大阪でメガベンチャーへの躍進が期待されるベンチャー企業を紹介!

ベンチャー、スタートアップ企業への転職を検討している中で、「メガベンチャー」という言葉を耳にすることもあるのではないでしょうか。そこでこちらの記事では、メガベンチャーの概要、今後更に成長を遂げられメガベンチャーと呼ばれる企業へと躍進が期待される関西ベンチャーのご紹介、日本を代表するメガベンチャーとの比較などを以下にて記載いたします。大阪を中心とした関西に基盤に成長を遂げてきたベンチャー、スタートアップ企業にご関心があります方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

メガベンチャーとは

実はメガベンチャーには明確な定義はありません。しかし一般的には、ベンチャー、スタートアップ企業の段階から短期間でIPOに至り、大企業と呼ばれるまでに成長をされつつも、更にアグレッシブなベンチャー風土が色濃く残る企業のことをメガベンチャーと呼ぶことが多いです。

そのようなIPOを目指すベンチャー、スタートアップ企業の中でも評価額が10億ドル(約1,040億円)を超える未上場のスタートアップ企業のことを「ユニコ―ン企業」と呼ばれており、このような企業もメガベンチャーとして括られるケースも多いです。具体的に日本国内ではニュースアプリを運営するスマートニュース株式会社(評価額:2,017億円)、Saas型クラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供する株式会社SmartHR(評価額:1,731億円)などがその代表格と言えるでしょう。

また、メガベンチャーと呼ばれる会社は、IPOをしている企業でもそのように称されるケースも多いです。IPOを果たした際に成長カーブが緩やかになる企業が多い中、上場後も積極的に新事業などに投資をする企業がメガベンチャーとして括られています。

上記にあげました企業は国内メガベンチャーの一例にはなりますが、それではどのような企業が、大阪をはじめとした関西で未来のメガベンチャーとして期待され、またどのような特徴があるのかについてご紹介します。

IPOを実現した大阪のベンチャー企業

こちらで紹介する各社は、直近でIPO(新規株式公開)を果たした大阪に本社を置くベンチャー、スタートアップ企業です。

直近5年以内にIPOをした大阪本社のベンチャー、スタートアップ企業
  • 株式会社i-plug
  • 株式会社アスタリスク
  • バルテス株式会社
  • 株式会社I-ne
  • 株式会社グラッドキューブ
  • 株式会社スマレジ
  • 株式会社オンデック
  • 株式会社リグア
  • 株式会社ジェイテックコーポレーション
  • クックビズ株式会社

以下より各社の会社概要、主力事業などについてご紹介します。大阪でどのような事業を展開する会社がIPOを果たしているのかについてご参考ください。

株式会社i-plug

会社概要(2022年3月14時点)
設立2012年4月18日
資本金5億4,040万円
時価総額92億1,100万円
売上21億5100万円(2021年3月期)
代表取締役中野 智哉
事業内容「OfferBox(オファーボックス)」の運営
公式HPhttps://i-plug.co.jp/

株式会社i-plug(大阪市淀川区)は、主力事業の新卒ダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox(オファーボックス)」の運営を中心に新卒市場で事業している会社で、転職サイト「doda」などを運営する株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)出身の中野智哉氏が2012年に設立をしています。

企業から学生に直接オファーを送れるサービスで、23万名(2021年07月現在・2022年卒/2023年卒合算)の学生が利用しています。就活生の3人に一人が利用しているという、新卒市場に欠かせないサービスの一つと言えるまでに躍進を遂げています。

ベンチャー・キャピタルなどより、数億円規模の大型の資金調達、適性検査サービスを展開する株式会社イー・ファルコンとのM&Aなどを経て、2021年に東証マザーズに株式上場を実現。特に新型コロナウィルスの影響により、合同説明会などの実施が難しい環境なども相まって、上場後も着実に利用学生を増やされています。今後の成長に注目していきたい大阪を代表するベンチャーの1社といえるでしょう。

