転職の面接における服装(スーツ・ビジネスカジュアル)の選び方

「面接の服装」は大切な転職活動の成功を左右する重要なポイントです。面接に際し、普段ほとんど着る機会のないスーツを購入すべきか、ビジネスカジュアルでと言われた時に何を着るべきか、悩む方は多いでしょう。そこで、今回は転職活動における正しい服装の選び方をご紹介します。

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面接の服装が重要な理由

中途採用の面接ではキャリアが重要視されると考え、身だしなみは二の次と考えておられる転職者の方が散見されますが、中途採用・30代以上の方の転職の面接であっても服装は非常に重要です。面接における第一印象は特に重要であり、その印象に大きく関わるのが服装および身だしなみです。

まずは面接官が候補者の服装をチェックする理由を解説していきます。

基本的なマナーを守る人かどうか

清潔感のある身だしなみは社会人として基本的なマナーです。面接ではビジネスシーンにふさわしい服装・持ち物かどうか、ヨゴレやシワがなく、手入れが行き届いているかがチェックされています。また色づかいや素材、雰囲気などで、ビジネスマナーを理解していることやシーンに合わせた行動ができることが伝わります。きちんとした服装をしていることで、相手に対して失礼がないように配慮しているということを示すことができます。

面接の服装が良かったから合格するということはありませんが、身だしなみに著しく懸念を持たれてしまった場合は、その後の印象も悪くなりやすく、不採用の要因の一つになることもあります。

社風・事業内容に合った服装をしているかどうか

もし選考に合格して採用されることになれば、社外の顧客から社員の一人として見られることになります。その会社の社員としてふさわしい服装ができているかどうかが見られています。その会社のビジネスモデルや顧客の層、職種、また会社の社風によって求められるドレスコードは微妙に異なります。

例えば、金融や法律関係、製造業などの保守的な業界では、伝統的なビジネススーツスタイルが好まれます。一方、ITやクリエイティブ業界では、もう少しカジュアルなスタイルが許容されることもあるでしょう。面接前には自分が応募する企業の社風を理解することが重要です。

会社によっては社員が自由にファッションを楽しむことを許容している会社もたくさんありますが、転職シーンでは複数の会社を受ける方が多いと思われますので、堅い社風の会社に合わせたフォーマルな服装を準備しておくのが間違いないでしょう。

面接用のスーツスタイルの基本

転職活動・面接はスーツで臨みましょう。事前に「スーツ以外で」と指定された場合を除き、スーツだからという理由で第一印象が悪くなることはありません。もし今の勤務先に普段スーツで行かないのに仕事の後に面接があるという場合は、スーツ一式を持参する・ロッカーに預けておくなどの工夫をすると良いでしょう。

スーツの選び方も重要です。多くの種類やデザインがある中で、「どのスーツを選べば良いのか」が迷ってしまう方も多いでしょう。本項では、スーツ選びの基本を解説します。

スーツ選びのガイドライン(男性の場合)

男性がスーツを選ぶ場合、トレンドより「無難さ」を優先したコンサバなスタイルがおすすめです。ダブルではなくシングルブレストを選び、パンツの裾は少し余裕を持たせてブレイクが自然に生じるよう調整しましょう。

スーツの色は無地のネイビーやグレーなどのダークトーンのスーツが着回しがききます。白や薄いブルーなどの清潔感のあるシャツに、ストライプまたはソリッドなタイを合わせるのが無難です。靴は磨かれた黒か茶の革靴であれば好印象でしょう。

スーツ選びのガイドライン(女性の場合)

女性の場合は、上下の揃ったセットアップスーツを選ぶのがおすすめです。ボトムスはスカートでもパンツでも問題ありません。合わせるシャツ・インナーは主張の少ないシンプルな色・デザインを選ぶことが適切です。またスカートスーツを選ぶ場合は、スカート丈が短すぎないように注意しましょう。立っているときに膝が隠れる程度の丈がおすすめです。

