絶対NG!転職での経歴詐称のリスクから発覚した人の末路まで解説!

転職時に絶対やってはいけないこととして、「経歴詐称」が挙げられます。履歴書・職務経歴書の内容に虚偽があったり、入社書類に詐称があったりした場合、内定・入社後でも解雇されることがあるので注意しましょう。今回は、転職時における経歴詐称のリスク、経歴詐称が発覚するタイミングや、リファレンスチェックについても紹介します。

目次

どんな項目が経歴詐称に該当する?

経歴詐称には、内容を捻じ曲げて伝えることに加えて「あえて事実を隠す」ことも含まれます。転職時によく起きる経歴詐称として挙げられるのは、下記の10パターンです。

経歴詐称例

・卒業大学名や最終学歴を偽る
・留年(もしくは浪人)の経歴を隠す
・特定の職歴を省いて伝える
・就業歴のない会社名を職歴に加える
・入社年数や退職年数などをごまかして勤続年数を詐称する
・2社の在籍期間を合算して1社として伝える
・前職年収を水増しして伝える
・保有していない資格を伝える
・資格試験の点数を水増しする
・業務内容や職位を詐称する

例えば、大卒でないのに大卒と伝えたり、A大学卒なのにB大学卒と伝えたりすることは明らかな学歴詐称です。また、就業歴のない会社を履歴書に加えたり、フリーター期間をごまかすため勤続年数をごまかしたりするのは職歴詐称に該当します。

他にも、資格詐称・年収詐称・職務詐称などがあるので注意しておきましょう。「〇人の部下を束ねていた」とマネジメント経験を偽ったり、社内表彰・懲罰の履歴を隠したりすることも立派な経歴詐称に当たります。なかには住所・氏名・生年月日・保証人などを偽るなど、大胆な経歴詐称をする人もいます。

履歴書・職務経歴書に記載する内容のうち、いずれかひとつにでも「嘘をついたら経歴詐称」に該当することを覚えておきましょう。自分への信頼を大きく失うだけでなく、内定取り消し・解雇などキャリア形成に大きくマイナスの影響が出るので要注意です。

経歴詐称が起きる原因とは

誰しもが「経歴詐称をしてはいけない」と分かっているはずなのに、なぜ経歴詐称がなくならないのでしょうか。ここでは、経歴詐称が起きる原因・理由を解説します。

記載ミスにより起きる

最も多い理由として、記載ミスによる経歴詐称が挙げられます。いわゆる「間違い」「うっかりミス」であり、意図的な行動ではないため、本人も知らないうちに経歴詐称してしまう可能性があるのが難点です。特に、入学(卒業)年度・入社(退社)年度・資格取得年度など、年度に関わる項目は誤認が起きやすいものです。他にも、資格の等級・在職期間・出向(帰任)年などを勘違いしてしまう人は少なくありません。

複数のキャリアを歩んできた人・転職経験の多い人・取得から時間が経っている人は、特にミスを起こしやすくなります。取得した資格の運営者へ問い合わせたり、合格証書を保管しておいたりと、事前に正確に情報整理しておくことが大切です。

本人が故意で起こす

悪質なケースとして、本人が故意で起こす経歴詐称も存在します。「どうせバレないだろう」「確実に次の資格試験で合格するだろうから資格取得済みと記載しても問題ない」という考えの甘さで経歴を詐称してしまうのです。また、「どうしても応募したい仕事だが実務経験が重視されそう」「大卒でなければ認めてもらえない」などの考えで経歴詐称する人もいます。

なかには、問題の大きさに気づかないまま経歴詐称する人もいるので注意が必要です。「経歴を多少盛るくらいであれば問題ない」と考えているうちに、どんどん履歴書・職務経歴書の内容が変わってしまい、後に引けなくなるケースも少なくないのです。

経歴詐称が発覚するタイミング

経歴詐称は入社前・入社後いずれかで必ずバレると思っておきましょう。ここでは、経歴詐称が発覚するタイミングを解説します。「一見バレなさそうなことでもなぜバレてしまうのか」を知り、リスク対策としてお役立てください。

