中途採用者に内定受諾から入社日までに人事・採用担当者がすべきことを解説!

中途採用者に内定を出し、受諾された瞬間から、入社日までの期間は非常に重要です。採用された新入社員が安心して新しい職場にジョインできるように、人事・採用担当者は万全の準備とサポートを提供する必要があります。この期間の対応を疎かにすると、入社辞退や入社後の早期離職につながるリスクがあります。

本記事では内定受諾後に採用担当者がすべきことについて解説します。

目次

内定受諾後のフォローアップ

内定受諾後にまず重要なのは内定者へのフォローアップです。内定受諾の段階では内定者のモチベーションは高い状態にあることが多いですが、同時に何かしらの不安も抱えていることが多いものです。例えば仕事についていけるかの不安、職場の同僚と馴染めるかの不安などが挙げられるでしょう。

内定者が何らかの不安・懸念を抱えたまま入社日を迎えて、入社直後の早期退職に繋がってしまうというのが採用担当者としては一番回避したい展開です。そのような事態を回避するためにも採用担当者としてはいち早くこの不安を察知の上、現場の方との連携を図るなどの上、内定者に安心して入社を迎えられるようにサポートすることが大切です。

入社日を迎えるまでのコミュニケーション

内定者が一度は内定を承諾しても、入社までに他の選択肢を検討したり、入社への迷いが生じたりすることは珍しくありません。そのため採用担当者の立場としては定期的なコミュニケーションを通じ、入社意欲を維持することが必要です。そのためにも以下のようなコミュニケーションを検討してみてください。

必要書類の案内

まず内定者が入社に向けて必要となる書類や手続きの案内をスムーズに行います。具体的には、雇用契約書、労働条件通知書、住民票や年金手帳の提出などです。これらの手続きを事務的に進めるだけでなく、内定者とのコミュニケーションの機会ととらえて、もし抱えている不安があれば早めに事情をヒアリングし、入社への気持ちを固めて頂くサポートに結びつけるとよいでしょう。

社員との引き合わせ

配属予定部署メンバーとのランチ、社内イベントへのご招待など、社員との引き合わせる機会を設定することも入社までのコミュニケーションとして有効です。入社前には少なからず不安を抱くものですのでこのような機会を設定し、入社後に良いスタートをきって貰えるようにするのも良いでしょう。

オンボーディングの準備

入社日に向けてオンボーディングの準備を進めます。入社日の受け入れがいい加減な対応になってしまったことで、入社後早々にモチベーションを落としてしまうことは珍しくありません。こちらも採用担当者が担う重要な役割の一つとして認識しておくと良いでしょう。

初日のスケジュール調整

入社初日のスケジュールを詳細に組み立て、内定者に事前に共有します。オリエンテーション、デスクの準備、必要な機器の設定など、スムーズなスタートを切れるよう手配します。また、チームメンバーとの顔合わせや上司とのミーティングも初日に設定しておくと、内定者がより早く職場に慣れることができます。

研修プログラムの準備

内定者がスムーズに仕事をスタートできるために必要な研修プログラムなどがある場合、関係者と連携の上でそれらのスケジュールを立て、事前に内容を内定者に共有します。これにより、入社前に期待される役割や責任について明確に伝えられ、準備を進めてもらえます。

退職交渉のサポート

中途採用者は多くの場合、現職との退職交渉を行う必要があります。退職交渉は転職活動の中でも時にストレスフルなシーンであり、また引き止めをはじめとしたトラブルが発生することも少なくありません。採用担当者としては、可能な限り、内定者の退職交渉のサポートを行い、内定者がスムーズに退職できるよう支援していくことも役割の一つでしょう。

例えば退職交渉がもつれ、想定よりも先の日程での退職日を現職より打診されている場合、配属予定部署との間を取り持ち、配属予定部署の業務が回るように段取りをしていくようなシーンもあるでしょう。退職交渉状況の共有を受けながら、採用担当者として適宜、必要なフォローアップをいれていくようにしましょう。

転職エージェントの活用で円滑に

内定者の受け入れを円滑に進めるためには、転職エージェントの活用が非常に効果的です。転職エージェントは、内定者のフォローアップや現職での退職交渉のサポートなど、企業と内定者の間に立って様々な役割を果たしてくれる他、退職交渉などで発生するイレギュラーシーンでいかに対応すべきかなどでの豊富な引き出しも心強く感じられるでしょう。

また、先にも記載の通り、内定者の方は内定から入社までの期間は、他の選択肢を検討したり、不安を抱えたりすることがあるため、定期的なフォローアップが必要です。転職エージェントがその橋渡しを担うことで、多くの業務を抱える中で採用担当者が見落としがちな部分にも目を配ることができ、結果的に内定者の定着率向上につながります。採用プロセス全体を通じて、転職エージェントを適切に活用し、内定者が良い形でスタートを切れるようにしていきましょう。

最後に

内定者にとって内定受諾から入社日までの期間は、期待と不安が入り混じった時間となることが多いでしょう。採用担当者としてはこの期間における適切なフォローとサポートが、入社者の定着率や業務パフォーマンスに直結することを理解し、徹底したサポートを行うことが求められます。入社初日を迎えるまでに内定者の不安を解消し、スムーズに業務に取り組める環境を整えることで、双方にとって良好なスタートを切れるように進めていくと良いでしょう。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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