上司と合わないのはなぜ?考えられる原因やリスク、対処法

「自分と合わない上司を思い出して憂鬱な気持ちになる」「上司と合わず、仕事を円滑に進められないことでストレスを感じる」など、上司と合わないことで悩んでいる方は多いのではないでしょうか。最初は好印象であっても、上司の人柄や仕事上の関わり方は、実際に一緒に働いてみないと分からないものです。

最近では「上司ガチャ」という言葉が広まり、上司との関係性に悩む社会人は増えています。そこで、本記事では、上司との相性が合わない原因だけでなく、上司との関係がうまくいかないときのリスク・対処法についても解説します。

目次

上司と合わないと感じる原因

上司と合わないと感じる社会人には、共通する原因があります。具体的にどのような原因が隠れているのか詳しく見ていきましょう。

上司の人間性に問題がある

上司と合わないと感じる原因には、必ずしも自分や相性に問題がなくても、上司に何らかの問題がある可能性も考えられます。とくに人間性や性格といった点は、部下との関係性に悪影響を及ぼすことは珍しくありません。例えば「イライラをあからさまに態度に出す」「仕事に対してやる気がない」「指示に一貫性がない」「好き嫌いを仕事に持ち込む」等に該当する上司は、部下に苦手意識を与えてしまう典型的な例です。上司と合わないと感じたとき、上司本人に何らかの原因がある可能性を念頭に置いておきましょう。

上司と自分の価値観の違いが大きい

上司にも自分にも問題はなくても、お互いの価値観の相違が原因で「上司と合わない」と感じるケースもあります。仕事に対する熱量、仕事のやり方、優先順位、倫理観など、価値観が違うと仕事上でやりにくさを感じてしまうことがあるでしょう。最近は多様性を受け入れることがトレンドになっていますが、お互いが相手の大切にしているものを尊重し、歩み寄ることができなければ一緒に働くことが難しく感じるでしょう。

上司のマネジメントスタイルが合わない

マネジメントには様々なやり方・スタイルがあります。例えば、ビジョンや大まかな方針だけを示して細かいことは任せる「マクロマネジメント」はうまく機能すればよいですが、業務経験が浅い人には仕事を丸投げされて放置されている、と感じられるかもしれません。逆に行動を細かく管理され、何もかも上司の判断を仰がなければ仕事を進められない「マイクロマネジメント」は、自分のやり方を持っている人には窮屈に感じられるでしょう。

極端な例を挙げましたが、上司がマネジメントメソッドを体系的に身につけて、その通り実践できているような理想的なケースというのはまれで、上司のマネジメントスタイルが自分と合うかどうかは実際に一緒に働いてみて初めて分かることです。

ハラスメントがある

上司からのハラスメントが要因となり、上司と合わないと感じるケースもあります。意図的な無視や過剰すぎる要求をする等のパワーハラスメント、男女差別による不適切な発言をする等のセクシャルハラスメント、プライバシーを無視するような発言をするモラルハラスメントなどは、まだまだ社会に根強く残っているハラスメントです。これらの行為は許されるべきではありませんが、会社のカルチャーや上司の自己認識によっては、部下からの進言での改善が難しいケースも存在します。これらを放置することで自分のメンタルを擦り減らすのではなく、エビデンスをとって、しかるべき相談窓口や人事部に相談するのがおすすめです。

コミュニケーション不足

昨今、様々なハラスメントが話題になることが多く、上司側もハラスメントをしないように意識しているケースも少なくありません。プライベートな話題をしない、注意指導するときの言葉や場所を選ぶ等、上司が気を遣っているのは一見問題ありませんが、そのせいで過度に距離感が遠くなり、必要なコミュニケーションが不足することもあります。このような状況では、上司との信頼関係が築けず、重要な情報が共有されない、責任のある仕事が任されない、深いテーマでの話し合いが制限されるといった課題が生じる可能性があります。

上司と合わないときにやってはいけない行動

上司と合わないと感じたとき、やってはいけないことがあります。仕事のやりにくさや不満を理由にやりがちな行動には何があるのかをチェックし、自分の普段の行動と照らし合わせてみましょう。

同僚を巻き込む

同僚に上司への不満や愚痴を話すことにはリスクがあることを認識しましょう。職場内で話しやすい同僚がいると、ついつい話を聞いてもらいたくなってしまいますが、注意が必要です。話した内容が人づてに上司の耳に入る可能性があります。

このようなアプローチでは上司との関係性を改善する可能性は低いでしょう。また、話を聞いてもらった同僚にも迷惑をかけることがあります。もし本当に話を聞いてほしい場合は、利害関係のない立場の人を選ぶようにしましょう。

反抗的な態度をとる

上司からの指示や言動に納得がいかない場合、建設的な議論をせずに指示を無視する等、反抗的な態度をとってしまうことがあるかもしれません。しかし、「この部下に問題がある」とみなされてしまう可能性が高く、良い選択ではありません。険悪な態度は職場の人々にも伝わり、職場の士気や周囲からの自分に対する評価を低下させる恐れがあります。

また、昨今は転職の際にリファレンスチェックを要求されるケースも珍しくありません。リファレンスチェックは上司や同僚に依頼することになるかと思いますが、反抗的な態度をとってしまってはネガティブなフィードバックを受けかねません。このように転職にも影響がでかねないため、絶対にこのような選択は回避するようにしましょう。

ネガティブな考えに陥る

「自分は上司から嫌われている」とか「きっと上司は自分を退職させたいんだ」といった過度な自己責任感や被害妄想に陥り、ネガティブな考えに囚われることは避けましょう。先述のハラスメントの例のように、問題は部下にではなく上司にある場合もあります。自分を過度に追い詰めると心身の不調を引き起こし、解決策を見失ってしまう可能性もあるため、ネガティブな考えには注意が必要です。

