転職に成功する人に共通する3つの特徴とは

ビジネスのサイクルが早くなり、会社の寿命は30年と言われるようになりました。そのような時代の中、いまや転職が当たり前になりつつあるも、転職はあくまで手段であり、転職後に自分は活躍できるのかどうかという不安を抱えている方も多いかと思います。そこで今回は転職を成功させるポイントについて解説します。

目次

転職における成功とは

年収アップ、家庭と仕事の両立など、転職の成功の定義は当然ながら人によって異なります。転職活動では自分にとって何を成功と置くか、しっかりと自己分析をした上で臨むことが大切です。こちらでは転職を成功させるために必要な考え方について解説します。

転職理由の堀り下げ

まず今の職場から転職したいと思うようになった転職理由について掘り下げていきましょう。転職のきっかけは年収が上がらない、人間関係が悪い、仕事の幅が広がらないなど様々あるかと思いますが、それではどのような環境であればその転職理由が解消できるかについて掘り下げていくことが大切です。

「人間関係が悪い」という転職理由であったとしても何がそのような人間関係の引き金になっているのかを押さえておくことが大切です。例えば新規開拓が中心の数字至上主義な会社風土の営業会社の場合、営業職は数字が上がらなければ叱責を受けることが多いでしょう。このような環境で叱責を受けることを回避する転職にしたいのであれば、同じ営業職でもルートセールスでリピート購入に繋げていく関係構築に重きを置いている企業に転職すれば、転職理由は回避される可能性が高いです。

「人間関係が悪い」という漠然とした転職理由で転職活動を行い、面接官の印象で決めることが悪い訳ではありませんが、現場配属された後にまた人間関係で悩む可能性は否めないでしょう。この場合、人間関係が悪くなる要素を明らかにした上で、その要素がない(もしくは少ない)職場を選択していくことが大切です。

キャリアプランの具体化

例えば日常的にハラスメント行為を受けているなど、今の職場で強い不満がある方の場合、辞めたい気持ちが先行してしまうが故に中長期でのキャリアプランを持たずに転職活動に臨んでしまうケースがあります。このような場合、とりあえずは転職先は決まって就業を開始した後、「この職場で良かったのだろうか」と悶々とした気持ちになり、また転職活動を再開するようなシーンを見かけることがあります。

「マネジメントの経験を積みたい」「新規事業を立ち上げられる人材になりたい」などキャリアプランを具体化することができれば、複数内定を貰って多少迷うことはあったとしても、最終的には自分のキャリアプラン実現に最もイメージの近い企業を選択すれば良いでしょう。

また、キャリアプランが不明瞭でまだ自分の将来像が見定まっていないのであれば、マネジメントポジションやスペシャリストなどの複数の選択肢を持つことのできる企業に転職するという選択肢も一つです。会社の成長曲線と自分のキャリアプランはリンクします。この両者が一致しているような転職が実現できれば、長期的に活躍できる可能性が一気に高まるでしょう。

転職で成功する人の特徴

前述の通り、転職が成功かどうかの定義は人によって異なりますが、共通して言えることは転職先で活躍できるかどうかという点が言えるでしょう。こちらではそのような意味合いにおいて転職で成功する方の特徴について解説します。

企業の看板に依存しない働き方をしている人

日本企業の90%以上は中小企業であり、その中には創業から歴史ある老舗企業もあれば、比較的若いベンチャー企業もあります。つまり転職先候補となる企業は中小企業となる可能性も十分にあります。これまでいわゆる大手企業や有名企業で働いてきた方は転職の際に気をつける必要があります。

大手企業、有名企業に勤務していると、良くも悪くも会社の看板やブランド力、あるいは生産性高く成果を上げられる整った仕組みに依存してしまいがちです。次の転職先候補となるのが中小企業の場合、大企業のようなブランド力を持ち合わせている企業は少ないですし、多くの場合、人材教育や情報管理システムなど成果を上げるための体制整備が十分とは言えない状況であるのが実態です。そのため大手企業や有名企業で高い成果、実績を上げていたとしても、同じように成果に繋げられるわけではありません。

転職して環境が変わっても活躍できる人の特徴としては、そのような環境要因を省いた自分自身の強みを構造的に捉えられている方が多いです。例えば、営業活動で成約率を高める為に競合分析し、それらに対策を講じ、結果に繋げたなどの実績があったとします。このような経験の中で必要となった、課題解決を実現するための論理的思考力などは、環境が変わったとしても再現性が高く、転職後にも発揮できる可能性が高いです(特に自身の取り組みと実績の因果関係を、話せることが重要です)。

これまでの実績が、どのような要素により実現できたのかを棚卸し、環境が変わっても再現性をもって発揮できる自分自身の強みを、構造的に捉えられるようにしておきましょう。そうすることで、新たな環境での成功体験に繋げられる可能性が高まるかと思います。是非一度そのような観点で、キャリアの棚卸をしてみてください。

困難な課題に逃げずに向き合える人

時代の変化が早い中、中小企業は勿論、大企業であっても事業や組織などいろんな困難や想定外のシチュエーションに遭遇するシーンがあります。実際にこの2010年代に入ってからもメガバンク、大手メーカーなど安定企業の代名詞ともいえる企業が希望退職を募っている記事などを目にされたことがある方も少なくはないでしょう。

そのような困難な状況でも人任せにすることなく、寧ろその課題を自らが拾いに動き、課題解決に取り組む主体性は、転職に限らず、これからの時代を生き抜く上で必要な要素の一つと言えます。思いがけない困難な状況、難解な課題に直面した際には、誰しも躊躇するでしょうし、実際に逃げるように別の企業に転職する人も少なからずいます。しかしながら、このようなスタンスでは何度も転職を繰り返すジョブホッパーのようなキャリアを歩みかねません。