株式会社アスタリスク

会社概要(2022年3月14日時点)
設立2006年9月1日
資本金7,082万1,000円(2021年9月30日現在)
時価総額144億6,900万円
売上17億9200万円(2021年8月期)
代表取締役鈴木 規之
事業内容AsReader事業
システムインテグレーター事業
公式HPhttps://www.asx.co.jp/

株式会社アスタリスク(大阪市淀川区)は東レ株式会社出身の現代表である鈴木規之氏が2006年9月に設立。ハードとソフト両方の技術を持つ会社としてトヨタ自動車等の製造業、東急ハンズやゴディバなどの小売業、佐川急便などの物流業、大学病院・薬局などの医療系といった大手企業に対し、モバイルと接続して使用する自動認識機器を提供しています。

2021年9月に東証マザーズに上場を果たしていますが、上場前より国内だけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、中国など世界展開にも力を入れて投資を進めるなど成長向けて積極的な経営指針であり、関西から世界への躍進が期待されるベンチャーの1社と言えるでしょう。

バルテス株式会社

会社概要(2022年3月14日時点)
設立2004年4月19日
資本金9,000万円
時価総額114億4,700万円
売上53億6200万(2021年3月期)
代表取締役田中 真史
事業内容ソフトウェアテストサービス
品質コンサルティングサービス、
ソフトウェア品質セミナーサービス
セキュリティ脆弱性診断サービス
その他品質評価、品質向上支援サービス
公式HPhttps://www.valtes.co.jp/

バルテス株式会社(大阪市西区)は、第三者によるソフトウェアテストサービスを提供している会社で、大阪と東京に本社を置いています。ウェブサイトからアプリ、産業用ロボットなど、幅広い分野でのテスト検証実績があります。

バルテスグループは、「バルテス株式会社、連結子会社(バルテス・モバイルテクノロジー株式会社、VALTES Advaned Technology, Inc.)」の3社で構成されています。ソフトウェアテストサービス以外にも、Web/モバイルアプリ開発サービスなど、多くの事業を展開しています。2019年に東証マザーズに株式上場し、それでも尚、事業領域の拡大などを目指し、成長し続けているベンチャー企業です。

株式会社I-ne

会社概要(2022年3月14日時点)
設立2007年3月
資本金32億9,181万円
時価総額237億7,600万円
売上283億9700万円(2021年12月期)
代表取締役大西 洋平
事業内容生活家電・美容雑貨等の企画
商品卸売販売
Eコマース事業
公式HPhttps://i-ne.co.jp/

株式会社I-ne(大阪市北区)は代表の大西洋平氏が2007年に起業。自社ブランドの化粧品や美容家電の開発、販売、流通までを行い、グローバルに商品を提供するマザーズ上場ベンチャーです。「BOTANIST」や「SALONIA」など、様々な有名商品を手がけています(現在では大阪本社以外にも東京、福岡、海外では中国上海にも拠点を展開)。

設立してから5年目にして10億円の売上を達成し、2020年には東証マザーズ(現東証グロース)に株式上場。上場後も新たなブランドの立ち上げなどにも積極的な経営方針を掲げており、将来的に大阪、関西を代表するメガベンチャーと称される日も遠くない企業の1社かと思います。

株式会社グラッドキューブ

会社概要(2022年10月16日時点)
設立2007年1月
資本金2億8,421万4,550円
時価総額84億2,500万円(2022年10月期)
売上12億1,500万円
代表取締役金島 弘樹
事業内容Webサイト解析・改善SaaS事業
マーケティングソリューション事業
SPAIA事業
公式HPhttps://corp.glad-cube.com/

株式会社グラッドキューブ(大阪市中央区)は広告代理店事業から事業を開始し、2022年9月に東証グロースに上場。「データ × 解析の力で世界中のプラットフォームとなる」をビジョンに、現在ではWebサイト解析SaaS「SiTest(サイテスト)」をはじめとした複数のSaaSプロダクトを展開しています。また、デジタルマーケティング領域の知見を活かし、AIを活用したスポーツメディア「SPAIA」なども展開しており、今後更なる事業領域の拡張性なども期待されるベンチャーと言えるでしょう。

