現在、国内ではまだ少数派である「手取り40万円台」。2023年現在の平均手取り額は、男女共に20万円台と言われており、手取り40万円あったらもっと生活の質が上がるのでは?と考える方も多いのではないでしょうか。とくに、現在の手取り額に納得できていない方であれば「仮に手取りが40万円だったらどんな生活ができるのだろう」という関心をお持ちの方も多いと思います。こちらの記事では、手取り40万円の具体的な年収をはじめ、生活レベルや達成できる仕事について詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
手取り40万円の額面金額・年収はいくら?
手取り40万円の年収は、ボーナスの有無や天引きされる社会保険料などの額で異なりますが、一般的に、手取りは額面金額の8割前後と言われています。そのため、手取り40万円の場合の額面金額は、50万円前後です。額面金額を50万円と想定した場合、ボーナスなしであれば、「月収50万円×12か月=年収600万円」ということになります。
ただ、ボーナスありの場合、具体的なボーナスの金額は会社によって差があるため一概には言えませんが、例として一般的には月収2か月分のボーナスを年に2回としている会社であれば、「月収50万円×12か月+ボーナス100万円×2回=800万円」と算出できます。
上記でご紹介した額面金額及び年収は一例ですが、目安として参考にしてみてください。
手取り40万円の生活レベルとは
手取り40万円は、一般的に見ると比較的多い額です。令和元年時点では、男性の平均手取り額が約27万円、女性が約20万円であることを鑑みるとその差は10~20万円にも及びます。もしも手取り40万円を得られるとしたら、どのような生活レベルを実現できるのでしょうか。ここからは、家族構成ごとにおおよその生活レベルをご紹介します。
実家暮らしの場合(独身)
手取り40万円で実家暮らしであれば、非常に余裕のある生活ができるでしょう。仮に、実家に入れる生活費を7万円としても手元には33万円が残ります。また、通信費や保険、自分が使用する日用品のほか、交際費や趣味のお金などの支出があっても、20万円以上のお金を残すことも難しくありません。
実家に入れるお金 7万円
通信費 1万円
日用品 1万円
交際費 3万円
趣味・娯楽 3万円
保険料 1万円
手元に残る金額 24万円
交際費や趣味にそれぞれ3万円ずつ使うことを想定しても、手元には24万円もの金額が残ります。貯金や投資にお金を回しやすく、なるべく自由に使えるお金を増やしたい方にとっては理想的な選択肢と言えるでしょう。
1人暮らしの場合
独身で1人暮らしをする場合は、実家暮らしとは異なり家賃や水道光熱費、食費などあらゆる支出が生じます。とはいえ、手取り40万円ともなると、一人暮らしなら「自分の生活のお金」で済むので、比較的余裕のある生活が可能です。仮に家賃を10万円、食費を5万円と想定しても、手元には16万円残ると考えられます。
家賃 10万円
通信費 1万円
日用品 2万円
交際費 3万円
趣味・娯楽 3万円
食費 3万円
水道光熱費 1万円
保険料 1万円
手元に残るお金 13万円
また、食費を自炊中心にしたり、水道や電気の使用を見直したりするなど、工夫次第で20万円近い額を手元に残せるでしょう。
2人暮らしの場合
夫婦やカップルなどの2人暮らしの場合、手取り40万円ではどのような生活が見込めるのでしょうか。共働き(既婚・カップル)のケースと、一方のみが働いているケースそれぞれの例をご紹介します。
家賃 10万円
通信費 2万円
日用品 3万円
交際費 5万円
趣味・娯楽 5万円
食費 5万円
水道光熱費 2万円
保険料 2万円
手元に残るお金 26万円
※共働きで手取り40万円と手取り20万円の場合
家賃 10万円
通信費 2万円
日用品 3万円
交際費 5万円
趣味・娯楽 5万円
食費 5万円
水道光熱費 2万円
保険料 2万円
手元に残るお金 6万円
※一方のみが働いている場合
共働きであれば手元には26万円とまとまったお金が残ります。とはいえ2人分のお金なので、シンプルに分けると1人あたり13万円ほどとなります。一方、手取り40万円で自分と相手の生活を支えていくことになったら、手元に残るお金は6万円と、共働き世帯と比べると手元に残る金額は下がります。しかし、交際費や趣味・娯楽の費用、食費など節約可能な部分は多いため、工夫次第で10万円以上を貯金に回すことも可能です。
3人暮らしの場合(夫婦+子ども)
手取り40万円で「夫婦+子ども」の3人暮らしをする場合は、どのような生活レベルを実現できるのでしょうか。共働きのケースと、専業主婦・主夫がいるケースのそれぞれをご紹介します。
家賃 12万円
通信費 2万円
日用品 4万円
交際費 5万円
趣味・娯楽 5万円
食費 6万円
水道光熱費 3万円
