役職定年制度とは? 役職定年後の転職・キャリアパスも含め、わかりやすく解説

近年、少子高齢化社会の影響から「役職定年制度」を導入する企業が増えてきています。年功序列の雇用制度においては年齢を重ねるごとに役職も年収も高まる傾向にありましたが、現代社会では新しい雇用制度が求められているようになり、役職定年制度が注目を集めています。本記事では、役職定年の概要や役職定年後のキャリアなどについてわかりやすく解説します。

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役職定年制度の概要とその目的

多くの企業において、役職定年制度は重要な仕組みとして位置付けられていますが、具体的にどのような目的があるのか、そもそもどのような制度であるのかはあまり知られていません。まずは、役職定年制度における概要や目的について見ていきましょう。

役職定年とは何か?

役職定年とは、一定の年齢に達した社員が一定の役職(主に管理職)から退くことを義務付けられる制度です。若い世代を役職者として登用することで組織の活性化を目的とした制度です。通称「やくてい」と呼ばれることもあります。

特に年齢が高い社員が多く在籍している大手日系企業で導入されている制度で、企業側としては幹部職の世代交代を促し、組織を活性化し、人件費を抑える狙いがあります。対象となる役職や年齢制限は企業ごとに定めることができるために一律ではありませんが、課長職・部長職で段階的に対象年齢を設定しており、区切りとなる年齢は55歳~57歳頃としている企業が多いようです。

役職定年制度に関する法律・制度上の位置づけ

役職定年制度の法律・制度上の位置づけは、高齢者雇用安定法などの関連法規に影響を受けています。高齢者雇用安定法は、高齢者の雇用の安定を図ることを目的とし、定年延長などの措置をはかるよう企業に対して努力義務を課しています。定年を引き上げたり高齢者を雇用している企業に対しては各種助成金を支給する制度も運用されています。

一方で高齢者を雇用し続けることは、企業にとって組織停滞のリスクや、コストデメリットを負うことになります。それらのデメリットをフォローする仕組みとして、役職定年制度の運用が可能とされているのです。

若い世代にとっての役職定年制度

20~30代の方とっては「定年」という言葉自体、馴染みの薄いものであると思われます。また管理職になりたい若年層が減っているとも言われています。勤務先に役職定年制度が取り入れられることによって、定期的に年齢の高い役職者が退任し、強制的に組織幹部の若返りを図る制度は、若い世代にとっては管理職につくキャリアチャンス増加に繋がっています。かつての年功序列の雇用制度において、管理職のポジションは実力があっても機会がまわってこないものでしたが、現在は組織の活性化の一助を担う制度として導入されていることをキャリアチャンスと捉えても良いのではないでしょうか。

50代以上の世代にとっての役職定年制度

役職定年の区切りの世代となる50代以上の方にとって、役職定年制度は自分の新たなキャリアを見つけたり、これまでのスキルを活かして別の世界で活躍する機会につながります。役職から離れて別の役割を担うことで、自身のキャリアと人生に新たな価値を見出す機会が増えると考えることもできます。

また、役職定年を迎えても即退職しなければならないわけではなく、多くの場合同企業内で活躍する場が用意されることになります。減給にはなりますが安定した収入を維持することは可能です。役職定年をきっかけにモチベーションを見失ってしまう方は少なくありません。しかし、役職定年制度は、経験や知識の次世代への伝承という形での価値提供を意味する制度であることをご認識頂ければと思います。

役職定年制度の今後 廃止する企業が増えている?

