【2021年版】関西IPOレポート

2021年は125社がIPOを果たし、14年ぶりに100社を超える活況ぶりとなりました。その中で、関西に本社を置く会社も、14社がIPOを果たしました。2021年のIPOは好調な株価などが背景にある中、このような結果となりましたが、2022年はと言うと2022年3月末現在では不透明な状況が続いています。

今回は、直近のIPOを取り巻く環境の解説と、2021年にIPOを果たした関西に本社を置く14社の概要をお伝えします。

目次

IPOとは

IPOとは、非上場企業が証券取引所に上場することで、「Initial Public Offering」の略です。日本語では、「新規公開株」「新規上場株式」などと呼ばれることもあります。証券取引所に上場することで、一般の投資家が自由にその会社の株式を売買できるようになるもので、多くのベンチャー、スタートアップ企業が目指していることとも言えるでしょう。

IPOを果たすメリットはたくさんあります。上場企業となると、知名度が上がり、社会的信用も一気に高まります。新規の取引や採用活動面でもプラス効果が期待できるでしょう。株式市場を通して資金調達できるようになるのも大きなメリットです。また、ベンチャー、スタートアップ企業の経営者などにとっての大きなメリットは、株式市場で株式を売却して、これまでの投資を回収できることです。

IPOを果たしたときには、資金調達名目で行われる「公募(新株発行)」と既存株主の株式売却である「売り出し」が行われます。公募による調達金額(公開価格×公募株数)は会社の資金になり、新規事業や広告宣伝費などの事業投資に使われます。一方、売り出しによる調達金額(公開価格×売り出し株数)は、売り出しによって株式を手放す株主が手にします。売り出しで株式を手放すのは、ベンチャーキャピタルなどが中心で、経営陣が手放す株式はあまり多くないのが一般的です。

ベンチャー、スタートアップ企業の多くは、IPOに至るまでに、ベンチャーキャピタルなどからの出資を受けています。ベンチャーキャピタルは、投資先企業がIPOを果たすことで、投資資金を大きなリターンとともに回収することができるのです。つまり、IPOは、ベンチャー、スタートアップ企業のようなハイリスクな会社に投資してくれた投資家への最大の報酬だと言えるでしょう。

2021年のIPO

2021年は、IPO社数が多い1年でした。125社がIPOを果たしています。2020年のIPOは93社であり、大きく増えていることがわかります。上場市場の内訳は下表の通りです。

上場市場IPO社数   
東証一部6社
東証二部8社
東証マザーズ93社
東証JASDAQ16社
福岡Qボード2社
※重複上場をしている場合は、主要な市場でカウント

上場した市場ごとに分類すると、東証マザーズへの上場が最も多く、ほとんどが新興市場への上場だということがわかります。125社というIPO社数は、ここ数年でも特に多いものです。また、100社を超えるIPO社数を記録したのは、2007年(121社)以来、14年ぶりのことです。これだけIPO社数が増えた背景には、次の3点があると考えられます。

株価が堅調に推移していた

2021年は株価が堅調に推移していました。新規上場が特に多いマザーズの値動きを示す「マザーズ指数」は、11月半ばごろまで高値水準を維持していたため、IPOを行った場合の公開価格や初値も高くなる傾向にあったのです。同じIPOでも、株価が高くなるときに上場する方が会社の資金調達額もベンチャーキャピタルなどの投資回収も大きくなるため、株価が高いタイミングではIPO社数が多くなる傾向があります。

2020年のIPOを見送った会社

2020年は、新型コロナウイルス問題が株式市場にも大きな影響を与えた1年でした。先行きが不透明だった4月には、上場日が決まっていた7社のうち6社が、急遽、上場を中止。それ以降の時期に上場する計画をしていた会社の中にも、IPOの先送りをしたところがあったようです。そういった会社が、市場環境や経営状況などから、2021年にIPOを行っています。

