内定辞退防止に有効な「内定者懇親会」とは?目的や実施のコツをご紹介!

内定者懇親会は、採用が決まった内定者と企業が交流を深めるための場です。入社前に内定者同士、そして企業側との関係を築くことで、内定辞退を防止し、スムーズな入社をサポートする役割を担います。本記事では、内定者懇親会の目的や効果、そして実施する際のポイントについて解説します。

目次

何のために内定者懇親会をするか

内定者懇親会とは、内定先企業と内定者との親睦を深める会のことを指します。特に、オンライン面接やリモートワークが普及した現在、内定者と社員が物理的な距離を超えてつながる場として、懇親会の重要性は高まっています。懇親会の目的には次のようなものがあります。

内定辞退の防止

内定辞退を防止することが内定者懇親会の主な目的の1つです。内定から入社までの間、長い場合は1カ月近く、内定者は期待と不安に満ちた期間を過ごすことになります。この間、退職の挨拶をしたり、有給休暇を消化しながら家族と過ごしたりするなかで、心境の変化が起きてしまうこともあります。内定者懇親会をきっかけに入社前に内定者との接点を持つことで、内定者の心配していることを聞き出し、不安を解消することが大切です。

企業文化の理解

内定者懇親会は、内定者にとって内定先の社風を感じる良い機会となります。経営層や先輩社員から会社・仕事の取組みについての話を聞くことによって内定者は会社の方針や価値観を理解しやすくなり、組織文化に自然と馴染むことができます。

内定者同士の交流

実際に内定者懇親会に参加した人の多くが、内定者同士の交流機会をポジティブにとらえています。新卒採用とは異なり、中途採用の場合、同期入社の内定者がいるケースは少ないかもしれません。たとえ異なる部署や職責であっても、入社後の人間関係の構築や社内コミュニケーションを円滑にするために、懇親会での内定者同士の交流は非常に有効です。もし複数の内定者がいない場合は、入社時期が近い社員や世代の近い社員を参加してもらい、交流を促していきましょう。

内定者懇親会の形式と内容

内定者懇親会の形式は様々です。懇親会の目的・社風・内定者の世代・職責・人数など、状況に合わせてセッティングする必要があります。

食事会形式

中途採用の内定者懇親会では、少人数になるため、食事会形式が一般的です。食事する会場は、フォーマルな会場から、職場の近くでよく社員同士で利用している飲食店など、内定者の職責や人数に合わせて選定すると良いでしょう。

オフィス見学形式

入社後に執務することになるオフィスで内定者懇親会を行うこともあります。面接を応接室で行っている場合など、職場となるオフィスを内定者が確認できていない場合は特にこの形式がおすすめです。

もちろん機密情報を取り扱うスペースに立ち入らせる必要はありませんが、可能な範囲でオフィスを確認できると、就業後のイメージが沸きやすくなります。

オンラインでの懇親会

遠方に住んでいる内定者(もしくは社員)が参加の場合、予定している内定者懇親会には参加が難しい内定者がいる場合、懇親会をオンラインで実施することもあります。対面に比べて会話を弾ませる難易度が上がりますので、グループワークや座談会形式にするなどコンテンツを事前にしっかり準備する必要があるでしょう。

成功する内定者懇親会のポイント

内定者懇親会を実施したものの、ただの飲み会になってしまい、内定者との関係構築が深まらなければ意味がありません。成功させるためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

事前準備の徹底

まず内定者懇親会に適した参加者・会場を手配します。人事や採用面接官以外に、同僚となる社員を参加者に加えると良いでしょう。参加する社員には、内定者のおおよそのプロフィールや入社後の役割、想定される質問などを事前共有し、準備を徹底することが重要です。

内定者には参加予定の社員、懇親会の会場、おすすめの服装なども含め細やかに案内し、早めに日程を確定させましょう。

内定者に歓迎の気持ちを伝える

内定者に対して「入社意思を決めて頂き感謝しています。入社を心待ちにしています。入社後の活躍を期待しています」という歓迎の意向を伝えるのも、内定者の入社意向を維持する上で大切です。

例えばミドル・シニア世代の内定者や、企業で重責を担う予定のエグゼクティブ層の内定者の場合、カジュアルすぎるセッティングでは歓迎の意や誠意が十分に伝わらない可能性があります。フォーマルで上質な会場を選び、経営層や管理職が参加することで、企業からの期待の高さを表現することをおすすめします。

双方向のコミュニケーション

内定者は、懇親会では無難な態度で聞き役にまわっていることが多く、つい企業側の参加者からの一方的な話を聞かせる展開になりやすいものです。必ず双方向のコミュニケーションになるように内定者の自己紹介や質問を引き出す時間を確保しましょう。懇親会の参加者が多い場合は、全員に交流の機会があるようにミニゲームやクイズなどコンテンツを用意したり、席替えするのも良いでしょう。

フォローアップの実施

内定者懇親会の参加者で集合写真を撮影して後日メールで送ったり、入社の記念になるような会社のオリジナルグッズを配布している事例もあります。懇親会後に内定者に感想を聞いたり、当日内定者が聞きそびれた質問に答えたりすることで、入社に対しての不安を和らげることができるでしょう。

最後に

内定者懇親会は、内定者が安心して企業に入社できるようにサポートする絶好の機会です。内定者にとっては入社前の安心感を高め、企業にとっては定着率向上や採用ブランディングの一環として重要な位置づけです。内定者懇親会を効果的に運営し、未来の社員たちと強固な絆を築いていきましょう。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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