面接における長所・短所はどう答える?印象アップするためのポイントや注意点

面接の質問の定番である「長所」と「短所」について回答の仕方に困ったことはないでしょうか。自分の長所や短所を相手に伝えることは決して簡単ではありません。そのうえ、面接担当者に対してなるべく印象が良くなるように答えなければならず、ハードルの高さを感じている方は多いものです。こちらの記事では、就職・転職などで使える「長所・短所の答え方」をご紹介します。印象アップするためにはどのように答えたらいいのか参考にしてみてください。

目次

なぜ面接で長所・短所を質問するのか

面接の場面では必ずと言っていいほど質問される長所と短所についてですが、なぜ応募者に向けてそれぞれを聞いているのか知っていますか?まずは、そもそもなぜ面接の場で長所と短所を質問するのか、について触れていきます。

自社と合う人材かを判断するため

面接で長所や短所を質問する理由として、まず挙げられるのが「自社に合う人材であるか見極めるため」です。応募者の長所と短所を把握することは、自社とのマッチング性の確認にもつながります。例えばお金を扱う経理財務のような仕事、ミスが大事故に繋がりかねない工場などの場合、「長所は慎重に物事を進められることです」「行き当たりばったりではなく、計画性を持って行動できることです」といった長所はその職場にとって魅力的な人材でしょう。自社、あるいは配属部門の業務特性と合うか否かは面接の段階で確認したいのが企業の本音なので、長所・短所は採用の判断材料の一つとなります。

人柄を知るため

長所・短所について質問する他の意図としては「人柄を知るため」という観点もあります。面接の段階で応募者と初めて顔を合わせ、1~2時間程度のコミュニケーションの中で応募者がどのような人間性なのかを見極めるというのは面接官側からすると非常に難易度が高いです。そのような中、長所、短所に関わる質問を通じて几帳面で真面目な性格なのか、それとも明るくてユーモアのある性格なのか、など基本的な人となりを把握したいという意図があります。お互いのミスマッチを防ぐという意味でも、会社風土に合う人柄かどうか確認は必要不可欠ですので、そんな背景の中、長所や短所が面接時の質問として多いことを理解しておきましょう。

自分のことを客観視できているかを確かめるため

面接で長所や短所を聞く理由の一つが「自分のことを客観視できているかを確認するため」です。社会人として働くにあたり、客観的な自己分析は必要不可欠です。適切に長所を把握していれば自分の良さを引き出せる働き方ができるようになりますし、短所がわかっていれば克服しようと努力したり、周囲に迷惑をかけることのないように何らかの対策を立てたりすることができるでしょう。客観視できずに、主観だけで行動を起こす人は、社内でのトラブルリスクが高いと判断されることも多いです。そのため、長所・短所に関する質問をして、応募者が客観的に自己分析をできるのかを確認する企業は多い傾向にあります。

面接における「長所」と「強み」の違いとは?

面接では「あなたの長所は何ですか?」といった質問のほか、「あなたの強みは何ですか?」と聞かれることもあります。それぞれ似ているようですが実は大きな違いがあり、長所は本人の資質に関する良い部分を指すのに対し、強みは仕事に活かせる能力を指すことが主です。下記にて解説する趣旨、回答例をご参考にして頂き、面接担当者がどのような意図で質問しているのかをきちんと理解し、正しく答えられるようにしておきましょう。

長所

長所は人柄や性格などにおける良いところであり、仕事だけではなく、プライベートでも活かせることという観点で理解して頂けると良いでしょう。例えば長所では「整理整頓が得意」「几帳面で何事にもミスが少ない」「社交性が高く誰とでもすぐに仲良くなれる」「誠実で約束を破ることはない」「同じことを地道に続けることが苦ではない」、短所では「細かな作業が苦手」「誰かに頼ることが苦手」「飽き性」などといったことが挙げられます。

強み

強みは仕事において活かせる自分の経験・スキルについてと認識しておくと良いでしょう。例えば強みでは「数十名規模を束ねたプロジェクトマネジメント力」「営業チームで最も新規開拓実績を上げた営業力」「前職で培ったマーケティングスキルで営業サポートができる」、弱みでは「マネジメント経験が乏しい」「経理財務の知識はあるが、税務の経験はない」などといったことが挙げられます。