東証再編の駆け込みIPO

2022年4月からの東証再編により、「東証一部・東証二部・マザーズ・ジャスダック」の4市場が、「プライム・スタンダード・グロース」の3市場に再編されます。それに伴い、上場基準も改められることになりました。新規上場基準は再編前と大きな差はありませんが、「流通株式数」の計算方法が変わるため、その影響もあったと考えられます。

株式会社i-plug

会社概要(2022年3月27日時点)
設立2012年4月18日
資本金5億4,040万円
時価総額102億3,800万円
売上21億5100万円(2021年3月期)
代表取締役中野 智哉
事業内容「OfferBox(オファーボックス)」の運営
公式HPhttps://i-plug.co.jp/

株式会社i-plug(大阪市淀川区)は、主力事業の新卒ダイレクトリクルーティングサービス「OfferBox(オファーボックス)」の運営を中心に新卒市場で事業している会社で、転職サイト「doda」などを運営する株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)出身の中野智哉氏が2012年に設立をしています。

企業から学生に直接オファーを送れるサービスで、23万名(2021年07月現在・2022年卒/2023年卒合算)の学生が利用しています。就活生の3人に一人が利用しているという、新卒市場に欠かせないサービスの一つと言えるまでに躍進を遂げています。

ベンチャー・キャピタルなどより、数億円規模の大型の資金調達、適性検査サービスを展開する株式会社イー・ファルコンとのM&Aなどを経て、2021年に東証マザーズに株式上場を実現。特に新型コロナウィルスの影響により、合同説明会などの実施が難しい環境なども相まって、上場後も着実に利用学生を増やされています。今後の成長に注目していきたい大阪を代表するベンチャーの1社といえるでしょう。

株式会社T.S.I

会社概要(2022年3月27日時点)
設立2010年2月2日
資本金3億7,420万円
時価総額32億5,300万円
売上34億0,095万円(2021年12月期)
代表取締役北山 忠雄
事業内容サービス付き高齢者向けの住宅の建築、
及び介護サービスの提供
公式HPhttps://www.t-s-i.jp/

株式会社T.S.I(京都市西京区)は、サービス付き高齢者向け住宅運営・訪問介護・居宅介護支援を行っている会社です。近畿地方を中心に、関東・中部・中国地方にも事業所を展開しています。

主力事業である「アンジェス」は、充実した介護体制や地域の医療機関との連携強化はもちろんですが、「看取り対応」まで行っている業界でもめずらしいサービス付き高齢者向け住宅です。上場後も4施設を新たにオープンするなど、着実に成長している会社と言えるでしょう。

ステラファーマ株式会社

会社概要(2022年3月27時点)
設立2007年6月1日
資本金19億9,996万円
時価総額172億2,400万円
売上2億596万円(2021年3月期)
代表取締役上原 幸樹
事業内容BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)に使用される
ホウ素医薬品の開発及び製造販売
公式HPhttps://stella-pharma.co.jp/

ステラファーマ株式会社(大阪市中央区)は、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)に用いられる薬剤開発に取り組んでいる創薬系バイオベンチャーです。BNCTに用いらられる「ボロン10」という濃縮ホウ素を製造するステラケミファ株式会社の子会社として設立されました。

この開発は、独立行政法人科学技術振興機構(JST)の独創的シーズ展開事業における平成20年度委託開発採択課題となっています。また、内閣府の科学技術政策である先端医療開発特区(スーパー特区)に採択された「イメージング技術が拓く革新的医療機器創出プロジェクト」の協力企業にも名を連ねています。

テスホールディングス株式会社

会社概要(2022年3月27日時点)
設立2009年7月9日(実質上1979年5月26日)
資本金100万円
時価総額550億2,300万円
売上342億4,900万円(2021年6月期)
代表取締役石脇 秀夫
事業内容再生可能エネルギー発電所の開発・売電、小売電気事業、
コージェネレーションシステムを始めとした
各種環境・省エネ対策システム等の
設計・調達・施工・オペレーション&メンテナンス
公式HPhttps://www.tess-hd.co.jp/

