スタートアップだからこそ体感できる“事業の手触り感”
Baseconnect株式会社 マーケティングチーム 岩村東正 氏

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プロフィール

Baseconnect株式会社 マーケティングチーム 岩村東正

関西外国語大学卒業後、WEB制作会社に入社。その後、同社が事業領域拡大を目指す中、事業責任者、新規事業責任者として新サービスの立ち上げ、外部とのアライアンス締結など事業成長を牽引。2020年11月より現職。

Baseconnect株式会社

2020年11月に京都に本社を置くスタートアップ Baseconnect株式会社 に転職を決めた岩村氏。彼の過去のキャリアで感じたこと、現在携わる「Musubu」の可能性などを今回語って頂きました。

目次

就職氷河期の中、デジタルハリウッドへ

岩崎 どのような学生時代を過ごされ、社会人のキャリアをスタートされたのですか。

岩村 大学卒業を控えていた時は、リーマンショックと震災の重なった就職氷河期のタイミングでもあり、なかなか思うような選択肢がない状態でした。元々独立志向もあったこと、またデジタルが好きな分野でもあった中、一念発起し、デジタルハリウッドで1年勉強することを決断しました。

デジタルハリウッドでは総合的にWEBについて学びましたが、その中でフロントエンドの開発に興味を持つようになっていきました。そんなことを思いながらデジタルハリウッドでの勉強を終える頃、ご縁があって当時8期目でゴリゴリのベンチャー色の強いWEB制作会社に新卒1期生として入社することになりました。当時は関西出身のアグレッシブな社長を筆頭に16名ぐらいの体制で、大手代理店よりいただくWEB制作などを中心に事業を展開していました。

事業領域拡大を目指す中、新規事業の責任者に抜擢

岩崎 ベンチャー組織に入社してみていかがでしたか。

岩村 入社当初はフロントエンドの開発からスタートしたのですが、1年半後にはリーダーになり、その1年後にはWEBディレクターを任せてもらえることになりました。短期間で新たなチャレンジが続きましたが、いただいた案件を何とか良いものに出来るようにとにかくガムシャラに働いていました。

ただ大手代理店より安定的にお仕事は頂いていたものの、代表が「このままの延長では会社が成長しない」と危惧し、新たに4事業体制に移行するという経営方針転換のタイミングがありました。具体的には創業当初からのWEB制作事業、クライアントの課題を上流から解決するWEBコンサルティング事業、その他にも物販など新たな2つの事業を立ち上げることとなり、事業領域を一気に広げる形になりました。

そのような体制変更の中、WEBコンサルティング事業の事業部長に抜擢をいただきました。そして専門チームを編成し、当初は不動産、外食業界を中心にWEBコンサルティングを行っていきました。元々は制作畑でしたが、この抜擢を機会と考え、WEB制作、広告運用などWEB領域の知見を広げていき、走りながらコンサルティング事業を形にしていきました。

WEBコンサルティング事業部の事業部長として1年半程度経ち、ある程度事業も軌道にのった頃、社長より今度は当初の主力事業であったデジタルコンテンツを作る部署の責任者のお話をいただき、外部との事業提携も絡めた新サービスの立上げに挑戦することとなりました。

変化の多いベンチャー組織でもあり、フロントエンド開発、WEB制作、広告運用、コンサルティングとマルチプレイヤーのような働き方をしてきました。マーケターと言われると実は少し違和感があるんですが(笑)、それが自分の弱みでもあり、強みでもあるのかなと思います。

岩崎 新規事業責任者への抜擢からどのように事業を形にされてきたのでしょうか。

岩村 WEBコンサルティングと連動出来る新たなサービスの企画開発を進めることになったのですが、当時の時代背景としてはトリプルメディア(※)の中でも、ペイドメディアからオウンドメディアの移行を進める需要が高まってきていました。自社でメディアを運用することができれば、会社にとって大きな資産になりますからね。

そのようなトレンドの中、以前より実はCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)に着手をしていたのですが、それを外部企業との業務提携により、クライアントに使って頂きやすいようにカスタマイズし、ユーザビリティの高いサービスへとブラッシュアップを進めていきました。

