転職回数が多い人が考えるべきキャリア設計

転職回数が多い人は、転職を希望する会社が大企業でもベンチャー企業でも、「転職回数が多いことで採用されにくくなるのでは」と心配しているのではないでしょうか。もちろん、転職回数の多さが採用されるかに影響するのは事実ですが、転職理由やスキル・キャリアプランを適切に伝えることができれば、採用されやすくなります。

そこで今回は、転職回数が多い人が、転職活動で採用されやすくするために考えるべきポイントやキャリア設計について解説します。

目次

転職回数が多いことは転職活動に不利?

一般的に、「転職回数が多いことは転職活動に不利だ」と言われています。確かに、転職回数が採用の合否に多少なりとも影響するのは事実ですが、必ずしも「転職回数が多い=採用されにくい」とは言い切れません。実際に、転職回数が多くても、希望の転職先に採用される人がたくさんいるのも事実です。

転職回数が多くても採用される人は、会社側が求めるスキルを持っているだけでなく、「採用にあたって心配になる点を払拭できている」から採用されていると言えます。まずは、どうして転職回数が多いと不利になるのかを、採用にあたって心配になるポイントから理解しておきましょう。

大企業を中心に終身雇用制度が根付いている日本では、転職経験が少ない人の方が多数派です。そのため、2・3回の転職でも「転職回数が多い」と感じられがちです。ベンチャー、スタートアップ企業などの終身雇用が当たり前とまでは考えていない会社でも、少人数組織であるが故に一人の離脱は影響が大きく、それまでの経歴で転職回数が多いかどうかで定着について懸念される部分はあるでしょう。

転職活動の際には会社側が、転職回数の多い人に抱きやすい懸念事項を踏まえ、それらを払拭するアピールなどを準備の上、面接に臨むのよいでしょう。企業側が抱きやすい懸念事項としては、具体的には、次のようなものが挙げられるでしょう。

①実務経験が浅いと考えられる

転職回数が多いと、1社あたりの勤務期間が短くなるため、「スキルが高まる前に離職した」と考えられてしまいます。もちろん、業務の習熟度やスキルアップのスピードには個人差がありますが、履歴書の経歴だけを見た段階では、「経験が浅い人材かもしれない」と感じられてしまうでしょう。

②自社もすぐに辞めてしまうかもしれないと考えられる

転職理由にはやむを得ないものもありますが、何度も転職しているとなると、「すぐに転職を考えてしまう人かもしれない」、「採用しても短期離職になるかもしれない」と想像されかねません。誰を採用する場合でも、ある程度の採用コストがかかります。そのため、短期離職する人は採用コストだけがかかり、会社に利益をもたらす人材とは見てもらえません。できることなら長期的に会社に貢献してくれる人を採用したいと考えるのは自然でしょう。

この2点が、転職回数が多い人に対して抱く懸念事項の最たるものです。新卒採用をほとんどしていない会社や、外部からの優れた転職者を採用したいと考えているベンチャー、スタートアップ企業でも、こういった感情を持たれる傾向には変わりありません。「転職者が多い会社やベンチャーだから、転職回数が多くても気にされないだろう」と、転職回数を意識せずにエントリーするのは避けましょう。

転職回数をごまかす噓はNG

転職回数が多くても採用されるようにするためには、「転職回数が多いという事実」を受け止め、その上で、会社側が不安に感じる部分を払拭することから始めましょう。

まれにですが、転職回数が少ない方が採用されやすいだろうと考え、短期離職した職歴を隠す、数社分の勤務経験を1社分として記載するなどして転職回数をごまかそうとする人がいます。しかし、こういった嘘は当然ながら、絶対にしてはいけません。幸か不幸か、嘘がバレずに採用に至ったとしても、入社後に経歴詐称が発覚し、大きな問題に発展するというケースも少なくありません。

採用後に経歴を偽っていたことが発覚すると、解雇されることもあります。ただ信用できない人材だから解雇するというレベルではなく、労働契約を締結するうえで虚偽の内容を伝えていたということで「不法行為」となります。実際に、中途採用された人が、職歴をごまかしていたことを理由に解雇され、裁判で懲戒解雇が有効だと認められた判決もあります。