テスホールディングス株式会社(大阪市淀川区)は、省エネルギー領域と再生可能エネルギー領域で事業展開を行っています。グループ企業であるテス・エンジニアリング株式会社がコージェネレーションシステムや太陽光発電システムなどを手掛け、協立エンジニアリング株式会社がユーティリティ設備の設計・調達・施工などを行っています。また、グループで再生可能エネルギー発電所を保有しており、2021年9月末時点で、全国で太陽光発電所61件、バイオマス発電所1件、風力発電所6件が現在運転中です。

株式会社Enjin

会社概要(2022年3月27日時点)
設立2007年3月6日
資本金9億0,333万円
時価総額229億4,000万円
売上21億6,388万円(2021年5月期)
代表取締役本田 幸大
事業内容法人/経営者、医療機関/医師向けPR支援サービスの
提供及びマッチングプラットフォームの運営
公式HPhttps://www.y-enjin.co.jp/

株式会社Enjin(大阪市北区)は、中小企業・中堅企業・医療機関向けのPR支援サービスを手掛けている会社です。広報・PRは、大企業でもなければ、しっかりしたチームができていないことがほとんどです。そこでEnjinは、PRのプロフェッショナルとして、広報戦略の立案やメディアリレーションを支援しています。

これからは中小企業やベンチャー、スタートアップ企業、医療機関においてもブランディングが必要な時代だと考えて、積極的な事業展開を行っています。

株式会社デコルテ・ホールディングス

会社概要(2022年3月27日時点)
設立2001年11月6日
資本金1億5,538万円
時価総額57億3,200万円
売上45億9,219万円(2021年9月期)
代表取締役小林 健一郎
事業内容フォトウェディング、アニバーサリーフォト等の
サービスを提供するスタジオ事業、及びフィットネス事業
公式HPhttps://www.decollte.co.jp/

株式会社デコルテ・ホールディングス(兵庫県芦屋市)は、全国にウェディングやファミリーのアニバーサリー向けのフォトスタジオを展開している会社です。結婚式のスタイルが伝統的なものから多様化が進む中で、新しい時代のウェディングニーズに応えられる提案を行うクリエイターがそろっていることを強みとしています。

2001年に現在も代表を務める小林 健一郎氏が創業。その後、2017年に投資ファンドのキャス・キャピタル株式会社が同社の全株式を取得し、ファンドの後方支援の下、体制強化を進め、IPOを実現された形になります。

BCC株式会社

会社概要(2022年3月27日時点)
設立2014年1月20日
資本金1億6,876万円
時価総額11億5,900万円
売上11億2,388万円(2021年9月期)
代表取締役伊藤 一彦
事業内容大手IT企業への営業支援サービスの提供、
ヘルスケア分野での市場調査やプロモーション支援の提供、
ヘルスケア関連施設の運営受託
公式HPhttps://www.e-bcc.jp/

BCC株式会社(大阪市西区)は、IT営業アウトソーシング事業とヘルスケアビジネス事業を行っている会社です。IT業界においては、未経験者をIT営業として育成すること、IT営業に特化したアウトソーシングサービスを行うことで、独自のポジションを確立しています。また、ヘルスケアビジネスにおいても、「介護レクリエーション」という独特なジャンルを中心に事業展開を行う他、自治体や医療機関・介護施設のヘルスケアDX実現をサポートしています。

株式会社コラントッテ

会社概要(2022年3月27日時点)
設立1997年10月13日
資本金4億7,678万円
時価総額60億5,800万円
売上37億5,250万円(2021年9月期)
代表取締役小林 克已
事業内容医療機器及びヘルスケア商品の製造、販売等
公式HPhttps://colantotte.co.jp/

株式会社コラントッテ(大阪市中央区)は、磁気で血行改善やコリ緩和をする「コラントッテシリーズ」で知られる会社です。コラントッテシリーズは、アスリートやアーティストの愛用者も多く、マーケティング戦略やブランド戦略に長けた会社としても知られています。しかし、それだけではなく、医療機器として認証を受けた製品であることや、利用者の緊急時に家族などに連絡が入る「生活不安に関する領域」でのサービスを行っていることなど、QOL向上に取り組んでいる会社です。

