例文つき!自己PRでコミュニケーション能力をアピールする方法

転職活動において、必須と言っても過言ではない「コミュニケーション能力」は、自己PRの場面でアピールすることが重要です。多くの企業は応募者に対してコミュニケーション能力を重視している傾向にあり、面接や履歴書などでは積極的にアピールすることが求められます。とはいえ、コミュニケーション能力をどうアピールすればいいのか、悩む方は多いのではないでしょうか。本記事では、自己PRのシーンでコミュニケーション能力をアピールする方法を、例文とともにご紹介します。

目次

コミュニケーション能力の必要性

多くの企業が人材採用時にコミュニケーション能力を重視しています。外部との対応はもちろんのこと、社内や業者など、あらゆるステークホルダーとの円滑なコミュニケーションは、仕事のパフォーマンスに直結すると考えられています。特に書類選考や面接の場では、採用担当者は応募者とのやりとりを通してコミュニケーション能力をチェックしていることもあり、転職を希望する方は積極的にアピールする必要があるでしょう。

ちなみに、日本経済団体連合会による「2018年度新卒採用に関するアンケート調査結果」では、選考時に重視する要素として、80%以上のポイントを集めたのが「コミュニケーション能力」でした。次いで主体性が64.3%、チャレンジ精神が48.9%、協調性が47.0%といった結果です。選考の場面では、コミュニケーション能力が最も重視されていることがわかります。

コミュニケーション能力のアピールが必要な職業

コミュニケーション能力が不要な職種、というのは多くありませんが、特に高いコミュニケーション能力が必要とされる職業はいくつか存在します。ご自身が転職したい職業と照らし合わせながら、以下を参考にしてみてください。

営業(フィールドセールス)

コミュニケーション能力が必須の職業の代表格と言えるのが営業(セールス)です。まず営業は顧客との関係性の構築するためのコミュニケーション能力が必須です。顧客との信頼関係を築くためには、言語コミュニケーションのみならず、非言語コミュニケーションにおいても熟達している必要があります。また営業は自社のプロダクト・サービスの良さを伝える能力だけではなく、相手の抱える課題をヒアリングする能力も必須です。

営業職は担当する顧客の属性・商品の特性によっても求められるコミュニケーションスタイルは異なってきます。営業職への転職を検討している方は、ただコミュニケーション能力のアピールをおこなうだけでなく、応募する予定の求人においてはどのようなスタイルのコミュニケーションが求められるのかを的確に把握し、自己PRに繋げることが重要でしょう。

カスタマーサクセス

SaaSプロダクトを展開する企業などでは営業(フィールドセールス)が受注した後、導入顧客へのサポートやオプション提案などを行うカスタマーサクセスと呼ばれる部門を設置することが多いです。カスタマーサクセスは顧客との折衝もさることながらフィールドセールス部門をはじめとした他部門との連携機会も多い中、コミュニケーション能力は必須といえるでしょう。

管理部門

管理部門の担当者もコミュニケーション能力のアピールが必要な職業です。一口に管理部門といっても経理や総務、人事、法務など、さまざまな職種がありますが、いずれの場合であってもコミュニケーション能力のアピールは不可欠です。

管理部門のイメージとしては、担当業務を淡々と進めていくイメージがあるかもしれません。しかし自社の管理職や経営層とやりとりを交わすことも多いため、実際は高いコミュニケーション能力が求められます。たとえば、指示されている内容がコンプライアンス的に対応が難しいことがあればきちんと伝えなければなりませんし、相手の立場や組織のルールに配慮して丁寧なコミュニケーションをとる必要もあります。周囲と円滑にコミュニケーションを交わしながら、誠実に業務を進められることをアピールする必要があるでしょう。

ITエンジニア

エンジニアの中でもVPoEなどの職種は、顧客接点が多く、コミュニケーション能力が不可欠です。相手が何を求めて依頼しているのかをしっかりと組み込み、チーム間で共有するためにも、コミュニケーション能力は必須です。またIT関連業界のコミュニケーションの手段は、対面での口頭だけではなくチャットも含まれます。文字で正しく情報をやりとりする、といったコミュニケーション能力も求められることを覚えておきましょう。

また、エンジニアはスキルさえあればコミュニケーション能力がそれほど高くなくてもできる仕事があるため、コミュニケーションは不得手という人が多いです。もしあなたのコミュニケーション能力が高い場合、他候補者との差別化につながる可能性があります。コミュニケーション能力に自信がある場合はぜひ積極的にPRしていきましょう。

【例文付き】職業別コミュニケーション能力のアピール方法

職務経歴書や履歴書の自己PRでは、どのようにコミュニケーション能力をアピールすればいいのでしょうか。本項からは、職業別にコミュニケーション能力のアピール方法を例文も添えてご紹介します。

営業(セールス)

営業職希望者が自己PRをまとめる際には、「法人向け営業」「個人向け営業」でアピールの方法が異なることを覚えておきましょう。それぞれのコミュニケーション能力のアピール方法で迷ったときには、以下の例文を参考にしてみてください。

法人営業の自己PR

私は、企業担当者を相手とするコミュニケーションが得意です。前職では展示会担当として多くの企業と接点を持つ機会がありました。大手企業向けのイベント開催後には、その後の反響など多角的に分析し、具体的な数字を資料に落とし込んで、その後の成果につながるような報告を行うように工夫していました。

