創薬ベンチャーとは何か?創薬ベンチャーの概要、転職のポイントなどについて解説!

近年、医療技術の進展とともに、新しい医薬品の開発への関心が高まっています。そのような中、最新技術を用いた新薬開発を行う創薬ベンチャー企業は医療業界をはじめ世間から大きな注目を集めています。しかしながら、創薬ベンチャーには創薬ベンチャーならではの険しい道のりもあり、転職の際の企業選びは慎重に進めていくことが大切です。この記事では創薬ベンチャーの概要などについて解説します。

目次

創薬とは

創薬とは言葉の通り、新しい医薬品を開発する過程を指します。創薬により開発された新薬が市場に出回るまでは、基礎研究、臨床試験、厚生労働省承認申請・審査といった段階を踏んでいきます(市場に流通できる段階にまで至ることを上市といいます)。

開発された新薬が患者の方に提供されるようになるまでは10年以上の時間を要することが多く、また臨床実験の結果にて想定する数値が得られない、思いがけない副作用などが発覚して断念せざると得ないなど、その道のりは険しいものといえます。さらには国ごとに新薬の承認基準は異なるため、世界中の病気で困る人を救いたいと思ってもこのような壁に阻まれてしまうこともあるでしょう(海外の新薬が日本市市場で承認される比率は30%に満たないともいわれています)。

しかしながら、開発した新薬が上市し、患者の方に提供できる段階にまで運べた際には、QOLの改善、あるいはこれまで救えなかった命に寄与できる可能性などもあり、世の中を変える実感、大きなやりがいを感じられるのも創薬の世界の魅力ともいえるでしょう。

また、新薬と混合される言葉で育薬という言葉がありますが、育薬は新薬が市場に流通し、患者の方にどのような反応があったか等のデータを基に、改善を進めていくプロセスとなります。創薬は上市した段階でゴールという訳ではなく、市場に流通した際に臨床実験で得られなかった思わぬデータが得られたりもするため、上市した後も継続した取り組みをしていくことが求められるのがこの世界です。

創薬ベンチャーとは

創薬の取り組みは大手製薬会社などを中心に行われます一方、創薬ベンチャーという形にて創薬に取り組むケースもあります。創薬ベンチャーは言葉の通り、まだ世にない創薬を目的に起業し、新薬を上市することを目指すベンチャー企業を指します。このような創薬ベンチャーは大学をはじめとした研究機関を起点として創業に至ることが多いです。

創薬ベンチャーが立ち上がるプロセスとしては、多くの場合、競争的資金(グラント)と呼ばれる助金などにより、実用化に向けた研究を進め、可能性が見出せた際には大学系ベンチャーキャピタルなどをはじめとした投資家より出資を受ける形で法人化し、本格的な創薬のプロセスを踏んでいくことが一般的です(このような大学の研究を起点とするベンチャーのことを大学発ベンチャーと表現することもあります)。

創薬ベンチャーへの転職のポイント

創薬ベンチャーの転職を検討する際に難しいのが、「この技術が本当に実用化できるかどうか」という観点といえるでしょう。創薬に関わる基礎研究にどのような研究者の方が関与された上で立ち上がった創薬ベンチャーなのかといったことは企業選びのポイントの一つにはなるかと思います。

しかしながら、創薬ベンチャーに限らず、創薬が上市に至るまでは3万分の1と言われるほど険しい道のりであり、また注目が集まっている創薬ベンチャーであっても創薬の過程において思いがけない問題が発生することは珍しくありません。創薬ベンチャーへの転職を考える際に、このようなリスクまで予見することは極めて難しいです。そのような中、創薬ベンチャー選びで大切なこととしては、自分自身が実現したい社会と創薬ベンチャーの目指すビジョンがリンクするかという観点が大切といえるでしょう。

創薬ベンチャーへの転職に向けて

こちらでは創薬ベンチャーへの転職に向けてのポイントについて解説します。多くのビジネスパーソンが多忙である中、現職のパフォーマンスを落とさないよう、効率的に情報収集を行う必要があるでしょう。こちらではこのような方の転職活動で推奨する2つの手法についてご紹介します。

スカウトサイトを活用した転職活動

一つ目はスカウトサイトを活用した転職活動になります。これまで主流であった転職サイトなどからスカウトを待つ転職プラットフォームに移行しつつあります。具体的には「ビズリーチ」「リクルートダイレクトスカウト」「エンミドルの転職」などが挙げられます。このような転職プラットフォーム市場はこの数年で急激に市場が拡大し、2021年には前述のビズリーチを運営するビジョナル株式会社が東証マザーズ(現東証グロース)にも上場を果たしています。

これら転職プラットフォームに情報を登録しておくことで、経歴を見た転職エージェント、または企業より直接スカウトを貰うことが可能です。このようなプラットフォームに「創薬領域の企業に挑戦したい」「創薬ベンチャーを希望」等の希望条件の記載をしておくと、必然的にそのような情報が集まりやすくなるでしょう。

また、どのような企業がこれまでの経験を評価してくれるのかという観点も含め、自分の経歴に合った求人情報をある程度網羅的に情報を集めることができるため、多忙なビジネスパーソンにとっては有効な転職手法の一つと言えるでしょう。

転職エージェントを活用した転職活動

前述の様な転職プラットフォームサービスの台頭はあるものの、まずは自身の現状について相談したいという場合には転職エージェントを活用していくこともよいでしょう。多くの場合、転職活動は孤独です。自身の経歴の棚卸、今後の自分のキャリアプランをどうしていくべきかなど腹を割って話ができる存在がいるかいないかは、自身の転職活動を良い形で進めていく上で重要です。

転職エージェントは国内に数万社あり、創薬ベンチャーをはじめとしたベンチャー業界に特化した転職エージェント、あるいは経営層、マネジメント層に特化した転職エージェントなどそれぞれ特色があります。これまでの経験、自分が描きたいキャリアなどを踏まえ、自分に合った転職エージェントをパートナーに選びましょう。

最後に

創薬ベンチャーは医薬品業界における新たな動きを生み出しており、多くの可能性を秘めています。しかしながら、創薬ベンチャーとして上市まで運ぶその道を選ぶ道のりはとても険しいものであり、転職において選択肢として検討する場合には慎重に見定める必要があるといえるでしょう。本記事をご参考にして頂き、創薬ベンチャーへの転職に役立てて頂けると幸いです。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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