やりたい仕事がない・何がしたいか分からない人が適職へ転職する方法

「やりたい仕事がないからどこに転職したらいいのか分からない」「何がしたいのか自分でもよく分からない」など、自分がどんな道に進みたいのか、何に興味があるのか漠然としていてイメージができない方は多いです。

人生で複数回転職することが一般的になりつつあるなか、上記の理由から転職に踏み切れずに悩んでいるケースはよく見られます。そこで本記事ではやりたい仕事がない方や、何がしたいのか分からないと悩む方へ向けて、適職へ転職するための方法を解説します。

目次

「やりたい仕事がない」「何がしたいか分からない」の悩みは多い

「やりたい仕事がない」「何がしたいのか分からない」と悩む方は、現代において世代を問わず多く見られるようになりました。かつては、若者にありがちな悩みといったイメージがありましたが、近年は30代以降のビジネスパーソンにも見られる傾向にあります。

価値観の多様化や働き方の変化などに伴ってさまざまな選択肢が増えた今、かえって自分の進みたい道が分からなくなってしまうといったケースは多いのです。自己分析や世の中の仕事への理解を深めることで、やりたいことが見つかるチャンスがあるでしょう。

やりたい仕事がない・何がしたいか分からないと感じる原因

そもそもなぜ「やりたい仕事がない」「何がしたいか分からない」といった事態に陥ってしまうのでしょうか。具体的な原因について見ていきましょう。

自分のことをきちんと理解できていない

やりたい仕事がない、何がしたいか分からないと感じる原因の一つが、そもそも自分について理解を深められていないことです。自分が何に興味を抱いているのか、これまでの経験上何を楽しめていたのか、どんなときにやる気が出たのか、などを掘り下げて理解を深めていく必要があります。自分のことをよく知らないままでは、自分がやりたい仕事ややりたいことが漠然としてしまうのも当然のことでしょう。まずは、自分について理解するところからスタートしましょう。

求人・キャリアに関する知識が少ない

世の中の仕事に関する知識が少ない状況では、自分がやりたい仕事ややりたいことなどがイメージしにくくなってしまいます。そもそも、世の中にはどのような仕事があるのか、どのような業務が存在するのか、などが分からないと自分の中の選択肢は広がっていきません。特に長らく同じ業界にいたり、同じ会社にいると転職者からの情報も限定的でどうしても視野が狭くなる傾向があります。

少ない選択肢の中では「どれもピンと来ない」と、結局やりたいことを見つけられない事態に陥ってしまいます。職種や業種など、多種多様な仕事で溢れていることを知り、その中で自分が興味を抱ける仕事は何なのかを明確にすることが大切でしょう。

就業条件に目を向けすぎている

就業条件に目を向けすぎるのも、やりたい仕事ややりたいことから遠のいてしまうため注意が必要です。「高い給与」「休日が多い」「福利厚生が充実」などは、働くうえでのワークライフバランスの調整や仕事へのモチベーションにつながるため大切な要素であることは間違いありません。

しかし、条件ばかりを重視していると、そもそも自分がなぜ転職したいのか、どんな仕事内容なら働きがいを感じるのか、が漠然としがちです。また、自分の希望条件に100%マッチする求人も少なく、結果的に「自分に合う仕事はない」といったネガティブな判断に陥りやすくなります。求人を探す際には、条件だけではなく業務内容や働く環境、その会社の理念等にも目を向けながらいろいろな観点で情報収集することが大切です。

「ポジティブな働く理由」が絶対必要と考えている

やりたい仕事がない、やりたいことが分からないと悩んでいる方の多くが、仕事をするにあたってポジティブな働く理由が必要であると考えています。何かポジティブで立派な働く理由を見つけなければ、と考えていると次第に自分のやりたいことが漠然としてしまうものです。

建前や綺麗事ばかりに目が向くようになってしまい、自分の気持ちや感情が置き去りになってしまうと感じたことはないでしょうか。もちろん、ポジティブな働く理由や高い志があることは素晴らしいことですが、必ずしも全ての人が立派な動機を胸にして働いているわけではありません。

働く理由は「生活のために稼がないといけないから」「無職でいても暇だから」「この仕事をしている時間はつらくはない」など消極的な動機でも問題ないのです。明確で立派な働く理由よりも先に、そもそも自分の本音を理解するのも重要でしょう。

失敗を恐れて前向きに考えられていない

意外にも、やりたい仕事がないと嘆く方に多いのが、「失敗を恐れていること」「自分にはできないからと諦めモードであること」などが挙げられます。最初から、自分には大したことができないから……といった考え方で仕事を探すと、無意識にさまざまなフィルターや制限を設けてしまいがちです。興味のある求人があっても「自分には無理そうだから」とすぐに諦めることが当たり前になると、結果的にやりたい仕事ややりたいことが分からなくなってしまうのです。つまり、失敗を恐れず「やってみたい」という感情を大切にすることが重要でしょう。

メンタルが不調・体調が悪い

「繁忙期が続いており休みがとれていない」「プライベートでショッキングな出来事があった」等、特別大きな出来事がなくても季節の変わり目などで心身に不調をきたしてしまうと、何に対しても興味が持てず「無気力で自分のやりたいことが分からない」ということがあります。

そういうときに自己分析をしたり、自分のキャリアプランを考えようとしても、うまくいかないことがあります。無理せずに休養を最優先にして、体調を立て直してから転職を検討し始めることをおすすめします。

やりたい仕事がない・何がしたいか分からない方が適職へ転職するには?

