スタートアップ経営を支えるCHROの役割、必要なスキルなどを解説!

今回はHRの観点から企業経営を支える、CHROについてご紹介します。CHROはHRに関わる部門を管掌するだけにとどまらず、ヒト・モノ・カネの「ヒト」の部分から企業を支える、経営者のひとつの在り方といえます。

転職をすることが珍しいものではなくなり、少子高齢化に歯止めがかからない、またパラレルワーカーなど多様な働き方が選択できる中で、多くの企業が人材獲得、あるいは自社に定着して貰う施策に奮闘していることでしょう。さらには変化の激しいビジネス環境にあるスタートアップ企業おいて、CHROの役割と責任は企業経営において極めて重要なものとなってきています。今回はこのようなスタートアップ企業経営に欠かせないCHROについて詳しく説明します。

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CHROとは

CHRO(Chief Human Resources Officer)は、日本語では「最高人事責任者」などと訳されます。組織や企業における人材管理と戦略的な人事計画を担当する役職です。CHROは経営を支えるボードメンバーである「CxO」のひとつであり、まさに経営メンバーを構成するひとりです。

まず、CHROの歴史についてご紹介します。CHROの役割である人事管理という業務そのものは20世紀初頭から存在していましたが、当初は「人事部長(Personnel Director)」や「人事マネージャー(Personnel Manager)」などの役職名が一般的でした。この役職は、労働法規の遵守や従業員の給与計算、採用手続きなど、主に組織の日常的な人事業務に焦点を当てていました。

しかし、ビジネス環境や組織の在り方が急速に変化する中で、人材の重要性が認識され、人事管理の役割も変化していきました。人材の獲得と開発がビジネスの成果に直結することが徐々に認識されるようになり、人事部門はそれまでよりも中長期的な視野を持ち戦略的なアプローチを取る必要が生じました

1980年代以降、人事管理は「人材管理(Human Resource Management)」と呼ばれるようになり、より広範な役割を担うようになりました。組織のビジネス目標と一致する人材戦略の策定や、従業員のエンゲージメントやパフォーマンス管理、リーダーシップ開発など、より戦略的な側面に重点を置くようになりました。

2000年代に入ると、企業がグローバル化し、多様性とインクルージョンの重要性が浮き彫りになりました。この時期には、「人材開発(Talent Development)」や「人材戦略(Talent Strategy)」などの概念が注目され、CHROの役割はさらに拡大しました。

近年では、デジタル技術の進化や人工知能の台頭など、テクノロジーの進歩が人事管理にも大きな影響を与えています。データ分析や人工知能を活用した採用プロセスの最適化、組織編成、従業員エクスペリエンスの向上など、テクノロジーを活用した戦略的な人材管理が求められています。CHROは、このようなテクノロジーを活用した人材や組織の最適化・効率化を担う重要なポジションとなっているわけです。

そのようにCHROの役割は時代とともに変化・進化し、より戦略的でビジネスの成果に直結する存在となってきました。現代のCHROは、人材管理と組織の戦略的な成長を結びつける重要なリーダーシップポジションであると言えるでしょう。

CHROの役割

次に、CHROの具体的な役割について考えてみたいと思います。CHROはいわば経営者であり、取締役や執行役員であることも多いポジションです。そのためその果たすべき業務範囲は広い範囲に渡りますし、また他の経営メンバーとの関係などから会社によって役割に違いがあることもありますが、概ね以下のようなものがCHROの役割です。

経営理念やビジョンの社内浸透

企業において、経営理念やビジョンをいかに社内へ浸透させるかは極めて重要です。経営理念やビジョンの浸透は「自分たちはどのような企業なのか」についての共通認識となり、それが様々な意思決定の基準として、やるべきことややるべきでないことの判断基準となります。また採用すべき人材像が明確になる、社員のモチベーションが高まる、顧客や社会からの共感を得られるなど、経営理念やビジョンの果たす役割は大きいものです。

特にスタートアップ企業において、雇用条件や就労環境などの面で人材にとって魅力を感じさせる企業となるのはとても難しいものです。そのような中で経営理念やビジョンは企業の魅力そのものであり、優秀な人材に「この会社で働きたい」と思わせるために必要不可欠なものです。

