TwitterやInstagramのようなSNS、Webメディアが大きな影響力を持つ現代において、市場の動向を掴み、トレンドを汲んだ仕掛けができるマーケターの需要は年々上昇しています。今回は、マーケターの種類や、転職するためのポイントについて解説します。
転職市場におけるマーケターの需要は高い
冒頭でもふれたとおり、SNSやWebメディアが大きな影響力を持っている現代では、多くの企業がweb広告やコンテンツマーケティングなどをはじめとしたwebマーケティングを絡めた戦略が欠かせないことは言うまでもありません。
また、2020年の新型コロナウィルス問題により、世界規模でのデジタルシフトが進む中、webサービスなどを展開する会社で更に需要が高まっただけでなく、これまでweb領域に関心が低かった企業もwebマーケティングの重要性を認識し、web広告やサイト解析などwebマーケティングに明るい人材の採用に力を入れるようにも移り変わってきました。
ご存知の通り、現代はモノやサービスが溢れている時代であり、いくら良い商品を企画開発しても、その商品を届けるべきターゲットユーザーに的確に訴求するマーケティング施策が機能していなければ売れません。多くの企業が日々ターゲットユーザーに向けたマーケティング活動に試行錯誤しており、そのような課題を解決できるマーケターは転職市場でも非常に高い需要があります。
どの領域のマーケターへ転職をするか
ひとくちにマーケターといっても、職種は1つではありません。クライアントの事業戦略に直接関わるコンサルティング要素を含むマーケターや、事業会社でweb広告やSEOなどのデジタル施策を進めるマーケター、あるいはECと実店舗を絡めたO2O(Online to Offline)のマーケターなど、さまざまな働き方があります。
未経験からマーケターへ転職する、あるいはマーケターとして仕事の幅を広げていく場合にも、まずはどのような分野に強いマーケターになりたいのか具体的なイメージを決めておきましょう。この項では、代表的なマーケターの仕事、領域について紹介します。
Web広告運用
トレンドやユーザーの行動特性を汲み取り、GoogleやYahoo!でのリスティング広告やSNS広告などをはじめとしたweb広告の運用を行う仕事です。例えばリスティング広告の場合、自動車の購入を考えているターゲットユーザーの場合、「自動車 中古」「自動車 価格」などどのような検索ワードで自動車購入に際して検討をするかなどの仮説を立て、効果が高いと思われる仕掛けを行っていくイメージになります。マーケティング活動の中でも売上拡大には非常にインパクトの大きい領域の一つと言えるかと思います。
SEO
SEOは「Search Engine Optimization」の略であり、検索エンジンの最適化を進めるマーケティング活動になります。具体的には自社サイト、LP(Landing Page)などを狙った検索キーワードで上位に表示されるための仕掛けを進めていく仕事になります。SEOの難しさはGoogleの表示順位の基準変更などがあった際に、いきなり上位表示から外れてしまうということも起こり得る中、そのような事態が起こった際に如何にスピーディーにそのような問題を解決する糸口を見出すかといった部分になります。
コンテンツマーケティング
Web上のサイトや動画、記事などといったコンテンツを利用して集客を行うマーケティング活動であり、新型コロナウィルスの問題もあった中、Youtubeチャンネルでのコンテンツマーケティングなどを行う企業も2020年以降急激に増加しました。記事の場合にはターゲットユーザーがどのような情報を求めているかの調査、並びにその調査を踏まえた記事の企画と併せ、検索時に上位表示されるようにSEOの知識も必要となってきます。また、Youtubeの場合はユーザーの動向や競合となるチャンネルの傾向を捉えることと併せ、ファンを増やすための企画、仕掛けなどが重要です。
SNSマーケティング
Twitter、InstagramなどのSNSアカウントを運用の上、集客やブランディングを行う手法です。企業よりも個人の影響力が強い時代に映りゆく中、例えばTwitterは企業アカウントよりも経営者や広報・PR担当者などの個人アカウントでフォロワー数を拡大し、情報発信をしていく傾向にあります。
インフルエンサーマーケティング
YouTuberやタレントなど、発信力のある人物を起用して、商品プロモーションを行ってもらうのがインフルエンサーマーケティングです。マーケターは、ターゲットとインフルエンサーの親和性、商品とのシナジーなどを考慮したうえで戦略設計を行います。発信力のある方でのプロモーション効果が高い一方、TwitterやYoutubeコンテンツでの炎上などが珍しくない中、そのようなリスクも含めたインフルエンサーの選定などが重要になるマーケティング手法になります。
Webサイト制作・解析
