【営業職・セールス職編】志望動機の回答例・サンプル文をご紹介

営業職・セールスへの転職を検討しているのであれば、志望動機は非常に重要です。アピールする内容次第で採用担当者に良い印象を与えられるため、希望する企業への採用チャンスがぐっと高まるでしょう。

そこで、本記事では営業・セールスへの転職を検討している方へ向けて、志望動機の回答例をご紹介します。「どのようにアピールすればいいのか分からない」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

志望動機とは

志望動機とは、自身がエントリーした企業に対して、「なぜエントリーに至ったのか」「なぜ働きたいと思ったのか」を伝える項目です。企業側が質問する意図としては、求職者が何を大事にして転職活動を行っているのか、自社に対してどれだけ理解・興味関心を持っているのかを把握し、応募者の意向度などを測る企業が多いです。

また、最近の面接では「志望動機」という言い方ではなく、「どのような部分で弊社に興味を持ったのか」など「志望動機」というワードを使わずに質問をする面接官も増えているため、志望動機を伝えそびれないように、注意深く質問を聞くようにする必要があります。

営業の役割

会社の中での営業・セールス職の役割とはどのようなものでしょうか。「商品・サービスの提案による売上の最大化」というのがメインの役割となりますが、その会社で取り扱う商品・サービス、営業戦略、販路、顧客属性によって、実際の業務内容は大きく異なります。

たとえ営業経験がある方であっても、その会社での営業の役割を理解したうえで志望動機を整理すれば、業務理解が高く戦力になりそうな人材だと感じてもらうことができるでしょう。転職活動を行う上で志望する職種の役割について理解しておくことはとても重要です。

エントリーする営業求人タイプを把握しよう

営業求人をタイプ分けする場合、さまざまな軸によってタイプが分かれます。営業手法による区分として「新規顧客開拓営業」「既存顧客営業」「代理店営業」など、顧客の属性による区分として「法人顧客向け」「個人顧客向け」、扱う商材の属性による区分として「有形商材」「無形商材」などがあります。それぞれに求められるスキルセット・知見が異なります。

応募する営業求人のタイプと自分の経験してきた営業タイプを正確に把握しておくことが志望動機作成のキーポイントになります。

新しいタイプの営業系求人をキャッチアップしよう

SaaSビジネスを中心に、既存の営業モデルには当てはまらない職種の募集が出ています。インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスといった職種がそれにあたります。これらはセールスフォース・ジャパン社が提唱した営業プロセスモデル「The Model」における職種分類です。

特に営業経験がある方なら、それまで培ったスキルを新しい形で生かせる求人も多いでしょう。詳細は下記コラムを参考にされてください。

営業・セールス希望者の志望動機を伝える際のポイント

営業・セールスへの転職を希望する方が志望動機を伝える際、ポイントとなるのが「その業界や営業職を選んだ理由」「その企業を選んだ理由」「採用後にどう活躍できるか」などです。各ポイントについて、以下で詳しく解説します。

応募する業界・ビジネスモデルを理解しよう

営業・セールス希望者が志望動機を書く際には、業界や応募予定の会社のビジネスモデル・顧客属性・サービス内容・差別化のポイントを把握してから志望理由をまとめましょう。

特に、応募する仕事への期待値がズレていないか、といった点は、入社後の定着を左右するため企業の採用担当者が気にする部分です。

前職と同じ業界の経験者であれば、すでに業界について理解があり、そのビジネスの面白さ・難しさを知っているはず、と思われます。未経験業界への転職であれば、これまでの経験との共通点を見出したり、業界の動向・主な顧客をリサーチしたりして、自分の言葉でまとめることが重要です。

営業・セールスを選んだ理由をまとめる

営業・セールスを選んだ理由は、採用担当者が採用を検討するにあたって重要な情報です。

営業経験者である場合は、目標や展望及び達成するためにすべきこと、現時点でできることなどを明確にしたうえで志望動機に落とし込みます。

営業未経験からの転職であれば、「自分のどのような強み・長所があり営業・セールスにチャレンジしたいと思ったのか」をポジティブな内容で記載します。過去の経験と関連する部分や、営業現場で使える学びがあったときには、それぞれも記載することで、営業・セールスへの前向きな転職をイメージしていることが伝えやすくなるでしょう。

その企業を選んだ理由を具体的に書く

営業・セールスの職種で人材を募集している企業は多数存在する中、なぜその企業に応募したのかは志望動機において非常に重要なポイントです。きちんと応募先企業について情報収集し、企業理解を深めたうえで、志望動機に盛り込む必要があります。たとえば、他社にはない応募先企業ならではの魅力に対する気持ちや、営業職として可能性を感じる販路など、採用担当者が納得できるような理由を添えましょう。

