転職を考える際、企業の規模や業績、働く環境など、様々な要素を検討する必要があります。その中で「時価総額」は、企業の規模や市場での評価を判断する指標の一つといえるでしょう。しかしながら、時価総額は転職においてどの程度重視すべき要素なのでしょうか?この記事では、時価総額の基本的な概念やその計算方法、日本で時価総額が高い企業の例を紹介しながら、転職活動での重要性について解説します。
時価総額とは
時価総額とは企業の株式市場における評価額を示す指標の一つです。具体的には、企業が発行する全株式の総額であり、その企業が株式市場からどの程度の価値を認められているかを表しています。一般的に時価総額が高い企業は、経営基盤が安定しつつも、市場成長性や独自技術などによりまだまだ継続的な成長を期待されている企業であることが多いです。尚、時価総額は次の式で求められます。
時価総額 = 株価 × 発行済株式数
ここで「株価」はその企業の株式が市場で取引されている価格であり、「発行済株式数」は企業が発行している株式の総数を指します。例えば株価が1,000円で発行済株式数が1億株の企業の時価総額は1,000億円となります。ただし、株価は市場の動向や業績、投資家の期待など様々な要因に影響されるため、時価総額も日々変動するという前提の下、時価総額を確認するようにしましょう。
尚、2024年9月段階で日本で時価総額が高い企業としてはトヨタ自動車株式会社(41兆円)、株式会社三菱UFJフィナンシャルグループ(17兆円)、株式会社日立製作所(16兆円)、ソニーグループ株式会社(16兆円)、株式会社キーエンス(16兆円)、株式会社リクルートホールディングス(15兆円)などが挙げられます。時価総額の高い企業の特徴としては国内市場で圧倒的な市場シェアを有するだけではなく、グローバルな競争力を持ち、拡大を続けている企業が多い傾向にあります。
転職で時価総額は重視すべき?
ここまでは時価総額の概要について解説をしてきましたが、転職先を選ぶ際に、時価総額をどの程度重視すべきかは、状況や個人のキャリアプランによって異なります。時価総額が高い企業の多くは経営が安定しており、待遇や福利厚生が充実している場合が多いです。また、知名度の高い企業でのキャリアは、将来的な転職で他企業に身を移す場合にも有利に働くことがあります。
しかし、時価総額が高いからといって、必ずしも働きやすい環境が整っているわけではありません。時価総額の大きな企業では、多くの場合、組織が巨大であるが故に個々の意見やアイデアが反映されにくい場合があります他、分業制などの仕組みが整っている一方で仕事の幅に限りがあるといったデメリットもあります。
その反面、上場間もない事業フェーズの企業、あるいは非上場の企業の場合、時価総額の大きな企業と比較した際に経営基盤などの安定感に欠ける部分はあるかもしれませんが、その分、仕事の幅が広く、また途上段階にある中で管理職ポストなどへのキャリアアップの機会などが期待できるでしょう。転職の際に時価総額を参考にすることは大切ではありますが、それ以上に自身のキャリアプラン、働き方、企業の文化なども合わせて考慮した上で企業選びをすることが重要です。
転職エージェントを活用して自分に合った企業選びを
ここまで時価総額の観点での企業選びについて解説してきましたが、自身の企業選びの軸が定まっていない、あるいは自身の現状について相談したいという場合には転職エージェントを活用していくこともよいでしょう。多くの場合、転職活動は孤独です。自身の経歴の棚おろしをして、今後の自分のキャリアプランをどうしていくべきかなど腹を割って話ができる存在がいるかどうかは、転職活動のプロセスを大きく左右します。
転職エージェントは国内に数万社あり、ベンチャー業界に特化した転職エージェント、あるいは経営層、マネジメント層に特化した転職エージェントなどそれぞれ特色があります。これまでの経験、自分が描きたいキャリアなどを踏まえ、自分に合った転職エージェントをパートナーに選びましょう。
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最後に
時価総額は、企業の市場における評価を示す重要な指標の一つです。しかし、転職活動においては、時価総額だけにとらわれず、企業のカルチャーや個々の成長機会、働きやすさなど、多角的な視点から企業選びを行うことが求められます。自身の価値観やキャリア目標に合った企業を見つけることが、成功する転職の鍵となるでしょう。