スタートアップの躍進に欠かせないスタートアップエコシステムを解説

スタートアップに関わる上で「スタートアップエコシステム」という言葉を耳にされたことがある方は多いのではないでしょうか。スタートアップ単体での成長はなかなか至難の業であり、スタートアップエコシステムと呼ばれる仕組みを如何にうまく活用するかが、スタートアップが躍進できるか否かの鍵を握るといってもよいでしょう。今回はスタートアップエコシステムという言葉について解説していきます。

目次

スタートアップエコシステムとは


スタートアップエコシステムは、新しいビジネスに挑戦するスタートアップの成長支援を行う環境やコミュニティを指します。十分な経営リソースのないスタートアップは単体での成長は容易ではなく、スタートアップエコシステムをうまく活用することで事業を軌道に乗せることに繋げている起業家は少なくありません。

スタートアップエコシステムに関わる登場人物としては起業家の他、投資家、先輩起業家をはじめとしたメンター、弁護士、会計士、行政機関など多様なステークホルダーから構成されます。急成長を遂げるスタートアップはこのようなスタートアップエコシステムに登場する人たちをうまく巻き込みながら事業を形にしていくようなケースが多いです。

シリコンバレー(米国)、深圳(中国)に代表されるようなスタートアップ集積地の多くでは、このようなスタートアップを支える人たちにて構成されるスタートアップエコシステムにより、スタートアップが早期に事業化に繋げられています。

スタートアップエコシステムの課題

しかし、すべてのスタートアップエコシステムが良い形でスタートアップ支援を実現できているわけではありません。日本を例に挙げた場合、東京では多くの投資家、メンターになり得る先輩起業家の繋がりなどが構築できていますが、それ以外の地域はまだまだ課題が多く、スタートアップエコシステムとして十分に機能しているとは言い難い状況です。

東京であればIPO(新規株式上場)、M&AなどによるEXIT経験のある起業家、あるいはスタートアップエコシステムをうまく活用して躍進を遂げてきた起業家などが多数存在しますが、それ以外の地域ではまずもってそのような起業家の数が少ないという問題があります。

それ故に地方におけるスタートアップエコシステムにおいては地方が一丸となり、例えば海外や東京の投資家を巻き込むなど地域を横断した取り組みなどスタートアップが成長しやすい支援体制の構築に向けた仕掛けが必要といえるでしょう。

最後に

スタートアップエコシステムは、スタートアップが躍進するための重要な役割を担います。スタートアップが躍進を遂げやすいスタートアップエコシステムを構築するためには、多様なステークホルダーの協力と、起業家を支援する環境の整備が不可欠です。

国や地域がそれぞれの特性に合わせたスタートアップエコシステムを構築することで、新しいビジネスの機会が生まれ、より多くのイノベーションが促進されるでしょう。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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