生成AI(Generative AI)が台頭する未来を生き抜くキャリアを解説!

生成AI(Generative AI)はAIの進歩によって生まれた技術であり、今後、IT・Web業界だけでなく、多くの業界でこの生成AIを活用した新たなサービスが生まれることが予想されます。今回はこの生成AIがどのようなものなのか、これまでのAIと何が違うのか等について解説します。

この技術は、データから新しい情報やコンテンツを生成することができ、画像、音声、テキストなど様々な形式のデータ生成に応用されています。本記事では、生成AIの基本原理、代表的な手法、応用例、さらには課題や倫理的な考慮事項について解説します。

目次

生成AIとは

生成AIは「Generative AI」とも呼ばれ、Generative(新たなものを生み出す)という言葉の通り、データから新しい情報やコンテンツを生成する技術やアルゴリズムを指し、与えられた入力データに基づき、新しいデータやコンテンツを生成する能力を持つことが特徴です。

生成AIによる具体的なサービスとしては2023年にマイクロソフトの投資先であるOpen AIよりリリースされた「ChatGPT」、Googleよりリリースされた「Bard」などがその代表格といえるでしょう。ChatGPTは、例えば「流行りの音楽を教えてください」とテキスト入力することで該当する情報を整理して回答をくれるサービスであり、従来の検索エンジンの在り方が変わるのではと、リリースされた当時には大きく波紋を呼びました。

これら生成AIを皮切りに、スタートアップを中心に生成AIの技術を取り込んだサービスが次々とローンチされており、今後、ビジネスの在り方が一気に変わる可能性があります。

従来のAIとの違い

従来のAIはディープラーニングと呼ばれる技術を用いたものが中心でした。これは教師データと呼ばれる機械学習用データをAIに取り込み、新たなデータを認識するような仕組みでした。その技術は例えばフリマアプリに売りたい商品の写真を登録した際に、AIが他に出品されている同じ商品(あるいは写真にて同じ商品と思われるもの)のデータと照合の上、その書籍が売れやすくなる価格を提案するといった形で実装されています。

これに対し、生成AIは何かを生成すること、またその生成のために学習を繰り返し、精度が高まっていくことが最大の特徴です。そして生成AIの生み出すものは文章だけでなく、画像、音楽、映像など広範囲に適用ができるため、今後、各分野にて生成AIにより生み出されたコンテンツが一気に増えることが予想されます。

このように従来のAIでは取り込んだビッグデータを起点に「識別する」「予測する」といったことに強みを有していたことに対し、取り込んだデータのパターンや関係などから学習を繰り返しながら「新たなものを生み出す」ことが大きな違いといえるでしょう。

生成AIの展望

生成AIはTech系スタートアップなどで既にサービス実装などをされてはいますが、IT・Web業界以外にも大きく波及する可能性を秘めています。なぜそのようなことが言えるかというと、生成AIの登場により、エンジニアが不在の組織においてもTech事業が誕生していく可能性があるからです。

例えばChatGPTでは「最近、流行りの音楽を教えてください」というテキストを入力することで、最新の流行りの音楽情報を得るという使い方もありますが、「最近、流行りの音楽が聴けるアプリを開発してください」というテキストを入力することでプログラミングをして貰うという使い方も可能です。

アプリ開発などに際しての精度はまだまだという段階ではありますが、今後、生成AIの進化と共に、このようなテキストに対して精度の高いプログラミングコードを生み出す可能性もそう遠くない未来に訪れることが予想されます。このような世界が実現すると、例えば不動産業界、医療業界、建設業界など比較的IT化に後れをとっている業界、エンジニア部門が社内にない企業においても、容易、且つ安価にTech事業を生み出すことが可能であり、非連続な成長曲線を歩む企業が増えてくることでしょう。

また、上記ではアプリを一例に挙げましたが、アプリだけではなく、動画コンテンツや小説などをはじめ多くの分野で生成AIによりコンテンツが生み出される時代が到来することが予測されます。このような時代が到来すると、エンジニアやクリエイターの仕事の在り方は変わらざるを得ないでしょうし、いよいよ英オックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授が警鐘を鳴らした「AIが雇用を奪う」という言葉が現実味を帯びてきます。

生成AIが台頭する未来を見据えたキャリア

このように生成AIが台頭する未来はまもなくやってくることでしょう。そのような未来を生き抜くためにもどのようなキャリアを歩むべきか、今のうちから真剣に向き合うことが大切です。AIが介入しづらい領域はどこにあるのかという観点でキャリア選択をする、あるいはこのようなAIを使いこなしながらこれまでにない価値を生み出せる人材を目指すことなど様々な選択肢が挙げられるでしょう。

非エンジニアの方であっても苦手意識をもたずに、生成AIをはじめ最新のテクノロジーから逃げずに向き合うことがこれからの未来を生き抜く第一歩です。まずは今回挙げたような生成AIをはじめ最新のテクノロジーなどに明るい知人、あるいはこのような分野と日常的に対峙している転職エージェントなどと情報交換をしていくことなどからはじめてみるのはいかがでしょうか。

最後に

今回は生成AI、並びに生成AIが台頭する未来について解説をしました。まだまだ不確実性の高い分野であり、今回解説しました内容よりも遙かに早いスピードでビジネスや社会が変わる可能性も否めません。まずは苦手意識を持たず、生成AIをはじめとした最新のテクノロジーに触れていくことを大切にしていくと良いでしょう。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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