株式会社スマレジ

会社概要(2022年3月14日時点)
設立2005年5月24日
資本金11億3,600万円
時価総額256億6,000万円
売上33億2400万円(2021年4月期)
代表取締役山本 博士
事業内容販売データプラットフォーム「スマレジ」の運営
CVCスマレジ・ベンチャーズの運営
公式HPhttps://corp.smaregi.jp/

株式会社スマレジ(大阪市中央区)は、iPad/iPhoneアプリを用いた高機能クラウドPOSレジ「スマレジ」を運営している会社です。「スマレジ」はリリース以来着実に成長を続けており、現在では小売・外食事業者などを中心に、97,000店舗以上(2021年7月時点)で利用されています。また、クラウドサービスでユーザーが使用するタブレットやレシートプリンターなどのレジ周辺機器の通信販売も行っています(現在は大阪以外にも東京、名古屋、福岡などで拠点展開)。

2019年には東証マザーズ(現東証グロース)に株式上場し、上場後にはCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)を設立する他、スマレジ・アプリマーケットなどの新たな仕掛けも展開。2022年春には決済事業を展開する株式会社ロイヤルゲートのM&Aも実行されています。同社をはじめSaaS企業各社の成長が著しい中、今後、メガベンチャーと称される企業として成長が期待されるベンチャーの1社といえるでしょう。

株式会社オンデック

会社概要(2022年3月14日時点)
設立2007年12月
資本金3億7,272万円
時価総額37億6,300万円
売上7億7,875万9,000円(2021年11月期)
代表取締役久保 良介
事業内容M&A仲介
企業や事業の再構築に関するアドバイザリー
企業や事業のデューデリジェンス
公式HPhttps://www.ondeck.jp/

株式会社オンデック(大阪市中央区)は中小企業のM&Aの仲介・アドバイザリー事業を行っている会社です。「事業視点」を重視したコンサルティングで、企業の課題を把握したうえで最適なマッチングを強みに創業より13年期目となる2020年に東証マザーズに株式上場を果たされています。

M&A市場は現在でも数兆円規模の市場規模があるものの、事業承継問題、あるいはベンチャー、スタートアップ企業のM&AでのEXITが台頭する中、まだまだ市場成長が見込まれるマーケットともいわれています。そのようなマーケットの追い風もある中、今後ますますの成長が期待されているベンチャーの1社といえるでしょう(M&A業界の動向、M&A業界におけるオンデック社の立ち位置等に関しては以下記事もご参考ください)。

株式会社リグア

会社概要(2022年3月14日時点)
設立2004年10月1日
資本金4億6,820万円
時価総額32億1,600万円
売上26億8700万円(2021年3月期)
代表取締役川瀨 紀彦
事業内容接骨院の運営・経営支援
公式HPhttps://ligua.jp/

株式会社リグア(大阪市中央区)は、「健康寿命を延ばし、生きることを楽しむ社会へ」をグループビジョンに掲げ、予防分野を支える代替医療業界を活性化させて経営支援をする問題解決型コンサルティングカンパニーです。

代替医療領域(接骨院・鍼灸院など)の運営と経営支援に特化したサービスの提供を主力事業として、保険代理店や金融商品仲介業を行う金融サービス事業も展開し、2020年に東証マザーズに株式上場を果たされています。業界全体をひとつ上のステージへと導くメガベンチャーとして期待のかかる企業になります。

株式会社ジェイテックコーポレーション

会社概要(2022年3月14日時点)
設立1993年12月21日
資本金8億2,124万1,000円
時価総額95億7,600万円
売上8億2,000万円(2021年6月期)
代表取締役津村 尚史
事業内容放射光施設用X線ミラーの設計製作及び販売
自動細胞培養装置の開発設計製作及び販売
各種自動化システムの開発設計製作及び販売
各種材質の表面加工における開発製造及び販売
再生医療に関する支援サービス
公式HPhttps://www.j-tec.co.jp/

