もし内定取り消しされたら?内定取り消しにあった場合の対処法

転職活動を経て内定を獲得したにも関わらず、後日「内定取り消し」の連絡が届くことがあります。新たな仕事が決まったとほっとしていたところで、内定が取り消しされるなんて、転職希望者としてはとても驚き、腹立たしい思いになることでしょう。そこで本記事ではもしも内定取り消しをされたらどうしたらいいのか、具体的な対処法や内定取り消しになるケースなどについて詳しく解説していきます。

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内定取り消しとは

内定取り消しとは、文字通り企業からの「内定」の取り消しを意味します。書類選考や面接が終わり、一度は採用されることが決まったにも関わらず、その後から採用予定をキャンセルする行為です。よほどの事情がない限りは内定が取り消されることはないものの、その時の企業都合や内定者側の事情などによっては、内定が取り消されるケースがあります。

内定を受諾した時点で、雇用契約は締結されているものとされます。そのような中、企業が内定を取り消すことは著しく企業の評判・ブランドイメージを損なうリスクも孕む他、正当な理由がなければ違法として法的な問題に発展する可能性もありますが、当然ながら企業としてはそのような事態は回避したいのが本音でしょう。このような事情を踏まえた際に、内定取り消しとなっても入社できるチャンスはゼロではないといえます。

内定取り消しになるケース

ここまでは内定取り消しが企業側にとって大きなリスクを孕むものであることを紹介してきました。内定取り消しが発生するのはどのようなケースなのでしょうか。「内定者側」「企業側」それぞれの観点にて解説します。

内定者側の問題

内定者側の問題によって、内定取り消しになるケースは以下の通りです。

内定取り消しが想定される主なケース

・内定者が入社するにあたって必要な資格を取得できなかった場合
・内定者が病気や怪我で就労が難しいと判断された場合
・内定者が経歴を詐称していたことが発覚した場合
・内定者が犯罪行為を行ったことが発覚した場合

まず、専門職の求人の場合などには特定の資格を取得するよう求めている、もしくは有資格者を求めていることが多く、仮に予定期日までに試験に合格できなかったり、取得できなかった場合に内定取り消しとなることがあります(資格取得に関する記載の上、内定通知書を提示されることもあります)。また、病気や怪我により、本来想定していた業務を行うことが難しいと判断された場合も、内定取り消しで多い理由です。

内定者側が経歴を詐称していたり、犯罪行為を行うなど、従業員としてふさわしい人材ではないと判断された際も内定取り消しの理由に該当します。犯罪行為には至らなくても、SNSや掲示板などで不適切な投稿をしていることが発覚した場合、内定取り消しとなることがあるため、普段からSNSなどを利用する際にはモラルを守ることが重要です。

企業側の問題

内定取り消しの際、企業側が問題である場合は経営状況の悪化が関係していることが多いです。例えば企業の不正が公になって急激に経営が傾いてしまう、想定外の為替の影響により利益が圧縮されてしまう等、思いがけない突然の事象によって急に経営状況が不安定になることがあります。経営状況が悪化すると、当然ながら新たな人材を確保する資金的な余裕がなくなるため、すでに採用が決まっていても内定取り消しに至る可能性があります。

しかし、中には企業の一方的な都合(他に採用したい人材が現れた等)によって、内定取り消し通知が届くこともあります。企業側の問題で内定取り消しとなった際には、違法性が認められることもあるため、取り消しされた理由をきちんと確認しておくことが重要です。

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内定取り消しをされたときの対処法

万が一、内定取り消しをされたら、どう対処すればいいのでしょうか。本項からは、内定取り消しをされた場合の、具体的な対処法をご紹介します。

内定取り消しの理由を確認する

内定を獲得していたにも関わらず取り消しの通知が届いた場合、まずは「なぜ内定の取り消しとなったのか」を確認しましょう。内定取り消しの通知書(もしくはメール)にて、理由が記載されていないかをチェックし、仮に記載がなければ問い合わせを行います。

ただし、電話や対面でやりとりするだけではなく、なるべく記録に残しておけるよう、メールや文書などを活用することもおすすめです。やりとりを記録しておくことで、後々交渉する必要がなった際に貴重な情報となる場合があります。

なお、内定取り消しを撤回して貰いたいと考えている場合は、企業とのやりとりの中での発言や態度などには気を付けましょう。感情的になってしまうと、かえってトラブルに発展してしまう恐れがあるため注意してください。