近年、導入してきた役職定年制度を廃止する流れが出てきています。役職定年制度を導入している企業は大手企業を中心に3~4割ですが、それらの企業が年功序列型雇用からジョブ型雇用への切り替えを機に、役職定年制度が不要になったとするパターンや、役職定年制度による年配社員の士気低下を問題視して廃止するパターン等があります。年齢ではなくパフォーマンスで人事管理をしていく流れのなかで、役職定年制度は減っていくことが予想されます。

定年退職制度と役職定年制度の違い

私たちが就職する際に、企業から提示される条件の中に「定年退職制度」と「役職定年制度」があります。どちらも従業員の勤務生活に大きく関わる制度ですが、その違いをしっかり理解している人はそれほど多くありません。ここからは、それぞれの違いについて解説していきます。

定年制度と役職定年制度の違い

定年退職制度とは、企業が設定する一定の年齢を迎えた従業員は会社を退職するという制度です。これは終身雇用制度が色濃く残る日本特有の社会環境下で成り立ってきました。日本では一般的に60歳が定年とされていましたが、少子高齢化にともない、労働力確保のために定年年齢を65歳以上に引き上げる「定年延長」がトレンドとなっています。

これに対して、役職定年制度とは、特定の年齢で管理職などの役職から退きつつも、会社で働き続けることができる制度です。役職定年後の給与は下がる傾向にありますが、会社を辞めることを定める制度ではない点が違いとなっています。

定年延長と役職定年の組み合わせ

企業多くは、定年を60歳から65歳、更に70歳へと延長する動きが広がっています。なぜなら、少子化にともなう採用難・人手不足と高齢化社会が背景にあるためです。しかし、単に定年を延長するだけでは組織内での役職の停滞が懸念されるため、役職定年制度を併用する企業が多く見られます。

役職定年を導入することで、一定の年齢に達した管理職がポジションを異動すれば、若年層社員の昇進のチャンスが生まれるというメリットがあるのです。これにより、組織全体の活性化とキャリアアップを促進する効果を期待することができます。

役職定年後のキャリアパス

役職定年制度の導入は、現在管理職を担う世代の方にとって新たなキャリアの可能性に目を向けさせるきっかけとなっています。役職定年を迎えた後も引き続き働くことを希望するのであれば、しっかりとしたキャリアプランニングが必要です。ここからは、役職定年後のキャリアパスをどう築けばいいのかを詳しくご紹介します。

現職での継続勤務

役職定年を迎えた後に現職の企業に残る場合、減給となった上で非管理職として勤務することになります。配属は元の部署のままということもあれば、違う部署へ異動となることもあります。働くモチベーションが低下してしまうリスクがあるだけでなく、年下の管理職のサポートをし、うまく立ち回っていかないと職場で孤立してしまうというリスクもあります。役職定年を迎える前から意識して準備しておく必要があるでしょう。

他の企業への転職・再就職

役職定年を迎えたのをきっかけに一度は転職を検討される方が多いですが、50代の転職は難易度が高く、慎重に進める必要があります。若年層向けの求人の数・内容・条件ともに大きく変化しています。

この時期に新しい一歩を踏み出すためには、自身の経験を活かしていくことが求められます。同時に、新しい知識の習得をいとわず、これまでとは異なるカルチャーの企業へ挑戦する意欲・柔軟性が重要でしょう。また、健康状態やライフスタイルを考慮に入れつつ、無理なく長く続けられる仕事を選ぶこともポイントです。シニア世代は、若手の世代と比べると、体力面や気力面などが低下しやすい傾向にあるため、自分に合ったキャリアプランを立てることが大切です。

顧問・非常勤・独立起業、新しい働き方へ

第一線で活躍しているシニア人材の中には、顧問・非常勤などのこれまでとは異なる働き方を選択する方も多くいらっしゃいます。当然ながら高い専門性が求められることになりますが、上級管理職や経営層に近いポジションで長年活躍されてきた方であれば、高待遇の求人もあります。

また指導する側、アドバイスする側として長年培ってきた専門知識を活かすことはもちろん、これまでの経験や知見を活かしたコンサルタントとして独立する道もあります。さらに、待遇を度外視して自分の経歴が役立つ社会貢献活動・奉仕活動に力を注ぐ方もいらっしゃいます。

