再生医療ベンチャーとは?再生医療の概要、転職のポイントなどについて解説!

医療技術の進化に伴い、再生医療は今後の医療を支える重要な柱となっています。特に再生医療ベンチャーは、この分野の最前線で活動しており、再生医療を起点に多くの革新的な治療法を開発しています。この記事では再生医療の概要、再生医療ベンチャーへの転職などについて考える際のポイントを解説します。

目次

再生医療とは

再生医療とは、細胞組織あるいは臓器の損傷や疾患を治療するために、これらを修復・再生させる医療技術の総称です。再生医療は幹細胞技術、組織工学、遺伝子治療などの分野での研究が用いられることが多く、これらの技術を用いて患部の修復や機能の回復を目指します。

再生医療に関わる技術の代表例として挙げられるのは2006年に京都大学の山中伸弥教授により作製されたiPS細胞があげられるでしょう。iPS細胞は複数の役割を担う多能性幹細胞であり、再生医療を実現するために重要な役割を果たすと期待され、2018年にはiPS細胞を起点にしたペンドレッド症候群、パーキンソン病の研究が発表されるなど、これまで難病とされてきた病気を乗り越えられる可能性を広げる研究成果が報告されています(山中伸弥教授は後の2012年にノーベル生理学・医学賞を受賞

このように再生医療は、従来の治療法では対応困難な病状を持つ患者に新たな希望をもたらす存在として多くの期待がかかる医療技術であり、日本だけでなく、世界が注目する分野といえるでしょう。また、再生医療をはじめとした最先端技術を用いた事業をディープテックと表現することもありますので併せて覚えて頂くと良いかと思います。

再生医療ベンチャーへの転職を考える際には

このような世界から期待が集まる再生医療分野において大手・中堅企業、あるいは国営の研究機関などではなく、ベンチャーとして再生医療技術の実用化に向けて取り組む再生医療ベンチャーという存在をご存知でしょうか。

再生医療ベンチャーとは

再生医療ベンチャーは言葉の通り、まだ世にない再生医療技術の実用化を目的に起業し、医療現場への導入を目指すベンチャー企業を指します。このような再生医療ベンチャーは大学をはじめとした研究機関を起点として創業に至ることが多いです。

再生医療ベンチャーが立ち上がるプロセスとしては、多くの場合、競争的資金(グラント)と呼ばれる助金などにより、実用化に向けた研究を進め、可能性が見出せた際には大学系ベンチャーキャピタルなどをはじめとした投資家より出資を受ける形で法人化し、本格的に実用化に向けたプロセスを踏んでいくことが一般的です(このような大学の研究を起点とするベンチャーのことを大学発ベンチャーと表現することもあります)。

再生医療ベンチャーへの転職のポイント

再生医療ベンチャーの転職を検討する際に難しいのが、「この技術が本当に実用化できるかどうか」という観点といえるでしょう。再生医療に関わる基礎研究にどのような研究者の方が関与された上で立ち上がった再生医療ベンチャーなのかといったことは企業選びのポイントの一つにはなるかと思います。

しかしながら、再生医療ベンチャーに限らず、再生医療技術が実用化にまで辿り着くのは険しい道のりであり、また注目が集まっている再生医療ベンチャーであっても研究過程において思いがけない問題が発生することは珍しくありません。再生医療ベンチャーへの転職を考える際に、このようなリスクまで予見することは極めて難しいです。そのような中、再生医療ベンチャー選びで大切なこととしては、自分自身が実現したい社会と再生医療ベンチャーの目指すビジョンがリンクするかという観点が大切といえるでしょう。

再生医療ベンチャーへの転職に向けて

こちらでは創薬ベンチャーへの転職に向けてのポイントについて解説します。多くのビジネスパーソンが多忙である中、現職のパフォーマンスを落とさないよう、効率的に情報収集を行う必要があるでしょう。こちらではこのような方の転職活動で推奨する2つの手法についてご紹介します。

スカウトサイトを活用した転職活動

一つ目はスカウトサイトを活用した転職活動になります。これまで主流であった転職サイトなどからスカウトを待つ転職プラットフォームに移行しつつあります。具体的には「ビズリーチ」「リクルートダイレクトスカウト」「エンミドルの転職」などが挙げられます。このような転職プラットフォーム市場はこの数年で急激に市場が拡大し、2021年には前述のビズリーチを運営するビジョナル株式会社が東証マザーズ(現東証グロース)にも上場を果たしています。

これら転職プラットフォームに情報を登録しておくことで、経歴を見た転職エージェント、または企業より直接スカウトを貰うことが可能です。このようなプラットフォームに「再生医療の領域の企業に挑戦したい」「再生医療ベンチャーを希望」等の希望条件の記載をしておくと、必然的にそのような情報が集まりやすくなるでしょう。

また、どのような企業がこれまでの経験を評価してくれるのかという観点も含め、自分の経歴に合った求人情報をある程度網羅的に情報を集めることができるため、多忙なビジネスパーソンにとっては有効な転職手法の一つと言えるでしょう。

転職エージェントを活用した転職活動

前述の様な転職プラットフォームサービスの台頭はあるものの、まずは自身の現状について相談したいという場合には転職エージェントを活用していくこともよいでしょう。多くの場合、転職活動は孤独です。自身の経歴の棚卸、今後の自分のキャリアプランをどうしていくべきかなど腹を割って話ができる存在がいるかいないかは、自身の転職活動を良い形で進めていく上で重要です。

転職エージェントは国内に数万社あり、再生医療ベンチャーをはじめとしたベンチャー業界に特化した転職エージェント、あるいは経営層、マネジメント層に特化した転職エージェントなどそれぞれ特色があります。これまでの経験、自分が描きたいキャリアなどを踏まえ、自分に合った転職エージェントをパートナーに選びましょう。

まとめ

再生医療ベンチャーへのキャリアは医療の最前線で働く魅力と同時に、高いリスクを伴います。しかし、その分野が持つ可能性は計り知れず、医療の未来を形作る一員としてのやりがいは大きいでしょう。

再生医療に情熱を持ち、専門性を活かしたいと考える方には、再生医療ベンチャーへの転職が非常に適しています。再生医療の進展に伴い、新たな治療法の開発に寄与し、多くの患者に希望を提供することができるでしょう。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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