転職で学歴は重視される?学歴に自信がないときにできる対策

転職を検討しているものの「学歴にコンプレックスがあって不安を感じる」という方は少なくないのではないでしょうか。実際、ネット上にも学歴次第でキャリアが決まってしまうという意見がはびこっていますし、新卒採用のときに学歴を理由で苦労された経験がある方もいらっしゃることでしょう。

しかしながら、今あなたのいる会社で活躍されている方々が必ずしも高学歴ではないという事例も多々あるのではないでしょうか。中途採用の転職で学歴はどのくらい重視されているのか。今回は、転職と学歴の関係について詳しく解説していきたいと思います。

目次

転職で学歴は重視されるのか

転職で学歴が重視されるか否かは、転職者の年齢層と応募する求人によって異なりますので一概には言えませんが、中途採用では新卒採用ほど学歴は重視されません。

学歴は新卒採用だけでなく、中途採用においても判断基準の1つになることはあります。しかし、中途採用においては学歴以外に判断基準となるものが増えます。特に社会人になってからの業務経験・業務に役立つスキルが優先的に評価対象になるため、新卒採用と比べて比重・優先度は下がる傾向があります。

また前提として現在の日本の大学の進学率は男女ともに50%以上を超えており、大卒であることの優位性はそれほどありません。転職シーンで有利になりうるのは、偏差値の高い大学を卒業しているか、大学院卒で理系の専攻していて、なおかつ学歴にともなった職歴がある場合に限られます。学歴よりもキャリア形成に目を向けたほうが賢明でしょう。

学歴を重視されやすい年齢層・業界

学歴を重視の求人もあれば、学歴不問という求人もあります。では実際に学歴が重視されやすい年齢層や業界についてどのような共通点があるかを解説していきます。

転職の際に学歴を重視される年齢

学歴が重視されやすいのが、第二新卒・若年層の方の転職です。まだ社会人としての実績らしい実績がない場合が多く、スキル不足や知識不足も成長途中の段階であることが考慮されます。面接以外での人物評価以外に判断材料が少ないなか合否を決める必要があるため、客観的な情報の一つとして学歴が影響しやすい傾向があります。

一方で、社会人になってからの実績・経験によって合否判断ができるミドル層(30~40代)以上の年齢の転職や、専門性の高い業務に従事している経験者の転職の場合、学歴を絶対的な条件にしている求人は減ってきます。学歴は数あるチェック項目の一つにすぎず、学歴よりも実務経験やスキルを重視するケースが多いのです。言い方を変えるならば30代以上の転職においては、その学歴にふさわしい実績がなければ、どんなに高学歴であってもそれほど有利にはならないでしょう。

転職の際に学歴が重視されやすい業種

転職で学歴が重視されやすいと言われているのは以下のような業種です。

学歴が重視されやすい業界
  • コンサルティング
  • リサーチ・シンクタンク
  • 大学・大学院などの教育機関
  • 金融
  • 総合商社
  • メディカル業界(医療・製薬・医療機器メーカーなど)
  • 法律業界

学歴を重視する業界の共通の特徴としては、比較的、高度な頭脳労働中心に求められるポジションが多く、論理的な思考能力及び問題解決能力、課題発見能力などが求められることが挙げられます。また待遇が良いことが知られている企業は応募者からの人気が高いため、面接選考する人数を絞るために学歴を書類選考の基準に設けるケースが多くみられます。それ以外に、メディカル業界・法律業界のように業界の特殊性から学生時代の専攻分野が問われるため、必然的に学歴(どのような学部学科に在籍していたか)を重視することになる業界もあります。

逆に、学歴がそこまで重視されない業種・職種としては、以下が挙げられます。

学歴があまり重視されない業種
  • 旅行業界
  • 飲食業界
  • 小売業界
  • IT・Web業界

学歴を重視されない業界の共通点としては、学歴以外に最優先にしている素養があることです。例えば旅行業界や飲食業界のような個人向けのサービス業界では、達成意欲やコミュニケーション能力のように、学歴では推し量ることのできない素養が最優先にされます。またIT・Web業界については技術的なスキル・実績が最重要視されるため、学歴は二の次になりやすいのです。また上記業界は慢性的にマンパワー不足の会社が多いという事情もあるかもしれません。このような業界を志向する方が優先すべきは、将来の転職に向けたキャリア形成であると言えるでしょう。