これは、大企業かベンチャー、スタートアップ企業といった、会社のタイプで変わる問題ではなく、どの会社でも同じです。転職に限らず、重要な局面で嘘や隠しごとをする人は、採用後にも社内で同じような行為をする可能性がある人と見られ、採用すれば会社として非常に大きなリスクを抱えることになると判断されます。

また、近年ではリファレンスチェックを導入する企業も増えています。「リファレンスチェック(Reference check)」とは、キャリア採用を行う企業が、応募者の職務経歴書等に書かれている内容に虚偽がないかどうか、会社の上司など第三者に、実積、スキル、人物像などについて確認する作業です(リファレンスチェックについては以下記事もご参考ください)。

参考情報:日本でも導入が増えるリファレンスチェックとは

うまく選考が進んだとしても最終的にリファレンスチェックで虚偽は明るみに出てしまいます。そのため、経歴詐称などに時間を費やすよりも、転職回数の多さはあったとしても、それ以上に事業成長に貢献できる人材であることをアピールするための準備に時間を割く方が良いでしょう。

短期離職の理由としっかり向き合う

転職回数を包み隠さず履歴書や職務経歴書に書くため、当然、会社側は転職回数が多いことを心配します。中でも、短期離職はとても気になるポイントです。だからこそ、短期離職の理由と向き合い、職務経歴書に記載したり、面接でしっかりと説明したりできるように準備しておく必要があります。

短期離職での転職をしている人は、「ちょっとしたことでも気に入らないと辞めてしまう人」などと思われてしまいかねません。短期離職の事実は仕方ないにしても、どのような理由で転職を決めたのか、相手が納得できる理由を堂々と答えられるように準備しておきましょう。

以下にて比較的多い転職理由、及びその転職理由がどのように見られるかについて説明いたします。

①入社前後のギャップ

「転職前に思っていた仕事とは違う仕事をしなければならなかった」という理由はあまり理解を得られない可能性が高いです。業務の幅などに関しては企業研究や面接でのやり取りなどである程度想像できるでしょう。また、例えば他社員が病欠の際に、急遽、担当業務以外のことを任せるシーンなどの際に、短期離職につながってしまわないかと懸念に思われる可能性もあります。

ただし、全てのケースがマイナスに働く訳ではなく、例えば転職活動の際に企画で選考が進んでいたのに、入社の際には説明もなく、営業に配属されるなどといったケースなどは当然別です。このような入社前後のお話の相違では、会社への不信感を抱くのも当然であり、事実ベースでこのような経緯を伝えることにより、理解をして貰える可能性が高まるでしょう。

②人間関係

「人間関係」が理由で転職する人も少なくありませんが、個人的な好き嫌いや相性で辞めてしまうのであれば、次も繰り返す可能性は否定できません。人間関係が転職理由の場合には、自分の主観的な意見だけではなく、客観的な事実を伝えることが重要です。

例えば、ほんのちょっとした些細なミスに対しても「●●」のような暴言を日常的に吐かれる環境である、上司が退社するまで帰宅が許されない環境であるなど、客観的にみた際にこれは転職を決断しても仕方ないなと思えるような事実と共に伝えることで、短期離職であったとしても理解して貰える可能性が高まります。

③スキルアップ

スキルアップを目的とした短期離職は、自分本位、自己中心的な印象を受けるため、組織貢献などの考え方がない方のように映り、あまり好意的に捉えられないことが多いです。ただし、転職などによりスキルアップをしていく中、転職市場でなかなか存在しないような唯一無二のスキルを有する人材にまで突出することができれば、転職回数が多くとも、それ以上に企業側は即戦力性を期待して採用に繋がるケースもあります。

一般的にはエンジニアなど技術系専門職の場合には、転職回数が多くとも身に着けてきたスキルを重視した採用となるケースが多いです。一方で同じ専門職でも経理や人事など管理部門の場合、会社を守る要となる部門のため、簡単に抜けられては困ることから、このような転職理由を好意的に受け止められないケースが多いです。

④病気・ケガ・家族の介護など不足の事態

病気・ケガ・家族の介護など、本人の職務上の問題ではないことが転職理由なのであれば、その点を説明するべきです。ただ、同じような病気やケガでの転職回数が多い場合(例えば何度も過労で倒れてしまったなど)は、自己管理能力に問題があると受け止められる可能性もあります。

