急成長を遂げるベンチャー、スタートアップの特徴とは?

年間の法人起業件数は5万件と言われており、2016年には資金調達も2,000億円を突破するなど、昨今ベンチャー企業が成長するための国のサポート体制も出来上がって参りました。そのような環境下でも成功、成長するベンチャー企業は、一握りと言われております。そこで今回の記事は成長できるベンチャー企業、成長できないベンチャー企業などの特徴をまとめさせて頂きました。

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目次

市場成長性の高いマーケットであるか

まず抑えるべきポイントとしては、時代が押し上げてくれる市場成長性の高いマーケットであるか、あるいは停滞、衰退フェーズにある市場なのかを見極めることが最も重要な要素になります。

例えば2000年代初頭のITバブルの時代は、インターネットのインフラが整っていない中、通信事業、通信代理店、インターネットの広告代理店などが時代を牽引しました。2006年以降は通信網などのインフラが一定量整ったこともあり、コンテンツ、ソーシャルメディア、インターネット通販、モバイル通販などのビジネスが発展しました。当時のTOPIXとしては2000年のITバブル初頭の日本にて、米Yahooに資本参加を行い、ジョイントベンチャーのYahoo Japanを設立したSoftBankは2000年2月には時価総額19兆円という市場の評価を受けました(2021年の段階では17兆円)。しかしITバブルが崩壊し、わずか1年で時価総額はおよそ100分の1にまで落ち込むなど乱高下のあるジェットコースターの様な時代でもあったかと思います。

2010年以降では2012年頃にアプリの開発、ゲーム開発、スマートフォンサービス、シェアリングエコノミー、2016年頃はSaaS、AI、インバウンドなどが急成長を遂げました。特にスマートフォンの普及が著しく進む中、メルカリやBASEの様なスマートフォンを主戦場としたアプリケーション開発を手掛けるベンチャー、スタートアップの台頭が印象にあるのではないかと思います。

このように時代が後押しをしてくれるビジネスかどうかというのは非常に重要な要素であり、2021年に例えば上記のように通信業を営み始めたとしても当時のような成長や、市場からの評価は受けることはまず不可能です。急成長を遂げるベンチャーはこのように時代の次の流れを敏感に汲み取り、新しい市場へチャレンジングな投資や挑戦を行ってる会社が圧倒的多数です。

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参考:プロダクトライフサイクル(PLC)とは?マーケティングの基礎用語を動画と記事で解説【特選】

上記の画像は、製品のプロダクトライフサイクル理論と言われているMBAビジネスのフレームワークであり、商品の投入+市場への参入時期が現在どの地点なのかを測る指標として非常に多様されている図であります。

自社の狙っているサービスの市場が現在どの地点であるのか、また成長しているベンチャーが現在どの地点にいる会社なのかを見極めるには非常に有効なフレームワークになります。

IPO(新規株式公開)、M&Aによるバイアウトなどを経験されている多くのベンチャー、スタートアップ企業は、この成長期の導入時期の後半、もしくは成長期の前半のポジションにうまく参入をされている傾向にあります。

市場規模の大きなマーケットであるか

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次のポイントは市場規模です。市場規模もまたベンチャー、スタートアップの成長を左右する重要な要素になります。

経済産業省の中小企業白書のデータからの情報ですが、中小企業の平均売上は4.8億円(中央値は9,900万円)と言われており、2020年における中小企業の数は421万社と言われております。

2016年のJPXのデータでは東証マザーズに上場を遂げる会社(2021年時点では3,762社)の46%が売上10億~20億円強と言われています。このデータから割り出すと、僅か0.089%の企業しか上場できていない現実があります。もちろん非上場の会社でも立派に成長をとげ、売上が100億、1,000億超の会社も沢山あります。

しかし成長するベンチャー企業にとっては、EXIT(IPOもしくはM&Aによるバイアウト)するまでを加味したとき、10億~20億円の売上規模にまで成長できる、成長余力のある市場なのかどうか事前に入念な調査を行い、見極めた上で市場に参入する必要があります。

尚、市場規模は一般的にはその業界のプレーヤーの売上の足し算で算出され、例えばGMSやCVSをはじめとする日本の小売業界の市場規模は100兆円以上と言われています。

一方でベンチャー、スタートアップでは市場規模を正確に捉えることが非常に難しく、多くの場合、上記とは市場規模の計算方法が変わります。まだ世の中にない新しい価値を提供するベンチャーにおいて、既存プレーヤーがほぼ存在しておらず、通常の算出方法では市場規模が出せないのです。

そのためベンチャーで市場規模を測る場合、例えば●●の課題を抱えている人は国内に▲▲人程度想定され、一人当たり◆◆円程度の支払能力がありそうだという試算を行うことで、おおよその市場規模を割り出すケースなどがあります。

伸び悩むベンチャーには市場規模を見誤り、実際にサービスリリース後に思ったより導入が進まないことなどが多く、リリース後に市場規模を再度試算し、事業計画を見直す様なケースも多くあります。

いくら創業者の志が高かったとしても、市場があまりにも小さすぎた場合には創業者の情熱だけが空回りしてしまい、努力に合わない結果になってしまう恐れがあります。

これから市場に参入される起業家、またはベンチャーに転職を考えられている方々は、そのベンチャーが参入する市場規模が大きいか否か、またはシェアを大きく獲得することが可能なプロダクトを保有しているかなどの目利きが、勝てるベンチャーを見極める上で大事なことの一つだと思います。

社長のこれまでの経験値、人間力

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市場成長性が高く、市場規模が大きいことを前提とし、次に重要なポイントは社長の経験値、人間力などになります。

筆者はベンチャーキャピタルの方々と面談する機会が多いのですが、キャピタリストの方に投資しようと決めた一番のポイントは何かと尋ねると「社長の業界経験と人間力です」と答えられることが非常に多いです。

  • その業界の専門性に長けた社長なのか?
  • 営業、マーケティング、財務、人事など多方面に長けた力をもっているのか?
  • 足りないところを自覚し、補えるように人を集める才能があるのか?