タンゴヤ株式会社

会社概要(2022年3月27日時点)
設立1949年4月26日
資本金8,000万円
時価総額36億6,700万円
売上83億2,629万円(2021年7月期)
代表取締役田城 弘志
事業内容メンズ、レディースのオーダースーツ及び
オーダーシャツ等の企画・販売
公式HPhttps://tangoya.co.jp/

タンゴヤ株式会社(大阪市中央区)は、創業90年を超える老舗で、「Global Style」というオーダースーツショップを全国展開している会社です。オーダースーツと言えば高価なものだというイメージがありますが、上質なスーツを百貨店の半額ほどのリーズナブルな価格で提供しています。また、オーダーする時間を楽しんでもらえるような工夫を凝らしています。

株式会社アスタリスク

会社概要(2022年3月27日時点)
設立2006年9月1日
資本金7,082万1,000円(2021年9月30日現在)
時価総額175億0,300万円
売上17億9200万円(2021年8月期)
代表取締役鈴木 規之
事業内容AsReader事業
システムインテグレーター事業
公式HPhttps://www.asx.co.jp/

株式会社アスタリスク(大阪市淀川区)は東レ株式会社出身の現代表である鈴木規之氏が2006年9月に設立。ハードとソフト両方の技術を持つ会社としてトヨタ自動車等の製造業、東急ハンズやゴディバなどの小売業、佐川急便などの物流業、大学病院・薬局などの医療系といった大手企業に対し、モバイルと接続して使用する自動認識機器を提供しています。

2021年9月に東証マザーズに上場を果たしていますが、上場前より国内だけでなく、アメリカ、ヨーロッパ、中国など世界展開にも力を入れて投資を進めるなど成長向けて積極的な経営指針であり、関西から世界への躍進が期待されるベンチャーの1社と言えるでしょう。

株式会社ブロードエンタープライズ

会社概要(2022年3月27日時点)
設立2000年12月15日
資本金7億5,095万円
時価総額33億2,500万円
売上25億0,054万円(2021年12月期)
代表取締役中西 良祐
事業内容マンション向け高速インターネット「B-CUBIC」、
後付けIoTオートロックシステム「ブロロック」を展開
公式HPhttps://broad-e.co.jp/

株式会社ブロードエンタープライズ(大阪市北区)は、マンション経営向けに集合住宅の全戸一括インターネットやオートロックシステムを提供している会社です。

また、自社の使命を「マンション管理をIoTでスマート化する」としており、これから「BRO-CLOUD」というマンションの管理業務を効率化するDXサービスの展開を予定しているようです。不動産という昔からある業界の中で、最先端の事業に挑戦しようとしている会社だと言えるでしょう。

湖北工業株式会社

会社概要(2022年3月27日時点)
設立1959年9月30日
資本金3億5,000万円
時価総額765億9,000万円
売上146億2,001万円
代表取締役石井 太
事業内容アルミ電解コンデンサ用のリード端子、
及び光ファイバ通信網用の光部品・デバイスの製造・販売
公式HPhttps://www.kohokukogyo.co.jp/

湖北工業株式会社(滋賀県長浜市)は、アルミ電解コンデンサをはじめとする部品を製造する、設立から60年以上経っていますが、時代の最先端を走る会社です。

中でも、アルミ電解コンデンサ用のリード端子は、年間生産個数400億個以上で、世界シェア40%を誇る主力商品です。2020年には、経済産業省の「グローバルニッチトップ企業100選」に選ばれるなど、日本の製造業の強さを証明する会社のひとつと言えます。また、ここ数年で売上や利益を大きく伸ばしている成長企業でもあります。

株式会社ライフドリンクカンパニー

会社概要 (2022年3月27日時点)
設立1972年3月28日
資本金10億4,500万円
時価総額141億3,200万円
売上227億3,500万円(2021年3月期)
代表取締役岡野 邦昭
事業内容清涼飲料の製造販売
公式HPhttps://www.ld-company.com/