保険料 2万円
養育・教育費 1万円
手元に残るお金 0万円
※一方のみが働いている場合
家賃 12万円
通信費 2万円
日用品 4万円
交際費 5万円
趣味・娯楽 5万円
食費 6万円
水道光熱費 3万円
保険料 2万円
養育・教育費 1万円
手元に残るお金 20万円
※共働きで手取り40万円と手取り20万円での場合
子どもがいると、休日はレジャーを楽しむことが増えるため趣味・娯楽費が高くなりやすいうえに、養育費・教育費も増えるので支出が増えます。また、子どもの年齢によっては食べ盛りで食費が高くなったり、部活動で使うものを購入する必要があったりするなど、思わぬ支出も少なくありません。家賃や交際費、水道光熱費など、無理のない範囲で見直すことで支出の削減につながります。
もしも手取り50万円だった場合の年収・生活レベル
手取り40万円は、実家暮らしや1人暮らし、共働きであれば比較的余裕のある生活が送れることが分かりました。では、もしももっと収入が増えて手取りが50万円となったら、どれくらいの生活レベルが望めるのでしょうか。ここからは、もしも手取りが50万円だった場合の年収や生活レベルをご紹介します。
年収は800万~1,000万円
手取りが50万円であれば、額面上の年収は800万~1,000万円です。天引き前の総支給額が67万円で手取りがおよそ50万円となることをふまえると、ボーナスなしなら「67万円×12か月=年収804万円」。ボーナスありなら、「67万円×12か月+67万円×2回=年収938万円」であり、ボーナスの有無に関わらず手取り50万円の年収は日本人の年収幅の中では高所得な層に入ります。
1人暮らしなら家賃15万円でも問題なし
手取りが50万円ともなると、1人暮らしなら家賃が15万円であっても極端な節約のいらない生活が送れるでしょう。
家賃 15万円
通信費 1万円
日用品 2万円
交際費 3万円
趣味・娯楽 3万円
食費 3万円
水道光熱費 1万円
保険料 1万円
手元に残るお金 31万円
30万円とまとまった金額が手元に残るので、趣味・娯楽、交際費などは数万円程度であれば上記の金額以上使っても、生活にはあまり支障がありません。また、毎日外食をしたり、頻繁に外飲みをしたりしやすい手取り額でもあるので、自炊が苦手な方や居酒屋・バーなどで飲むのが好きな方にとっては満足のできる生活レベルとなるでしょう。
マイホームの検討もしやすい額
手取り50万円もあると、マイホーム購入が検討可能な金額になってきます。マイホームのローン審査が通りやすいだけではなく、家計に余裕を持って返済計画を立てられるため、散財したり、生活レベルを高くしすぎることがなければ、「ローンの返済で毎日節約ばかり」といった生活に陥る心配もないでしょう。ちなみに、手取り50万円であれば4,000万円~5,000万円の物件の購入も視野に入れられる範囲であり、また頭金の額・世帯年収によってはさらに高額の物件の購入も難しくはありません。
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手取り40万円を達成できる仕事って?
求人情報をチェックしてみても、手取り40万円の仕事にはなかなかハードルが高いものが多いです。しかし、当たり前ではありますが手取り40万円を達成している方は存在しており、決して不可能なことではありません。ではどのような仕事が手取り40万円を実現しているのでしょうか。
ITエンジニア
人手不足が特に顕著なITエンジニアは、手取り40万円を達成しやすい仕事の代表格でしょう。一口にITエンジニアといっても、ソフトウェアエンジニア、インフラエンジニアなどさまざまな種類がありますが、いずれも高年収帯の方が多いです。高度な技術や専門知識、日々新しい情報が増えることから積極的に学ぶ姿勢などが求められますが、弁護士や公認会計士のような特別な資格は不要な仕事であり、独学で技術や知識を身に着けることも可能なので、やる気さえあれば誰でも目指せる仕事でもあります。特に現在はAIに強いエンジニア人材は転職市場でも引く手あまたです。
営業
営業は業界、扱う商材によっては、手取り40万円を達成できるチャンスがある仕事です。例えば不動産業界や保険業界などに多い歩合制(1件の契約を獲得するごとに〇万円、もしくは売上金額の〇%円という成果に連動した報酬を得られる給与モデル)を取り入れた会社であれば、契約数が多ければ手取り40万円も夢ではありません。
提案力や交渉力、ヒアリング能力など、高度なコミュニケーション能力が求められますが、未経験でも短期間で手取り40万円に達成できるチャンスもあります。勿論、不動産や保険の場合には顧客のライフプランを立てることなども提案で重要な要素であるため、それを実現するための家計に関わる金融知識などは求められる機会があるかとは思いますが、エンジニアなどの専門職と比べると参入するハードルは比較的低いと言えるでしょう。
