不動産営業からの転職について解説!

住宅、商業施設など暮らしに関わる不動産業界での営業職の仕事は大変な一方、やりがいの多い仕事の一つといえるでしょう。このような不動産業界での経験は転職市場でどのように評価されるのでしょうか。こちらの記事では不動産業界からの転職について解説をしていきます。

目次

不動産業界の特徴

不動産業界は、住宅・商業施設・オフィスビルなどの不動産開発、売買・仲介、不動産管理などを行う事業者を指します。不動産業界全体でみた特徴としては、経済や世の中の動向の影響を良くも悪くも受けやすいことなどが挙げられるでしょう。

例えば、インバウンド需要の高まりに伴って、外国人観光客が集まりやすい商業施設を含む開発計画が発表された際には、以前よりも周辺の不動産価格が高騰しているようなケースが多いでしょう。そのような事象を受けてどのような物件に下落リスクがあるのかを見立てることも不動産の営業として必要な視点となります。

不動産事業には、世の中の変化や都市開発計画など大枠で社会の動きを捉えた上で事業を動かしていく難しさがあります。多くの場合、大きな金額が動くビジネスであり、他の業界の営業と比べると比較的難易度が高い業界でもあることも特徴といえます。

不動産業界で身につくスキル・経験

それでは不動産業界で営業経験を重ねることでどのようなスキルが身につくのでしょうか。不動産業界の営業職では多くの場合、以下のようなスキルを身につけられることが期待できるでしょう。

交渉力

仲介の仕事に関わる営業職の場合には、不動産の買い手と売り手の間で価格や条件を調整する能力が身につくでしょう。多くの場合、買い手は安く購入したい、売り手は高く売却したい齟齬がある中、どのように着地点を見出し、お話を進めていくのかというプロセスが発生するでしょう。そのような着地点となる絵を描き、また双方に対してどのように伝えていくことで合意をとっていくかといった交渉は容易なことではないですが、他業界以上に交渉力が磨かれることでしょう。

ストレス耐性


不動産業界では思いがけない市場の変動、あるいは顧客の要求が厳しいことが多く、高いストレス耐性が求められます。不動産業界のプロフェッショナルは、予期せぬ問題の解決や緊急の案件対応に常に備えていなければならないため、日々の業務を通じて効果的な時間管理や優先順位の設定、冷静な意思決定を行う能力が自然と養われます。

不動産業界でのこのような経験は、ストレスがかかる環境下でも最良の結果を出すための耐性を身につけるのに役立つでしょう。転職市場においてこのような不動産営業におけるストレス耐性は、他業界でも非常に価値のあるスキルとして評価されることが多いです。

不動産に関する専門性


不動産業界で働くことにより、多くの専門的な知識とスキルが身につけられることが期待できます。宅建に代表される不動産売買の知識などの他、多くの契約書に触れる中での法務知識、あるいは不動産金融の領域に身を置いている営業の場合には、不動産投資の収益性を見極めるためのキャッシュフロー分析をはじめとした金融知識も身につくことでしょう。

不動産業界での転職

まず第一にあげられるのは、当然ながら経験の活かせる不動産業界内での転職でしょう。転職市場における市場価値を上げるためにも同じ業界内での転職の際に押さえておくべきポイントについて以下解説していきます。

報酬制度

不動産業界各社により、固定給重視、インセンティブ重視などの報酬制度の違いがあり、インセンティブ比率の高い会社などでは成果次第で年収が数千万円となることも珍しくありません。このような報酬制度の違いは自身の所得にも影響します他、将来的にマネジメントの役割を担う上でもマネジメントスタイルは大きく異なってくるといえるでしょう。

専門性

勉強などをせずに人間力で成果を上げる営業も不動産業界には多くいますが、長期に渡り、成果をあげていくためにも専門性を磨くことは必要不可欠といえるでしょう。そして不動産業界は兎に角、裾野が広く、そして奥深いです。そのような前提を踏まえ、不動産業界の中で転職を検討する際には、今後需要が高まるであろう分野はどこか、そしてどのような専門性が身につけられそうか等の観点で企業選びをすることをおすすめします。