株式会社ライフドリンクカンパニー(大阪市北区)は、ミネラルウォーターやお茶などの製造販売を行っている会社です。飲料というコモディティー商品を製造販売していますが、ミネラルウォーターなどの飲料そのものだけでなく、ペットボトルなど樹脂製品の工場まで有する飲料メーカーとしては稀有なビジネスモデルにより、直近でも堅実に成長している会社で、生産数量・売上高を増やしています。

現在も関西以外にも国内に複数の工場を有していますが、その多くが自社での工場設ではなく、積極的にM&Aを行ってきた中で構成されてきたことも同社成長の特徴であり、今後の戦略にも「M&Aによる生産能力の獲得」などの記述があります。

株式会社長栄

会社概要 (2022年3月27日時点)
設立1988年4月5日
資本金7億0,979万円
時価総額79億7,700万円
売上80億3,125万円
代表取締役長田 修
事業内容不動産管理事業及び不動産賃貸事業
公式HPhttps://www.kk-choei.co.jp/

株式会社長栄(京都市伏見区)は、京都エリアで大きなシェアを持つ、関西屈指のマンション管理会社です。不動産管理を事業として行っている会社の多くが不動産仲介業を柱としているのに対し、長栄は不動産管理事業を柱としているという特徴があります。不動産管理が本業だからこそ、不動産オーナーや入居者向けのサービスを充実させることができています。IPOをきっかけに、事業基盤の京都だけでなく、東京や愛知などの大都市圏での事業拡大を目指しているようです。

2022年のIPO

2022年のIPOは、2021年と比べると低調な結果に終わると見られています。実際、現在わかっている3月末段階まででも、25社にとどまっています。その理由は、「株価が低調で、先行きも不透明だから」だと言えます。

年初からの株価が低調

2022年は、年初から株価が下落基調にありました。そのため、IPOを急遽取りやめたケースが6件もあります。日経平均株価はかなり値を戻しているのですが、マザーズ指数はいまだ低迷を続けているためです。そのため、資金調達額が少なくなることや初値の公募価格割れなどを嫌っていると考えられます。

4月は10社が上場を予定していますが、ウクライナ情勢などで不透明な状況が続いていることもあるため、今後の状況次第では、IPOのペースが伸びなくなる可能性もあります。

アメリカの金利引き上げ懸念

アメリカではFRBが金利の引き上げを決定しました。これを受けて、ベンチャー企業のバリュエーションに影響が出ると考えられています。日本では超低金利政策が継続されていますが、新興市場の株価はその影響を受けています。FRBが追加利上げを検討していることもあり、利上げによる影響が長期化する可能性も否定できません。

こういった理由で、2022年のIPOは2021年よりも少なくなると考えられていますが、これからの株価次第で動向は大きく変化する可能性もあります。また、2022年のIPOではなく、その先の株価回復を見込んで、2023年以降のIPOに向けて準備を進めるベンチャー、スタートアップ企業も少なくないでしょう。こういった会社では、IPOに向けての準備や社内体制構築のための人材を積極的に採用しているでしょう。転職してIPOを経験するという意味では、今は良いタイミングと言えるかもしれません。

最後に

2021年のIPOは非常に好調でした。今のところ、2022年のIPO社数は現在のところ昨年ほど多くありませんが、IPOの準備を進めているベンチャー、スタートアップ企業はたくさん控えています。

新興市場の株価が低迷している期間は、ベンチャー、スタートアップ企業にとって、IPOを成功させるための準備期間でもあると言えるでしょう。そういった会社に転職し、IPOに関する業務や社内体制構築に携わることで、ビジネスパーソンとして価値ある希少なスキルを身につけることができるチャンスかもしれません。ベンチャー、スタートアップ企業への転職は、会社についての情報が限られています。将来有望なベンチャー、スタートアップ企業を見つけるためには、そこに特化した転職エージェントを活用することをおすすめします。


この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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