この新規事業を立ち上げるときに意識してきたことは、サービスを利用いただくクライアントの意向とエンドユーザーの思いをうまく汲み取り、形にしていくということでした。クライアントの意向を重視するが故に、エンドユーザーの観点が抜けてしまうということは業界的に往々にしてあるかと思いますが、エンドユーザーにとって価値ある体験とは何かを捉えた上で形にしていくことが本質的に重要なことだと思います。

これはデジタルコンテンツだけでなく、WEBコンサルティングにも共通して言えることかと考えていますが、そこに気を配りながら丁寧に形にしていったことでマーケットに受け入れてもらえるサービスにできたと思います。

※マーケティング活動においてメディア戦略を考える際に特性の異なる各メディアを「ペイドメディア(paid media)」「オウンドメディア(owned media)」「アーンドメディア(earned media)」として分類・整理したフレームワーク

深く事業に携わりたい思いから、新たな挑戦を決断

岩村 振り返ると変化の多いベンチャー組織の中で大変なことも多かったですが、事業の立ち上げをはじめマルチに経験を積ませて頂いたことで、今の自分があると思っていますし、前職には本当に感謝しています。

ただクライアントワークの場合、自分が関与できる領域はどうしても限られてしまいます。最終的には実行するクライアントのWEB担当者の方の腕にかかっている部分もある中、事業へ深く関与することが難しい。そのような違和感が積み重なっていく中、事業会社の内側の立場に身を移し、事業に深く関わっていくことに挑戦したいと思い、現職のBaseconnectへの転職を決断しました。

岩崎 関西のベンチャー、スタートアップを中心に転職活動を行われたと思うのですが、Baseconnectへのご決断の決め手は何だったのでしょうか。

岩村 Baseconnectを初めて知った時は実はあまりビジネスの全体像がみえておらず、プロダクトの「Musubu」は言葉を選ばずに言うと企業情報が簡単に検索できるwebサービス程度に思っていました。ただ、このサービスでどんな事を目指しているのかを知りたいと思い、お話を伺った際に、この自分の認識が間違っていたなと思いました。

代表の國重さんは「B2BのGoogle」という自分が想像していたよりもずっと高い視座でこれからのビジネスを捉えており、お話の中ではその実現に向けてのどのような道筋を考えているかなどを具体的に聞かせてもらいました。自分より年下の経営者の方ながら尊敬する点が本当に多く、何より自分達の掲げるビジョンの実現にまっすぐに向き合う姿勢は純粋にすごいなと感じさせられるばかりでした。

そして「Musubu」は表面上は営業リスト作成サービスに見えるかもしれませんが、「Musubu」の保有するデータには事業拡張の可能性が溢れているようにも感じました。将来的には今のサービス領域を土台に、広範囲な事業領域に展開していき、世の中の価値観を変えていくサービスに成長していく可能性があるように思っています。

ただその一方でまだまだ足りないところや、やりきれてないところが多くある今のタイミングは、非常に面白いなと思ったのが本音でした。マルチに色んなことにチャレンジをしてきた自分だからこそ、Baseconnectがいま足りない部分を埋め、一緒に成長していくことができるのではないかと感じました。

痺れるほどの事業の手触り感

岩崎 入社をされてみて感じることをお聞かせください。

岩村 色々と新しいチャレンジができることが本当に楽しいです。会社のカルチャーとしても挑戦を大切にしていることもあり、新たな意見に対しても否定するより「まずやってみよう」という形で取り組めるのは本当に恵まれた環境だなと思います。

仕事の広さと深さを持てる中、制限なく出来る環境なのと、一気に事業を伸ばしていくフェーズでもある中、かなりの単位の予算も任せてもらっています。その分、プレッシャーもありますが、それ以上に仕事の充実感ややりがいを感じています。

また組織の観点でもやるべきことが多く、私が入社した当時はマーケティング組織は2名体制でしたが、事業の成長スピードを上げていく為には当然まだまだ人材が足りません。今は「Musubu」の拡大に向けて、どのような組織を構築していくかなども考えながら取り組んでいます。この数か月でも数名ジョインも頂き、徐々に目指す組織が形になってきているように思います。

