転職の面接で好印象な自己紹介とは?

企業との面接を控え「自己紹介をどのように話すべきか」で悩んでいる方は多いのではないでしょうか。どのような自己紹介を行うのかで、面接官に対する印象が変わるため、事前に準備し、対策を練ったうえで臨むことが大切です。本記事では中途採用の面接で好印象を与える自己紹介についてご紹介していきます。

また、面接で自己紹介を求められる理由や、自己PRとの違い、うまくこなすためのポイントにも触れていくので、本記事を事前準備の際に活用してください。

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面接で自己紹介を求められる理由

中途採用に限らず、面接では自己紹介を求められることが多いです。自己紹介の内容は主に履歴書・職務経歴書に書いてあることばかりです。それなのになぜ、自己紹介を促されることが多いのでしょうか。自己紹介の目的を見ていきましょう。

面接前のアイスブレイク

面接の質疑応答を始める前のアイスブレイクとして自己紹介を求めるケースもあります。応募者の緊張をほぐすため、もしくは対話のきっかけ作りなどを理由として、自己紹介を依頼されることが多いです。

もし自己紹介もなく、面接官が答えにくい質問を投げかけて応募者が緊張していてうまく返答できない面接となってしまうと、面接官としても欲しい情報が得にくくなりますし、応募者側も伝えたいことが十分に伝えられない事態に陥ることもあり、双方にとって不完全燃焼のような形になってしまいます。自己紹介のように応募者が事前に準備しやすい依頼をすることで、面接のアイスブレイクにするという意図がある場合があります。

応募者の基本情報の把握

その後の面接時間で話を深堀りできるように、応募者の基本情報の把握のために面接の冒頭で自己紹介を求めるケースがあります。自己紹介では自分の名前や人柄についてだけではなく、他にも簡単な経歴や実績、スキルなどに触れることがほとんどです。面接の最初にある程度応募者の基本情報を把握できれば、面接官としては限られた時間の中で気になる部分を深堀りしやすくなります。一般的に、面接時間は30分~1時間程度設けられることが多く、決して長い時間を活用できるわけではないからこそ、最初に応募者の情報を得ておくことは重要と言えるでしょう。

コミュニケーション能力・プレゼン能力の確認

面接で自己紹介を求められる理由の一つとして、応募者のコミュニケーション能力・プレゼン能力を確認するためであることが挙げられます。わかりやすく要約された説明ができるかを確認するために自己紹介を求めることがあります。本人にコミュニケーション能力があるか否かを把握することで、担当者がその後の面接を進めやすくなるといったメリットもあり、面接の冒頭で自己紹介を促されることが少なくありません。

第一印象の確認

面接で自己紹介を求められる理由の一つが、第一印象の確認をすることです。特に営業やカスタマーサクセスのように対人業務を含む求人に応募している場合、外部に与える印象に問題がないかどうかを判断する材料となります。自己紹介の内容だけでなく、言葉遣い・話している間の表情・アイコンタクト・姿勢・声のトーン・身だしなみなども含めてトータルの人物印象が確認されているものです。

面接の自己紹介と自己PRの違い

面接において、混同されやすいのが「自己紹介」と「自己PR」です。いずれも、自分について相手に伝えることが共通していますが、話す内容には違いがあります。それぞれがどのような違いがあるのかを把握したうえで、面接対策につなげていきましょう。

自己紹介は、主に「自分がどのような人物であるか」を話します。具体的には名前や現職(前職)の勤務先名のほか、人柄や性格、これまでの経歴や誇れる実績などの総括を簡潔に伝えることが求められます。

一方、自己PRとは、「自分にはどのような強み・得意分野があるのか」など自分の魅力にフォーカスして話すことです。どのような業務で活躍できるのか、何が得意でどの程度の成果を上げられそうか、などをことです。自己紹介も自己PRも自分について話すことである点には違いがありませんが、どこに焦点をあてて話すかに違いがあるので注意してください。

面接の自己紹介で伝える内容

面接当日にいざ自己紹介をするように促されて、しどろもどろになってしまうケースは珍しくありません。自分について初対面の人にもわかりやすく話すのは想像しているよりも難しいことが多く、きちんと話す内容を準備して臨む必要があります。情報量が少なすぎると熱意がないように見えたり、逆に情報量が多すぎても話がまとまらなくなってしまいます。せっかくの自己紹介の機会を無駄にせずに済むよう、以下を参考にしながらあらかじめ何を話すべきかを考えてみてください。

名前

自己紹介を促されたら、最初に名前を伝えます。すでに履歴書や職務経歴書などを提出しており、面接官も応募者の名前を把握していることがほとんどですが、まず名前を名乗ることが面接ではマナーです。面接での第一声でもあるので、緊張で早口にならないようゆっくりとした口調を意識して「○○と申します」と自己紹介してください。名乗ったあとで「本日はお忙しい中お時間頂きありがとうございます」と面接官への御礼を添えられるとより丁寧な印象を与えられます。

略歴(企業名・役職名・担当業務)

次に略歴について触れていきます。「どこの会社で働いているのか(働いていたのか)」「何年勤めているのか」「どんな業務を行っているのか」などを話します。とはいえ、詳しい話はその後の質疑応答で対話形式で説明できるので、現職の会社名や勤続年数、担当業務などを簡潔に話す程度にとどめましょう。

新卒採用の面接では最終学歴から自己紹介を始めるケースが多いですが、中途採用の面接では学歴は社会人になってから休職して通学したなどの事情がない限りは自己紹介の時間に言及する必要はありません。