株式会社ジェイテックコーポレーション(大阪府茨木市)は1993年12月に片岡実業株式会社で取締役技術部部長を務めていた現代表である津村尚史が設立。大型放射光施設向けX 線集光ミラーの研究開発・販売事業を手掛けており、同社製品は国内でも最高峰の大型放射光施設(放射光を活用した分析機関)であるSPring-8をはじめ世界各国の分析機関に納品をされています。

大阪大学ベンチャーキャピタルからの出資も受けつつ、2018年に東証マザーズ(現東証グロース)に上場を果たしていますが、同社の上場は大阪大学ベンチャーキャピタルの投資先企業の中でも初のIPOという点でも注目を集めました。また、その後も順調に経営を推移し、現在は東証一部(現東証プライム)に市場変更もなされています。

クックビズ株式会社

会社概要(2022年3月14日時点)
設立2007年12月10日
資本金4億8,566万円
時価総額19億4,000万円
売上10億3554万9千円(2021年11月期)
代表取締役藪ノ 賢次
事業内容有料職業紹介事業
求人サイト運営事業
研修事業
公式HPhttps://cookbiz.co.jp/

クックビズ株式会社(大阪市北区)はフード産業に特化した人材紹介事業、求人広告事業などのサービスを展開し、設立10年目となる2017年に東証マザーズに株式上場を果たしています。昨今の新型コロナウィルスの影響が比較的大きな企業ではありますが、このパラダイムシフトを大きな機会と捉え、2022年には株式会社久一米田商店(本社:北海道函館市)に出資の上、「食 × 事業再生」の取り組みを開始されています。

「食に関わる、あらゆる制約を解き放つ。」をミッションに、人材獲得が難しい、また離職率の高い飲食業界での雇用問題の解決を目指されています他、事業再生事業のように人材領域に捉われない事業領域への拡張など今後も益々躍進が期待される企業です。

日本を代表するメガベンチャー

ここまで大阪を中心とした関西で未来のメガベンチャーとなり得る企業の一例を紹介しましたが、ここからは東京に本社を置くメガベンチャーについて記載します。どのような企業が国内でメガベンチャーの代表格と称され、またどのような特徴があるのかなどご覧頂き、大阪、東京の違いなどについて理解を深めてください。

尚、こちらではIPOをされてから数年以内の企業から、ベンチャー風土が強く残る大手企業まで広くご紹介します。アグレッシブな成長を続ける企業について以下にてご紹介します。ご紹介する各社の事例を参考に、メガベンチャーのイメージを深めてください。

株式会社メルカリ

会社概要(2022年3月14日時点)
設立2013年2月1日
資本金401億1,000万円
時価総額4,520億1,100万円
売上1,061億1,500万円(2021年6月期)
代表取締役山田 進太郎
事業内容フリマアプリ「メルカリ」の企画・開発・運用
公式HPhttps://about.mercari.com/

株式会社メルカリ(東京都港区)は2013年に連続起業家である山田進太郎氏が創業し、フリマアプリ事業「メルカリ」、Fin Tech事業「メルペイ」などを中心に複数事業を展開、2018年に東証マザーズにIPOを果たされています(東証の市場再編が進む中、2022年1月にプライム市場への市場変更申請をあげています)。

IPO前からミクシィ出身の小泉氏、GREE出身の青柳氏などをはじめ日本を代表するベンチャーでの経営経験のある人材を迎え入れられたことなどが大きく取り上げられました他、IPO後にはOrigami Payの運営会社である株式会社OrigamiのM&A、鹿島アントラーズのM&A、NFT(Non-Fungible Token)事業参入を表明されるなど、話題に事欠きません。

ラクスル株式会社

会社概要(2022年3月14日時点)
設立2009年9月1日
資本金24億6,462万5,000円
時価総額713億4,200万円
売上302億6,100万円(2021年7月期)
代表取締役松本 恭攝
事業内容印刷・広告のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」
物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」
広告のプラットフォーム「ノバセル」
コーポレートITのプラットフォーム「ジョーンズ」
公式HPhttps://corp.raksul.com/

