意外と知らない!?転職活動と就職活動の違いとは? 

社会に出て転職を検討する際、転職活動が初めてであれば「転職活動の始め方が分からない」「就活との違いが分からない」と悩まれる方もいるのではないでしょうか。とくに、転職する人の少ない業界で働く方にとって、転職活動に関する話題を耳にすることが少なく、得られる情報にも限りがあるものです。

とはいえ、転職活動を検討するのであれば、正しい知識を得たうえで進めていきたいものです。そこで本記事では転職未経験者向けに、転職活動と就職活動との違いについてご紹介していきます。

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転職活動と就職活動との違い

転職活動と就職活動にはどのような違いがあるのでしょうか。さっそく、それぞれの違いについて詳しく解説していきます。

活動に求められる姿勢

就職活動と転職活動とでは活動において求められる姿勢に違いがあります。つまり転職活動では、より主体的に動く必要があるということです。

就職活動であれば、企業側や学校側からアドバイスや指示があり、ネットのクチコミ情報や同じ大学の先輩、同時期に活動している同級生、グループ面接で出会った就活生からの情報も得られます。人に流れを作ってもらえる環境なので、多少受け身の姿勢でも活動を進めていくことができます。「やりたいことは特になかったが、周りと同じように就活したら内定を獲得できた」という経緯で社会人をスタートをした人も少なくないことでしょう。

一方で、転職活動では自分で決断し、行動することが求められます。例えば、転職活動では面接前の企業説明会が行われることは稀です。求人情報に書かれた以上の情報が知りたい場合は、自分から調べたり質問したりして獲得する必要があります。書類選考のフォーマットや面接の服装などの細かい指示もほぼないため、自分で決めなければなりません。内定後に条件を提示された際も、交渉する必要があれば自分から確認しなければなりません。

とはいえ、全てのタスクを自分でやらなければならないわけではなく、近年は転職エージェントや転職サイト・スカウトサイトなど、無料で利用できる転職関連サービスが充実しています。転職活動における煩雑な各タスクをサポート・代行してもらうこともできるため、工夫次第では効率的に転職活動を進めることができます。

募集時期の違い

募集時期も転職活動と就職活動とで大きく異なります。新卒採用の場合、現在では一般的に大学3年生になるとインターンシップが始まり、大学3年生の3月に新卒採用の広報(企業説明会など)がスタート、大学4年生の6月に選考が開始、10月1日に内定式が行われます。これらのスケジュールは政府主導で解禁日が決められており、多くの企業がこれに従って新卒採用活動を行っています。

転職活動の場合、公務員などの例外を除き、固定された募集時期はありません。転職希望者向けに人材を募集する企業は、事業拡大や欠員補充などの理由で随時募集を行います。人員を確保でき次第、企業は募集を停止するため、転職活動ではタイミングが非常に重要といえます。希望する企業が募集を行っていない時期には、その企業に転職することはできません。理想にマッチする求人を見つけたら、募集が終了する前に応募しておくことが大切です。

選考方法の違い

転職活動と就職活動では、「選考方法」が大きく異ります。新卒採用の場合、書類選考から筆記試験、グループディスカッション、集団面接、個人面接など、多段階の選考プロセスが一般的です。中小企業では3回前後、大手企業では5回前後の選考が行われます。また、新卒採用では配属先が決まっておらず、どのような職種になるかも入社後まで分からないことが大半です。

一方で、転職活動の場合、配属先・仕事内容があらかじめ決まっていることが多い傾向にあります。選考方法もシンプルな場合が多いです。書類選考はありますが、一次面接(配属先の上長や人事担当者)、二次面接(人事部長や役員、代表による最終面接)が一般的な流れです。中小企業では筆記試験・適性検査がない場合や、面接一回のみというケースも珍しくありません。選考方法の時間や工数を見てみると、就職活動よりも転職活動のほうが少ないといえるでしょう。

活動期間の違い

転職活動と就職活動とでは、活動期間の長さに違いがあります。新卒の就職活動では、企業の採用スケジュールがおおよそ決められている場合が多く、それに合わせて就活生の活動期間は通常、半年から1年程度が一般的です。大学生であれば3年生の時期に就職活動を開始し、遅くても4年生になるまでには内定を獲得するケースが大半です。募集期間が決まっているため、留学等でこの時期を逃すと非常に活動が困難になり、就職浪人として1年以上の就活をする方もいます。

