます。

また、環境が合わない事例については、他の同僚たちとのコミュニケーションで問題を感じた、職場環境の透明性が低いなどが該当します。上司・環境のギャップについては、新人が自分の努力で改善することは難しいうえに、「働きにくさ」を感じる原因にもなります。また大手企業に就業した場合、東京勤務を想定していたところ地方都市の支店勤務に配属される、ということもあります。自分が思い描いていたような都会的なライフスタイルを実現できない、地方特有のルールや価値観に馴染めない、ということにストレスを感じる方もいるでしょう。

配属ガチャ対策はどうしたらいい?

新卒入社、あるいは転職をするにあたり、配属ガチャに外れるのは避けたいと考える方がほとんどであると思います。しかし、具体的な回避策についてはあまり知られておらず、単純に「外れないことを祈るのみ」「3年耐えるのみ」といった認識の方も少なくありません。配属ガチャで外さないための対策はいくつかあるので、自分の状況と照らし合わせながら以下の内容をヒントにしてみてください。

これから転職する場合

これから転職する方であれば、職種を限定して募集している求人に応募しましょう。やりたい職種がピンポイントで募集されているような求人であれば、企業もその職種の人手を求めているので、入社後に想定外の部署や仕事内容を振られにくくなるので、配属ガチャ回避につながります。

具体的には「ITエンジニア」「営業」「事務」など、明確な職種名で求人をリサーチしてみるといいでしょう。一方で「総合職」「基幹職」のように業務内容を特定せずに募集している場合、配属ガチャリスクの可能性がありますので、そのような記載の求人の場合には「配属ガチャを外したとしても働きたい」と思える企業かどうか考えた上で応募するようにしましょう。

また、選考を受ける過程で応募している求人が自分のイメージ・認識と相違ないかを確認することも重要です。例えば自分が「マーケティングとは一般的にこのような業務であるはず」と認識していても、それが「その会社におけるマーケティング業務」とは乖離がある可能性もあります。面接や人事とのコミュニケーションの中で、入社後は実際にどのような業務を任されるのか、入社後のジョブローテーションの有無などを確認すると良いでしょう。

事前に配属希望が出せる場合

新卒入社のケースに多いですが、事前に配属希望が出せる場合もあります。配属してほしい部署や仕事内容を担当させてもらえるよう、あらかじめ希望を出しましょう。すぐに希望通りの部署・仕事内容を任せてもらえなかったとしても、自分の志向性やキャリアプランがあるのであれば伝えておくことはマイナスにはなりません。空きのポジションが発生した時にその希望を考慮してもらえる場合があります。

可能であれば希望を提出するだけでなく、人事や面接官に積極的に希望を伝える、希望の部署の社員にOB訪問・インターンを依頼する、関連する分野について事前学習していることをPRするなど、追加の働きかけをすると良いでしょう。

特に希望する部署が人気の部署である場合や経験値を求められるポジションである場合、新人が配属してもらえる可能性が低くなります。せめて希望のポジションへの足掛かりとなるような経験が積むことができる部署に配属されるように働きかけましょう。

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もし配属ガチャに外れてしまったら・配属希望が通らなかったら

もしも事前に出した希望が通らなかった場合や配属ガチャを外してしまった場合はどうしたらいいのでしょうか。配属ガチャに外れてしまった場合(配属希望を出したが通らなかった場合)にできる、転職以外の選択肢について考えていきましょう。

配属先で結果を出す

配属ガチャを外したと感じた場合、納得していないことを態度に出さず、まずは配属された部署で結果を出せるように努めましょう。新入社員の働きぶりは意外といろんな立場の人から注目されています。配属先が希望でなかったという不満を口にしたり、与えられた業務を疎かにしたりしていると、それがあなたの評価に繋がってしまいます。まずは意欲的に業務に取り組むことで、社内の信頼を得ることが肝心です。

また自分が希望していた配属先ではなくても、取り組んでみるとその業務の面白さ・奥の深さに気づくことや、想定していなかった自分の能力が開花する可能性も十分にあります。

人事・社内窓口に相談してみる

「自分がなぜこの部署に配属されたのか、なぜこの仕事に従事することになったのか」を人事に相談してみることも手段の一つです。経営層・人事から見てその人が「この部署・仕事が向いている」「まずはここで経験をして成長したら次のキャリアアップの機会提供を考えている」という配属に人材開発の観点での意図がある場合も多いので、自分では気づいていなかった指摘を得られる可能性があります。

また企業によっては一人前とみなされ、当初予定していた業務を任されるまでに時間がかかるケースもあります。どのくらいの期間が下積みとして認識されているのかを確認してみましょう。例えばベンチャー企業・外資系企業では入社初月から自分なりに価値発揮することを求められる傾向があるのに対し、歴史のある日系企業では入社5年は新人・育成期間としてジョブローテーションするのが慣習であるというケースも少なくありません。

異動願(異動希望)を提出する

人事に確認をしても、やはり別の部署・仕事に就きたいと考えている場合には、異動願の提出を検討しましょう。異動願とは、配属された後に部署を異動したいといった要望について記した書類のことです。提出先は人事部門、もしくは直属の上司などが一般的であるものの、企業によっては「配属されて半年以内は異動希望は出せない」等の独自のルールを設けている場合もあるので、確認したうえで提出する必要があります。

