オファー面談とは?オファー面談で不採用になるリスクを含め徹底解説!

転職活動をされた方の中には「オファー面談」の案内を受けたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。ベンチャー企業、上場企業などを問わず、多くの企業で実施されるようになった「オファー面談」ですが、まだまだ選考フローの中に組み込んでいる企業は多いとはいえません。

転職活動をされる方の中には「どのような場なのか」「選考要素はあるのか」「何を確認・質問すべきなのか」など疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。そこで今回は「オファー面談」についてのメリット、デメリット、確認項目などについて解説します。

目次

オファー面談とは

オファー面談とは採用プロセスの最終段階で採用企業と応募者とで行われる「条件面談」「意向面談」のことを指します。実施する背景として、内定承諾前後に企業側から採用に至った理由や業務内容・条件面などの説明を行い、入社意思の確認や入社後の双方のミスマッチをなくすことが目的です。

また、採用企業側としては入社して欲しい候補者に対して「入社してもらうために候補者の意向を上げたい時」や、「年収を含め条件面を協議の上で決定したい時」に実施するケースもあります。候補者側としては選考時には聞けなかった内容など、オファー面談の場で改めて確認・質問することができ、不安事項の解消も行うことができるため、双方にとってメリットも大きいでしょう。

オファー面談のメリット

ではオファー面談を受けることには具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。こちらではオファー面談のメリットについて解説します。

条件の明確化

まず一つ目は条件の明確化です。オファー面談を実施する際には企業側から採用条件書通知書や内定通知書など雇用条件の記載された通知書の内容を共有しながら、詳細や補足説明が行われます。具体的には雇用形態から給与・勤務条件・福利厚生など、候補者が企業で働く上で重要な項目を説明してもらえるため、面接時に聞きづらかった条件面についてクリアにすることができます。

懸念事項の確認ができる

二つ目は懸念事項の確認ができることです。面接を通じて懸念や不安に感じることがある場合には、オファー面談の際にクリアにすると良いでしょう。オファー面談は基本的に選考要素がなく、双方のミスマッチをなくすことが目的のため、自分が入社する上で必要な情報は積極的に質問し、クリアにすることを意識すると良いでしょう。

業務内容のすり合わせ

三つ目は業務内容のすり合わせです。このすり合わせができていないと、転職後の早期退職につながることになります。よくある退職理由の一つとして挙げられるのが「入社前に想定していた業務が入社後異なっていた」というケースで、意外と頻発している事象と言えるでしょう。

もちろん、内定承諾から入社までの間に社内事情による業務内容の変更が発生するケースも稀にありますが、基本的に業務内容の変更が発生することは多くないため、オファー面談時に自分が入社後にどのような業務を行うのか、また自分が入社する上で、どのような期待をされているのかも聞いておくと良いでしょう。入社後にどのようなミッションに向かって業務に取り組めば良いのか明確になるため、入社までにマインドセットをしたうえで業務を開始できます。

条件交渉

最後に条件交渉です。労働条件に関する交渉については内定後は候補者側の権利として行うことができます。そのため、年収に関しても交渉することは可能ですが、良識の範囲内かつ根拠に基づいた主張でなければ企業側からの心象もが悪くなる可能性があるので注意が必要です。しかし、直接交渉を行うことができるため、企業側からの評価によっては条件をアップしてもらえる可能性もあります。

オファー面談のデメリット

ここまではオファー面談を行う上でのメリットについて説明を行いましたが、逆にデメリットになりうるケースもあります。ここではオファー面談を行う際に発生しうるデメリットについて説明します。

転職活動期間が延びる

一つ目のデメリットは転職活動にかかる期間が延びることです。オファー面談を行うことで選考フローがもう一段階増えることになります。そのため、スケジューリングによっては併願企業との調整が難航してしまい、比較検討がしづらくなるケースも発生します。

そのため、転職活動において転職エージェントなどを利用されている方は、オファー面談のご案内を頂いた際に他社の併願状況なども含めてスケジュールの相談を行うと良いでしょう。

内定保留の伝え方が難しい

二つ目のデメリットは内定保留の伝え方が難しいという点です。オファー面談を受けて検討の上で回答するパターンもあれば、オファー面談での説明次項を踏まえてその場で入社意向の確認をされるケースもあります。そのため他社と比較検討の上で回答したい場合は、内定を保留にする必要があります。その場合、企業側の伝え方によっては「意向が低い」などマイナスなイメージに取られる可能性もあるため伝え方が重要です。

事前に内定保留の意向が高い場合は、転職エージェントに事前にオファー面談の時間内で意思決定をしないことを伝える、もしくはオファー面談の際に前向きに検討したいことを伝えた上で、「具体的にいつまで保留したいのか」を伝えるようにしましょう。また、選考中のポジションで他に候補者がいる場合は内定保留ができない、もしくは数日しか待ってもらえないケースもあるため、事前に情報収集をしておくことも重要です。

オファー面談では、企業の重役が同席されるなど、内定保留を言い出しにくい状況になることもありますが、面談時に不本意な状況で内定を受諾してしまわないように気をつけましょう。内定承諾後の辞退に関してはトラブルにも発展しかねませんので注意が必要です。

オファー面談で不採用・内定取り消しになる可能性はあるのか?

