ホワイト企業の徹底解説!「働きやすい会社」とは何か

「ホワイト企業に転職したい。現在の職場はブラック企業だった。」そう思っている人は多いのではないでしょうか?ブラック企業という言葉の対義語として「ホワイト企業」という言葉を耳にする機会がここ数年増えています。「働きやすい会社」全般を指す言葉として使われていることが多いようです。

では実際にホワイト企業とはどうやって探せばいいのか、ブラック企業からホワイト企業へ転職するにはどうしたらよいのでしょうか。本記事ではホワイト企業の定義、ホワイト企業が注目されている背景を含め、ホワイト企業への転職方法を解説していきます。

目次

ホワイト企業とは

「ホワイト企業」とは、具体的にどのような企業を指すのでしょうか。ホワイト企業に認定される企業の認定基準はどのようなものなのでしょうか。ご紹介します。

ホワイト企業の特徴

人によって「何に働きやすさを感じるのか」が違うため、ホワイト企業の基準も人それぞれですが、一般的に言われているホワイト企業の特徴には次のようなものがあります。

ホワイト企業としてイメージされる特徴

・離職率が低い
・社員の安全・健康への十分な配慮がある
・福利厚生が充実している
・残業時間が短い
・休暇が取得しやすい
・報酬が高い
・ハラスメントがない
・研修・教育制度の充実
・公平な評価制度
・コンプライアンス意識が高い
・業績が安定している
・社会貢献度の高いビジネスをしている
・多様な人材が活躍している

ホワイト企業が注目される背景

では、なぜホワイト企業が注目されるようになったのでしょうか。その背景の1つとして、世界各国と比較した際、日本の労働生産性が低いことが知られるようになり、労働環境の改善をはかる企業が増えたことが挙げられます。

公益財団法人 日本生産性本部のデータによると2022年の日本の時間当たり労働生産性は52.3 ドルで、これはG7各国の中では最下位であり、長らく低迷しています。長い労働時間の割に生産性が低く、過剰な労働量が社員の健康やモチベーションに悪影響を及ぼしている反省から、近年、急速に働き方改革が進められています。

また労働者側が企業を選ぶ基準として「働きやすさ」を重視する傾向が強くなっています。1社で定年まで勤める終身雇用の前提がなくなり、転職することが一般的になりました。優秀な人材を採用・確保するために積極的に社員の働く環境を整えるホワイト企業が増えているのです。

ホワイト企業の認定基準

上述のような社会の流れからホワイト企業を認定している機関が複数存在しており、なかでも厚生労働省では「安全衛生優良企業公表制度」という取り組み設けて、ホワイト企業の躍進を後押ししています。

この認定を受けるためには、過去3年間労働安全衛生関連の重大な法違反がないなどの基本事項に加え、労働者の健康保持増進対策、メンタルヘルス対策、過重労働対策、安全管理など、幅広い分野で積極的な取り組みを行っていることが求められます。

また上記以外にも、「ホワイト企業認定」「ホワイト企業大賞」など、ホワイト企業を認定・表彰している企業機関は複数あります。

ホワイト企業に転職する方法

ここまでホワイト企業について解説を行いましたが、では実際にこのようなホワイト企業に転職するにはどうしたら良いのでしょうか。本項ではホワイト企業への転職方法について解説します。

自己分析で自分の優先順位を明確にする

一般的にホワイト企業と認定されている企業だからといって、自分にとって必ず働きやすいかどうかは確かめなければわかりません。自分が重要視している「働きやすい要素」とは何なのかを自己分析で明確にしておく必要があります。そのため、まずは過去の就業経験やキャリアビジョンから、自分の転職における優先順位・転職の軸をはっきりさせるようにしましょう。

ブラック企業を避ける

好き好んでブラック企業に転職する人は少ないと思われますが、入社したらブラック企業だったという経験をされている方は多いでしょう。転職する上で、同業界・同職種に転職するのはスキル・経験が活かせて年収アップがのぞめる王道のキャリアパスではありますが、同じようなブラック企業の要素がないか、よく業界研究・企業研究することが大切です。また、後述のような口コミサイトや転職エージェントを活用すると良いでしょう。

口コミサイトの評判を活用する

企業HPや求人情報はとても良い情報ばかりで、一見するとホワイト企業のように見えるが、実際にはどうか分からないという場合もあります。実際の職場の雰囲気を知るためには、その企業に知人が勤めている場合には知人に実態を聞く、あるいは職場見学などを行うなどというアプローチが良いでしょう。

しかし、当然都合よく知人が勤務しているということはそうそうないでしょうし、転職活動の中ではリモート勤務の導入も進む中で職場見学などはしづらいという問題も近年では見受けられます。

そのような時、参考になるのが企業の口コミサイトです。代表的なサービスとしては「ONE CAREER PLUS」「OpenWork」「転職会議」「ライトハウス」などが挙げられます。年収、福利厚生、残業時間、評価制度など項目ごとに評価する形で総合評価で点数化している仕様のサービスが多く、特に自分の気になる項目について参考にされると良いでしょう。

注意点としてこのような口コミサイトに投稿される方は過去に在籍していた方、あるいはその企業を退職したいと考えている方が中心のため、比較的ネガティブな内容が多くなりがちです。口コミサイトを活用する際にはそのような前提条件を理解の上、参考にすると良いでしょう。

転職エージェントを利用してホワイト企業の求人に応募する

ホワイト企業として有名な企業は、転職者から人気があり、選考倍率が高い企業であることも多いです。逆に知名度が高くないホワイト企業が存在するのも事実です。いずれのホワイト企業へ転職したい場合も、転職エージェントを活用した転職活動がおすすめです。

転職エージェントは、ホワイト企業の選考における情報や各種転職に関するノウハウを持っており、高倍率の選考であっても、有利に進めることが可能です。また転職エージェントは数多くの非公開求人を有しており、その中には多くの人には知られていないニッチなホワイト企業が数多く存在します。

提供される情報は離職率、社風や職場環境、人員構成に至るまで質問することができ、人事担当者には直接聞きにくいセンシティブな内容も、転職エージェントを介して角を立てずに確認できるので、徹底的に情報収集をしてから応募したい方にもおすすめできます。

最後に

ここまでホワイト企業の特徴と転職方法について解説を行いました。冒頭に記載の通り、ホワイト企業の特徴は複数上げられますが、昨今、仕事に対する価値観や感じ方は多様化してきており、人それぞれ異なるため、一概にホワイト企業であると定義するのは難しくなっています。

そのため、ホワイト企業へ転職するためには事前に自分が転職する際に重要視した項目を棚卸したうえで、企業の情報収集を行いながら、面接の場で自分の目で確認することが重要です。本記事をもとに少しでも希望の環境で就業するための一助になれば幸いです

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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