異動希望を出していることがどの範囲に共有されるかは会社によって異なりますが、現在の配属先の上司に異動希望を出していることが伝わった場合、上司の心象が悪くなるリスクも考慮し、慎重に進めましょう。

異動願の提出(異動希望)をしても、必ずしも希望通り異動できるとは限りません。希望する配属先に見合うような能力や経験が必要となるケースもあります。また、異動先・現在配属された部署両方の状況も考慮しなければならず、異動希望が通るか否かは、自分及び企業の事情によって大きく異なります。

配属ガチャに外れたら?転職を考えたほうが良い事例

配属ガチャを外したからといって早々に転職して良いものか、悩む方は多いと思います。早期離職が転職に際し不利になってしまうリスクがあるので、今の会社を辞めることは慎重に考えるべきではあります。とはいえ、配属ガチャを外した結果の状況が以下に該当するようであれば、転職を検討したほうが良いかもしれません。

自身の成長が見込めない

配属された部署でしばらく働いてみたものの、自分の成長が見込めない場合には、退職を検討する選択肢を視野に入れたほうが良いでしょう。「スキルが身につかない」「専門性が高まらない」「挑戦したが適性を感じない」などが該当するケースです。

すでに終身雇用が崩壊しつつある昨今、成長できない環境で働き続けることは、将来の自分のキャリアのリスクとなりえるでしょう。配属ガチャで外れたときには、その部署で本当に学べるものはないのか、判断が早過ぎないかを慎重に考慮したうえで、転職を検討してみてください。

改善される見込みがない

ハラスメントが蔓延しているような部署に配属されてしまった場合、当然ですがその人に非はありません。状況証拠となるものを集めた上で、上司や人事部・社内相談窓口や、その程度によっては労働基準監督署に相談しましょう。

それで改善される見込みがあれば就業継続して様子をみるのもよいですが、会社側が黙認している・長期間その状況が続いているケースなど、自分の働きかけではどうにもならないと感じた場合は転職を検討したほうがいいでしょう。

異動が難しい

今の配属先で結果を出したとしても将来的に希望するポジションへの異動が見込めないようであれば、転職を検討したほうが良い場合があります。企業によってはそもそもジョブローテーションがない、自分が希望する部署への異動事例がないなど、今の部署から希望の部署へ移ることが難しい企業は少なくありません。また、中小企業だと企業規模の都合で異動できるポジションがないというケースもあります。現職でできることはやりきったという場合は、転職を検討してみてはいかがでしょうか。

配属ガチャによる失敗を繰り返さない転職にするために

配属ガチャで外さない転職をするには、どのような方法があるでしょうか。具体的な方法についてご紹介します。

中小企業・ベンチャーを視野に入れる

大手企業においてはブランドの力や組織力が強い一方で、配属ガチャを外した時に各個人の希望は考慮されにくいという側面があります。その点中小規模の企業では、配属ガチャを外すリスクが低くなります。また面接で会う人がそのまま上司・同僚になるケースが多く、上司ガチャのリスクを低減できるというメリットもあります。

転職エージェントの活用がオススメ

配属ガチャをきっかけに転職を検討されているなら「転職エージェント」の活用がおすすめです。転職エージェントは、転職理由が妥当であるか、早まった判断ではないかで等、客観的な視点の上、アドバイスをもらうことが期待できます。例えば自分自身が「配属ガチャで外れた」と思っていても、希望する求人が現在募集されているかどうかは別の問題です。場合によっては今すぐの転職は避けた方がいい場合もあるので、退職する前に専門家のアドバイスをもらうほうが賢明です。

また、転職エージェントは求人に掲載されていない企業情報を多く保有しています。企業のカルチャーやこれまで転職支援をした方の事例をふまえて、配属ガチャのリスクが少ない求人や、自分に合った求人を案内してもらうことができるでしょう。その他にも、在職中で忙しくても本人に代わって求人のリサーチしてくれるなど負担を軽減してくれる、あるいは面接の場で直接企業側に伝えられなかったこと、年収交渉なども転職エージェントが両者の意向を汲んだ形で角を立てずにお話を進めてくれることなど多くのメリットが期待できます。

転職が初めてで分からないことがあっても、専任のキャリアアドバイザリーがしっかりとサポートしてくれるので安心して転職活動ができるかと思います。配属ガチャに外れてしまって転職を検討している方は、ぜひ転職エージェントの活用も検討してみてはいかがでしょうか。

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※お話を聞いて頂くだけでもOKです。

最後に

配属ガチャは、現在はもちろんのこと、将来のキャリアにも大きく影響するポイントの一つです。運よく配属ガチャに恵まれる場合もありますが、希望とは異なる部署へ配属されたり、働く環境が良くない現場に回されたりと配属ガチャの結果で悩む方は非常に多いです。現在、配属ガチャに外れて悩んでいる方や、配属ガチャが外れたらどうしよう……と不安を感じている方は、本記事でご紹介した対策や転職のポイントなどをヒントにしながら、自分の納得できる道を模索してみてください。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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