岩崎 世の中に新しい価値提供を目指すこれからのサービスだからこそ、苦労されていることなどをお聞かせください。

岩村 「Musubu」のサービス特性も踏まえてのB2Bマーケティングに最初は難しさを感じました。例えば飛行機の部品など、ターゲットがある程度絞り込めるモノやサービスなら広告手法も分かりやすいのですが、我々の扱う営業リストは、当然ながらかなり幅広い業界で必要とされるものになります。

最終的に「Musubu」を世の中に広く使っていただける、大きな市場を狙いに行く展望ではあるものの、まずこのフェーズで一番のファンになっていただけるクライアント層はどこなのかというセグメント選定、検証に当初は苦労しました。当然、まだ世の中にない新しい価値を創り出す挑戦なので失敗はあると思いますが、挑戦を大切にする企業文化があるというのも大きいように思います。

Baseconnectではトップダウンではなく、メンバー一人ひとりが自分で考え、自分で物事を動かしていく「自律分散協調型」の組織の在り方を目指しています。その組織の実現のために「7 Values」という名前で自分達が大切にする価値観や行動指針を明確に定めていたり、またそれを詳細にまとめた「bits BOOK」というカルチャーブックを社員ひとり一人に配るなど、企業文化を根付かせることにとても力を入れています。

そのような企業文化が土台にある中、挑戦した人に対して失敗のお咎めをするのではなく、何が問題だったかの原因追求の上、それを糧に次にどう活かすかを考えるという文化が出来上がっています。そのような企業文化が私だけでなく、皆の挑戦を後押ししてくれているように思います。

「Musubu」を社会に欠かせない事業へ

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岩崎 今後、岩村さんがBaseconnectでどのような活動をしていこうと考えているかお聞かせください。

岩村 現在はマーケティング領域で裁量権をもって挑戦していることと並行し、経営メンバーの戦略ミーティングにも参加しています。詳細はまだお話ができないのですが、営業リスト作成だけではない間口を広げたサービスの企画を、初期段階ではありますが進めています。思い切って予算を掛けて進めていこうという企画でもあるのと、何より新しい事業を立上げていくことにめちゃくちゃワクワクする気持ちでのぞんでいます。

この挑戦が、先ほどお話した営業リスト作成サービスを基盤に事業領域を拡張する第一段階だと思っており、これを起点に「Musubu」を営業だけにとどまらない、より概念の大きなサービスに進化させていき、会社として目指したい方向である「B2BのGoogle」といえる規模感に繋げていきたいと考えています。自分の今取り組んでいるプロジェクトが、ビジョンの実現の第一歩に繋げられるかどうかだと思うととてもやりがいを感じられますね。

岩崎 より大きな概念にというのは具体的にどのようなことでしょうか。

岩村 今の「Musubu」は新規開拓を担当されている部門やインサイドセールス部門の方に利用いただく営業リストとしての立ち位置ですが、その後の営業活動をサポートする機能をもたせることも事業拡張の選択肢の一つとしてあるかと思います。

その他にも営業パーソンが「Musubu」を中心に繋がり、業務の効率化が進んだり、ビジネスが活性化する状況を作る仕組みができたらという構想もあります。本質的な会社経営の課題解決に繋げられる様なサービス、会社を繋げられる様な仕組みを構築していくことができれば、自分達が目指す「B2BのGoogle」と言える顧客体験に近付けるのではないかと考えています。

岩崎 最後に関西のベンチャー、スタートアップで挑戦を続ける岩村さんが今思うことをお聞かせください。

岩村 Baseconnectは京都をはじめ関西出身者の方が非常に多いのですが、その中には一度東京で就業して戻ってきた方も多数います。京都は住み心地も良い街ですし、京都で働きたいのになかなか良いベンチャー、スタートアップがなかったために、東京などに挑戦の場を求めて出ていくことがこれまでは多かったように思います。

「世界中のデータを繋げることで、ダイレクトに必要な情報にアクセスできる世界を作る」という大きな目的の実現は勿論、関西に基盤をおくスタートアップで働きたい方、あるいは関西に地縁がなくとも大きな挑戦をされたい方にとっても、Baseconnectがそのような挑戦の場を提供できる箱になれるよう、会社を成長させていきたいと思います。

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