ラクスル株式会社(東京都品川区)は2009年に外資系コンサルティングファーム出身の松本恭攝氏が創業し、印刷会社の保有する印刷機の非稼動時間に着目したシェアリングエコノミー事業「ラクスル」にて躍進。2015年には米Red Herring誌による世界で最も革新的なテクノロジーベンチャーを選出するアワード「2015 Red Herring Top Global 100」にも選出されています。

創業から破竹の勢いで2018年に東証マザーズにIPO (2019年には東証1部に市場変更) を実現されるも、成長への投資を止めることなく、IPO前から運送会社の空き時間に着目したシェアリングエコノミー事業「ハコベル」の立ち上げを進めてこられました他、2020年には運用型のテレビCMを可能にするプラットフォーム事業「ノバセル」をリリースするなど複数事業を展開されています。

ビジョナル株式会社

会社概要(2022年3月14日時点)
設立2020年2月
※株式会社ビズリーチは2007年設立
資本金164億円(資本準備金を含む)
時価総額2,777億1,000万円
売上286億9800万円(2021年7月期)
代表取締役南 壮一郎
事業内容株式会社ビズリーチ、IEYASU株式会社、
トラボックス株式会社、イージーソフト株式会社、
株式会社スタンバイ、株式会社M&Aサクシード、
ビジョナル・インキュベーション株式会社などグループ会社の運営
公式HPhttps://www.visional.inc/ja/index.html

楽天球団の立上げなどを経験した南壮一郎氏が2007年に株式会社ビズリーチ (東京都渋谷区) を設立し、ダイレクトリクルーティングサービス「ビズリーチ」を軸に、20代向け転職サイト「キャリトレ」、人材管理クラウド「ハーモス」などHR領域にて複数の事業領域を運営しています他、事業承継・M&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」など業界の幅を越えたWebサービスなどまで多岐に渡る事業を展開しています。

2020年に持株会社となるビジョナル株式会社(東京都渋谷区)を設立し、2021年に東証マザーズに上場。時価総額1,000億円超の所謂、ユニコーン企業のIPOとなり、ベンチャー、スタートアップマーケットでは大きな注目を集めました。

エムスリー株式会社

会社概要(2022年3月14日時点)
設立2000年9月
資本金290億3,600万円
時価総額2兆7,186億8,400万円
売上1,691億9,800万円(2021年3月期)
代表取締役谷村 格
事業内容「m3.com」を中心とするプラットフォーム事業
公式HPhttps://corporate.m3.com/

エムスリー株式会社(東京都港区)はソニーコミュニケーションネットワーク(現ソニーネットワークコミュニケーションズ)の出資により、ソネット・エムスリー株式会社(現:エムスリー株式会社)を2000年に設立。創業時から現在までマッキンゼー・アンド・カンパニーでコンサルタントとして10年以上経験を重ねてこられた谷村格氏が代表を務めています。

2003年にリリースした医療従事者を対象とした医療ポータルサイト「m3.com」を主力事業とし、2004年に東証マザーズIPO、2007年には東証1部への市場変更も果たされています。現在では「m3.com」を中心に国内30万人以上、世界600万人以上の医師が利用するプラットフォームを活用たビジネスを展開し、M&Aなどによりアメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、中国、インドなどグローバルにも事業を拡大しています。

株式会社リクルートホールディングス

会社概要(2022年3月14日時点)
設立1960年3月31日
資本金400億円
時価総額7兆7,963億2,800万円
売上2兆2693億4600万円(2021年3月期)
代表取締役出木場 久征
事業内容HRテクノロジー
メディア&ソリューション
人材派遣
公式HPhttps://recruit-holdings.com/ja/

リクナビやタウンワーク、ホットペッパーに代表される広告事業を土台に多角展開し、起業家輩出企業として有名な株式会社リクルートホールディングス(東京都千代田区)は、メガベンチャーの代表格といえるでしょう。いまや時価総額12兆円規模にも上る成長を遂げつつも、これまでの広告事業と非連続な事業展開を進めています。