学歴の影響を受けにくくなる転職活動の工夫

学歴が全てではないものの、大学や高校への進学を選ばなかった方にとっては、転職は高いハードルに感じるかもしれません。そのような方が知っておきたいのが学歴の影響を受けにくい転職の仕方です。

履歴書の記載方法を工夫する

経済的な問題であったり、目指すべき道が専門職であるなどの理由であえて進学を検討しなかった方や中退した方もいらっしゃるでしょう。そのような場合、進学を選ばなかった理由を応募書類に記載することで、採用担当者の思わぬ誤解や先入観などを回避しやすくなります。

また、進学先として選んだ高校や大学に特別な理由がある場合、あるいはまた何らかの事情で中途退学をすることになった場合などはその事情についても応募書類に記載することをおすすめします。

経験・スキルを活かせる求人に応募する

学歴の影響を受けにくい転職方法としては、「前職と同じ業種・職種の求人に応募する」が挙げられます。中途採用で重視される経験やスキル、知識を一定程度保有していることをアピールしやすく、即戦力が評価されて採用されやすくなります。

学歴を重視しない業界・職種に応募する

学歴に自信がない場合、上記に記載したような学歴がハンデにならない業界の求人に応募するのもおすすめの方法です。悩ましいのは自社に学閥や学歴フィルターがあると公言する会社はありませんし、事前リサーチが難しい点でしょう。大手日系企業に比べると、新しい業界や中小企業、ベンチャー企業では学歴が偏重されない傾向はありますが、あくまで傾向であって、その企業によります。転職エージェントを利用している場合は問い合わせてみると良いでしょう。

自己研鑽に励む

学歴に自信がない方は、履歴書に書けるような資格を取得するなど、継続的な自己研鑽に励むことをおすすめします。新しいことを常に学んでいること、向学心や自己成長意欲が高いことがアピールできると同時に、学歴面をカバーすることができる可能性があります。

また、どうしても学歴が必要な業界でキャリアを積みたいなど強い気持ちをお持ちの方であれば、社会人になってからでも最終学歴を更新することもできなくはありません。もちろん時間的にも金銭的にも相当な負担はかかりますし、費用対効果をよく考える必要はありますが、高等学校卒業程度認定試験(旧大検)は年2回実施されていますし、大学でも社会人向けに夜間・Web履修コースを準備している教育機関は増えています。当然ながら社会人になってから修学した場合であっても、履歴書に最終学歴として記載可能です。

転職エージェントを活用する

学歴がネックとなって、転職活動に不安がある方は、転職エージェントの活用をおすすめします。転職エージェントと聞くと、求人を紹介してくれるだけ、といったイメージがあるかもしれません。実際は各企業側の学歴フィルタなども踏まえたうえで、ベストな提案を紹介してくれる存在です。たとえば大卒対象の求人であっても、候補者側に強みがあれば、企業側に学歴の要件を緩和できないかと交渉してくれることもあります。また応募するにあたって学歴が障壁とならないように面接対策や書類作成のサポートなどを受けることもでき、万全の体制で転職活動に臨むことができます。

最後に

この記事では、転職で学歴は重視されるのか、影響を受けにくい転職の仕方は何なのか、などについて解説しました。今回触れた通り、転職という中途採用の現場では、学歴よりもスキルや経験など所謂「これまでのキャリア」が重視されることが多い傾向にあります。もちろん、業種や職種によって学歴を重視する度合いは異なりますが、転職活動に向けて実績を重ねたり、能力向上を目指したりすることである程度学歴の問題はカバーできることが多いです。

しかしながら、学歴に自信がない方にとって、転職活動のハードルが高く感じてしまうことは珍しいことではありません。その際にはぜひ、転職エージェントの活用を検討してみてください。転職業界のプロとして、学歴に左右されずに転職を成功へと導いてくれます。今よりも、もっと納得して働ける職場を見つけるチャンスにも繋がるので、転職活動に不安がある方、どのように転職活動を進めていくべきか悩んでいる方は、ぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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