面接における「長所」「短所」の選び方

面接で質問される「長所」や「短所」。応募求人の役割などによりそれぞれどのような内容をチョイスすればいいのか悩んでしまう方は少なくありません。ここからは面接における長所・短所の選び方、伝え方のポイントなどを解説していきます。

応募先の特色に合わせる

面接の場面で長所や短所を選ぶ際には、応募先の特色に合わせることが重要です。たとえば、チームで働くシーンが多い仕事であれば、長所は「人とのコミュニケーションが好きで積極的に提案ができる」「協調性が高く、支え合う意識が高い」などが魅力的でしょう。また、上記の条件で短所を選ぶとしたら「1人で黙々と作業することが苦手」「仕切りたがりな一面がある」など、チームで働くことに長けているような短所の内容がおすすめです。

具体的なエピソードが添えられるものにする

自分の長所・短所のみを端的に答えるのではなく、具体的なエピソードを添えて伝えられるような内容を選びましょう。たとえば、長所が協調性の高さであれば、エピソードとして「前職ではコミュニケーションを交わしながら納期や案件すり合わせなどの調整役を担っていた」「他の社員と協力しながら働くことに充実感があった」など、長所の根拠となるようなエピソードを用意しておくと、面接担当者もより人となりを知るきっかけとなります

面接で長所を答えるときのポイント

ここまでは、面接で答える長所・短所の選び方をご紹介しました。こちらからは、実際に面接で答えるときのポイントとして、まずは「長所を答える場合」を解説します。

長所を何に活かせるのかを伝える

面接で長所を答える際には、具体的にその自分の良いところが、仕事の何に活かせるのかをセットで伝えることがおすすめです。例として下記いくつか以下をご紹介しますので、自分の長所がどのような業務に役立てられるのかのご参考にされてください。

【GOOD事例】長所の伝え方

①長所「物怖じせず、冷静に対応できる点」の場合
・イレギュラーな業務、トラブルにも冷静に対応できる

②長所「細かな作業が得意で、慎重な性格である点」の場合
・ミスのない完璧な資料を作成できる
・顧客の期待に沿えるような業務の仕方を考えられる

③長所「社交的で誰とでもすぐに仲良くなれる」
・新規開拓営業で早期に顧客と関係を築き、受注に繋げられる
・他部門の方とも関係を深め、部門横断のプロジェクトなどをうまく進められる

求人情報の「求める人物像」を参考にする

長所や短所を選ぶ際には、応募している求人情報に掲載されていた「求める人物像」を参考にするのもいいでしょう。求める人物像に「真面目な人」とあれば、長所でも「真面目で誠実です」といった答え方がベストですし、「新しいことにチャレンジできる人」であれば、「未経験の分野でも臆せず取り組める」と伝えることで自社とのマッチング性が高いと判断されやすいでしょう。

しかしながら、企業によっては求人に「求める人物像」を記載していない場合もあるので、場合によっては、どのような人材が求められるのかを自分で想像しながら答え方を考える必要があります。

ポジティブ変換で言い換える

長所を答える方法として、「ポジティブ変換」があります。ポジティブ変換とは、短所となる部分をポジティブに言い換えて長所にする方法のことで、長所が見つからないときにもおすすめです。たとえば、短所が「せっかちな性格」の場合、ポジティブ変換で「スピード感を持って仕事ができる」「限られた時間を有効活用できる」などの内容に言い換えることができます。一見すると短所に見える部分も、視点を変えるだけで長所になるので、答え方に迷ったときにはヒントにしてみてください。

面接で短所を答えるときのポイント

面接で短所を答える際には、長所とは異なる点を意識して伝える必要があります。どのように短所を伝えたらいいのか悩んでしまう方は、こちらからの内容を参考にしてみてください。

