転職活動で知っておくべき「年俸制」の給与制度について解説

給与制度には大きく分けて「年俸制」と「月給制」があります。日本では現状「月給制」の企業のほうが多いですが、ビジネス環境のグローバル化にともない「年俸制」をとる企業も増えています。転職活動を進める上で、それぞれの制度がどのような仕組みで成り立っているのかを理解しておくことは、転職先の選択や自分のキャリアプランを考える際に役立ちます。

本記事では、特に「年俸制」について解説し、その仕組みや月給制との違い、「年俸制」の企業に内定したときに確認すべきことについて詳しく説明します。

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年俸制とは

年俸とは?

年俸制とは、年間の給与総額があらかじめ決定され、その金額が分割支給される給与制度です。これまでは外資系の企業で適用されていることが多かった給与制度ですが、最近では日系企業の総合職全般に広がりを見せています。

年俸は、前年の成果や貢献度に基づいて年棒金額が設定され、年度末や新年度の開始時に改定されることが一般的です。つまり、業績や評価によって年俸が増減する可能性があるため、自分のパフォーマンスがダイレクトに給与に反映されるという特徴があります。

年俸制の給与支払い方法

年俸制の支払い方法は企業によって異なりますが、一般的には年俸を12カ月や16カ月に分割して支給されるケースが多いです。12分割の場合、毎月同じ金額が支給されますが、16分割や18分割の場合は、通常の月額給与に加えて賞与シーズンに支給される賃金が含まれます。

例えば、年俸が600万円の場合、12分割であれば毎月50万円が支給されます。一方で、16分割であれば、月額給与は37.5万円、賞与として4回に分けて37.5万円が支給される形となります。

年俸制のメリットとデメリット

年俸制のメリットは、あらかじめ1年分の年棒が決められるため、年度内に急な減給の心配はなく、収入の見通しが立てやすい点にあります。また、年俸は業績や評価に連動しているため、自分の成果が直接的に給与に反映され、モチベーションの向上につながります。

一方で、デメリットとしては、給与が年度内は固定されているため、実績を上げてもすぐに給与に反映されないことが挙げられます。また、年俸が会社の業績に連動している場合、会社の業績が悪化すると年俸が減額されるリスクもあります。また常に実績や成果を出し続けないと昇給できないため、そのプレッシャーをストレスに感じてしまう人もいます。

月給制との違い

月給制の特徴

月給制とは、月ごとに定められた給与額が支給される給与制度です。基本給の他に、残業手当や家賃手当など各種手当が加算され、これらを合計した金額が毎月の給与として支払われます。老舗の日系企業の一般職や非管理職を中心に広く普及している給与制度です。

月給制では、職能に応じて毎月一定の給与が支払われます。月給制のベースとなる基本給は勤続年数を評価する考え方をもとに人事評価が行われていることが多く、毎年手堅く昇給が期待できる点で、長期的にみると安定感が高いという特徴があります。また仕事の業績が悪くてもすぐに減給されることが稀なため、過度のプレッシャーを感じずに働くことができることに魅力を感じる人もいます。

年俸制と月給制の違い

年俸制と月給制の違いは、主に以下の点にあります。

年俸制と月給制の違い
  1. 給与の決定方法
    年俸制は年間の総額があらかじめ決定され、それを分割して支給します。一方、月給制は月ごとに給与が決定され、支払われます。年棒制の場合は途中で会社の業績が下がっても年度途中であれば影響はありませんが、月給制の場合は会社の業績が賞与に大きく影響することがあります。
  2. 昇給の仕方
    月給制をとっている企業は、勤続年数や年齢次第で右肩上がりに少しずつ昇給するのに対して、年棒制の場合は、会社の業績や仕事のパフォーマンスが良ければ翌年の給与に一気に反映するペイフォアパフォーマンスの考え方をもとに制度設計されています。
  3. 実績の反映
    月給制の場合、業績連動給の比率が低く、仕事の業績が高くても低くても基本給はあまり変わらず、勤続に年数に応じて昇給するスタイルであるのに対して年棒制の場合は自分の仕事の実績が反映されやすく、給与に差がつきやすい傾向があります。

どちらが自分に合っているか?

年俸制と月給制のどちらが自分に合っているかは、個々のキャリアプランやライフスタイルによります。年俸制は、営業職・管理職など実力主義の働き方を好み、自分の仕事の成果を給与に反映させて高年収を狙いたい方に適しています。また若くして稼ぎたい、緊張感ある職場で働きたいという考え方の方にも向いています。

一方、月給制は、管理部門の職種のように自分だけの働きを定量的にはかるのが難しい職種の人や、毎年の評価に過度のプレッシャーを感じることなく安定した収入を得て、勤務年数を重ねるごとに着実に昇給したい方に適しています。

年俸制の企業に内定したら確認すべきこと

転職活動で内定した求人が「年俸制」だったとき、どのような部分を確認したらよいでしょうか。これまで月給制だった方は特に注意が必要でしょう。

賞与について

「年俸制=賞与がない」と誤解されることもありますが、賞与が支給されるケースもあります。賞与をどのようにいくら支給するかは企業によって異なります。求人票や内定通知書(オファーレター)の記載をよく確認しましょう。

年俸として設定された金額とは別に賞与を支給する場合と、年棒に賞与分の金額を含めておき、賞与シーズンに月給とは別に支給することで、賞与的な給与を支給する場合があります。後者は必ず一定金額が支給されることが決まっており、厳密には賞与ではありません。


前者のように賞与が年棒金額以外に別途支給される場合は、昨年度の実績を確認すると、トータルの年収(額面)をイメージしやすいでしょう。後者のように年棒に賞与分の金額を含む場合(例 年棒を16分割して支給する場合など)は、年俸=額面の年収のイメージになります。

残業手当について

「年俸制の場合は残業手当が出ない」と認識されることもありますが、法的に年俸制であっても残業手当の支給は必須です。年俸制をとっている企業は「みなし残業制度」も併用していることが多いので、基準となる固定残業時間分が予め年棒に含まれていることはありますが、その固定残業時間が何時間・いくらで設定されているか、を確認しましょう。固定残業時間を超過して残業した場合も、追加で支給されなければなりません。みなし残業制度についての詳細は下記の記事をご参照ください。

退職時の年俸について

年俸はあらかじめ一年分の給与が決められていますが、自己都合で退職した場合は残りの期間の給与は支払われません。しかし会社都合での退職(解雇)になった場合は、残りの期間の給与を会社が負担する必要があります。ただし、解雇の場合であっても残りの期間の給与は支払わないという旨を雇用契約書に記載していれば、残存期間の給与の支払いは必要ありません。

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※お話を聞いて頂くだけでもOKです。

最後に

転職活動を進める中で、給与は非常に重要な要素です。額面の金額が多いかどうかだけでなく、年俸制と月給制の違いを理解することで、自分に合った企業を選びやすくなります。年俸制は、自分の挙げた成果を給与に反映させることを重視する方に向いており、月給制は安定した収入を求める方に適しています。どちらの制度が自分に合っているかをしっかりと考え、転職先を選ぶ際の参考にされてください。給与制度の理解が深まれば、転職活動における判断基準がより明確になり、自分に最適な職場を見つける手助けとなるでしょう。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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