自社サイト、LP(Landing Page)の制作を行い、Googleアナリティクスやヒートマップのような分析ツールを活用した上でサイト構成の改善などを進めながら、ターゲットユーザーがwebサイト内で商品の購入、お問合せを頂くなどのアクションに誘導していくwebサイトを形づくっていく仕事になります。前述のweb広告などでいくらたくさんの方にwebサイトに訪れて貰ったとしても、商品購入などアクションをしなければ売上には繋がりません。マーケティング活動において、購買活動に直結する非常に重要な領域と言えるかと思います。
CRM(Customer Relationship Management )
CRMとは、「Customer Relationship Management」の略で、長期的に顧客と良好な関係を築くためのマーケティング活動を行う職種です。CRMシステムなどによりクライアントのデータを分析して現状を把握、課題解決に適したソリューションを提供する形であり、例えば通販会社の場合では購入頻度や購入時期などのデータにより、キャンペーンを変えるといったマーケティング施策などを実施しています。
マーケターへの転職でキャリアアップを目指すためのポイント
マーケターへ転職し、キャリアアップを目指すのであれば、転職活動の段階から押さえておくと良いポイントがいくつかあります。この項では、キャリアアップを目指すためのポイントについて紹介します。
マーケティング業界全体のトレンドを捉える
マーケティング業界はマーケティング手法やマーケティングツールなどトレンドの移り変わりが非常に速いです。今後のどのようなマーケティング手法が重視されてくるかなどのトレンドなどを見据えた上で、自身のキャリアを検討されるのが良いでしょう。
ご存知の通り、紙媒体などアナログなマーケティング手法からwebマーケティングを中心にしたデジタルシフトがこの20年で進んできましたが、その一方でwebマーケティングの世界で広告が溢れかえり飽和状態になりつつある中、webマーケティングだけでなく、敢えてアナログなマーケティング手法を取り入れるといった動きなどもあります。デジタルマーケティングの領域で専門性を突き詰めることだけが正解ではありません。時代の流れを汲んだ上で、どのようなマーケターになり、どのようなことを実現したいかをクリアにしていくことはこれまで以上に大切になるかと思います。
どの分野のマーケターに挑戦するかを決める
webマーケティングだけでもSNS、SEO、コンテンツマーケティングなどwebマーケティングだけでもさまざまな分野があり、またそれぞれの分野で必要となるスキルは異なってきます。例えばweb広告であればどの検索キーワードで効果が見込めそうか仮説→検証のサイクルを如何に早く回していくかということが重要になります。また、LPなどの制作においてはユーザー分析を踏まえ、ユーザーにどのようなUXを仕掛けられるかといった思考力が重要になります。
仮に自分が目指すマーケティングの分野では、分析要素が非常に高い仕事内容であるということが理解できていれば、転職活動を進める際に、今の仕事でマーケティングに直接的に関与をしていなくても、分析要素のあった仕事の取り組みなどをアピールすることで応募企業に活躍イメージをもって貰いやすくなるでしょう。
また職活動が初めて、あるいはこれから本格的に転職活動をとお考えの方は以下の記事もご参考にしていただき、応募企業に自分の強みなどを確実に伝えて貰えたらと思います。
参考情報:職務経歴書作成で大切な実績の書き方
企業の情報収集を行う
マーケターに限った話ではありませんが、応募先企業の情報収集を行うことは、転職活動において非常に重要です。初めてマーケターへの道へチャレンジする場合には「どのような教育体制が敷かれているか」「どのような人材が活躍できるか」「マーケターとして挑戦できる仕事の幅はどの程度広がりが期待できそうか」など、転職後の具体的なシミュレーションも含めた企業研究を行っていくのが良いでしょう。
このような新たな職種、業界に身を移す転職を検討する場合には、専門家に相談するのがおすすめです。マーケターに強い転職エージェントなどをパートナーに、アドバイスを貰いながら進めていくのがよいでしょう。
裁量権の発揮できる企業を選ぶ
マーケターとしての短期間でのスキル向上を考えるのであれば、裁量権が大きいベンチャー、スタートアップ企業などを選ぶのも選択肢です。裁量権が大きく、また仕事の幅が広いベンチャー企業では、web広告やSEOなどで集客施策の起案・実行、またその後のwebサイト解析やCRMなどまでマーケティング活動の一連について関与ができることが多いです。マーケターとしてこのような経験や実績を積んでいくことで、将来的にCMO(Chief Marketing Officer)のような立場でマーケティング活動全般における戦略設計などを目指していく選択などへの可能性が広がるでしょう。
まとめ
単に商品やサービスが良いだけでは売ることが難しくなった現代では、戦略的なマーケティングの重要度は非常に高く、マーケターの需要も上がり続けています。マーケターへの転職は、自分がなりたいマーケターの種類を把握し、キャリアアップを見据えて応募先企業を選ぶことが大切です。
現在、マーケターへの転職を検討している方は、本記事の内容を参考に、自分が目指すマーケターとして成長が期待できる企業へ転職しましょう。