IT・Web業界のエンタープライズ向け営業について解説!

「エンタープライズ(エンプラ)」という言葉はご存知でしょうか。SaaSプロダクトを展開するスタートアップなどIT業界でよく耳にするこの言葉は一体何を指すのでしょうか。今回はIT・Web業界の営業シーンで用いられるエンタープライズ(エンプラ)の意味について解説してまいります。

目次

エンタープライズとは

エンタープライズ(Enterprise)とは「冒険」「企業」「事業」を意味する言葉です。IT・Web業界において使用される場合には、大手・中堅企業、あるいは公的機関などの顧客をこの「エンタープライズ」という呼称で一括りにすることがあります(営業組織においては「エンプラ」と略されることも多いです。)

エンタープライズ向けに導入されるプロダクトとしては営業管理システム、労務管理システムなど様々あります。その中でも数万名単位での情報処理・情報管理が可能である他、情報漏洩に特に機敏でなくてはならない故のセキュリティの強固さを兼ね備えたプロダクトであることが特徴といえます。

尚、このような意味合いでのエンタープライズの対義語としてはSMBという言葉がしばしば用いられます。SMBは「Small and Medium Business」の略で、日本語に直すのであれば「中小企業」の意味合いとなります。エンタープライズ向けの営業についてのディスカッションの際には、エンタープライズとSMBを対比した話になることも多く、合わせて覚えておくと良いでしょう。

エンタープライズ向け営業の特徴

それではこのようなエンタープライズ向けの営業はSMB向けの営業とどのように異なるのでしょうか。こちらではエンタープライズ向け営業の難しさなどの特徴について解説していきます。

先に記載の通り、エンタープライズ向けに事業を展開する多くの場合、プロダクト、サービスは高単価であることが多く、年間で数百万円~数千万円、時には億単位での受注になるようなこともあるでしょう。エンタープライズ向けの営業活動はこのように動かす金額が大きいが故のダイナミックさを感じられるでしょう。

一方、そもそもこのようなエンタープライズとよばれる企業は多い訳ではないため、商談機会の一つ一つが貴重な機会であり、確実に受注をするために用意周到に準備をせねばならない大変さがあります。また、多くの場合はエンタープライズへの導入は敷居が高いため、数か月、あるいは1年以上に渡って営業活動を行わなければならない難しさがあるのも特徴といえます。

エンタープライズ向け営業に必要なスキル

それではエンタープライズ向け営業で成果をあげるためにはどのようなスキルが必要でしょうか。こちらではエンタープライズ向け営業において必要なスキルについて解説していきます。

ドキュメント作成力

エンタープライズ向け営業において必要なスキルとしてドキュメント作成力が挙げられるでしょう。SMB向け営業の場合には社長と直接商談の上、クロージングに運ぶようなことが多いかと思いますが、エンタープライズ向け営業の場合には商談相手との合意を得た上で、役員への上申などの上で導入が決定されるような運びになるようなことが多いです。そのため商談相手となる方が上申しやすい提案資料が必要であり、必然的にドキュメント作成力は必要不可決なスキルの一つといえるでしょう。

粘り強さ

エンタープライズ向けの営業は当然ながら攻略は容易ではありません。商談の場に辿り着くことも一苦労なことが珍しくありませんし、良い提案ができたたとしても顧客内の社内調整などでなかなか話が進まずにジレンマを感じるということもあるでしょう。そのような躓くことがあったとしても粘り強く、次の手を打ち続けられるかどうかはエンタープライズ営業に欠かせないスキルといえるでしょう。

巻き込み力

エンタープライズ向け営業の場合、複数のステークホルダーを巻き込んだ形で商談を進める必要があります。先に記載の通り、エンタープライズ向け営業においては社長や取締役との商談機会が持ちづらい前提ではありますが、例えば課長職の方と商談の上で上申を依頼するというのは何階層も飛び越えなければならず現実的ではないでしょう。

決裁者が誰(どの役職者)なのかを特定の上、決裁者、あるいは普段より決裁者直下でコミュニケーションをとられている方を商談の場に引っ張り出し、決裁者が必要性を感じて貰えるような提案を行わなければなりません。そのような段取りを組んでいくためにも目の前の商談相手を味方にし、その先の上司や決裁者を巻き込んだ営業活動を行っていく必要があります。

最後に

今回はIT・Web業界におけるエンタープライズ向け営業について解説しました。解説しました通り、ダイナミックな仕事であるが故のやりがいもあるものの、反面、簡単に成果をあげることが難しいというのもエンタープライズ向け営業の特徴です。エンタープライズ向け営業に従事される方、これからエンタープライズ向け営業に挑戦されたい方などは是非こちらの記事をお役立てください。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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