具体的には学習アプリ「スタディサプリ」、決済事業「Airペイ」をはじめとする新規事業の立ち上げを進め、事業化を実現しています。このような新規事業の立ち上げを後押しすべく「Ring」という社内での新規事業開発コンテストを制度化されていることなどが特徴的な企業です。

株式会社サイバーエージェント

会社概要(2022年3月14日時点)
設立1998年3月18日
資本金72億300万円
時価総額6,933億2,300万円
売上6,664億6,000万円(2021年9月期)
代表取締役藤田 晋
事業内容メディア事業
インターネット広告事業
ゲーム事業
投資育成事業
公式HPhttps://www.cyberagent.co.jp/

次にメガベンチャーの代表格として、デジタル広告事業を土台に成長しつつ、2004年に「アメーバブログ」をリリース、2009年にはゲーム事業参入と、創業期より積極的に多角展開を進めてきた株式会社サイバーエージェント(東京都渋谷区)が挙げられるでしょう。

同社の勢いは現在も衰えることなく、2016年には「AbemaTV(現ABEMA)」を開局、2019年にはAI事業に本格参入されることなども発表されました。「CAJJプログラム」「スタートアップJJJ」「ジギョつく」「あした会議」など新規事業立上げを後押しする制度を多く敷かれていることも同社のこのようなメガベンチャーたる成長を支える要因の一つと言えるでしょう。

楽天グループ株式会社

会社概要(2022年3月14日時点)
設立1997年2月7日
資本金2,059億2,400万円
時価総額1兆4,459億8200万円(2022年3月14日時点)
売上1兆6,817億5,700万円(2021年12月期)
代表取締役三木谷 浩史
事業内容インターネットショッピングモール 「 楽天市場 」
総合旅行サイト「 楽天トラベル 」
フリマアプリ 「 ラクマ 」などの ECサイト 運営
公式HPhttps://corp.rakuten.co.jp/

現代表の三木谷氏が米ハーバード大学でMBAを取得し、帰国後の1997年に楽天株式会社(現:楽天グループ株式会社)を設立。ECプラットフォーム「楽天市場」を主力事業に2000年にJASDAQに上場するも、次の一手を止めることなく「楽天トラベル」「楽天ブックス」などの新たな領域への事業拡大の他、積極的にM&Aを仕掛けることで成長を続けています。

設立より20年以上を経過した現在も「楽天ペイ」「ラクマ」「楽天モバイル」のような飛び地的な市場領域での新規事業を仕掛けるなど、勢いを衰えさせることなく、新たな事業を生み出してきた実績が同社をメガベンチャーたらしめていると言えるでしょう。

株式会社DeNA

会社概要(2022年3月14日時点)
設立1999年3月4日
資本金103億9,700万円 (2021年3月末時点)
時価総額2,375億500万円
売上1,369億7,100万円(2021年3月期)
代表取締役岡村 信悟
事業内容ゲーム、エンターテインメント、スポーツ、
ライブストリーミング、ヘルスケア、
オートモーティブ、Eコマース、その他
公式HPhttps://dena.com/jp/

マッキンゼー出身の南場智子氏が設立し、デジタル広告事業を土台にゲーム事業、「モバゲー」などゲーム事業で躍進を遂げた株式会社DeNA(東京都渋谷区)もメガベンチャーと呼べるでしょう。同社成長を支えてきたゲーム事業は基盤としつつも、モビリティ事業、ヘルスケア事業など新領域での事業立上げを積極的に進めています。

また株式会社リクルートホールディングス、株式会社サイバーエージェント、楽天グループ株式会社、株式会社DeNAの各社は、非連続な挑戦を続けていることに加え、多くの起業家を輩出していることが共通項と言えるでしょう。このように事業規模が大きくなろうとも、現場に起業家精神が根付いた企業文化が色濃く残るが故にメガベンチャーの代表格として多方面で取り上げられることが多いと言えるかと思います。

