求人の多い時期はいつ?転職のベストなタイミングとは?

誰しもより良い条件で転職を希望している中、できる限り多くの選択肢の中から転職先を決めたいという方も多いのではないでしょうか。求人が多い時期に転職活動をしたいという考えから、それが一体いつなのか気になっていらっしゃる方もいるかと思います。

しかし、求人が多いというメリットがある反面、求人が多い時期は仕事を探す人も増える傾向にあり、ライバルが増えてしまうリスクがあります。では。実際にはいつ転職するのがベストなのでしょうか。本記事では、転職活動の時期に関して解説します。

目次

求人が多い時期とは?

新卒採用と違い、年間を通じて採用活動を行っている中途採用では、応募できる求人の多い時期が年に何度かあります。本項ではその時期と求人が増えるメカニズムに関してそれぞれ解説を行います。

1~3月

まず、最初の求人が多い時期として上げられるのは1月から3月です。日本では4月から新しい期を迎える企業が多く、それに合わせて1月~3月に新しい組織編成を検討するためです。異動・昇進にともない空いているポジションに新しい人材を採用する企業が増えます。また期の区切りで業務がひと段落することにより、退職者も増える時期にもなります。

会社によっては10月から新しい期を迎える会社もあり、その場合は9月もしくは体制が整った10月から11月に求人が増えるケースもあります。

賞与(ボーナス)時期後

賞与の時期は特に決まっていないため会社によって事情は異なりますが、6月・12月に定期賞与(ボーナス)が支給される会社が多いため、賞与(ボーナス)をもらった後にやめたいと考える転職者が多く、7月・1月はボーナス要因で求人が増える時期となります。

しかし、一部の企業によっては組織改編の時期が近いこともあり、ポジションによっては直ぐに採用活動は行わず、前述の1月~3月や9月~11月に行う企業もあるため、時期の見定めが重要です。

新卒採用が落ち着いた時期

新卒社員を大量採用するような大手企業の場合、中途採用は新卒採用の繁忙期とは時期をずらして対応していることが多い傾向があります。新卒で採用しきれなかった人員を中途採用で補充する、新卒採用では補填できない即戦力採用を中途採用で実施するなどの傾向があります。

しかし、一部の企業では中途採用と新卒採用の担当者を分けていることもあるため、その場合は前述の時期が求人の多い時期に該当するでしょう。また、逆にジュニア層、第二新卒などに該当する方の場合、新卒採用でジュニア層の担保ができたことにより、採用枠が限られてしまうケースもあるため、注意が必要です。

求人が少ない時期

ここまでは求人の多い時期に関して解説を行いましたが、逆に求人が少ない時期はいつなのでしょうか。本項では求人が少ない時期に関して解説します。

大型連休の最中

まず、最初に挙げられるのは年末年始・ゴールデンウィーク・お盆休み(8月)などの大型連休です。大型連休の最中は求人が少ないというよりは、求人の動きが停滞するシーズンと言えるでしょう。採用活動を行う企業側の人事部や面接官、また転職エージェントが休みをとっているケースが多く、一見すると求人はあるものの応募しても面接が調整されない状況になります。

また、一部の転職エージェントでは大型連休中も面談を行っているケースがありますが、応募・推薦手続きに関しては企業側が休みを取っていることから、正式な応募手続きは休み明けになることが多いため、大型連休中での転職活動を検討している方は注意が必要です。もし、大型連休中に転職活動を開始したいという方は自己分析や業界分析などに時間を使い、連休明けに直ぐにエントリーなどができるように準備を進めると良いでしょう。

景気が悪い時期

必ずしも今すぐに転職活動をする必要はなく、2~3年以上の長期スパンで考えることができるならば、景気が悪い時期は避けて転職するのが良いでしょう。業界・職種を問わず、景気が悪くなると、採用を中止するため、求人が減る傾向があります。たとえば新型コロナウィルス感染症の蔓延のように、社会全体の活動に制限がかけられる事象があると、景気が冷え込んでしまい、失業者が急増する割に、増員の求人は出にくくなります。

逆に、景気の良い時期を探る上で参考になるのは厚生労働省が発表する「有効求人倍率」という指標です。有効求人倍率は全国のハローワークの求職者数、求人数をもとに算出し、発表されています。有効求人数を有効求職者数で割って算出し、倍率が1を上回れば求職者の数よりも人を探している企業数が多く、下回れば求職者の数の方が多いことを示します。

また、有効求人倍率は都道府県別のデータが出ているので、もしも将来的にIターン・Uターン転職を考えている場合は、参考にするとよいでしょう。

転職のタイミングに迷ったら転職エージェントにご相談を

これまでの解説で求人数には波があることがご理解いただけたかと思いますが、求人が多い時期は転職希望者も多く、必ずしもやりたい仕事の求人が出るとは限りません。また、業界ごと・職種ごとに求人数の増加・減少傾向も異なるため、ライフプラン・キャリアプランによっては転職を思いとどまった方がいい場合もあります。

もし、転職を考えているけれどタイミングに迷っている方は、転職エージェントの活用をご検討ください。転職エージェントは国内に数万社あり、職種や業界に特化した転職エージェント、あるいは経営層、マネジメント層に特化した転職エージェントなどそれぞれ特色があります。また、各職種・業界に特化しているからこその情報も保有しており、お勧めの転職時期や求人の傾向などもアドバイスしてもらえるでしょう。これまでの経験、自分が描きたいキャリアなどを踏まえ、転職活動を有利に進めていくには自分に合った転職エージェントをパートナーに選ぶことが重要です。

最後に

今回は転職活動において求人の多い時期について解説を行いました。求人の多い時期・少ない時期に関しては毎年変動があるため、職種や業界によっては一概にこの時期が多いというのは難しいです。しかし、全体的な時期として前述の通り組織改編の前後などが狙い目のため、その時期に合わせて転職エージェントに登録し、希望の業界や職種の求人状況についてアドバイスをもらうと良いでしょう。

求人は「生もの」と同じと言われており、タイミングを逃すと希望していた求人がクローズしてしまうことも多々あるため、情報収集を行いながら、転職活動の時期を見定めることが重要です。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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