ベンチャーキャピタリストの方は社長のこのような能力を評価し、投資するか否かの判断をされています。

就職先候補となるベンチャーを見極めるときに気を付けるポイントとしては、例えば社長がいくら魅力的な人物であったとしても、それだけでは判断せず、市場規模なども含めた総合的な観点で見極め、成長性が期待できる会社かどうか判断されることをお薦めします。

また世間より注目される多くのベンチャー社長の特徴としては、メディア出演、ブログ等のソーシャルメディア、PRなどを上手に活用されていることが挙げられるかと思います。特に社長自身のブランディングに力を入れておられることが多く、それが結果的に会社のブランド向上にも繋がっているようなケースが多くみられます。

このようなベンチャーの場合、ベンチャー社長を特集されるメディアなどを通じ、社長の大切にする考え方、経歴などを事前に調べられることは会社の成長性だけでなく、カルチャーなどの理解にも繋がるので良いかと思います。ただし、表向きの注目度の高さはあるものの、事業の実態はまだまだで、掲げる目標に追いついていないケースも多々ありますので、表面的な部分に惑わされることなく、慎重に見極めていただくことをお薦めします。

経営チームの力

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  • 市場成長性が高い
  • 市場規模が大きい
  • 経験値、人間力のある社長

そして次に成長、注目されるベンチャーに多く見られるポイントとして、創業メンバーを中心とした経営チームの層が厚いことがあります。いくら社長の能力が高かったとしても、社長一人の力で会社を大きく成長させることは不可能です。会社経営の世界では、社長のマンパワーで成長できる限界は売上5億、従業員30名と言われております。

東証マザーズへの上場となると、売上10億~20億円、従業員数も50人~100人規模となり、各種専門スキルを保有した人材を集めなければなりません。成長性の高い注目ベンチャーの30名を超える会社の多くが、コアメンバーの採用に非常に大きな時間とコストを費やしております。

社長がとても魅力的な一方、実はその脇を固めるコアメンバーがいない経営チームであるが為になかなか事業を思うように進められていないようなケースは往々にしてあるかと思います。面接などの際には社長以外のコアメンバー(特にCxOクラス)のご経歴なども具体的にヒアリングし、経営チームの力を把握されることをお薦めします。

ファイナンス、資金調達力

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上記の項目がすべて満たされた上で最後に大事なポイントが、ファイナンスと資金調達力になります。会社経営における資金は血液と同じようなもので、言うまでもなく、資金無しでは会社存続は不可能です。

急成長を目指すベンチャー企業の多くではその成長曲線を形にする為に、創業期より多額の資金を投資に回し、プロダクト開発などを進める傾向にあります。創業期は銀行融資によるファイナンスは比較的難しく、エクイティファイナンスを中心とした資金調達の下、プロダクトのリリースまでは覚悟を決めてひたすらに赤字を堀り続けるということが珍しくありません。

急成長を遂げるベンチャーの多くは社長がファイナンスに長けている、またはファイナンスに長けた優秀な右腕となる人材が経営の一角を担っていることが多いです。会社の血液である資金が枯渇する前に、ベンチャーキャピタルをはじめとした投資家などに働きかけながら資金調達に動き、そこで得た資金を活用し、ビジネスを更にスケールさせていることが多いです。

ファイナンスに関しては、2010年代に入り、シリコンバレーでのベンチャーファイナンス理論を日本で取り入れられるケースも多くなりました。具体的には2013年頃よりベンチャーの資金調達のノウハウがベンチャー、スタートアップ界隈で広がり、また同時期にベンチャーキャピタルの他、事業会社、エンジェル投資家などの資金提供者がたくさん増えたため、これまでと比べると比較的資金調達がしやすい環境になりつつあります。

ただ、東京と関西では資金調達需要、ファイナンス理論に長けた経営層の数、資金提供者の数など環境が全く異なっています。関東と関西ではベンチャー企業、人材数の観点でみた際に10倍以上の差分があり、また関西ではEXIT経験者(IPOもしくはM&Aによるバイアウト)もまだまだ少ない為、エクイティファイナンスに長けたCFO(最高財務責任者)を中心とした人材獲得に各社苦戦をしている現状があります。

事業計画だけでなく、資金調達に際してどのように考えており、またそれを実現し得る体制を築けているかどうかについてもベンチャーの将来性を見極める上で非常に重要なポイントの一つといえるかと思います。

最後に

以上が急成長、注目されるベンチャーの特徴になります。これから急成長が期待されるベンチャー、スタートアップ企業を探したい、勝てるベンチャーへのご転職をお考えの方々などはぜひご参考になさってください。

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