なお、大ぶりなアクセサリーは悪印象につながるため身に着けないほうがいいでしょう。靴はヒール3~5cmくらいのパンプスを選ぶとバランスが良いでしょう。

フィット感のあるスーツを選ぶ

スーツにおけるフィット感は印象を左右する要素です。体型をカバーするためにオーバーサイズのアイテムを選ぶとだらしなさや実年齢より上に見えてしまう可能性があります。男女問わずスーツの各パーツが体にフィットするようにこだわることで、清潔感を印象づけることができます。ジャケットの肩幅がピッタリと合っていて、袖の長さは手首が少し見える程度に調整するのが理想的です。

なるべくスーツを新調しましょう

転職活動を始めるにあたり、スーツは新調することをおすすめします。高額なものを購入する必要はありませんが、古いスーツは形が崩れていたり、着古されてくたびれていたり、サイズが現在の体形にフィットしていないことがあったりと、第一印象を損ねがちです。

購入したきりであまり着ていないスーツというのも、季節が合っていなかったり、皺がよっていたりと、清潔感が失われているものです。また現職の仕事柄、着回し可能な手持ちのスーツがある場合であっても、生地がくたびれていたり、自分では気がつかない部分に汚れやほつれがある場合もあります。新調が難しい場合は、クリーニングに出しましょう。

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面接時の服装を「ビジネスカジュアル」と指定された場合

転職活動の面接において「ビジネスカジュアル」を指定されるケースがあります。しかし、ビジネスカジュアルの定義が曖昧なので「どこまでカジュアルにしていいのか」「逆に普通のスーツを着ていってはいけないのか」を迷ってしまうといった声が少なくありません。ここからは、ビジネスカジュアルの定義と選び方について、詳しく解説します。

ビジネスカジュアルとは

ビジネスカジュアルの服装は、フォーマルとカジュアルの中間に位置するスタイルです。男性の場合は、ダークトーンのチノパンツ・スラックスに、白やライトブルーのドレスシャツが基本です。ジャケットは着用したほうが無難ですが、ジャケパンと呼ばれるジャケットとパンツの色が異なるコーディネートでも問題ありません。またネクタイは不要です。

女性は、きちんと感のあるブラウスにスラックスや膝丈のスカートを合わせると良いでしょう。ビジネスカジュアルでは、柄物よりも無地を選び、ビビッドな色味よりも落ち着いた色味を選ぶのが無難です。靴や鞄はスーツ着用時と変えずにオフィスにふさわしいものが良いでしょう。

ビジネスカジュアル指定されているときにスーツ着用してはいけないのか

ビジネスカジュアルを指定されたが、スーツしか持っていない場合はスーツ着用でも問題ありません。男性であればノーネクタイにして色付きのシャツを着用する、女性であればワイシャツではなく襟のないトップスを着用することで、多少カジュアルダウンさせることができます。

アクセサリーの活用法

アクセサリーは使い方次第でいい印象につながるものの、面接でのアクセサリー選びでは控えめなデザインを選ぶのが鉄則です。また、男性の場合は腕時計を一つ身に着ける程度で十分ですし、女性は、小ぶりのイヤリングやネックレスでさりげなくアクセントをつける程度に留めておきましょう。また、バッグやベルトは服装に合わせたカラーで統一感を出すと、より整った印象を与えることができます。

面接で避けたほうがいい服装

では次に、面接で避けたほうがいい服装について解説していきます。面接用に推奨されているスタイルはファッショントレンドとは異なることが多々ありますが、ビジネスシーンで初対面の人との出会いにふさわしい服装を優先するというのを念頭に置いて頂くとよいでしょう。

カジュアルな服装・ヘアスタイル

面接時の服装について、服装自由、私服で可と指定されている場合であってもスニーカーやデニム、ブーツ、スウェットのようなカジュアルな服装は避けましょう。勤務中の服装については自由度が高い職場であっても、初対面におけるTPOより自分の好みや都合を優先する人として評価されることになりかねません。