選考中・入社時に発覚する

履歴書・職務経歴書と入社書類との間で齟齬が見つかり、選考中もしくは入社時に発覚することが多いです。入社時には、ハローワークや健康保険協会から発行された下記の公的証明書が求められることがあります。いずれの公的証明書にも自分の経歴が記載されているので、履歴書・職務経歴書と突き合わせれば簡単に経歴詐称が発覚します。

経歴詐称発覚に繋がりやすい書類例

・雇用保険被保険者証
・離職票
・健康保険資格喪失証明書
・退職(離職)証明書
・課税非課税証明書
・源泉徴収票
・資格証(免許証)のコピー
・卒業証明書

総務・労務の担当者であれば雇用保険番号から過去の職歴を照会できるので、職歴詐称はすぐ明るみに出ます。例えば離職票・課税非課税証明書・源泉徴収票からは過去の収入額が分かり、年収詐称することはできません。同じく「資格証(免許証)や卒業証明書を提出できない」となれば、何か事情があると疑われてしまいます。ほとんどの場合は入社前の段階で発覚し、内定取り消しに至ることを知っておきましょう。

仕事中に発覚する

なんとか経歴詐称を続けて入社できたとしても、仕事中に発覚するケースもあります。例えば、「資格保有者であれば誰でも知っている基礎知識がない」と疑われた場合、後から資格証(免許証)のコピーを求められるかもしれません。仕事の出来が明らかに過去の職歴に合致しないスキルレベルによるものでしかない場合も、本当に資格や経験があるのか、掘り下げて調査される可能性があります。また、意外なところから経歴詐称が発覚するケースも多いです。親戚・知人・友人などが大卒でないことを話してしまったり、SNSの登録内容で詐称が発覚したりすることもあります。

他にも、「同じ大学出身のはずなのに話が合わない」「たまたま前職で勤務している知り合いがいた」という違和感が出るかもしれません。一度経歴詐称してしまうと、在職し続ける限りずっと嘘を突き続ける必要があり、負担が大きいことも事実です。

経歴詐称が発覚した人の末路とは

経歴詐称を行うべきではない理由は、倫理的な問題のみではありません。経歴詐称が発覚した場合、内容や影響の大きさに応じて、下記いずれかの末路を辿るのが一般的です。

経歴詐称が発覚した際の懲戒処分一例

・降格
・減給
・解雇
・内定取り消し

最悪の場合、損害賠償請求に至るケースもあります。特に、弁護士・看護師・薬剤師・理美容師・行政書士・公認会計士など「資格保有者がないとできない仕事(業務独占資格)」で資格を詐称してしまうと、本人だけの問題では終わりません。顧客や患者に不安を与え、会社に与えるダメージも大きくなります。詐欺罪・軽犯罪法違反などに該当する場合、実刑が避けられない可能性も高いのです。

また、証明書を偽装する行為は私文書偽造罪もしくは公的文書偽造罪に該当します。いずれの場合でも懲役・罰金など厳しい処罰を受けることになるので、経歴詐称はどのような事情があってもやめておきましょう。

日本でも導入が進んでいる「リファレンスチェック」とは

経歴詐称を見逃して採用したり、ミスマッチのある雇用をしたりしないよう、近年ではリファレンスチェックを導入する企業が増えました。リファレンスチェックとは、応募者の職務経歴書等に書かれている内容に虚偽がないか第三者の力を借りて調査・分析する手法のことを指します。

具体的には前職の上司・同僚などに協力してもらうことが多く、履歴書・職務経歴書だけではわからない人柄や活躍ぶりなどを正しく可視化することができるとして評判になりました。当然ながら、リファレンスチェック実施時に経歴詐称が判明した場合、採用につながる可能性はほぼゼロに等しくなります。前の職場でも悪い評判が出回るなど思わぬダメージを受ける可能性があるので、ひとつのリスクとして知っておきましょう。

最後に

経歴詐称には、学歴詐称・職歴詐称・職務詐称・資格詐称・年収詐称などさまざまな部類が存在します。卒業年度を間違えるなど単なる「記入ミス」が原因の経歴詐称であっても、厳しく追及される可能性があるので注意しましょう。

当然ながら故意の経歴詐称であれば心象は相当悪くなり、内定を得ることはできません。入社後であっても懲戒処分・降格・減給・損害賠償請求などに発展することがあるので、経歴は詐称せずありのままを伝えることが大切です。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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