上司と合わない状態を放置するリスク

仮に上司と合わないと感じていながらその状態を放置した場合、どのようなリスクがあるのでしょうか。上司との関係性の改善のためにアクションを起こすことは難しいものですが、現状を放置すると以下のようなリスクがあるので注意が必要です。

仕事の習得が遅れる

入社して間もない時期、上司から指導や引き継ぎを受けることになります。上司との相性が合わない場合、仕事を教わりながらも緊張やストレスが生じ、上司の話が頭に入ってこないという状況に陥ることがあります。同様に、上司側も部下に対して信頼関係が築けていないと、仕事を適切に任せることやミスを指摘することが困難になってしまいます。

人事評価に悪影響を及ぼす

上司と合わない状態を放置すると、評価に悪影響を及ぼす場合があります。降格や減給のほか、本人が希望しない異動措置によるいやがらせ等、正当な評価が得られないといった事例は実際に耳にすることがあります。その上司のみが部下の人事評価をするような人事制度になっている場合、その上司と合うか否かで評価に差が生じやすいでしょう。評価が適正になされないことは自分のモチベーションを下げるだけでなく、その後のキャリアパスや出世にも大きく影響するため、早々に手を打つ必要があります。

心身の健康被害につながる

合わない上司、特にハラスメントをする上司と共に仕事を続けると、メンタルブレイクするリスクがあるため、注意が必要です。同じ環境で上司と働くことで、ストレスが増大し、適応障害・うつ病などの精神疾患や健康被害を引き起こす可能性があります。「上司と合わない」と感じながら無理に働くことは、心身の健康リスクを高めることを覚えておいてください。

上司と合わないと感じたときの対処法

上司と合わないと感じた場合、どのような対処法があるのでしょうか。今日からできることを中心にご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

適度な距離感を保つことを心がける

まずは、上司と適度な距離感を保って接することを心がけましょう。上司との関係が円滑にいかない場合でも、距離感を変えることで問題が解決する場合があります。もし現在、上司との衝突が頻繁に起きている場合は、他の先輩社員に仲介してもらう、オフィスでの共同時間を減らすなど、距離を置くことを検討しましょう。

逆に、普段はリモートワークやWeb会議を活用しており、必要最低限の業務連絡しかしない等、コミュニケーションが不十分な場合は、積極的に上司と話す機会を作っていくことも重要です。用件がない場合でも、自分の業務についても現状を報告しながらアドバイスを求めるだけで、それを糸口に話が広がることもあるでしょう。

上司を多面的に理解する

上司も一人の人間ですからいろんな側面を持っています。自分の立場から見える側面だけで「合わない」と判断するのではなく、上司の仕事ぶりや日々の様子をよく観察し、良いところや弱点を探してみましょう。

いつも忙しそうでコミュニケーションとれないのは、社外の顧客との時間を最大化するためかもしれません。今日イライラしているのは子供から言われた些細な一言で悩んでいるだけかもしれません。無茶な要求が多いのは、あなたがそのように悩んでいることに気づいていないだけかもしれません。些細なことがきっかけで、思いがけず上司に対する苦手意識が軽減する場合もあります。上司との相性を即断するのではなく、観察を続けましょう。

合わない上司以外のことに集中する

「人として、どうしても上司と合わない」と悩む人が多いですが、そもそも上司との関係性を気にしすぎていないでしょうか。職場の人間関係も大事ですが、会社はあくまで仕事をする場所です。自分の上司にばかり意識を向けすぎず、自分の目標に焦点を当てるのも選択肢の一つです。

例えば、仕事を早く終わらせて自分の自由時間を最優先する、職場で最も優れた成績を収めるために全力を尽くす、他の会社に転職するための資格習得に集中する等、自分のモチベーションが高まることに集中しましょう。その結果、「合わない上司との関係に悩む時間」は自然に優先度が下がり、気にならなくなるでしょう。

第三者に相談する

上司との関係性による仕事の難しさなどで悩んでいる場合、人事部の担当者や上司よりもさらに上位の社員、または社外のカウンセラーに相談することをおすすめします。特にハラスメントの場合は、第三者が上司に直接注意を喚起することで、上司の態度や行動、言動が改善される可能性があります。また、現場にいない立場の人々から得られる対策やアドバイスもあります。

転職を考えるのも対策の一つ

上司との「相性が合わないと感じる場合や打開策が見つからない場合、転職を考慮することも一つの手段です。上司との関係は、仕事のモチベーションや生産性、スキルの向上など、さまざまな要素に影響を与えます。合わない上司との関係を続けることは、自分の成長の機会を逃す可能性もあります。時間を無駄にしないためにも、転職を含む解決策を模索することをおすすめします。

上司との関係に悩んでいる方には、転職エージェントを利用した転職活動がお勧めです。転職エージェントに登録すると、専任のキャリアアドバイザーがつき、転職活動をサポートしてくれます。キャリアアドバイザーとの面談を通じて、自分の希望や志向性を伝えるだけでなく、現在の市場動向や企業の詳細、面接対策など、入社までのサポートを受けることができます。また、客観的なアドバイスももらえるため、懸念事項を解消するのに役立つでしょう。

最後に

世代を問わず、上司との関係に悩んでいる人は非常に多いです。解決は決して簡単なことではなく、時間や手間、労力がかかります。とはいえ、上司と合わないと感じていながら無理をして働くことはさまざまなリスクに繋がるので、好ましい状況とは言えません。現在「上司と合わない」と悩んでいる方は、今回ご紹介した内容を参考にしながら、対策方法を考えてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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