経営理念やビジョンを社内に浸透させるのは、簡単なことではありません。様々な場面で一貫性のあるメッセージを発信するなど、継続的な取り組みが必要です。組織を機能させるために重要となるこの取り組みはCHROの重要な役割のひとつです。

経営方針に沿った人材や組織の最適化

企業規模が一定の大きさを超えると、広い視野から人材や組織の状況を把握し、全体最適を図らなければなりません。その取り組みを担うためには、そもそもその企業がどのような経営方針をもって事業に取り組んでいるのかをよく理解していなければなりません。

CHROは経営者の一人であり、経営方針を明確化する段階から経営メンバーとして関わっているはずです。CHROが人材や組織の全体最適のための取り組みを担うことで、経営方針に沿った効率的な組織運営が期待できます。

経営戦略に基づく人事評価制度の整備・運用・改善

人事評価制度を整備し、運用し、改善を行うことも、CHROの役割のひとつです。人事評価制度を設計する際には、社内のどのような立場の人材にどのような視点を持って仕事に取り組んでほしいのか、部署ごとや人材ごとの追うべきKPIはなんなのかといったことを整理し、どのような人事評価制度を置くことで社内の人材それぞれがその意図に沿った動き方をするようになるのかを考える必要があります。

会社全体として追うべき数字があり、それを因数分解することで部署ごとや人材ごとの追うべきものが決まっていきます。それはまさに経営戦略であり、組織として何を追うのかを決めることです。それを人事評価制度の形で組織に落とし込むことで、社内の人材に対し「あなたに追ってほしいものはこれだ」という経営チームとしてのメッセージを伝えることになります。

人事評価制度はそのような経営チームから各人材へのメッセージであり、その質次第で社員のパフォーマンスは決定づけられます。それは当然ながら、会社全体のパフォーマンスにも直結します。CHROは、こうした経営から各人材へのメッセージである人事評価制度の運用に関する責任者です。

優秀な人材の採用・育成

優秀な人材の採用や育成も、CHROの重要な役割です。優秀な人材を必要としている企業は数多あり、その中でそのような優秀な人材に選ばれる企業となることは、企業の競争力そのものです。また社内で様々な教育研修に取り組むなどにより優秀な社員を育成するための取り組みも同じように重要でしょう。

人材はまさに企業の競争力の源泉であり、優秀な人材をどれだけ多く獲得できるかが企業の成否を決めると言っても過言ではないでしょう。CHROは採用や育成の面から企業の競争力を支える立場であると言えます。

従業員の満足度向上やモチベーションアップのための取り組み

従業員の満足度やモチベーションアップの向上も、組織をうまく動かすために重要なものです。CHROは社内の様々な取り組み(経営理念やビジョンの一貫性、社内ルールの整備、人事評価、給与や福利厚生、労働環境や人間関係、CSR、社内イベント等)により従業員の満足度やモチベーションを最大化し、雰囲気が良く高いパフォーマンスを発揮する組織にするという重要な役割を担っています。

従業員の満足度やモチベーションの高い企業では組織のパフォーマンスは高まり、また離職が少なくなるなど、組織が無駄なく機能するようになります。そのような組織を実現することがCHROには求められています。

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CHROに必要な能力

そのように企業において重要な役割を担うことになるCHROですが、そのような重要なポジションであるCHROには、どのような能力が求められるのでしょうか。

企業経営に関する理解

CHROは経営メンバーの一人であり、企業経営に関する深い理解は不可欠です。CHROは事業に直結する組織運営に関わる経営判断を行っていく立ち位置であり、自社の取り組む事業に関する理解はもちろん、企業会計やマーケティング、テクノロジーといった領域について幅広く理解している必要があります。そのため、担当する人事や労務の領域だけでなく、社内の各部門の役割や課題についてある程度深い理解が求められる機会が多いでしょう。

人事に関する専門知識

CHROとして適切な経営判断をとるためにも、人事に関する専門知識を身につけている必要があります。組織開発や人事評価制度の運用などのような組織をうまく機能させる様々な仕組み、労働基準法などの労働法規、給与計算や勤怠管理の実務などのような人事労務の基礎的な構造等についても精通している必要があります。