時代の変化が早い時代であり、絶対的な安定は無いものであるという前提の下、主体性、当事者意識を持ち、転職先で何か課題や問題が起こってもしっかりと向き合う姿勢が転職を成功させるためには必要不可欠といえます。勿論、昨今の新型コロナウィルスや円安の問題などどうしようもない事象はあるでしょうが、諦めずに危機からの脱却に向けて取り組んでいれば、転職を余儀なくされたとしても、次の転職活動でも多くの企業から内定を貰えるでしょう。

これまでの成功体験に捉われず、変化できる人

せっかく転職しても、これまでの成功体験、仕事の習慣などに捉われてしまい、転職先でうまく活躍できないケースもよくあります。同じ業界、同じ職種の転職であったとしても、個人プレー重視かチームワーク重視かなど企業により、仕事の進め方は全く変わってきます。

しかしながら、「前の職場ではこのやり方でだったから」というような姿勢のまま変化できず、周囲の反感を買ってしまい、孤立してしまうということがあります。特に前の職場での勤務期間が長い方ほど仕事の習慣が染みついてしまい、変化することへの抵抗感との葛藤に苛まれた結果、また転職活動に臨まなければならないという結末を迎えてしまうことが多いです。

変革の旗振り役を期待されてというような転職でない限りは、「郷に入っては郷に従え」という言葉がある通り、転職してまずはその企業の文化や風習を尊重した仕事の仕方をしていくようにしていくことを推奨します。その上で結果を出し、周囲の信頼を勝ち得た段階で、自分が良いと思う取り組みなどを提案していくような形が良いでしょう。

転職を成功させるために

これまで転職を成功させる上で必要な考え方などについて解説をしてきました。では具体的に転職活動を進めていく上でどのように転職先候補となる企業を探し、選考を進めていくと良いかについて解説していきます。

カジュアル面談の設定

転職活動では、企業の情報を入念に調べ、自分の働き方や理想に合った企業を選ぶことが大切です。リサーチ不足の状態では、入社後に「理想と違っていた」とミスマッチが起きかねません。自分自身で企業研究を行うことも必要ですが、大手企業と比べて中小企業、ベンチャー企業などは公開情報が少ないのが実情です。

そのような場合にはカジュアル面談を打診してみると良いでしょう。カジュアル面談とは本格的な選考の前に実施される、文字通り、カジュアルにお互いのことを話する情報交換の場です。比較的認知度が高いとはいえないベンチャー、スタートアップ企業、中小企業などでは、まずは自社のことを知って貰うためにこのようなカジュアル面談の場を設定されるケースが珍しくありません。

気になる企業があり、このようなカジュアル面談の場を持てるか打診の上、自分に合った企業の見極めをしていくと良いでしょう。是非下記の参考URLもご覧頂き、カジュアル面談のイメージを掴んで頂ければと思います。

面接での逆質問

面接では「最後に何か質問はありますか」という逆質問を求められるシーンだけに限らず、面接の会話の中で事業やサービス、組織などに関して逆質問を積極的に投げかけていくことが有効に働くことが多いです。このような機会を逃さず、転職を成功させる上で自分にとって必要な情報を積極的に取得しに動いていくと良いでしょう。

内定

内定が出た際に貰う内定通知書に書かれている待遇や働き方を理解しておくことも転職を成功させるために重要です。また、「ここは譲れない」と思う内容と乖離がある場合は、このような背景などを確認の上、条件の摺合わせなどの交渉を行っていく方が好ましいでしょう。

例えば希望年収と提示年収に乖離が発生したことが何の要因によるものなのか、例えば保有資格などに起因するものであれば、入社後早々に資格取得が出来れば、そこまで時間を要さずにギャップを埋められるかもしれません。内定の際にはこのような進め方も配慮の上、丁寧にコミュニケーションをとり、内定承諾をするか否かの最終的な意思決定に役立てましょう。

退職交渉

転職を成功するためには退職交渉を円満に終わらせることが欠かせません。まずは退職交渉を円満に進める第一歩として、直属の上司に退職の意思を表明しましょう。そこで退職の意志が堅いこと、そしていつまでに退職したいと考えているのか伝え、退職手続きを進めていきましょう。

尚、退職交渉時には入社する企業名は必ず伏せてください。現職と転職先に思わぬところで取引関係がある、あるいは先々に再び転職をした場合のリファレンスチェックのリスク等、転職先を公表することは多くのリスクを伴います。真摯な対応は必要ですが、後ろめたさから必要以上の情報を伝えてしまうことは避けましょう。

転職エージェント(人材紹介会社)の利用

それでも情報収集に苦戦をするようであれば、自分が転職したいと思う業界、職種において転職支援に実績がある転職エージェント(人材紹介会社)を利用することも一つの選択肢です。

転職エージェントを活用することで、転職先候補となる企業の良い側面だけでなく、抱えている課題などのネガティブ側面を正しく捉え、ミスマッチの回避に繋げられる可能性を高めることができます。転職活動は情報が生命線となりますので、その点を踏まえ、転職エージェントに限らず、情報収集になり得る手段があるのであれば積極的に活用していくと良いでしょう。

最後に

転職を成功させるには、転職理由の掘り下げ、キャリアプランの具体化を進めた上で、どのような会社に転職することが自分にとって成功といえるか解像度を高めていきましょう。また、転職の方向性が定まったとしても自分に合った企業と出会うのは容易ではありません。自分の目指す業界や職種に強みを持つ転職エージェント(人材紹介会社)のサポートを得る等の手段を活用しながら、転職活動を成功させましょう。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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