応募求人の業務に致命的にならない短所を答える

面接の場面で短所を答える際には、応募求人の業務に致命的になる内容は避けましょう。好ましくない例としては、「ミスを隠しがち」「嘘をつくことが多い」などが挙げられます。これらの短所は企業に損害を与えるリスクがあり、社会人として致命的とも言えます。

正直に答えてしまうことで採用のチャンスを失うこともあるので、面接で言及するにあたっては企業の損害に直接関わらない短所が無難です。しかしながら、このようなおおっぴらに伝えがたいような短所はビジネスパーソンとして活躍していく上で早急に改善にしていく必要がありますので、真摯に向き合うようにしましょう。

克服するために努力・対策していることも伝える

面接で短所を答えるときには、克服するための努力や対策なども一緒に伝えることを意識しましょう。自分で短所がわかっていても、悪い部分を直すための努力をしていないのは社会人としては好ましくない姿勢です。短所を伝えながらも、印象を落とさないためには「自分の短所は楽観的でのんきな部分なので、定期的に周囲に第三者の目線で意見を貰いながらリスク回避をしています」のように答える必要があります。

面接で長所・短所を答えるときの注意点

面接で長所や短所を答えるにあたり、誠実であることは大切です。しかし、その前に知っておかなければならないことがあります。それが、「答える際の注意点」です。注意点を把握したうえで長所や短所を答えるようにしないと、面接時の印象が悪くなるリスクがあります。具体的にどのような注意点があるのか、こちらから見ていきましょう。

結論ファーストを心がける

面接では結論ファーストを意識して、長所や短所を答えましょう。理由を先に述べてから結論を出すような答え方は冗長的な印象になりやすく、場合によっては「結局何が言いたいのか」が分かりにくくなるリスクがあります。長所であれば、最初に結論、次にエピソード、最後に活かせるシーン、の順番で伝えるのがおすすめ。短所の場合は、結論、エピソード、克服のための努力や対策、の順で触れていきましょう。

長所・短所それぞれ1つに絞る

長所や短所は基本的にそれぞれ1つに絞って回答します。多すぎてしまうと、せっかく話した内容の印象が薄れてしまったり、要点が伝わりにくくなったりする恐れがあります。また、面接の時間は限られているので、長所・短所の回答に時間をかけすぎてしまうと、他のやりとりに時間を割きにくくなってしまうこともあるので注意してください。尚、敢えて「長所・短所をそれぞれ2つ3つ挙げてください」という質問を投げかけられるケースもあるので自己分析、棚卸など準備はしっかりした上で臨むようにしましょう。

仕事に関わる内容を答える

面接の場での、長所や短所は仕事に関連する内容にすることが大切です。稀に「私の長所は食べ物の好き嫌いをしないところです」「長所は歌を歌うことが上手なところです」などのように答える方がいらっしゃいます。

それが応募している仕事に関わるのであれば問題ありませんが、仕事と直接関係が無いのであれば、的外れな回答です。面接担当者から「質問の意図を理解できていない」「場面に応じた話の展開ができていない」と判断されることがあるので、必ず仕事に関わる内容を選びましょう。

転職エージェントを利用して転職活動を有利に進めよう

このような長所・短所の回答などをはじめ、転職活動で不安が多い場合んは転職エージェントを利用した転職活動をお勧めします。転職エージェントは登録後に専任のキャリアアドバイザーがつき、転職活動をサポートしてくれる方法です。

キャリアアドバイザーとの面談を通して自分の希望や志向性を伝えるだけでなく、現在の市場感や企業の詳細、面接対策など入社に至るまでサポートをしてくれます。また、客観的にアドバイスももらえるため、転職活動に悩み事がある人、不安がある人は利用することで、不安を払拭することができるでしょう。

最後に

今回は、面接における長所や短所の答え方について解説させて頂きました。面接で長所や短所を聞かれたとき、どのように答えればいいのかは誰もが悩むところであると思います。しかし、事前に長所や短所の選び方、答えるときのポイントなどを把握しておくことで、その場で慌てることなく、印象の良い答え方が可能です。まずは、応募先企業についてきちんとチェックし、どのような長所・短所をピックアップして伝えるかを考えてみてください。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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