士業
弁護士や公認会計士、社会保険労務士などの士業は手取り40万円を達成しやすい仕事の一つです。難しい国家試験を突破する必要がありますが、資格を取得できれば高い収入を安定して得られます。このような士業の方の選択肢としては弁護士事務所や会計事務所などの他、今では事業会社でも士業の方を受け入れることが一般的であり、選択肢は広く持つことが可能です。また、独立開業しやすい点など魅力も多く、試験勉強を頑張れる方であればおすすめできます。
経理
会計の専門職である経理も人材難が叫ばれる職種の一つであり、手取り40万円を目指すことが可能です。そのようなご時世の中、経理実務は未経験だとしても、簿記1級、2級などの資格を取得していれば、会計の基礎基本はある程度理解をしているものとして転職市場では内定を獲得できるでしょう。経理財務の方がキャリアアップで有利になる資格について以下記事にて解説をしておりますのでご興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
Webマーケター
Webマーケターの仕事も手取り40万円を狙える仕事です。Webマーケティング業務はインスタグラムなどのSNS運用、Web広告、SEOなどまで様々ありますが、いずれも転職市場ではITエンジニア同様にこのような経験・スキルを有する人材は不足しています。Webマーケティングの知識などがない場合には、まずは自分でBlogを始めたり、SNSでのフォロワー獲得などを始めてみると良いでしょう。また、スキルを身に着けて副業・フリーランスなどで所得を得られるようになれば手取り50万円、60万円も十分に狙えるでしょう。
管理職
職種ではありませんが、今の仕事で実績を上げ、管理職(課長職~部長職)を目指していくことも手取り40万円を実現する手段の一つといえます。様々な業界で人材不足が叫ばれる昨今、中間管理職として人材育成や仕組み作りなどのマネジメント経験が豊富な方は、転職市場でも多くの選択肢を得られます。組織を巻き込みながら結果を出すことは簡単ではありませんが、将来的に経営層へのキャリアステップなどを考えておられる方はマネジメントポジションが打診された機会にはぜひチャレンジしてみてください。
年収をあげる転職を実現するために
多くのビジネスパーソンがなかなか転職活動に十分な時間を割けないという方も多いでしょう。このような多忙なビジネスパーソンは、限られた時間の中で効率的に情報収集を行う必要があります。こちらではこのような方の転職活動で推奨する2つの手法についてご紹介します
スカウトサイトを活用した転職活動
一つ目はスカウトサイトを活用した転職活動になります。これまで主流であった転職サイトなどからスカウトを待つ転職プラットフォームに移行しつつあります。具体的には「ビズリーチ」「リクルートダイレクトスカウト(旧キャリアカーバー)」「エンミドルの転職」などが挙げられます。この転職プラットフォーム市場はこの数年で急激に市場が拡大し、2021年には前述のビズリーチを運営するビジョナル株式会社が東証マザーズ(現東証グロース)にも上場を果たしています。
これら転職プラットフォームに情報を登録しておくことで、経歴を見た転職エージェント、または企業より直接スカウトを貰うことが可能です。これまでの経験を評価してくれる企業の案件を受け取れるという点において、多忙なビジネスパーソンにとっては有効な転職手法の一つと言えるでしょう。
転職エージェントを活用した転職活動
まずは自身の現状について相談したいという場合には転職エージェントを活用していくこともよいでしょう。多くの場合、転職活動は孤独です。自身の経歴の棚卸、今後の自分のキャリアプランをどうしていくべきかなど腹を割って話ができる存在がいるかいないかは、自身の転職活動を良い形で進めていく上で重要です。
転職エージェントは国内に数万社あり、職種や業界に特化した転職エージェント、あるいは経営層、マネジメント層に特化した転職エージェントなどそれぞれ特色があります。これまでの経験、自分が描きたいキャリアなどを踏まえ、自分に合った転職エージェントをパートナーに選びましょう。
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※お話を聞いて頂くだけでもOKです。
最後に
今回は、手取り40万円の年収や生活レベルのほか、手取り40万円の仕事の一部をご紹介させていただきました。日本人の中で手取り40万円は達成できている人は非常に少ない状況ではあります。しかし、実現できれば比較的余裕のある生活が可能ですし、趣味や娯楽などを楽しむ余裕も生まれます。
手取り40万円を目指して転職しようとお考えの方は、自分の適性と比較しながら、納得のできる仕事選びをしていただきたいと思っております。