採用後の自分の活躍について書く

志望動機では「採用後にこんな活躍をしたいから」といった、自分の働きについて触れることは大切です。現時点で自分の持っているスキルや、これまでに得た学び、経験などに基づき、応募先企業でどのような活躍ができそうか、どう活躍したいのかなどを明確にまとめましょう。採用担当者も、実際に採用した後のイメージをしやすくなり、前向きな検討を促しやすくなります。未経験であっても、企業や業界、職種との共通点に触れて実現できそうな目標・展望に触れるとよりリアルな内容の応募書類を作成できます。

営業・セールス希望者がアピールすべき部分

志望動機を聞かれているのに、うっかり自己PRをしてしまうと回答内容がズレてしまうので注意が必要ですが、志望動機を語るなかで、自然な流れで自分の得意分野の話に結びつくように展開するのはおすすめです。

営業・セールス希望者がアピールすべき部分は、当然ながら「営業活動で使うスキルを持っていること」です。営業では必ず取引先やお客様などいろいろな人と関わります。さらに、自社の商品やサービスの良さを適切に伝え、購入・契約へとつなげる必要があり、そのためのスキルを持っていることのアピールは営業・セールスにおいて必須であると考えられるでしょう。ちなみに、営業・セールスへの転職希望者が、アピールすべき具体的なスキルは次の通りです。

営業に求められるスキル・強み

・コミュニケーションスキル
・課題を発見・解決するスキル
・ヒアリングスキル
・プレゼンテーションスキル
・調整スキル
・情報収集・分析スキル
・論理的思考力

営業に必要な能力は多岐にわたりますが、その中で自身の強みはどこにあるのかについても、志望動機とあわせて整理しておくと良いでしょう。面接においてこのような点をアピールすることができれば、評価につながることが期待できます。

営業・セールス希望者の志望動機の例文

営業・セールスを希望する場合の志望動機の例文をご紹介します。「何を書いたらいいのか思いつかない」「効果的なアピール方法が分からない」と悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

法人営業の志望動機のサンプル

法人営業の志望動機において注意したい点としては、もし個人顧客向けの折衝経験があったとしても、法人対応は未経験とは区別して捉える必要がある点でしょう。またサービス業経験者は顧客に感謝された経験やホスピタリティについてのエピソードを挙げる候補者の方が多いですが、応募する会社によっては、売上・目標にコミットする姿勢を打ち出したほうがいいケースがあります。

法人営業未経験者エントリーする場合

現職では、アパレルの店舗スタッフとして個人のお客様向けの販売業務に従事しています。来店したお客様に商品をご提案し、気に入ってご購入いただけることにやりがいを感じていました。しかし、現職では自分の働きかけによってお客様にご購入いただいても自分の実績として評価されることがないため、自分の実績が評価される種類の営業職への転職を検討していました。これまで自社内で法人向けの営業ができるポジションがあったので希望して上司に何度か進言しましたが、社内のキャリアパス制度上の制限があり、考慮して頂くことができませんでした。そんな中、貴社で未経験からでも挑戦させて頂ける求人を拝見したので応募させて頂きました。これまでの業界知識を活かしながら、初めて法人営業としてチャレンジすることができると思い、応募に至りました。店舗スタッフとしての業務の中で身につけたコミュニケーションスキルや提案力、ヒアリングスキルなどを活かして貴社での顧客の獲得につなげていきたいと思います。

法人経験者が異業界の法人営業にエントリーする場合

貴社の法人営業職を志望した動機は、貴社はサービスラインナップが豊富で、お客さまの課題を本質的に解決する素晴らしい仕事だと感じたからです。現在は信用金庫で法人向けに融資の営業として勤めていますが、様々な規制の厳しい環境下での営業であることから、顧客からのニーズに対応できないことが頻繁にあります。もっとお客様の期待に応えられる営業職になりたいと思いを強くしたことから、貴社にエントリーした次第です。

特に貴社は金融分野とIT分野を組み合わせたサービスを多数展開していることから、自分の知見が生かせるとも考えております。とくに、変化の大きい現代にマッチするよう、工夫が施されたサービスの性質は他の企業にはない魅力であると感じています。自分の人間関係や金融の知識、そして新しいを生かして、貴社の事業の拡大・成長に貢献したいと思います。

カスタマーサクセスの志望動機のサンプル

カスタマーサクセスの求人の志望動機のポイントは、顧客開拓への積極性や営業利益を追求する姿勢を忘れないことです。カスタマーサクセスは他の営業職に比べると、新規顧客の開拓する・売り込む要素が少ない求人が多いですが、受け身な姿勢が出てしまうとマイナスの印象を与えてしまいかねません。