企業の担当者からも、私の提案力や対応力などについて高い評価をいただいており、翌年も私が窓口となって企業担当者とやりとりしてほしい、との相談もありました。こうしたコミュニケーション能力を活かして、貴社の法人営業担当の一員として、お互いに成長できるような働き方をしたいと思っています。

個人向け営業の自己PR

私は人の心に寄り添うようなコミュニケーションを得意としています。これまで接客業の経験の中で、お客様から「話しやすい」「つい相談したくなってしまう」といった声をよくいただいていました。私自身、人と話すことよりも「聞くこと」が好きで、いろいろな角度から質問を投げかけて相手のさまざまな話を引き出すことを得意としています。

貴社の個人向け営業でも、このコミュニケーションを活かし「聞くこと」にフォーカスした営業を行いたいと考えています。お客様のお困りごとを引き出しながら、一人ひとりにマッチする提案を行いたいと思います。

カスタマーサクセスの自己PR文 

カスタマーサクセスに転職する際、忘れてはならないのは売上に貢献する姿勢です。セールスに比べて売上や新規顧客を開拓についての責任を担うことは少ないポジションではありますが、顧客接点を売上に繋げる能動的なコミュニケーション能力をPRするようにしましょう。

カスタマーサクセスの自己PR文サンプル

私は強みであるコミュニケーション能力を活かし、貴社の利益の最大化に努めたいと考えております。私はこれまで、システム開発会社において、法人顧客向けマーケティングツールに関するカスタマーサクセスとして、クライアントの導入サポートに従事してまいりました。

顧客との商談は主にチャットやWeb会議でしたが、顧客からの購買ニーズを的確にキャッチアップし、確実に売上に繋げてきました。問い合わせのない既存の顧客に対しても定期的に新商品に関するニュースレターを送るなど、自社の売り上げ拡大にも貢献してまいりました。これまでのカスタマーサクセスとしての経験を活かし、貴社の事業発展に寄与したいと考えています。

管理部門

管理部門の担当者としての転職を希望する際には、「社内コミュニケーションを円滑に交わせること」をアピールすることが重要です。自分の在籍する部署はもちろんのこと、他部署とも積極的にコミュニケーションを交わせることを伝えられるような自己PRが望ましいでしょう。

管理部門の自己PR

私は、人間関係を築くことが昔から得意でした。学生時代にも入学後に早々に多くの友人ができ、別のクラスの生徒や学年の異なる生徒と親しくなることも多かったです。相手が何を求めているのか、を考えた発言ができるため、常に親しい人間関係を維持してきました。

貴社にて働くにあたっても、部署内だけではなく、他の部署の社員とのコミュニケーションが重要であると考えています。私の得意な人間関係を構築するコミュニケーション能力を活かして、各部署を支えられるような働き方をしたいと思っています。

ITエンジニア

円滑なコミュニケーションだけではなく、誤解や相違のないよう高度なコミュニケーションが求められるのがITエンジニアです。社内やチームといったさまざまな規模の環境でのコミュニケーションが求められるうえに、取引先とのやりとりも多いことから、ITエンジニアは自己PRでコミュニケーション能力をアピールする必要があります。

ITエンジニアの自己PR

私は、ITエンジニアとして働くにあたって、前職でコミュニケーションの重要性を学びました。日々、さまざまなクライアントから、いろいろな依頼が入り、そのたびに「お客様がイメージしていることは何か」を会話を重ねながら引き出していました。お客様自身も、イメージや依頼したいことが漠然としていることも多く、具体的な完成図を想像できていないことも多いため、常にお客様の視点に立ったコミュニケーションを意識していました。

貴社では、さまざまな規模のシステム開発を行っていることから、上記のコミュニケーション能力を活かせる場が多いと感じています。お客様の要望に沿いつつ、納期をきちんと守れるように進めていきたいと思います。

転職活動をうまく進めるために

本記事ではここまで転職活動におけるコミュニケーション能力のPRの仕方や一部職種における自己PR文の例文をご紹介しましたが、最初から要点を押さえた記述ができる人ばかりではありません。

自分の自己PR文や面接でのアピールに不安がある、そんな場合は転職エージェントを活用することも、転職活動をうまく進めるための選択肢の一つです。転職エージェントを利用して転職活動をする場合、担当のキャリアアドバイザーに職務経歴書の添削依頼することができます。また転職活動で自分がつまづきやすいポイントなどを改善するのに大いに役立つかと思います。

また、転職エージェントは「IT業界に強い」、「管理部門に強い」、「ベンチャー企業に強い」などそれぞれ特徴をもって転職サポートをしています。自分の転職したい業界などの専門性に長けた転職エージェントであれば、その業界や職種ならではのアピール方法などのアドバイスを受けることも可能です。自分に合った転職エージェントをパートナーにすることで転職活動を有利に進めていきましょう。

最後に

コミュニケーション能力は、現代で活躍するビジネスパーソンにとって、必要なスキルの一つです。近年の企業も、選考ではコミュニケーション能力の有無を重視しつつある傾向にあり、転職を検討している方は自己PRでの積極的なアピールが必要となっています。コミュニケーション能力の適切なアピールは、転職の成功可否にも大きく影響する部分であるため、ぜひ本記事を応募書類準備の際にお役立てください。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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