経営層へのキャリアアップを目指す方へ!ヘッドハンティングの全容を解説!

人材難がさけばれる中、企業が即戦力人材の獲得のためにヘッドハンティングを活用した人材採用を行うことも珍しくなくなりました。こちらの記事ではこのようなヘッドハンティングはどのように行われるものなのか、また自分がヘッドハンティング会社よりアプローチを受けた場合にどのように対処すればいいのかなどについて解説していきます。

目次

ヘッドハンティングとは

「ヘッドハンティング」とは、ある企業が特定のスキル・経験を有するビジネスパーソンを転職意思の有無に関わらず、引き抜く行為のことを言います。ヘッドハンティングの歴史は、1929年に起きた世界大恐慌によって不況に陥った米国で生まれたと言われています。多くの企業がこれまでのビジネスでの会社の存続が困難な状況に直面する中、新たな事業に挑戦するためにヘッドハンティングで新たな人材を獲得し、新規事業の立ち上げを進めてきたといわれています。

日本でも人材不足が謳われる中、言うまでもなく、転職サイトなどに求人を掲載したとしてもなかなか即戦力人材を獲得することは難しいです。そのため、競合他社での役職者など即戦力性の高い人材を獲得したい企業は、ヘッドハンティング会社などを通じ、対象となるビジネスパーソンを口説いていく形をとります。

ヘッドハンティング活動を行うヘッドハンター

ヘッドハンティングで有名な転職エージェントとしては縄文アソシエイツ株式会社エゴンゼンダー株式会社ラッセル・レイノルズ・アソシエイツ・ジャパン・インク兆(きずな)株式会社などが挙げられます。このようなヘッドハンティング会社に在籍するコンサルタントと「ヘッドハンター」という呼びます。

ヘッドハンターの動きとしては求職者起点というよりは、求人起点で適したビジネスパーソンにアプローチをするモデルになるのが一般的な転職エージェントとの大きな違いと言えるでしょう。ヘッドハンターの動きはターゲットにより様々であり、ある企業の役職者をヘッドハンティングする場合にはその周辺情報を調査する活動を行いますし、特定技術を有する技術者のヘッドハンティングを行う場合には業界紙、専門図書などにて調査を行うなどしてどのビジネスパーソンが核となる技術を有するのか特定することから活動に入ります。

ヘッドハンターが対象となるビジネスパーソンと接点を構築する際には手紙をお送りするケースもあれば、SNSなどを通じて連絡を入れるなどヘッドハンターによりアプローチ手法は様々です。想像される通り、案件によっては調査だけでもかなりの労力を要するのがヘッドハンティングであり、それだけに一般的な転職エージェントよりも高い報酬を設定されるケースが多いです。

しかしながら、この10年でヘッドハンターの定義は大きく変わりました。2021年にIPOをしましたビジョナル株式会社が運営する転職プラットフォーム「ビズリーチ」にて登録者にスカウトを行う転職エージェントを「ヘッドハンター」と表現するようになりました。今では「ヘッドハンター」という言葉は前述のような活動を行うコンサルタントだけでなく、転職プラットフォームに登録される求職者にスカウティング活動を行うコンサルタントまで含む形に変わってきました。ヘッドハンターと称する方と接点を持つ場合には、このような言葉の定義に気をつけてコミュニケーションをとっていくことをお勧めします。

ヘッドハンティングをされた場合の対処法

「ヘッドハンティング」は前述の通り、A社がB社の事業部長C氏を引き抜きたいという意向の下、転職意向の有無に関わらず、事業部長C氏にアプローチをとる形になります。C氏は無理に転職をする必要性もない中、乞われてオファーを頂く形になるのでそれなりの条件や役職などを要望できる構図になりやすいです。

そのため、このようなオファーの場合には、たまたま現職を辞めなければならない状況でもない限り、メリットの感じづらいオファーを無理に受ける必要はありません。また、今はタイミングや条件面が合わずともこの接点を入口にして数年後に移籍するということもあり得ます。このようなヘッドハンティングのお話を受けた際には傲慢にならないように気をつけながら、自分を安売りしないように交渉をとることを心がけていくことが大切です。

しかしながら、転職プラットフォームでのヘッドハンターからのスカウトの場合には、多くの場合、同じような対処をとるべきではありません。転職プラットフォームでのスカウトは、引き抜きのように強く乞われたオファーでないことが多いです。しかしながら、求職者の中には引き抜きオファーを貰ったような感覚で色々と要望をされてしまい、破断となるなるケースも珍しくありません。転職プラットフォームにおけるスカウトについては、従来のヘッドハンティングと異なる前提の上、利用するとよいでしょう。

ヘッドハンティングの話を貰える人材になるために

ヘッドハンティングの話を貰える人材になるためには、まずは会社経営にとって欠かせない存在になることが第一歩といえるでしょう。こちらではそのような経営幹部になるためにどのようなキャリアアップの選択肢があるのかについて解説していきます。

異動・昇進を重ねて経営幹部へのキャリアアップを目指す

一つ目に紹介するのは、今の勤務先で成果を上げ、昇進を重ねた上で経営幹部へのキャリアアップを目指すという選択です。事業承継など方針が明確になされている企業において代表の脇を固める役割で取締役などを務めて経営を支える存在は、言うまでもなく会社にとって非常に重要な存在です。また、上場企業のようなパブリックカンパニーの場合には、同僚としのぎを削りながら出世競争を勝ち抜いていくことで経営を支える取締役、執行役員などの役割を目指していくことは可能でしょう。

このような経営幹部へのキャリアアップの際に押さえておくべきポイントでの一つは、経営者の意思決定に間近な距離で触れられる環境に身を置くことが大切といえます。取締役などの立場以外にも、経営企画、社長室などのポジションであればそのような意思決定に触れられる機会は多いかと思います。異動希望などの手挙げ制度などがある企業に勤務されている方の場合にはそのような制度を活用して経営に近いポジションへのチャンスを狙っていくと良いでしょう。

転職を重ねて、経営層へのキャリアアップを目指す

現在の勤務先で昇進を重ねていきたいものの、上のポジションが詰まっているなどの場合、転職により、マネジメント層、ひいては経営層への挑戦機会のもてる企業に転職することも選択肢の一つです。特に日本でも転職によるキャリアアップが一般的となる中、転職を通じてキャリアアップを重ねていくケースが最も多いのではないでしょうか。

また、事業会社から事業会社への転職以外にも、事業会社からコンサルティングファームへ転職をした上で、あらためて事業会社の経営層に転職をするケースもあります。コンサルティングファームでは複数の顧客の経営課題解決に向けたコンサルティング業務を通じ、経営視座や引き出しを身に着けることができるので、早期に経営幹部を目指すのであればこのようなキャリアステップを踏むことも有効でしょう。

最後に

こちらの記事ではヘッドハンティング会社の全容、ヘッドハンターの活動、ヘッドハンティングの話を貰った際にどのように対処すべきか等について解説しました。今後、企業がヘッドハンティングによる採用活動がまだまだ増えてくるであろう中、このようなトレンドを踏まえて自身のキャリアプランを構築すると良いでしょう。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

目次