転職活動を有利に!Linkedinでの転職を解説!

スマートフォンの普及に伴い、Facebook、X(旧 Twitter)、LinkedInなどのSNSがビジネスシーンでも活用されることが一般的になりました。転職市場でもSNSを通じて転職の情報収集をする、あるいはSNSをきっかけに企業と接点を持ち、実際に転職をするということも珍しくなくなりました。今回はその中でも、今最も勢いよくユーザー数が増えているLinkedinを活用した転職活動について解説します。

目次

Linkedinとは

LinkedIn(リンクトイン)は、ビジネスや職業上のつながりを築くためのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)です。2003年に創立され、ビジネスプロフィールの作成、専門知識の共有、求人情報の検索など、様々なビジネス関連の目的に利用されています。グローバルで見た際には6億人ものユーザーが利用している世界最大級のビジネス特化型のSNSといえるでしょう。

LinkedInは2003年にPaypal社の出身であるリード・ホフマン氏により、創業したことにより、その歴史に幕を開けました。初期の目標はビジネスのプロフェッショナルがオンライン上で自身のプロフィールを作成し、ビジネス上のつながりを築くことでした。2011年にはLinkedInは米国のNASDAQに上場し、会員数はグローバルで1億人を超える規模にまで成長を遂げています。

2016年にマイクロソフトがLinkedinを262億ドル(約3兆円)でM&A(買収)することを発表し、当時のマイクロソフトでは最大のM&A案件となりました。現在はアメリカ、インド、ブラジル、中国、日本などをはじめ多くの国で利用されるSNSとして確固たるポジションを築いています。

日本におけるLinkedin

海外では転職を重ねてキャリアアップをしていくことは一般的であり、ビジネスパーソンはキャリアアップにつながる情報、オファーが届きやすい状態にしておきたいニーズがあり、LinkedInの利用は順調に進んでいきました。一方、今でこそ日本でも転職が一般的になりましたが、ひと昔前までは転職活動をしていることが勤務先に明るみになってしまうことで重要な仕事のアサインが無くなるなどのリスクを孕んでいました。

実名で登録することが基本とされるLinkedInの利用をリスクに思うユーザーも少なからずいた中、日本では海外と比べるとLinkedinをはじめとするビジネスSNSの普及に時間を要していたという歴史がありました。しかしながら、転職や副業が一般的にとなった今、日本のビジネスパーソンも自分にとって有益な情報、オファーを貰いやすい状態を築いていく手段の一つとしてLinkedInの利用が増えてきている傾向にあります。

LinkedInはFacebook、X(旧 Twitter)などと異なり、転職をはじめビジネスに特化している分、求人情報などに直接的にアクセスがしやすいです。また、企業のリクルーターや転職エージェントより具体的な求人情報のオファーが届く構造のサービスでもあり、本格的に転職活動で情報収集をしていく場合に利用するSNSとしては有効なツールの一つと言えるでしょう。

転職活動におけるLinkedinの活用

それでは転職活動においてLinkedInをどのように活用していくのが良いでしょうか。ここでは転職活動でLinkedinを活用するためのポイントについて解説していきます。

ネットワーキング

Linkedinを転職活動で活用する上で最も大切なことの一つがネットワークです。直接的な転職活動だけでなく、同業種・職種の方と繋がって情報交換をすることの他、自身が興味のある業界の方と繋がり、その業界の動向などについて情報を得るという活用の仕方もあります。いきなり転職活動をしてうまくいかない事態に陥ることを回避するためにもLinkedinでのネットワークを活用しながら転職活動を有利に進めましょう。

また、プロフィールは日本語と併せて英語でも記載をしておくと、アメリカをはじめとした世界中の方との繋がりもできやすくなります。目指すキャリアプランの中に外資系企業での就業可能性なども視野にある方はぜひご検討ください。

セルフブランディング

LinkedInは受け身だとなかなか自分の得たい情報、ネットワーキングの構築などが出来ません。プロフィールには自分の学歴や勤務先情報だけではなく、どのような専門性を持ち合わせているのか、またLinkedinでどのようなネットワークを作りたいかなどを明記しておくと良いでしょう。

尚、経歴に関しては基本的には概要を中心に記載で良いですが、転職活動を本格的に考える段階にあるようであれば、アピールになる取り組みなど開示できる範囲で具体的なことも明記していくことでリクルーターや転職エージェントなどからスカウトを貰いやすくなるでしょう。

情報収集

LinkedInの「つながり」は双方の合意が必要ですので、つながり申請を受けてもらえないこともありますが、相手の承認がなくても発信内容を「フォローする」機能がありますので、転職先として検討している企業の経営者をフォローするのもおすすめです。

また面接前に面接官の役職名やフルネームが分かっている場合には、名前を検索して面接官がどのようなポジションについているのか、大学や部活などのパーソナルな情報をつかんでおくと、面接時のコミュニケーションを円滑に進めるのに役立つことがあります。

SNSを活用した転職活動での注意点

日本ではIT・Web業界の企業こそ積極的にLinkedinをはじめとしたSNS採用を取り入れているものの、日本全体で見た際にはSNSでの採用活動を導入できている企業がまだまだ少ないので、自分が希望する企業からアプローチをなかなか貰えないことも珍しくありません。

このような前提を踏まえた場合、SNSだけで転職活動を進めると情報の網羅性を担保できない可能性が高いです。転職活動の動き出しでSNSを活用する分には良いのですが、本格的に転職活動を進める際には、転職サイトや転職エージェントなどと併用しながら臨むのが良いでしょう。

また、SNSで企業側と接点を持った際に、必ずしも自分の経験に合致する求人の募集が出ているとは限りません。時には詳細な勤務条件が不明瞭なままに選考が進んでしまう場合もありますので、企業側に働きかけ、自分から主体的に情報を取得しに動いていく必要があります。

そして最も大切なこととしては、自分の情報発信の内容です。他人に対する批判、不確かな情報、他人のプライバシーにまつわること、愚痴や偏見を含むこと、公にしてはいけない情報などを投稿しないように気をつけましょう。応募者がこのような発信をしているのを目の当たりにした場合、企業の採用担当者は当然ながら選考継続を躊躇します。

SNSは情報発信の役立つツールである一方、炎上し、企業の評価を著しく損なうリスクも秘めています。そのため採用担当者は、応募者のSNS上での発信内容、情報の扱いに関するリテラシー、マナーに問題が無いかチェックするようになってきています。自分には誰かを貶める意図、悪意がなかったとしても、そのような誤解を生みかねないような内容の発信が過去にないか精査の上、転職活動に臨むと良いでしょう。

最後に

今回はLinkedinを活用した転職活動について解説をしました。Linkedin単体でもできることに限度がありますので他のSNS、あるいは転職エージェントなどの転職手法をうまく組み合わせ、転職活動を有利に進めましょう。

また、LinkedinをはじめSNSを活用することで有利に転職活動を進められる一方、自身の発信が仇となってしまうリスクもあるので、情報発信にはくれぐれも注意しましょう。今回の記事を参考にして頂き、転職活動に役立てて貰えると幸いです。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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