IRを確認して今後の成長性を確認

IR(Investor Relations:インベスター・リレーションズ)とは財務状況や業績の実績などを投資家に提供する活動全般のことです。上場企業は、基本的にIRをホームページに記載しています。メガベンチャーへの転職を考えているのであれば、採用サイトのみならず、IRも確認するのがおすすめです。ここでは企業理解を進める上でIRを確認しておくメリットや、どのような点に気を付けて見れば良いかのポイントをご紹介します。ぜひ、企業研究などに役立ててください。

IRを見るメリット

上場企業ではIRにて、投資家向けに情報開示をしています。これまでの沿革、ビジネスモデル、財務情報、今後の事業展望など様々な角度で企業を捉え、分析することができます。そのため、上場企業への転職を検討している場合は、事前にIR情報を確認することは必須といえるでしょう。

特にビジネスパーソンとしての成長曲線は、在籍する企業の成長曲線にある程度比例するかと思います。上場しているメガベンチャーを転職先候補とする場合には、IR情報を参考に今後どのような成長戦略を描いているのかを理解し、自分の将来のビジョンと照らし合わせて考えていくことをおすすめします。

IRを見るポイント

IR情報は、以下の3つのポイントを見るようにしましょう。

IR情報で見るべきポイント
  • 売上高、営業利益:前年度と比較して成長性はどうか
  • 好調、不調の原因:どのようなことに影響し、成長、または苦戦しているのか
  • 経営戦略:どのような戦略で今後の成長を目論んでいるか

3つのポイントを見ることで、企業の将来性を把握し、また競合他社との比較をすることができます。一般的に複数の企業を併願し、比較検討をしながら行う転職活動において情報収集や企業研究を如何に効率的に行うのかは大切です。そのような観点で見た際に、IRは企業理解を効率的に行える重要な情報の一つといえるでしょう。

これからの成長に期待のできる「勝てるベンチャー」と出会うために

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ベンチャー、スタートアップ企業への転職活動を試みた経験のある方の中には、大手企業と比べて企業情報、求人情報を探すこと、また企業概要までは分かったとしてもビジネスモデルや事業優位性など詳細な情報収集が難しいと思った方も多いのではないでしょうか。

言うまでもなく、大手企業や上場企業のように公開情報が豊富な訳ではなく、財務情報やビジネスモデルなど実態が掴みづらいのがベンチャー、スタートアップ企業です。特に設立から間もないベンチャーの場合、HPなどwebサイトに十分な予算をかけることが難しく、最低限の情報のみ記載されているような企業も少なくありません。

また、ベンチャー、スタートアップ企業は、まだ世の中にない最新技術などを駆使したビジネスを展開されている企業も多いため、HPの情報だけではなかなかビジネスの特徴や全体像などを掴みづらいというのも、転職者が情報収集に苦労する一つです。

ベンチャー、スタートアップ企業への転職活動において企業情報、求人情報を探す過程で、上記のように様々な問題に直面する場合が多く、自分に合ったベンチャー、スタートアップ企業を探し、出会うことは非常に難易度が高いです。このように情報収集が容易ではないという前提の上ではありますが、その上で以下のような探し方をご紹介します。

積極的にPRをするベンチャーと戦略的にPRを控えるベンチャー

こちらでは今後、成長性に期待のかかるベンチャー、スタートアップ企業との出会いをつくるために参考になる方法についてい解説いたします。特に積極的にPRをするベンチャー、戦略的にPRを控えるベンチャーがありますのでそのような観点について以下ご紹介します。

積極的にPRをするベンチャー

ベンチャー、スタートアップ企業の求人情報の探し方、情報収集方法としては、まず「Wantedly」を活用されることをお勧めします。企業側の視点で見た際に、Wantedlyは比較的安価な料金で利用可能なビジネスSNSであり、多くのベンチャー、スタートアップ企業がWantedly上で情報を公開しています。そのため、転職活動の第一歩として利用するツールとしてはよいかと思います。

また、「注目すべきベンチャー●選」、「優良ベンチャー●選」、あるいは経営者にフォーカスをあてた特集など、様々なテーマでベンチャー、スタートアップ企業の情報をまとめたキュレーションサイト(まとめサイト)も存在します。Web上での情報収集においては、このようなWebサイトを参考に情報収集をされると良いでしょう。

