D2C・モール・自社EC──キャリア形成で選ぶべきフィールドはどこか?

EC業界でキャリアを重ねてきた方の中には「次はどのフィールドを選ぶべきか」と思われる方も少なくないのではないでしょうか。D2C、モール、自社ECなどは同じECとして一括りにされることもありますが、ビジネス構造も求められるスキルも、そして将来の市場価値も大きく異なります。本記事では、それぞれの違いを事業構造とキャリアの観点から整理し、どの選択がどのような将来につながるのかを解説します。

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D2C・モール・自社ECのビジネス構造の違い

D2C(Direct to Consumer)

D2C(Direct to Consumer)は、商品企画から販売、CRMに至るまでを自社で一気通貫に担うビジネスモデルです。顧客との直接的な接点を持つため、短期的な売上拡大だけでなく、LTV(顧客生涯価値)の最大化やブランド構築といった中長期視点での戦略設計が求められます。その結果、マーケティングとプロダクト開発の距離が近く、顧客データを起点とした意思決定がしやすい点が大きな特徴です。

具体的なブランドとしては、男性化粧品のBULK HOMME(バルクオム)、完全栄養食を展開するBASE FOOD(ベースフード)、宅配食サービスのnosh(ナッシュ)などが代表例として挙げられます。これらの多くは、定期購入モデルを前提としており、月次や四半期単位での継続利用が収益の柱となっています。そのため、売上の予測精度が高く、広告投資や商品開発における中長期的な投資計画を立てやすい点も、D2Cモデルの大きなメリットといえるでしょう。

モール型EC

モール型ECは集客基盤をプラットフォーム(楽天市場、ZOZOTOWN、Yahoo!ショッピングなど)に依存する代わりに、オペレーションと数値管理の精度が成果を左右します。

自社ECなどでイチから集客をしていくことと比べた際に、プラットフォームのユーザーにアプローチできるため短期的な売上は立てやすいものの、価格競争やアルゴリズム変更の影響を受けやすく、戦略の自由度は限定的といえるでしょう。

自社EC

自社ECはデータは自社資産であり、CRMやデータ活用を通じて事業全体に関与できるメリットがありますが、集客などに関しては自前で行わなければならないため、安定的に売上が立つ状態まで運ぶには時間を要するのがデメリットといえるでしょう。

このような特性のため、多くのEC事業者では楽天市場などのモール型ECで一定の収益を立てつつ、並行する形で自社ECを育てていく事業運営形態をとることが多いです。

キャリアの「伸び方」が変わるポイント

キャリア形成で重要なのはどのモデルが優れているかではなく、「どの経験が将来の再現性を持つか」です。

D2C(Direct to Consumer)

D2Cでは、商品企画から販売、CRMまでを一気通貫で担うため、事業立ち上げやグロースフェーズにおける経験が評価されやすい傾向があります。顧客データを起点に仮説検証を繰り返す環境に身を置くことで、新規事業やスタートアップでも再現性のあるスキルを身につけやすい点が特徴です。

モール型EC

モール型ECでは、集客基盤をプラットフォームに依存する分、運用や数値管理のスキルが磨かれます。一方で、担当領域が限定されやすく、事業全体を俯瞰した意思決定の経験は得にくいケースもあります。そのため、キャリアの再現性という観点では評価が分かれる傾向があります。

自社EC

自社ECは、事業会社の中核に近いポジションで、売上だけでなく利益や組織運営にも関与できる点が特徴です。マーケティングとオペレーションの両面を理解する経験は、将来的にEC責任者や事業責任者を目指す上で、高い再現性を持つキャリアにつながります。

30〜40代で後悔しない選択基準

30代後半以降のキャリアでは、「何ができるか」よりも「どこまで任せられるか」がより厳しく問われるようになります。個別業務のスキルや実行力は前提条件となり、それだけでは差別化が難しくなるためです。そのため重要なのは、売上の増減だけでなく、その裏側にある利益構造を理解しているかどうかです。売上が伸びていても、原価や販促費、固定費とのバランスを踏まえた説明ができなければ、事業視点を持っているとは評価されにくくなります。

また、与えられたKPIを改善するだけでなく、どの指標を優先すべきか、どこに投資判断を下すべきかといった意思決定に関与できているかも重要なポイントです。そしてその経験が特定の会社や環境に依存したものではなく、他社でも再現可能な形で語れるかどうかが、転職市場における評価を大きく左右します。これらの視点を満たすフィールドを選ぶことが、長期的な市場価値の向上につながります。

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最後に

ECキャリアは、選ぶフィールドによって5年後・10年後の姿が大きく変わります。目先の年収や肩書ではなく、「どの構造の中で経験を積むのか」を意識することが、後悔しない転職につながります。もし今の環境でその経験が積めないと感じているなら、一度立ち止まり、キャリアの軸を見直すタイミングかもしれません。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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