転職活動の場合は、活動にかかる期間は個人差が大きく、数週間で終わる人もいれば、数年かかる方もいます。これは、転職活動をする本人の、活動ペースや理想の条件の求人と出会うタイミングが影響しているためです。例えば、すでに前職を辞めて仕事をしていない場合には、面接のスケジュール調整や、応募書類の作成等、転職にかけられる時間が増えることで、結果的に次の仕事に移行するまでの時間が短くなる傾向にあります。逆に、働きながら転職活動をする場合には、勤務時間の前後のわずかな時間や週末などの転職活動に限られるため、活動期間が長期化することが少なくありません。

また、転職するにあたって、理想条件にマッチする求人にこだわりたい方の場合、条件のいい求人があるまで待っていることもあり、転職活動にかかる期間は一人ひとり大きく異なるものの、平均では3ヶ月から半年程度です。就活と比べると、転職活動のほうが短く済む方が多いようです。

採用基準の違い

就職活動と転職活動の違いの一つとして挙げられるのが、採用基準(選考で判断される要素)です。新卒採用の面接官は、ベーシックなマナーと人柄や意欲、ポテンシャルを評価軸に採用を判断します。学生時代に力をいれていたことのエピソード(通称ガクチカ)の内容や話し方を通してそれらを見極めることになります。多くの学生にはビジネス経験が無いため、スキルや業務に必要な知識が未習得でも許容されることが多いです。

一方、転職活動ではまず業務経験・スキルが求められます。基本的に中途採用は即戦力となりうる人材が求められているため、「長期間のトレーニングが不要であること」「すぐに現場で活躍できること」などが重視される傾向にあります。人柄やマナーも判断材料になりますが、面接ではもっぱら仕事上の実績や、やりがいを感じたことなどが聞かれ、その中からコミュニケーション能力などが推し量られることになります。学生時代やプライベートなことは聞かれることがあってもそこに比重が置かれることはありません。

第二新卒・既卒向けの求人は何歳まで応募可能?

新卒に対して、「第二新卒」という概念もあります。これは、年齢が25歳くらいまでの転職者を指します。第二新卒とは、一般的に大学卒業後新卒で入社してから、社会人経験2〜3年未満の転職希望者を指します。年齢は新卒で入社後2〜3年の25歳前後とされることが多いものの、最終学歴が大学院の場合や留年・留学した場合など、最終学歴や社会人歴によっても変わるため明確な定義があるわけではありません。

メディアによっても定義が異なるケースも多く、短い期間でも社会人経験のある20代の若手層を指す場合もあります。「既卒」という言葉もありますが、既卒は卒業後に社会人としての経験がない人を指すので「第二新卒」とも異なります。

新卒で入社後、何年目で転職すればよいのか

社会人何年目であっても転職は可能です。とはいえ、新卒入社してわずか数か月で退職してしまうとその後のキャリアの立て直しが難易度を増すため、注意が必要です。「とりあえず3年」という言葉はよく知られていますが、この言葉は、「最初の3年は社会人としての基礎を学ぶ期間」、「3年未満での転職は逃げ」という文脈で使われていることが多いようです。求人の募集要項に「1つの企業に3年以上勤めている方」と記載されていることもあり、一つの区切りとして3年が用いられることが多いのでしょう。

3年という目安が募集要項に含まれている理由は、3年くらいの業務経験が欲しいという意味と、早期退職をした応募者に対して、面接官が「またすぐに辞めてしまうのではないか」と懸念するためです。とくに入社1年未満での退職は転職活動で不利に働くことが多く、どのような理由での退職であっても面接官の目は厳しくなります。退職を考えている会社であっても、就職活動時には慎重に選んだはずです。常識を超えた長時間労働やパワハラなど、よほどの理由がない限り、もう少し継続することができないか考えてみることも一つの選択肢です。結果的に退職することになっても、1年未満の社会人経験者と数年間社会人を経験した候補者では、面接官の評価は大きく異なります。転職先の選択肢が増え、転職成功の可能性も高まるでしょう。

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最後に

初めての転職活動では、知らないことや分からないことが多く、情報収集に追われることもあるでしょう。転職活動における就職活動との大きな違いは、受け身でいては入手できる情報が限られるため、自ら主体的に動かなければならないという点です。自分が納得できる転職を成功させるためにも、転職活動と就職活動にはどのような違いがあるのか、きちんと把握しておかなければなりません。転職で失敗しないためにも、今回の記事を参考にしながら転職活動の計画を立ててみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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