また、ベンチャー、スタートアップ企業は自社をPRする場として、行政などが主導するビジネスプランコンテストなどに出場することが多いです。ビジネスプランコンテストは経営者が自社のビジネスモデルの特徴、どのような市場成長性のあるマーケットで戦っているか、将来どのような展望を考えているかなど、具体的な内容を発表し、審査員が評価します。

ビジネスプランコンテストは一般公開しているものも多くありますが、コロナショック以降はYoutubeなどオンライン配信形式(LIVE配信のみ、あるいはYoutubeに残す場合など様々)をとるケースも増えました。そのため、仕事が忙しく、ベンチャー、スタートアップ企業を探すことになかなか時間を割けない方でも、このような場に参加しやすくなりました。

戦略的にPRを控えるベンチャー

ここまでベンチャー企業、あるいは経営者がどのような形で情報を発信しているかお話してきました。しかし、PRに積極的なベンチャー、スタートアップ企業ばかりではありません。認知度を上げることは企業の成長において重要なことではありますが、目立ちすぎることで「この市場は魅力的な市場だ」と、競合の参入を加速させてしまう可能性も高まります。こちらでは戦略的にPRを控えるベンチャー、スタートアップ企業について解説していきます。

ベンチャー、スタートアップ企業の成長において大きな脅威の一つが、大企業の参入です。資本力のある大手企業が参入する中、資金力や人材など経営資源の足りないベンチャーが太刀打ちするのは至難の業といっても過言ではありません。

そのような脅威に注意を払っている経営者は、自社HP含めwebサイト上での発信を控えている他、ビジネスプランコンテストのような表舞台には極力姿を現さず、水面下で静かにシェア獲得を推し進めるような戦略をとっていることが多いです。そして、ある程度シェアを獲得できた段階、あるいは大型の資金調達などが実現され、一気に競合各社を引き離したいという瞬間に、ようやく大々的に露出していきます。

転職エージェントを活用した水面下での採用活動

このような戦略的にPRを控えるベンチャー、スタートアップ企業は、自社の採用活動に関しても慎重です。例えば公に情報を露出する求人サイトではなく、転職エージェントなどを活用し、競合他社に動きが見えないよう、水面下で採用活動を進めるような採用施策をとる企業も多いです(特にCxOクラス、ミドルマネージャークラスの求人募集に際し、転職エージェントを活用するケースが多いです)

また、このような戦略的にPRを控える企業の場合以外においても、多くの場合、転職活動は孤独です。自身の経歴の棚卸、今後の自分のキャリアプランをどうしていくべきかなど腹を割って話ができる存在がいるかいないかは、自身の転職活動を良い形で進めていく上で重要です。

転職エージェントは国内に数万社あり、職種や業界に特化した転職エージェント、あるいは経営層、マネジメント層に特化した転職エージェントなどそれぞれ特色があります。これまでの経験、自分が描きたいキャリアなどを踏まえ、自分に合った転職エージェントをパートナーに転職活動を進めても損はないでしょう。

上記の通り、経営者の考え方、市場や競合環境により経営方針は様々であり、必ずしも露出が多いから優良ベンチャーという訳ではありません。事業フェーズがそれなりに進んでいるにも関わらず露出が少ない企業の場合には、その背景についても調べてみる、または面接において経営者に直接確認してみるのも良いでしょう。

最後に

今回はメガベンチャーの概要、これからメガベンチャーとしての躍進が期待される大阪に本社を置く上場企業を紹介しました。大阪でもこれまでと比較するとITやAIを活用する企業は増えたものの、リアルビジネスとITを融合させた事業をされる形で展開する形で成長を続けるベンチャー、スタートアップ企業が多い傾向にあるように思います。

本記事で紹介した企業以外にも、大阪には今後IPOを目論むベンチャー、あるいはニッチ戦略で成長を続けるベンチャーなど、様々なベンチャー企業が存在します。今回ご紹介しました観点をご参考に今後活躍の期待されるベンチャー、スタートアップ企業を探してみてください。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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