役職定年後の生活設計と準備

役職定年は、長い人生の節目にさしかかる非常に重要な時期です。この時期は新たな挑戦を始める機会であるとともに、これまで築きあげたキャリアや人生経験を活かすときでもあります。具体的に、どのような生活設計をすべきか、準備には何が必要であるのかを解説します。

役職定年を乗り切るためのリスキリング

どのようなキャリアを選択されるにしても、役職定年後に活躍するためには、相応スキルが求められます。特に情報技術の進化は目まぐるしく、ITリテラシーを上げておくことはとくに重要です。

また、自己管理能力やコミュニケーション能力も、これまで以上に求められるようになります。新たな環境でチャレンジする場合、心身のストレスが増えたり、周囲と人間関係を構築したりしていく必要があるためです。これらのスキルは、再就職はもちろんのこと、ボランティア活動や趣味を通じた新しいコミュニティ形成にも役立ちます。個人の関心やキャリアの目標に応じて、必要なスキルを見極め、「どこでどのように自分のスキルを活かしていくか」「新しくどのようなスキルを身に着けていくべきか」を考えていきましょう。

役職定年後のネットワーク・コミュニティづくり

定年後の生活設計も見据えた人脈・コミュニティづくりをしておく必要があるでしょう。年齢が高くなるにつれ、一般公募される求人の数はどうしても減っていきます。人脈を活用してリファーラルで転職をすることができるようにネットワークを築いておくのはキャリア観点からも有効です。

またプライベートの充実という観点からも、役職者としての責任から解放されることで、自由に使える時間が増えていくことになります。退職後の孤立を防ぐためにも、社会とのつながりを維持することも忘れてはなりません。同世代の友人や新しいコミュニティづくりを通して、孤立を防ぎ、精神的充実を図りましょう。

役職定年後のファイナンシャルプランを

役職定年を節目として、老後を見据えたファイナンシャルプランを立てることが必要です。まず、各種年金受給額のタイミングやローンの残債、お子様の学費など、現在の支出について正確な把握を行い、足りない部分は退職金や貯蓄で補うことができるのか、どのくらいの年収を維持する必要があるのか、プランニングを行いましょう。

また、インフレや税金の変動を考え、予備費用も計画に組み込むことが大切です。投資や財産運用も、長期的な視野で安全に行ない、収益を上げる手段として検討するとよいでしょう。とくに、近年注目されている物価高はいつまで続くのが、いつになったらストップするのかが不明確です。余裕を持った計画は、予期せぬ経済トラブルに対応しやすくなります。また、医療費や介護費用に備えるため、保険の見直しも念頭に置いておきましょう

役職定年でキャリアに迷ったら転職エージェントにご相談を

かつては「転職するには35歳が限界」とする説がありましたが、今は40代、50代はおろか、60代の方であっても経営経験・マネジメント経験が豊富な方には多くのオファーが舞い込む時代となりました。

しかし一般公募されている求人の多くは若年層を対象としたもので、応募できる求人が少ないように感じられるかもしれません。これは組織幹部・管理職の求人は経営戦略・経営課題にも直結する内容にもなるため、競合他社に知られないよう水面下で進めているケースがあるためです。ごく限られたヘッドハンティング会社・転職エージェントなどを活用して募集を進めるケースが多いのです。今後もCxOや上級管理職としてのキャリアをお考えの方は、ハイキャリア領域の転職に長けた転職エージェントの方と定期的に情報交換される機会を持つことをおすすめします。

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※お話を聞いて頂くだけでもOKです。

最後に

本記事では、役職定年について解説しました。所定の年齢に達したときに、役職を退く制度であり、近年注目されています。役職者の方からすると「役職定年」にネガティブな印象を持たれているかもしれませんが、新たなチャレンジの機会につながるため、メリットも多い制度です。

役職定年を迎えられる方は、自分の得意分野や、好きなことを活かして別の道を模索するのも良いでしょう。その選択肢の一つとして、転職も検討されてみてはいかがでしょうか。まずは、信頼できる転職エージェントにご相談されてみてください。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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