IT・Web業界のSMB向け営業について解説!

「SMB(エスエムビー)」という言葉はご存知でしょうか。SaaSプロダクトを展開するスタートアップなどIT・Web業界でよく耳にするこの言葉は一体何を指すのでしょうか。今回はIT・Web業界の営業シーンで用いられるSMBの意味について解説してまいります。

目次

SMBとは

SMBとは「Small and Medium-sized Business」の略称であり、つまりは従業員数や収益規模などが比較的小規模な、所謂、中小企業を指します。日本は300~400万社の企業で構成されていますが、99%以上がSMBで占められており、日本経済において重要な役割を果たしているのは言うまでもありません。

SMBの多くは事業、組織運営の仕組みなどが未整備です。例えばサービス業の場合にはシフト管理やアルバイトの給与計算などを用紙に記載して手計算するようなオペレーションも珍しくありませんし、製造業の場合には原材料の受発注などが電話やFAXで完結するような会社もまだまだ多いでしょう。

業界慣習もありますし、体制が未整備であることが悪い訳ではないですが、今後、労働人口の減少がますます進んでいくことが想定される中、多くのSMBでは生産性の向上などは必要不可欠と理解されていることでしょう。しかしながら、足許の業務運営に手を取られていることが多い中、どのような手段で課題解決を進められるかなどの情報収集に余力を割けないし、そのような施策を実行できる潤沢な予算がとれないというのがSMBの実態かと思います。

尚、このような意味合いでのSMBの対義語としてはエンタープライズという言葉がしばしば用いられます。IT・Web業界において使用される場合には、大手・中堅企業、あるいは公的機関などの顧客をこの「エンタープライズ」という呼称で一括りにすることがあります(営業組織においては「エンプラ」と略されることも多いです)。SMB向けの営業についてのディスカッションの際には、SMBとエンタープライズを対比した話になることも多く、合わせて覚えておくと良いでしょう。

SMB向け営業の特徴

SMB向けの営業における特徴はいくつかあります。こちらではSMB向け営業をする上で覚えておきたいことを3つご紹介します。

商談相手

プロダクトの特性などにもよりますが、SMB向け営業の場合、社長や取締役など経営層の方との商談機会がエンタープライズと比較すると多いです。そのため、経営層の方がどのような悩みを抱えているのかなどの理解をもつことが大切といえるでしょう。

予算

多くのSMBは予算が限られています。サブスクリプション型のマネタイズ設定をしているSaaSであれば、継続的に利用して貰えなければWin-Winになりません。また、SaaSではITツール導入の予算を期初から事業計画に織り込んでいることは多くはありませんので、そのような前提でもってコミュニケーションをとっていくことも大切なポイントといえるでしょう。

コミュニケーション

SMB向けの営業ではITツールに疎い方との商談になることも珍しくありません。そのため、商談の中で共通言語でのコミュニケーションを意識する必要があるでしょう。商談相手のITリテラシーを踏まえつつ、専門用語を嚙み砕きながらわかりやすく説明し、課題に応じた提案をしていくことが大切です。

最後に

今回はSMBの定義、SMB向け営業の特徴などについて解説しました。SMB向け営業で重要となる予算、コミュニケーションなどのポイントを考慮の上、Win-Winの関係を築いていきましょう。SMB向け営業に従事されている方、これからSMB向け営業に挑戦されたい方などのお役に立てば幸いです。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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