転職での書類選考の通過率は?選考期間や落ちる理由

転職活動の面接選考の前に、多くの企業が実施している「書類選考」。履歴書や職務経歴書などの応募書類をもとに、面接へと進むか否かが判断される選考です。しかし、転職活動を始めたものの、書類選考が通過せずに悩んでいる方、転職活動を始めるにあたって書類選考が通過できるか不安を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、今回は書類選考の通過率や選考期間の他、書類選考に落ちる理由、通過するためのポイントなどについてご紹介します。

目次

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転職での書類選考の基準は?

企業の採用担当者は、書類選考の通過を判断する際に何を基準としているのでしょうか。具体的な基準を把握しておくことで、書類選考の通過率を挙げるための対策もイメージしやすくなるので、以下の内容を参考にしてみてください。

自社求人と応募者がマッチしているか

書類選考では、まず求人で提示している必須条件が満たされているのかチェックされます。業務経験や年数、経験した業界、保有しているスキル・資格などを確認しながら書類選考を行っていきます。前職ではどのような業務を行い、どのような立ち位置で仕事をしていたのかといった点や、目標としていることやこれまでの成果などを確認。そのうえで、自社の採用方針や現在の募集状況の緊急性などと照らし合わせながら、書類選考を通過させる応募者を絞っています。

長期的な就業・活躍が期待できるか

企業の採用担当者の多くが書類選考の基準としている項目の一つが「応募者の定着が期待できるか否か」ということです。採用した後、短期間で離職されるのは企業としては最も避けたい状況です。そのため、書類選考の際にはこれまでの転職歴や、記載された自己PRなどをもとに、定着しそうな応募者であるかを判断します。

短期間で転職を繰り返している場合や、長期的に離職していた期間がある場合、採用してもまたすぐに離職されるリスクを感じる企業もあります。逆に1社で長く勤めていた応募者であれば採用後に長く働いてくれそうといったポジティブなイメージになりやすいでしょう。必ずしも職務経歴書に転職理由や休職期間について言及する必要はありませんが、1年以上就業期間が空いている場合は、事情を明記しておくことで考慮してもらいやすくなるでしょう。

応募者の人柄やポテンシャル

「応募者の人柄・ポテンシャル」も、書類選考で見られている部分の一つです。学歴・保有資格・これまで経験した業界・所属企業のカルチャー、自分で認識している長所や短所、文章の書き方などから応募者の人柄やポテンシャルなどを推測されます。

実際、個別のスキルが高い応募者であっても自社のカルチャーにあまりにも合わない・活躍が見込めないと判断されるようであれば書類選考は通過できません。

転職での書類選考の通過率は?

転職での書類選考の通過率は、平均的な確率としては約30%と言われています。応募書類を3~4社へ提出すると、その内の1社の選考が通るといった計算です。しかし、転職での書類選考の通過率は、企業・求人によって大きく違いがあるため必ずしも通過率30%が期待できるわけではありません。たとえば、人柄や雰囲気、コミュニケーション能力などを重視している企業であれば、実際に面接で顔を合わせる選考を重要視していることが多く、書類選考は通過しやすいこともあります。他にも、選考書類の通過率は、職種や年齢、業界などによっても差があるので、上記の「通過率30%」はあくまでも目安・参考として捉えることが重要です。

もし10社応募したが1社も面接に進めない場合には応募先を見直す必要があるかもしれませんが、1~2社書類選考が落ちてしまったからと言って落ち込んだり諦めたりしないようにしましょう。

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転職での書類選考の期間

書類選考の期間は、1週間以内としている企業が多いですが、企業によってかなり異なります。対応の早い企業では、当日のうちに書類選考の結果を連絡がくることもあります。しかし応募者数や各社の事情によっては、1週間以上かかることも少なくありません。

例えば管理職採用のように要職の求人の場合、複数名の上級管理職が慎重に書類選考しているケースもあります。またその企業の繁忙期・休業シーズンなどが重なっていると、書類選考が遅れることがあるので、時期によっても選考期間が左右されます。時間がかかる企業の場合、書類選考に1ヶ月以上を要することもあります。