また、社会人経験が長い場合・複数社職歴がある場合は、逆編年体式で直近の職歴で長期間従事していた仕事について言及し、それ以前は簡単に要約するのがオススメです。時系列にこだわることなく自分のキャリアに合った方法で説明すると良いでしょう。逆編年体式については下記の記事をご参照ください。

これまでの実績

次に現職などでどのような実績を挙げたのか、現職の仕事を通して身に付いたことは何か、などを自己紹介に交えて伝えましょう。その後の質疑応答で質問をされてもよいトピックスを1つ挙げる程度に留めると良いでしょう。

「実績」と言われると誰からも評価頂けるような大きなプロジェクトを成し遂げた経験がない……と不安になる方も多いですが、会社へどのような貢献をしたのかを具体的に説明できれば問題ありません。「人事担当として新システムの導入を提案し、結果的に社員の業務負担を10%削減した」「営業で1か月〇件の契約を得た」など、数字を用いて説明できるとなお良いでしょう。

志望動機・入社後に貢献したいこと

面接時間のうちにまた改めて聞かれることもありますが、自己紹介でも触れておきたいのが志望動機です。面接官としては、「似たような企業が他にもある中でなぜ自社に応募してくれたのか」が気になります。志望動機には応募先企業のパーパス、事業概要、業務内容などと自身の価値観や原体験などを絡めて伝えることで説得力が生まれるのでおすすめです。志望理由が説明しにくい場合は、入社後に貢献できそうなことを伝えても良いでしょう。

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面接で自己紹介をうまくこなすポイント

面接ではほぼ必ずといっていいほど、自己紹介を求められます。しかし、緊張していると、内容がまとまらなかったり、要点が曖昧なまま一方的に発言し続けてしまったりと、思わぬ失敗を招くことがあります。中途採用をしたいと面接官に感じてもらえるような自己紹介を実現するためにも、以下のポイントをヒントにしてみてください。

1~2分にまとまるようにする

面接で自己紹介をうまくこなすためには、まず簡潔に話すことが大切です。冗長になってしまうと、聞き手が疲れてしまうだけでなく、内容も伝わりにくくなってしまいます。自己紹介の時間について面接官からの指定がなければ約1~2分で自己紹介ができるよう、伝えたいことを絞って自己紹介をしましょう。

当日までに練習する

面接の自己紹介は、当日までに話す内容をしっかりと準備し、実際に声に出して練習を重ねておきましょう。練習した場合としなかった場合では、当日の自己紹介の印象が大きく変わります。事前準備をしていないと志望度が低いように見られてしまうことにつながります。

声に出して自己紹介をしてみると、「もっとゆっくり話そう」「この経歴はカットしたほうがコンパクトにまとまる」など、さまざまな点に気が付くことがあります。当日の面接に向けて自己紹介をブラッシュアップすることにもつながり、より面接官の目にも好印象に映りやすくなるでしょう。

稀に「話す内容をあらかじめ文章(台本)にして、それを丸暗記する」というスタイルをとる方もいますが、あまりおすすめはできません。そういうスタイルで面接に臨むと、何かを読み上げているような一方的な話し方になりがちで、聞き手には違和感を与えてしまいます。面接官とアイコンタクトをとりながら、自分の言葉として自然に話せるように練習しましょう。

ネガティブな要素を含めない

自己紹介の構成を考えるときには、ネガティブな要素を極力含めないようにしましょう。自己紹介は面接の導入部にあたります。面接の冒頭に自分のネガティブな要素(欠点や懸念事項)について持ち出してしまうと、面接官の印象に強く残ってしまい、その後の質疑応答でもその話ばかり詳しく掘り下げられる展開になってしまうかもしれません。自己紹介では自分が好印象を残すことを目的として、その後の面接の対話で深掘りされても問題ないトピックスで構成すると良いでしょう。

転職エージェントを活用して万全の対策を

面接対策に自信がない場合は、転職エージェントを活用するとよいでしょう。周囲に相談できる仲間が多い新卒の就職活動とは異なり、転職活動は孤独です。自身の経歴の棚卸、今後の自分のキャリアプランをどうしていくべきかなど腹を割って話ができる存在がいるかいないかは、自身の転職活動を良い形で進めていく上で重要です。

面接の自己紹介について自信が持てない場合は転職エージェントの担当者を面接官に見立てて一度練習代わりに自己紹介させてもらい、内容や話し方についてフィードバックをもらうようにすると良いでしょう。

転職エージェントは国内に数万社あり、職種に特化した転職エージェント、業界に特化した転職エージェント、あるいは経営層、マネジメント層に特化した転職エージェントなどそれぞれ特色があります。これまでの経験、自分が描きたいキャリアなどを踏まえ、自分に合った転職エージェントをパートナーに選びましょう。

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最後に

本記事では、面接における自己紹介についてご紹介しました。自己紹介では何を話すべきか悩む方は非常に多いです。しかし、自己紹介で話す主な内容をあらかじめ想定しておけば、対策しやすくなるため決してハードルが高いものではありません。

また、今回触れた通り、面接の自己紹介は練習を行うことが重要です。ぶっつけ本番で臨むのではなく、面接に向けて適切な自己紹介の内容を構成し、実際に声に出して練習することを徹底しましょう。中途採用で面接を控えている方や、転職したいと検討している方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしながら、自分の良さが伝わるような自己紹介ができるように目指していきましょう。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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