⑤その他の転職理由

その他、ベンチャー、スタートアップ企業などでは、会社の成長フェーズに合わせて、IPOなどのプロジェクトに参画するような形で転職するケースもあります。大企業であれば、短期間の出向ということもあるでしょう。このような場合は、各社での取り組み内容や身につけたスキルを説明しやすいはずです。

また、ファンド傘下で事業再生を行っている会社やベンチャー、スタートアップ企業では、転職後すぐにM&A(バイアウト)が行われるケースもあり得ます。仕事内容に変わりはないにもかかわらず、勤務先名が変わったことで、内情を知らない人からすると短期間で転職したように見えてしまいかねません。履歴書や職務経歴書に、短期離職ではなく、M&Aなどによる転籍であるとわかるように記載しておきましょう。

転職回数が多くても採用される人材とは

このように、転職回数や短期離職についてどのように見られる傾向にあるのか理解し、会社側の不安を取り除きながら、自分の能力を適切にアピールすることで、採用される可能性を高めることができます。

では、その上で、どのような人材であれば、転職回数が多くても採用されやすいのでしょうか。以下に挙げるすべてを兼ね備えていなければならないわけではありませんが、参考にしてください。

①転職を経て高めてきたスキルが明確である

具体的な実績や取り組み内容を伝え、これまで勤めてきた会社で身につけたスキルをはっきりと伝えられれば、どのような会社でも成果を出せる人材だと感じてもらえるでしょう。例えば経理でキャリアをスタートし、転職により財務、管理会計など会計領域に関して広範囲な知見を有する人材へキャリアアップするなどといったケースがこのような事例に当てはまるでしょう。

②キャリアに一貫性がある

いろいろな会社で働いた経験があっても、キャリアに一貫性があることも重要です。一見すると無関係な業種であっても、前職の経験を活かしながら、転職のたびにスキルの幅を広げていれば、戦略的なキャリアアップをしており、自社でもこれまでの経験から価値を生み出してくれると考えてもらえます。

例えば最終的なキャリアとして管理部長として会社経営を支える人材になることを目指し、経理財務領域だけでなく、人事総務などの領域にも踏み出し、知見を広めてきたなどというキャリアステップがこのような事例に当てはまるでしょう。

③人材難の課題が強い業界を選んでいる

競争率の高い会社は、転職希望者も殺到するため、当然に採用ハードルも高くなります。そこで、採用される確率を高めるために、人手不足で困っている業界を選んで転職活動をするというのも選択肢の一つです。

このような場合、必ずしも自分が働きたい業界ではないかもしれません。しかし、戦略的に「採用されやすく、自身が求めるスキルを身につけられる業界」へ転職して市場価値を高めることで、さらにその先の選択肢を広げるというキャリアの作り方は長期的にみた際に決して悪い選択ではありません。

④応募企業への志望意欲

当たり前のことですが、意欲は採用されるかを大きく左右します。自社で働きたいという熱意を感じる転職希望者であれば、入社後に大きく成長してくれる可能性を秘めているため、多少スキルが不足していても採用に至ることがあります。

ただ、転職回数が多いことで、長く働いてくれるかの不安が残ります。その点については、転職したい会社での長期的なキャリア像、なぜそのようなキャリアプランを考えているかなどを語ることが、長期的な活躍イメージをもって貰えることに繋がるでしょう。

最後に

転職回数が多いことは、転職理由や短期離職の懸念点があるものの、いくつもの会社で通用するスキルを持ち合わせた人材である可能性もあると言えます。転職回数が多い事実とは向き合いながら、キャリアの棚卸しを通じて応募企業へのアピールできるポイントを探してみましょう。また、転職回数が多くとも、評価される人材を目指し、長期的にスキルアップしていけるように戦略的に転職活動を行うのも一つの手です。転職活動に苦労することがあったとしても、職歴をごまかすことだけは絶対に止めましょう。

このような応募企業への見え方を踏まえた対策を進める際には、転職エージェントの活用も検討されるとよいでしょう。採用する会社側が心配する点を見据え、懸念に思わる事項を払拭できる準備を進める他、応募企業で評価されるスキルなどをアピールし、少しでも採用される可能性を高めましょう。

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