応募する時に書類選考の結果が出るまでにどのくらいかかるかを人事部や転職エージェントに確認しておき、当初提示されていた期間を過ぎている場合には、問い合わせをして選考の状況を確認してみると良いでしょう。また不合格の場合は連絡をしない企業もありますので、事前に必ず連絡がもらえるかどうかも確認しておくと待つ期間を有効に活用できるのではないでしょうか。

転職での書類選考に落ちる方の共通点

「何度も書類選考に落ちてしまう」と悩む方を見てみると、ある共通点が見えてきます。なかなか面接まで進めない、と悩んでいる方は、以下の「書類選考に落ちる方の共通点」と、自身の状況と照らし合わせながら、改善策を探してみてください。

企業が求める人材に合致していない

書類選考で落ちる方の中には、そもそも企業が求めている人材イメージと異なっている場合があります。「誰でも良いから人手が欲しい」と考える企業は稀であり、ほとんどの場合はどのような人材が欲しいかが明確です。具体的には次のような例が挙げられます。

企業が求める人材に合致していないケース

・職務経験やスキルが企業の求める水準に達していない
・若年層を育成するため未経験者歓迎と記載がある求人に、ミドル世代以上の経験者が応募している
・求人で提示している勤務条件と異なる希望を記載している
・得意な領域、対応可能な分野が求人ポジションと異なる
・明らかに企業風土に合わない内容が記載されている

自分の強みを言語化できていない

スキルも経験も十分であり、企業が求める人材イメージに近い応募者であっても、応募書類の中で適切に自己PRできていないせいで書類選考を通過できないことがあります。応募書類を作成する際に手間を惜しんだりすることで、これまでの働きぶりや強みが伝わらない書類になってしまうケースです。

面接でのプレゼン能力に自信があったとしても、書類選考段階で言語化できなかったら落ちてしまうこともあります。例えば「マネージャー」という役職名のみを記載しても、マネージャーの役割や位置づけは会社によって大きく異なります。読み手が応募者の能力を誤解しないよう、「どのような業務に従事したのか」「部下は何人いたのか」「自分がどのような成果を出したのか」などを具体的にまとめることが大切です。

応募書類にケアレスミスがある

書類選考は、書かれた内容をもとに判断されるものです。また応募書類は人事や書類選考の担当者だけでなく、面接官、場合によっては経営層や配属先の上司も目を通す可能性がある書類です。ケアレスミスだけが要因となって不合格になることは少なくても、「見直しせずに提出する程度の熱意しかない人なのかもしれない」「業務上もミスが多い人かもしれない」と確実に印象が悪くなってしまいますので、注意が必要です。極力ミスがないよう念入りにチェックしましょう。

ケアレスミスしやすいポイント

・自分の満年齢や書類の作成日時の更新がされてない 

・数字の全角と半角が混ざる

・単位の記載が混ざっている (同一項目の記載において20百万円 と2,000万円表記がある等)

・使用したテンプレートのサンプル記載がそのまま残っている

・他の企業に応募した際の記載がそのまま残っている

・履歴書と職務経歴書の年月の記載がズレている

・西暦と和暦が混ざっている

・フォントの種類や文字サイズが不揃いである

他の候補者との比較

書類選考を終えると、次は面接で選考する企業が多いですが、面接は書類選考と比べ、企業側に時間やコストがかかります。もし優秀な候補者からの応募が多数あった場合は、求人に掲載されているより高い基準で書類選考し、面接で会う候補者数を絞り込むこともあります。そのため求人に書いてある基準を満たしていても書類選考で落とされてしまう可能性があります。

また一般的に中途採用の求人においては1名のみの採用であるケースが多く、先着順に選考が進みます。既に先に応募していた人が内定段階にいる場合、後から応募した人が優秀であっても採用枠がなくなったという理由から書類選考が不合格になることがあります。

転職での書類選考を通過するためのポイント

転職に向けた書類選考を通過するためにも知っておきたいポイントがいくつか存在します。採用担当者への印象を良くするとともに、興味を持ってもらうチャンスを高めるためにも、書類選考を通過するためのポイントをチェックしておきましょう。