企業との交渉に向けた情報収集・保管する

内定を取り消しされたら、企業との交渉に向けた情報収集を行います。まず、内定を証明する通知や、内定から内定取り消しまでの企業とやりとりしたメールなどは、交渉時に必要な情報となります。特に入社日に関する通知や、企業からの必要書類提出の案内、研修の案内などは、内定が出ている証拠となるので、紛失したり、削除してしまわないように気を付けてください。

労働局に相談する

内定取り消しについての相談先として、労働局に相談することも可能です。労働局というのは厚生労働省の管轄下にある公的機関で、労働基準監督署の上部組織にあたります。各都道府県に複数設置されており、個別労働紛争解決制度の一環として、職場のトラブル解決を目的としてサポートサービス(各種個別相談)を受けつけています。問題解決の方向性についてアドバイスを求めることができます。弁護士ではないので代理人としての対応をのぞむことはできませんが、無料で相談ができます。

弁護士に相談する

内定取り消しの撤回に向けて動く際、予算がとれるのであれば弁護士に相談することをおすすめします。内定取り消しのような事態は滅多に起こることでもありませんので、多くの方が企業との話し合い、交渉の進め方、何をエビデンスとして残すべきかなどの要領がわからずに困られる方が多いでしょう。そのような中、法的な観点を持ちながら交渉の進め方についてアドバイスを貰えることは交渉を優位に進めることもそうですが、精神的な支えの一つにもなるかと思います。

訴訟を起こし、法的手段を取る

合法的に認められる理由がないにもかかわらず企業が内定取り消しを取り下げない場合は、弁護士を通じて(もしくは自分で)訴訟を起こして法的手段を取ることも1つの選択肢となります。一度内定が出ている時点で、労働契約の締結が完了しているとみなされるため、合理的な理由のない内定取り消しは違法性が認められた事例はあります。

訴訟を起こすにあたって、内定者が起業に求められるのは「内定取り消しの撤回」の他、「損害賠償の請求」などです。内定取り消し撤回の他にも、企業に対して求められるものがあるので、確認しておきましょう。

内定取り消しをする企業とは縁を切るのも手

一度内定したにも関わらず、不当な理由で取り消しされてしまった場合には、思い切って内定取り消しをしてきた企業とは縁を切るといった考え方もあります。内定者側に問題がなく、企業側にも経営悪化などの事情がないにもかかわらず、内定を取り消すような企業は、たとえ入社できたとしても社内で不誠実な行いが横行している可能性があるでしょう。

その上、内定の取り消しの撤回を求めて裁判を起こしたり、弁護士に依頼するのは時間も費用もかかりますし、今後のキャリアを考えると転職活動の妨げにもなりかねません。また、仮に内定取り消しの撤回を実現できても、安心して働き続けられる職場とは考えにくいのではないでしょうか。

内定取り消しを言い渡された際には、一度、冷静になった上で、時間や費用、労力をかけてでも、内定取り消しの撤回を求めて働きたいのかよく考えたうえで行動することが大切です。

転職エージェントを有効活用して転職リスクを最小限に

もし次は悔いがないように転職先を探したい場合、転職活動に際して不安がある場合には直接応募による転職ではなく、転職エージェントを利用することをおすすめします。転職エージェントでは求人を預かる際に求人票には掲載されていない企業の経営方針やビジョンなど将来に関する情報も得ています。自己応募に比べ、多角的な情報が得られる点においてリスクヘッジになり得るでしょうし、何より転職エージェントの立場に立った際に、内定取り消しを頻発するような企業とはビジネスの観点からも付き合えないため、そのような意味でも転職エージェントを利用する価値はあるかと思います。

転職エージェントは国内に数万社あり、経理や法務をはじめとした管理系職種に強みを有する転職エージェント、あるいは経営層、マネジメント層に特化した転職エージェントなどそれぞれ特色があります。これまでの経験、自分が描きたいキャリアなどを踏まえ、自分に合った転職エージェントをパートナーに選びましょう。

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最後に

せっかく得られた内定にも関わらず、不幸にも内定取り消しされてしまうケースは滅多にあることではありませんが、あり得ない話ではありません。このような内定取り消しは時間や手間をかけて転職活動を続けてきた方としては、納得のできない事態でしょう。

内定が決まった後に、企業から内定取り消しがあった場合には、今回ご紹介した対処法を実践するか、見切りを付けて改めて自分に合う企業を探すか、納得できる道を探してみてください。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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