転職活動に臨まれる方の中には、過去に応募したことのある企業・求人への思い入れが強く、再応募を迷われたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。応募の結果が不採用となったり、求人が終了してしまったり、内定を辞退したケースもあるでしょう。とはいえ、一度は「縁がない」と入社に至らなかった企業に対し、改めて再応募することは可能なのか、気になる部分ではないでしょうか。
そこで、こちらの記事では再応募の可否、再応募の際に注意すべきポイントについて解説していきます。ぜひ本記事を参考にしながら、再応募を検討してみてください。
過去の転職活動で応募した企業に再応募は可能か?
「前回の転職活動時に応募した企業に再応募できるのか?」と、多くの方が一度は考えるものではないでしょうか。結論から言うと、企業側で明確に「再応募のNGルール」を設けていない限り、再応募は可能です。
少ない事例ではあるものの、稀に「企業ごとに1年以上経過しないとNG」「過去に一度でも応募している方はNG」と明確に決めている企業もあります。しかし、各社共通のルールはありません。
再応募可能な理由
過去に応募したときと現在とでは、企業側の採用基準や求めるスキルが変わっていることがあるでしょう。再応募したタイミングで企業の欲しい人材として評価されるチャンスもあるかもしれません。また、過去に応募した際にはなかった新たなポジションが生まれていることも多々あります。そのため、企業側も合理的な判断の結果、当時はお見送りした方でも再度検討したいというケースが多々あります。
再応募しても不採用になる場合もある
ただし、面接で「ポジションに限らず、社風に合っていない」「価値観・ビジョンが致命的に合わない」という理由で不採用になった場合は期間をあけて何度応募しても難しい場合もあります。また前回応募した際に面接をドタキャンしている、連絡をせずに音信不通になっている場合など、不誠実な態度をとっていた場合は、再応募しても門前払いとなる可能性が高いです。
再応募で採用されるか否かは、前回の不採用理由にもよりますが、企業側が再応募をお断りしていないようであれば一度チャレンジしてみるといいでしょう。
新卒採用・学生時代に応募した企業に再応募は可能か?
新卒採用の時期に応募した企業に対し、社会人になって期間が経過してから再応募することは可能です。「5年前の新卒の就職活動の際に面接でご縁がなかった企業に再応募できますか?」といった質問をよくいただきます。
不採用や辞退などにより採用が決まらなかった会社に対して、再応募することについて、不安やためらいを感じる方も少なくありません。しかし、基本的に新卒採用で応募したことのある企業に、再応募することはマナー違反にはなりません。企業側も再応募を禁止していることはほぼないため、積極的に再応募しましょう。
また、「新卒の就職活動で内定を辞退した企業に応募しづらい」といった気まずさを感じて遠慮してしまう方もいるでしょう。しかし、大手企業では新卒採用と中途採用の人事担当が別々であることがほとんどです。そのため、新卒の際の面接担当者とは、別の担当者が選考を担当している可能性が高いと言えます。
そのうえ、新卒採用では学生時代に学んだことや取り組んできたことが採用の合否を左右するのに対して、中途採用では社会人としてのキャリアが主軸になって選考が行われます。「学生時代はいずれ起業したいと言っていたが、今は違うキャリアを歩んでいる」というような細かい話の矛盾も心配する必要はないでしょう。
「再応募するのは不審に思われるのでは?」「また応募している、と思われるのが不安」など、応募者側としては気になる点も多いと思います。しかし、担当者からの評価や採用にはほぼ影響がないため心配する必要はありません。
再応募までどのくらいの期間があければいいか
では再応募する際、どのくらいの期間があいていれば応募しても問題ないでしょうか。
すぐに再応募したい場合
現在の転職活動期間中、つまり1カ月以内に応募済みかつ不採用であった場合、すぐに再応募は可能なのでしょうか。これは難しいと言わざるを得ません。実際に、「つい1か月前に他の転職エージェントから応募した際、書類選考でNGになっているが再応募したい」といったお問い合わせを頂くこともあります。応募可能かどうかの確認は可能であるものの、残念ながら内定獲得のチャンスはほとんど期待できないと思われます。なぜなら、それほど短期間で選考基準や選考状況が変わることはほとんどないためです。
不採用の理由によっても異なりますが、スキルや人柄、経歴、経験などさまざまなポイントを加味したうえで選考が進みます。短期間で結果を覆すようでは、企業としての信頼感を損ねかねません。そのため、短期間で同じ企業に再応募したところで、内定を獲得するのは非常に難しいといえます。
企業側から再応募の提案があることも
