観光業界とは、旅行者のために観光体験を提供する企業群を指します。国際線の客室乗務員や高級ホテルのフロント、海外旅行の添乗員など、接客業の花形ともいえる仕事が複数ある観光業界は、憧れの職場として挙げる人が多い魅力的な業界です。本記事では、観光業界の特徴や近況、観光業界の事業の種類、観光業に向いている人の特徴について解説し、観光業界への転職を検討している方に役立つ情報を提供します。
観光業界の特徴と近況
観光業界は2024年現在、世界的に活況を呈しています。コロナウイルス感染症の収束により高まった旅行への意欲に加え、Z世代の観光・旅行への関心は高く、国内・訪日観光客ともに客数・一人当たりの消費支出も好調さを維持しています。
観光業界の市場規模はコロナ禍以前の2019年時点で約28兆円であり、国内でも大きな産業規模を誇ります。また2003年の小泉政権の頃から日本は「観光立国」を目指してきたことから、政府の後押しを受けて成長してきた産業でもあります。
観光業界は、多様なサービスを提供し、世界中の人々にとって貴重な体験を生み出しています。この業界は季節的な変動が大きく、繁忙期と閑散期の差がはっきりしているのが特徴です。また、顧客に外国人が多くグローバルな市場であり、外国人就労者や帰国子女など多様なバックグラウンドを持った人材が多く活躍していることも観光業界の魅力の一つです。
観光ビジネスの主な種類
一口に「観光業界」といっても様々なビジネスモデルがあり、それぞれが異なる役割を果たしています。観光業界の代表的なサービスのラインナップをご紹介します。
旅行代理店
旅行業界といえば真っ先にイメージされるのがJTB社、HIS社などの「旅行代理店」ではないでしょうか。旅行代理店のビジネスは、顧客のニーズにそって旅行プランをパッケージにして提供することです。個人旅行から団体旅行、ビジネス旅行まで、旅行者の目的に合わせて、交通機関や宿泊施設の手配、観光地の紹介、添乗員による現地サポートなどを行います。
しかし、ネットの普及にともない旅行代理店が担ってきた個人旅行手配は旅行者自身で行うのも容易になり、若年層を中心に旅行代理店を利用しない観光客が増えているため、高齢者をメインターゲットにするなど時代に合わせたアップデートが求められています。
ホテル・旅館
ホテルや旅館の仕事は、宿泊客に快適な滞在を提供することです。フロント業務、客室清掃、レストランサービスなど、宿泊施設の運営には多くのスタッフが関わっています。都心部のビジネスホテルと異なり、観光産業を支えるホテル・旅館では特におもてなしの心を持って接客する能力が重要視されます。
また、円安が続く中、日本は世界の中でも価格の安い国となりつつあります。そのような世界経済の状況を踏まえ、インバウンド需要をターゲットとしたラグジュアリーホテルに位置するホテルがこの数年で増加の傾向にあることも認識しておくと良いでしょう。
小売店
観光地にはお土産店や地域特産品を販売する小売店が数多くあります。観光客に地域の魅力を伝えるための販売スタッフは商品知識や接客スキルが求められる他、観光シーズンには多くの顧客が訪れるため、迅速な対応力も必要です。
また、小売店運営という観点でみた際には海外の方が好む定番商品やその時々に応じたトレンド商品まで揃える、あるいはQR決済をはじめとした決済方法の導入により、数ある小売店の中でもいかにして選ばれる店をつくっていくかが大切です。
交通機関系
旅行者のための快適な時間・空間を提供する飛行機や電車・バスを扱う交通機関もまた観光業の一種です。交通機関を利用している旅行客向けの各種サービスを提供するほか、就航地や自社線沿線の観光資源を活用した旅行商品を企画しています。
トラベルテック
トラベルテックとは「旅行(トラベル)」と「テクノロジー」を融合させた言葉で、旅行者をITテクノロジーでサポートするWebサービス全般を指します。
メジャーなトラベルテックといえば、旅行をWeb上で簡単に予約できるサイト「じゃらん(株式会社リクルート)」「楽天トラベル(楽天グループ株式会社)」ですが、近年、宿泊先予約以外の新しいサービスを展開するトラベルテック企業が続々と登場しています。
例えば複数の旅行予約サイトを比較検討できる「Travery(株式会社じげん)」や、アクティビティなど体験の予約サイト「アソビュー!(アソビュー株式会社)」、旅先で簡単にタクシーが手配できる「GO(GO株式会社)」、ホテルに着いたときに無人カウンターでチェックインできるシステムを提供するCheck Inn 株式会社などが含まれます。
トラベルテック企業は様々なサービス・業態が展開されており、ITテクノロジーが観光業に貢献する場面が増えています。ITスキルを持つ人材は、今後ますます観光業界で重要な役割を果たすでしょう。
観光業に向いてる人
観光業界でキャリアアップするためには、いくつかの資質やスキルが求められます。繁忙期は常に人手不足ということもあり、業界未経験でもチャレンジできる求人は多い傾向ではありますが、自分の適性をよく考えた上での転職がおすすめです。
コミュニケーション能力
まず、コミュニケーション能力が非常に重要です。観光業は、旅行者や観光客と直接関わる機会が多いため、良好な人間関係を築くことが求められます。また、ホスピタリティ精神を持って他者をサポートする姿勢が重要です。各種観光サービスはグローバルでクチコミ・顧客満足度が公表されており、顧客の評価が業績に直結するため、常に緊張感を持ってサービスを提供することが求められます。
また顧客にはさまざまな方が含まれるため、時にカスタマーハラスメントが発生しやすい職場でもあります。どのような顧客であっても、うまく対処するスキルも欠かせません。
柔軟性
観光業界は景気や為替、国内外の天候や災害など、外部要因の影響を非常に受けやすい産業です。コロナ禍には全世界的に観光客が激減し、多くの観光業界の企業が苦境にあえいでいましたが、現在はコロナ禍収束後の揺り戻しで観光客が急増し、「オーバーツーリズム(観光公害)」への対応が求められています。
良くも悪くも外部環境変化や季節要因での繁閑の波が大きいため、変化に対して柔軟に対処できる適応力が求められます。安定志向の強い人や繊細過ぎる人がチャレンジするには厳しい側面があるので、よくリサーチをした上で応募するようにしましょう。
デジタルツールへの対応力
昨今の観光業界では新しいIT技術やデジタルツールへの対応にも敏感であることが求められています。地方の観光地では、現金決済や手書きの管理簿などアナログなツールがまかり通っているところもありますが、Wifi環境の充実や各種ツールの自動化、キャッシュレス決済が強く求められています。IT関連職種ではなかったとしても、新しい技術やツールに対応していく向学心が求められます。
異文化理解
観光業界では国内の旅行客だけでなく、外国人観光客(訪日観光客)の対応が必須です。そのため高い語学力があるとキャリアチャンスをつかむ上で有利になります。また語学力だけでなく、様々な価値観に触れながら、自国の文化の特徴を分かりやすく伝える知識が求められます。
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最後に
観光業界は今非常に勢いがあり、他の業界にはない魅力を持つ一方で、柔軟性やコミュニケーション能力、ホスピタリティ精神など、多くのスキルが求められる業界です。
観光業界への転職を考えている方は自身の適性を見極め、今後のキャリアプランを慎重に考慮することが大切です。この記事が、観光業界への理解を深める一助となれば幸いです。