評価が分かれるファッション・アイテムは避ける

会社や面接官によって評価が分かれる可能性があるファッションがいくつかあります。男性の場合は髭の有無や長い髪、女性であればカラフルなネイルアートやブリーチした明るい髪色などがそれにあたります。入社後はそれらのファッションが問題なく許容される場合も多々ありますが、面接時に挑戦するのは避けておくほうがいいでしょう。

アパレル業界やデザイン関連の職種など、業種・職種によっては服装においても本人の個性やセンスを反映した服装であることが期待されることもありますが、一般的な企業面接時の服装は没個性的なフォーマルな服装のほうが無難とされます。

学生の時に着ていたリクルートスーツ

新卒採用のために学生時代に着用していたリクルートスーツは、普通のビジネススーツとは生地や仕立てが異なる場合が多く、学生のような印象を与えがちです。社会人経験のある方の中途採用の面接シーンでの着用はおすすめできません。サイズは問題なく着られるという場合であっても、現在の自分に合ったスーツを新調されることをおすすめします。

どうしたらいい?イレギュラーな面接シーンでの服装マナー

面接の場では、季節やTPOを考慮した服装選びが非常に重要です。当日の過ごしやすさに関わるのはもちろんのこと、季節にマッチした服装か否かは面接担当者への心象にも影響します。ここからは、イレギュラーな面接の服装の工夫を見ていきましょう。

寒い季節の面接での服装のポイント

寒い季節の面接には、アウターを重ねることになります。コートや冬用のスーツを面接用に新調するのが難しい場合であっても、カジュアルなダウンジャケットやセーターで面接に参加することがないように注意しましょう。

保温性の高いインナー、マフラー、手袋といった防寒アイテムで寒さをしのぎつつ、着こみすぎてぼてっとした印象にならないよう、シルエットを整えることも重視しましょう。また、どんなに寒くても会社の建物内に入ったらすみやかにコートを脱ぎ、丁寧に畳んで携えるようにしましょう。受付をする時や最初に面接官と挨拶する時にアウターを着たままにならないように気をつけましょう。

暑い季節に快適でありながらもスマートな服装

夏場の面接では、涼しげで快適さを保ちつつもフォーマルな印象を崩さない服装選びが重要です。素材選びに重点を置き、通気性の良いリネンや綿などの素材のアイテムを取り入れると良いでしょう。カラーやデザインにおいても、明るすぎず落ち着いた色味を選ぶことで、暑苦しくない快適な印象を与えつつ、マナーを守った服装で臨むことができます。

また、エアコンが効いた室内で快適に過ごせるよう、ジャケットやカーディガンを羽織ることができるようにするなど、屋内外の温度差に対応できるファッションの工夫も大切です。さらに、暑い時期には汗対策も忘れてはなりません。清涼感のある香りのデオドラント製品を利用したり、汗じみを防ぐアンダーウェアを選んだりすることで、清潔感を保ちながら面接に参加することができるでしょう。

面接時のマスク着用について

面接時のマスク着用については、企業や業界ごとに事情が異なるのが現状です。マスクはあらかじめ持参しておき、企業・担当者ごとに合わせた着脱対応をするのが無難でしょう。

詳細は以下コラムをご参照ください。

Web面接での服装について

Web面接の服装については対面面接と同様に、スーツで問題ありません。逆にWeb面接だからといって気を抜かず、対面面接と同様に髪型・服装がビジネスシーンにふさわしいものになるように気をつけましょう。

環境設定や明るさなど、Web面接の準備については下記のコラムをご参照ください。

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最後に

本記事では、転職における面接での適切な服装について解説しました。どのような服装で面接に臨むかは、選考結果に影響することもあるため慎重に準備することが大切です。服装のマナーを守ることは、社会人としてふさわしい立ち振る舞いにつながり、信頼性にもつながります。

ぜひ、今回ご紹介した服装マナーや服装のポイントを参考にしながら、面接当日に向けて服装を決められてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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