ここまではオファー面談の内容やメリット、デメリットについて解説してきましたが、転職活動にのぞまれる方の中には「そもそもオファー面談に選考要素があるのではないか?」「オファー面談で不採用になることがあるのでは?」と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。結論として、オファー面談には選考要素がないケースがほとんどです。企業側にとってオファー面談の目的は以下が挙げられます。

オファー面談の目的

①入社意欲の確認
②労働条件のすり合わせ
③ミスマッチが発生してないかの確認
④自社に入社してもらうためのオファーをしたい

基本的には上記4つの目的で運用されることが多いです。そのため内定通知をした後にオファー面談を実施している企業が多く、選考要素を含まないことが一般的です。ただし、稀に正式な内定を通知される前にオファー面談を実施するというケースもありますので注意が必要です。

このような正式な内定の通知の前でのオファー面談では、企業側の観点を配慮できていない無理な条件交渉を行ったり、そうでなくともリモートなど働き方も含めて雇用条件の折り合いが付かない場合、採用が見送りになる可能性があります。

ただし、折り合いのついていない条件を我慢して入社し、入社後に早期退職になるのはお互いにとって良くないので、条件交渉などを行うことが決して悪い訳ではありません。良い形でオファー面談を進めるためにも、自分自身の中で譲れない条件などは事前に優先順位をつけ、企業側に配慮をもった形で交渉すると良いでしょう。

オファー面談で確認すべき内容

では、実際にオファー面談が行われる際にどのような内容を確認しておくと良いのでしょうか。候補者の方によって重視している点が異なるため、一概に言うことはできませんが、基本的には以下の項目を確認すると良いと言われています。

給与と手当

企業側から提示された給与条件や手当の確認をしましょう。残業に関しては見込みなのか、また超過した場合は別途支給されるのかどうか、通勤手当の上限有無など、遠方から通勤する方にとっては重要なケースもあるため、改めて給与・手当に関しては確認しておくと良いでしょう。ただし、細かく質問しすぎることでお金だけを重視している印象を抱かれてしまうケースもあるため、必要事項だけ質問する、業務内容ややりがいなど、その他の点も含めてバランスよく確認すると良いでしょう。

勤務形態

勤務形態のなかでも、特に勤務時間、年間休日などの勤務形態については確認が必要です。入社後の有給付与の時期が企業によって異なるため、通院や家庭事情で休みを取らないといけない場合は確認の上、企業側と相談が必要になります。

雇用形態

雇用形態に関しては応募時に記載されていることが多いため、基本的に確認が不要なケースが多いですが、企業によっては入社後の半年間は試用期間として契約社員で、半年後に正社員登用を行う場合もあるため、確認が必要です。もし、上記のケースの場合は半年後の正社員登用の実績なども合わせて確認しておくと良いでしょう。

業務内容

入社後に想定していた業務内容と異なっていたケースもあるため、詳細に関してはオファー面談で確認しておく必要があります。具体的にどのような業務を担うことが想定されているのか、また入社日からどのようにオンボーディングが行われるのか、研修の有無も合わせて聞いておくことで、入社後に自分が過ごす時間をイメージしやすくなるため、確認しておくことで入社後のギャップが発生しづらくなります。

配属部署、社風について

面接の場で配属部署の方との会話を通じ、配属部署にどんな人が在籍しているのか、どんな社風なのか触れられるかとは思います。しかしながら、オファー面談までにそのような機会が十分になかった方は改めて同僚にあたる方との面談などもリクエストの上、オファー面談にのぞむと良いでしょう。

入社時期

最後に入社時期のすり合わせも忘れずに行いましょう。企業によってはできる限り早く入社してほしいケースもあるため、オファー面談から何カ月程度で入社することができるのかを伝え、事前に入社時期のすり合わせを行っておくと安心です。賞与支給日が近い場合、退職日を数日調整することでが収入に大きな差異が出る場合がありますので確認すると良いでしょう。

転職エージェントの活用で転職活動を有利に

ここまでご紹介してきた通り、オファー面談の前後は緊張感ある重要なやりとりが続きます。もしも「自分で年収交渉する自信がない」「オファー面談が不安」という場合は選択肢の一つとして転職エージェントを利用した転職活動を検討してみても良いでしょう。転職エージェントは求人紹介だけでなく、内定後のオファー面談の調整、給与条件交渉の代行や情報収集までサポートしてくれます。

転職エージェントは国内に数万社あり、職種や業界に特化した転職エージェント、あるいは経営層、マネジメント層に特化した転職エージェントなどそれぞれ特色があります。これまでの経験、自分が描きたいキャリアなどを踏まえ、自分に合った転職エージェントをパートナーに選びましょう。

最後に

ここまでオファー面談の内容や選考要素の有無、確認が必要な項目について解説してきました。もし企業からオファー面談の案内をもらった際は事前に質問項目を準備の上、不安があれば利用している転職エージェントに相談するのも良いでしょう。

オファー面談は自分自身が安心して働いていける会社なのかを見極める最後の場になるため、事前に準備を行った上で、双方にとって良い時間になるように心がけることが重要です。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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