案件規模

不動産営業の仕事の難易度は手掛ける案件規模により、大きく左右されます。中でもデベロッパー、売買・仲介などの不動産会社では、より顕著に仕事の中身に影響するでしょう。転職の際にはどのような案件を取り扱っているのか(将来的に手掛けていきたいと考えているのか)を踏まえ、会社選びをすることをおすすめします。

異業界への転職

不動産業界の営業から異業界の営業への転職も珍しくありません。こちらでは異業界への転職で評価を受けやすいケースについて解説していきます。

住宅設備・建材業界

不動産業界と密接な関係にある住宅設備・建材業界は、不動産業界での営業経験を評価されやすいでしょう。不動産業界での営業の際にはデベロッパーは勿論、仲介・売買などの仕事に携わる方でも住宅設備などに関する知識は一定必要になります。商品知識の他、近い業界故に商慣習の理解もあることから、他の業界からの転職者と比較すると即戦力に近い期待をもった評価を頂けるかと思います。

金融・M&A業界

金融機関・保険などの金融業界、M&A業界などは不動産業界での経験を評価されることが多いです。このような金融業界で評価されやすい方は、不動産業界の中でも投資用不動産の売買・仲介などで資産運用に携わっている方は利回りなどの資産評価の機会が多く、このような経験で培ったスキルをベースに金融業界に身を移される方は少なくありません。

IT・Web業界

IT・Web業界で不動産業界の営業経験者は評価されることが多いです。IT・Web業界の企業は他の業界と比べて歴史が浅く、また競合も台頭する業界である中、新たなプロダクトの拡販、競合からのリプレースなどの機会が多く想定されるため、営業力のある人材を迎え入れたい意向の下、採用活動を行われる企業は多いです。そのため、比較的厳しいとされる不動産業界の営業経験者は評価を受けやすい傾向にあるといえるでしょう。

ただし、IT・Web業界での営業職の求人は法人営業が中心となりますので、不動産業界で個人向けの営業が中心の方の場合には、法人営業で成果を出すために何ができるかといった観点を中心に面接でPRしていくことが必要といえるでしょう。

転職エージェントを活用し、転職活動を有利に

これまで不動産業界での営業経験がどのように転職市場で評価されるかについて解説をしてきました。しかしながら、勤務先、応募企業の業界の立ち位置、組織体制などによってはPRすべきポイントは当然変わってきます。折角積み重ねた経験・スキルが転職活動の中で十分に発揮できず、本来獲得できるであろう内定が貰えないというのは転職活動にのぞむすべての方が回避したいことでしょう。そのような事態を避けるために、転職エージェントを活用の上、転職活動を有利に進めていくことをお勧めします。

法人・個人を一気通貫で担当する転職エージェントの場合、キャリアカウンセリングをしてくれる転職エージェントの方が実際に企業に出入りをしているため、仕事内容の実態、企業の組織風土などHPなどで見えない情報まで入手することが可能です。応募企業固有の面接でのNGポイントなどもあるため、知っておけば回避できるようなことは転職エージェントと連携しながら乗り越えていくと良いでしょう。

転職エージェントは国内に数万社あり、特定の業界・職種に強みを有する転職エージェント、あるいは経営層、マネジメント層に特化した転職エージェントなどそれぞれ特色があります。これまでの経験、自分が描きたいキャリアなどを踏まえ、自分に合った転職エージェントをパートナーに選びましょう。

最後に

不動産業界の営業からの転職は同業界、異業界も含めて多くの選択肢をもてる可能性があります。しかしながら、転職を成功させるためには自身のこれまでのスキル・経験を棚卸の上、、それらを新しい職場でどのように活かせるかを考えることが重要です。ぜひこちら記事をご参考にして頂き、良い転職に繋げてください。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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