未経験者の場合

現職では、スマートフォンのコールセンターにて顧客対応に従事しています。お電話をくださったお客様に対し、商品の使用方法や契約内容について分かりやすく説明しています。人と関わることが好きで、お客様とのコミュニケーションはモチベーションとなっていましたが、一方でトークスクリプトが厳密に決められており、契約継続に貢献しても自分の評価には繋がらない仕組みのため、現職を継続することに行き詰まりを感じています。貴社は、顧客第一に考えたサービスを多岐にわたって提供していることもあり、「更にお客様のニーズを開拓し、より多くのご提案がしたい」という自分の考えとマッチしていると感じています。丁寧な対応力やコミュニケーション能力、各種データの分析結果を顧客対応に繋げる能力などを活かし、貴社の売り上げに貢献できるよう努力したいと考えています。

経験者の場合

これまで、法人向け営業支援ツールに関するカスタマーサクセス部門に所属し、クライアントの導入サポートやオンボーディング業務に従事してまいりました。現職ではクライアント企業の現場ユーザーとも接点を持ち、迅速に課題に対する解決策を提案することができると同時に、自社の売上拡大につながる点にやりがいを感じております。その中でもっと提案内容に幅がある規模の大きな商材を扱いたいと感じ、転職を考えております。貴社が展開されているツールは、営業部門のみならず、経理部門・マーケティング部門でも重用されるビジネスにおける幅広い分野を網羅した汎用性が強みであり、クライアント企業に対してより多面的に提案が可能な点に興味があり、貴社を志望しています。これまでのカスタマーサクセスとしての経験を活かし、貴社の事業発展に寄与したいと考えています。

有形商材の法人営業の志望動機のサンプル

志望動機にユーザー目線で商材の良さをあげる方も多いですが、「商材が良い・有名なので(営業努力をそれほどしなくても)売りやすいと思っている」という風にとられてしまうリスクがあります。志望企業のビジネスモデルや営業方針を理解していることを表現することが求められます。

業界未経験者の場合

前職では、工業製品の法人営業を担っていました。既存クライアントのニーズをもとに、社内のメンバーと新たな事業展開について話し合い、新たな製品の開発や企画なども担当しており、やりがいを感じていました。しかし、より相手の人生に関わるようなマンツーマンの感覚で営業をしたいと考え、貴社での自動車営業を志望しました。貴社は、顧客に対して誠実である一方、きちんと売り上げ目標に向かって真摯に取り組んでいる姿勢に魅力を感じました。法人に向けた営業経験を活かし、貴社での売り上げ貢献や新規顧客の獲得につなげていきたいと考えています。

【経験者(業界も経験ありの場合)】

現在、自動車部品の営業に従事しています。現職では、上司の定めた営業戦略に沿って業務を遂行していますが、自分で目標値を設定して営業チームを牽引するリーダーとして営業戦略の策定を担うような仕事をしたいと貴社に応募させていただきました。貴社は、営業担当の裁量が大きく、やりがいを持って働けると感じています。貴社の売り上げに直結する中心的な立場として、顧客の信頼を獲得しつつ、エリアリサーチを徹底的に行ったうえで貴社の売上に貢献したいと思っています。

志望動機に迷った時は転職エージェントに

志望動機は、応募企業への志望度や企業への理解度をはかることができるため、一次面接のみならず、最終面接でも聞かれることが多い質問です。自信をもって回答ができるように万全の準備をして臨みましょう。

転職エージェントを活用して転職活動をされている場合は、想定している志望動機回答案に問題がないか、転職エージェントにフィードバックを求めることをおすすめします。転職エージェントは求人企業と何度も接点を持っており、その企業独自の強みを把握しているので、有効なアドバイスが得られるでしょう。

転職エージェントは国内に数万社あり、特定の業界・職種に強みを有する転職エージェント、あるいは経営層、マネジメント層に特化した転職エージェントなどそれぞれ特色があります。これまでの経験、自分が描きたいキャリアなどを踏まえ、自分に合った転職エージェントをパートナーに選びましょう。

最後に

志望動機は職種を問わず、多くの転職者の方が頭を悩ませるポイントです。志望動機とは応募先企業をそれなりに理解して初めて語ることができるようになるとなるという性質上、考えるのに時間と手間がかかるものと割り切って取り組むことをおすすめします。

営業・セールスの仕事への転職を希望しているのであれば、志望動機の正しい伝え方は外すことができない質問です。今回はいくつかのサンプルをご提案させていただきましたが、個別の状況に適した志望動機の書き方があるため、自分の状況と照らし合わせながら適切な志望動機を作成しておきましょう。本記事でご紹介した内容を参考にしながら、転職活動にお役立ていただければ幸いです。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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