応募書類はその企業ごとにカスタマイズする

転職での書類選考を通過するためにも、応募書類は使いまわしをせずに、なるべく企業ごとに内容をカスタマイズしましょう。近年はAI技術を活用しながら簡単に応募書類を作成できるツール等もあるので、簡易作成した履歴書・職務経歴書をさまざまな応募先で使いまわす方が散見されますが、少ない情報量とありきたりな表現で他の候補者との差別化はかるのは困難です。

企業に興味を持ってもらうためには、その企業に向けた個別のアプローチが大切です。手間暇はかかりますが、意向が高い企業群については求人や採用HPを熟読し、その企業が求めている人材のイメージに近づけるような応募書類の作成をすることが重要です。下記を参考にしながら、応募書類のカスタマイズを進めてみてください。

企業ごとに応募書類をカスタマイズする際の工夫

・募集ポジションで活躍できそうな経験・スキル・長所を特に詳細に記載する

・企業理念・経営者の発信内容などにおいて共感した内容をアピールする

・事前にその企業のサービスを受けた・イベントに参加した経験をアピールする

・もしも応募先企業に採用されたらどのような仕事をしたいかを明確にする

・他の会社に向けてカスタマイズした文章を消しておく

その企業が求めている要素をつかみ、応募書類に反映させる努力は必要ですが、経験していないことを書く、選考に不都合な経歴を意図的に省略して書く、というような経歴詐称は絶対にしないようにしましょう。

実績は数字を用いてアピールする

実績は、漠然とした表現でアピールするのではなく、数字を用いて書くことをおすすめします。営業職でしたら年間売上金額、目標達成率、連続達成期間等が書きやすいですが、企画職・管理職・技術職でも各種コストの削減や、不良品の削減、マネジメント人数、担当した案件の規模など、具体的な数字があることで、採用担当者が応募者の活躍をイメージしやすくなります。

また可能であれば、「前期・前年」「同部署の平均」「自分が就任する前」などを併記し、それらとの対比により自分の活躍を強くPRするのも有効です。

求人の最新の状況を確認する

意外と見落とされがちなのが「求人が掲載されている期間中にも状況が微妙に変わることがある」ということです。例えば、社員を異動・転勤させて調整しようとしている、応募者数名が選考に進み内定承諾を待っている段階である、退職者が発生し急募の状況になっている、掲載している内容に変更が生じているという場合もあります。

応募書類の作成に時間がかかりそうな場合や、長らく掲載されている求人に応募する場合には、先に人事や転職エージェントにコンタクトをとり「こちらに正式に応募しようと思っています。求人のご状況に変わりはないでしょうか」というのを先に確認してみても良いでしょう。

転職エージェントを有効活用する

書類作成をするにあたってはキャリアの棚卸しが重要ですが、自分一人で過去の実績や普段の業務を言語化するのは意外と難しいものです。転職エージェントとの面談を通じて、自分のキャリアの棚卸しをして、その中で今回の転職でPRすべきものを取捨選択していきましょう。

ほとんどの転職エージェントが依頼すれば応募書類の添削を引き受けてくれます。誤字のチェックや自己PRの仕方、業務内容の記載の分かりやすくなっているか等のポイントで客観的なアドバイスをもらうことで、効率的に応募書類作成をすることができます。

また転職エージェントは求人に掲載された情報以外にたくさんの情報を持っています。企業カルチャーや受かる人物像、選考における注意点など、一般公開情報から読みとるのが難しい情報を持っている可能性が高いので、情報収集の際にも積極的に活用しましょう。

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※お話を聞いて頂くだけでもOKです。

最後に

書類選考は、転職活動において避けては通ることができない工程の一つです。だからこそ、書類選考の通過率や選考で落ちる理由、通過するための理由などについて正しく把握しておく必要があります。本記事でご紹介した内容をもとに、自身の作成した履歴書・職務経歴書を見直し、改善できる部分がないか、今一度改めて確認してみてください。

なお、書類選考で不安がある方、悩んでいる方は、転職エージェントを活用してみることがおすすめです。専任のキャリアアドバイザーが応募書類の確認をしてくれるので、より魅力的な書類の作成がしやすくなります。また、自身のスキルや経験をもとに、書類選考の通過が期待できる求人も紹介してもらえるので、より効率的な転職活動を実現できるでしょう。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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