やりたい仕事がないとき、何がしたいか分からないとき、それでも適職へ転職するためにはどうしたらいいのでしょうか。本項からは、転職を検討しつつも自分の進みたい道が分からない方へ向けて、適職へ転職するための方法をご紹介します。

1年後、5年後どうなっていたいかをイメージする

やりたい仕事がないとき、何がしたいか分からないとき、まずは1年後や5年後にどうなっていたいのかをイメージしてみましょう。「働き方」「働く環境」「関わる人」「業務内容」など、思いつくものは何でもOKです。たとえば、「リモートワークで場所・時間に縛られずに働きたい」「ITに挑戦して試行錯誤しながら働いていたい」など、できるかできないかではなく、どうなっていたいのかを基準にしてイメージしてみましょう。1年後・5年後の自分の理想像をイメージできれば、必然的に今自分が選ぶべき選択肢が見えやすくなるはずです。

業界や職種を問わずたくさんの求人に目を通す

業界や職種を問わずにたくさんの求人に目を通しましょう。求人をチェックする際、ついつい自分の経験のある分野の求人を探しがちです。しかし、業界や業種を問わずに求人をチェックしてみると、「自分でもできそう」と感じる求人や、「この領域に興味があるな」と思える求人に出会えるチャンスがあります。

また、さまざまな求人に目を通すことで、自分の中の求人を選ぶ基準に変化が生まれるかもしれません。新たな視点で求人を探しやすくなり、結果的に自分の歩む道を見つけられるかもしれません。

そもそもなぜ転職したいのかを掘り下げて考える

そもそもなぜ自分が転職したいのか、を掘り下げて考えてみることも大切です。転職を決意するとき、ほぼ必ず理由があるものです。「現職への不満」「成長意欲」「将来への不安」など、心当たりのある理由はないでしょうか。転職したい理由を掘り下げていくと、自分がどのような仕事に就きたいのかが分かりやすくなります。なぜ自分は転職したいのか、なぜ今の職場で続けていきたいと思えないのか、などを深堀して考えてみましょう。

転職のプロの力を借りて適職探しを

ここまでご紹介してきたような自己分析や内省を、普段の仕事をこなすかたわら、自力で成し遂げるのはなかなか困難です。多忙なビジネスパーソンは現職でのパフォーマンスを落とすことなく、効率的に転職活動を進める必要があります。そんな方は転職のプロである転職エージェントの力を借りて転職活動を始めることをおすすめします。

スカウトサイトを利用し、自分に合った転職エージェントを見つける

転職活動はこれまで主流であった転職サイトからスカウトを待つスカウトサイト、転職プラットフォームに移行しつつあります。具体的には「ビズリーチ」「リクルートダイレクトスカウト(」「ミドルの転職」などが挙げられます。特にこのダイレクトリクルーティングと呼ばれる市場はこの数年で急激に市場が拡大し、2021年には前述のビズリーチを運営するビジョナル株式会社が東証マザーズ(現東証グロース市場)にも上場を果たしています。

これらスカウトサイト、転職プラットフォームに情報を登録しておくことで、経歴を見た転職エージェント、または企業より直接スカウトを貰うことが可能です。どのような企業、転職エージェントがこれまでの経験を評価してくれるのかという観点も含め、自分の経歴に合った求人情報をある程度網羅的に情報を集めることができるため、多忙なビジネスパーソンにとっては有効な転職手法の一つと言えるでしょう。

転職エージェントの利用

スカウトサイトを活用しても「転職の軸」探しに苦戦をするようであれば、キャリアについての相談をするために転職エージェント(人材紹介会社)を利用することもおすすめの方法です。転職エージェントとの面談では、キャリアカウンセリングでは、中長期的なキャリアプランについても相談することが可能です。

転職エージェントは国内に数万社あり、職種や業界に特化した転職エージェント、あるいは経営層、マネジメント層に特化した転職エージェントなどそれぞれ特色があります。これまでの経験、自分が描きたいキャリアなどを踏まえ、自分に合った転職エージェントをパートナーに転職活動を進めても損はないでしょう。

最後に

本記事ではやりたい仕事がない方や、やりたいことが分からないと悩む方に向けて、その原因や解決するための方法などについてご紹介しました。やりたい仕事がないのにはさまざまな理由があります。

自分への理解が不足していたり、職種・業種の知識が浅いなどが挙げられるでしょう。自分の納得できる転職を実現するためにも、今回ご紹介した内容を参考にしながら、転職活動に活かしてみてください。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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