最初に応募した時に「良い評価は得ていたが、惜しいところで採用してもらえなかった」「ライバルとなる他の候補者と僅差の評価であり、他候補者が辞退すれば内定を獲得できていた」というような経緯があった場合、企業側からぜひ再応募をお願いしたいと声かけられることがあります。その場合は再応募までの期間は関係なく、すぐの再応募であっても内定に至る可能性は高いといえるでしょう。
経歴をアップデートしてから
では自分から応募する場合は、どのくらいの期間をおいて再応募するのが正解でしょうか?企業によって異なりますが、最低で半年間、できれば1年くらいの期間をおいて、あなたのプロフィールがより良いものにアップデートできていることが最低条件でしょう。
このアップデートとは、前回応募から再応募までの1年間にしてきたことを追加でPRできる状態という意味です。たとえばその1年間がブランク(無職)では再応募しても受かりにくくなるだけ、ということです。再応募までの期間に同業務の経験を1年追加できた、関連する領域での資格を取得した、などの実績が問われます。
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再応募の際に注意するポイント
再応募そのものは基本的に可能ですが、必ずしも採用に進むとは限りません。少しでも採用されるチャンスを高めるためには、注意点を抑えておくことが大切です。ここからは、再応募の際に注意するポイントを解説していきます。
前回の不合格の理由を考える
再応募を検討するのであれば、実際に応募に進む前に「そもそもなぜ前回は不合格であったのか」をきちんと考えましょう。不採用の理由は企業から通知されないことが大半ですが、自分なりに心当たりを考え、対策することが大切です。前回と同じことを繰り返していては、せっかく再応募をしても同じ理由で不採用とされてしまう可能性が高いと言えます。
不合格の理由として考えられることのうち、自分が該当していたものはないか、振り返ってみましょう。
・自分のスキルや経験が応募先企業の求める水準に達していなかった
・人柄や考え方、価値観などが応募先企業の風土に合っていなかった
・面接の場でのビジネスマナーに問題があった
・応募書類に不備があった
・面接の準備を十分できておらず、適切に自分をアピールできなかった
・企業側の都合(合うポジションが無かった・業績や人件費の問題など)
・他の候補者との比較検討
自分のことを客観視し、何が理由で不採用であったのか、次に応募する際にはどのような対策を講じていくべきなのかなどについてきちんと考えましょう。とくに、応募書類の段階で不採用であった場合は、応募書類が応募先企業にマッチする内容になっていなかったのか、それとも自分のスキルや経験などの面が求められている基準に達していなかったのか、など原因はさまざまなものが想定されます。再応募で同じ理由で不採用にならないよう、事前にきちんと対策をしておくことを心がけましょう。
あえて「再応募」をアピールする
再応募で応募書類の作成や面接に臨む際には、あえて「再応募」をアピールしましょう。再応募はついつい隠したくなることかもしれません。しかし、むしろ再応募をアピールしたほうが、「入社したい」といった強い熱意を担当者に伝えることができます。「〇年前にも一度応募したのですが……」「どうしても御社の○○の事業に携わりたくて……」など、入社意欲が強い点を効果的にアピールしやすくなるでしょう。
応募先企業にきちんとプッシュしてくれる転職エージェントを利用する
応募先企業にきちんとプッシュしてくれる転職エージェントの利用は重要です。転職活動をサポートしてくれる転職エージェントは、現在数えきれないほど存在します。しかし、どんな企業と良好な関係性を築いているかは、転職エージェントによって異なります。また、単純に求人を紹介するだけの転職エージェントがある一方、きちんと求職者の要望をヒアリングしたり、求職者が入社を希望する応募先企業にしっかりとプッシュして年収交渉ができる転職エージェントもあります。
応募先企業に対し、転職エージェントの担当者から「どれだけマッチしているのか」「戦力になる理由」などを伝えてもらい、きちんとプッシュされれば再応募での採用チャンスも高まるでしょう。転職エージェントを利用する際には、知名度や企業規模だけで利用先を判断するのではなく、サービス範囲や求職者への向き合い方も重視して選びましょう。
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最後に
今回は再応募の可否や応募時の注意点などについて解説しました。本記事で触れた通り、再応募は基本的に可能である場合がほとんどです。しかし、前回の不採用の理由によっては、再応募をしても採用されるとは限りません。きちんと対策を練ったうえで、再応募に臨む必要があります。再応募したい企業がある方は、ぜひ今回ご紹介した内容を参考にしたうえで、入社希望の会社への応募にチャレンジしてみましょう。