人事領域は法改正が多く、人的資本経営に伴う取り組みの開示、外国人労働者の受け入れ体制構築など大きな潮流を汲んだ施策をとっていく機会も多いため、最新情報をアップデートし続けることが特に大切です。

コミュニケーション能力

CHROには、高いコミュニケーション能力が求められます。経営チームにおいては他の経営メンバーとコミュニケーションを取りながら自身の業務に取り組む必要がありますし、経営理念や経営方針の社内浸透を図るうえでも組織全体とのコミュニケーションが重要となります。

また組織においては「人」に関する様々な問題が生じます。そうした「人」に関する問題を解決するうえでも、CHROによる様々な立場の人とのコミュニケーションはとても重要となるでしょう。コミュニケーション能力は組織運営や問題解決のためのベースとなる能力であり、人に関わる業務を担うことになるCHROにとって特に重要な能力であると言えると思います。

日本を代表するCHRO

CHROが求められる能力や守備範囲は幅広いものですので、当然ながら簡単なものではありませんが、一方で様々なキャリアから目指すことのできるものでもあります。ここでは実際にCHROとして著名な方を数名、ご紹介したいと思います。キャリアアップを考えるうえでひとつの選択肢としてCHROを目指そうとされる際には、ぜひCHROとして実際に活躍された方たちについて知っていただければと思います。

日本の著名なCHRO

株式会社メルカリ
執行役員 CHRO 木下達夫氏
慶應義塾大学卒業後、1996年P&G社に入社。人事部で採用とHRBPを担当をされた後、2001年にGE社に転職され、GEプラスチックスのブラックベルト、GEキャピタルの人事ディレクター、同アジアパシフィック人材・組織開発リーダー、日本GE人事部長などを歴任した後、マレーシアにてASEAN人材・組織開発ディレクター、GEオイル&ガスのアジアパシフィック人事責任者を務めておられます。2018年12月からメルカリに参画され、現在は執行役員CHROを務めておられます。

株式会社サイバーエージェント
常務執行役員 CHO 曽山哲人氏
上智大学文学部英文学科卒。1998年に伊勢丹社に入社し、紳士服の販売とECサイト立ち上げに従事された後、1999年に当時社員数20名程度だったサイバーエージェント社に入社。インターネット広告事業部門の営業統括を経て、2005年人事本部長に就任し、現在は常務執行役員CHOとして人事全般を統括されておられます。黎明期のサイバーエージェント社を現在まで押し上げた第一人者のお一人としても有名な方になります。

ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社
取締役人事総務本部長(CHRO) 島田由香氏
慶応義塾大学卒業後、人材派遣事業などを展開する株式会社パソナに入社。その後、2002年米国ニューヨーク州コロンビア大学大学院にて組織心理学修士取得した後、日本GEにて人事マネジャーをご経験。2008年ユニリーバ入社後、R&D、マーケティング、営業部門のHRパートナー、リーダーシップ開発マネジャー、HRダイレクターなどをご経験の後、2014年から取締役人事総務本部長(CHRO)を務めています。

カゴメ株式会社
常務執行役員CHO 有沢正人氏
慶應義塾大学商学部卒業後、協和銀行(現りそな銀行)へ入行。その後、ワシントン大学でMBAを取得後の2004年にHOYA社に入社し、人事・戦略最高責任者に就任されています。全世界共通の職務等級制度や評価制度の導入、グローバルな人事制度を構築された後、2008年にAIU保険会社(現AIG損害保険社)に入社し、人事担当執行役員としてニューヨーク本社とともに、日本独自のジョブグレーディング制度や評価制度を構築されています。2012年にカゴメ社に入社し、カゴメ社の人事面におけるグローバル化の統括責任者となり、全世界共通の人事制度の構築を行っている。2019年現在、常務執行役員CHOを務ておられます。

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最後に

今回は「スタートアップ経営を支えるCHROの役割、必要なスキルなどを解説!」というテーマで、スタートアップ企業を「ヒト」の面から支える存在である、CHROについて解説を行いました。自社のCHROがどのような役割を担っているのかを知りたい方、自身がキャリアアップを考える中でCHROを目指すことを考える方など、様々な方に今回のコラムによってCHROというものをぜひ知っていただければと思います。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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