
皆様は神戸に本社を置くベンチャーについてどの程度ご存知でしょうか。関西圏内では大阪に本社を置く会社が最も多く、関西においてはベンチャーマーケットの中心地となっていますが、今回ご紹介する神戸エリアにも多くのベンチャー企業があります。今回の記事では神戸というエリアに着目し、その特徴や注目されるベンチャー企業などについてご紹介したいと思います。
神戸のベンチャー企業をとりまく環境について

神戸というと北野異人館や外国人居留地、南京町など異国情緒あふれる街並み、また神戸ハーバーランドや神戸ポートタワーをはじめとした港町のイメージが浮かぶのではないでしょうか。それでは、ビジネスの環境としての神戸にはどのような特徴があるでしょうか。いくつかご紹介していきたいと思います。
製造業が集まる街
神戸には日本を代表する多くの製造業が集積しています。神戸市に本社を構える製造業の代表格としては、重工業メーカーの株式会社神戸製鋼所、川崎重工株式会社などが挙げられるでしょう。重工業以外ではタイヤ、スポーツ用品などの製造販売を行う住友ゴム株式会社、ランニングシューズをはじめとしたアパレル商品を手掛ける株式会社アシックスなどが神戸に本社を置いていることでも有名です。
行政の後押しの中、ディープテックベンチャーが台頭
1998年より神戸市が旗振り役となり「神戸医療産業都市」プロジェクトを進めており、理化学研究所、研究機関、医療機関、医療関連企業などを神戸市のポートアイランドに誘致する取り組みを進めています。そのような取り組みの甲斐もあり、所謂、「ディープテックベンチャー」と称される最新技術を用いたバイオベンチャーが台頭しているという特徴があります。

複数のベンチャーキャピタルが投資を実行
ベンチャーキャピタルをはじめとした投資家の多くはこれまで大阪、京都に目を向けがちな傾向にありましたが、近年では多くの投資家が神戸のベンチャー企業を投資対象として注目しています。2023年には神戸大学を母体とする神戸大学キャピタル株式会社が設立され、すでに同社、および神戸に本社を置くベンチャー複数社に対して新規投資が実行されています。これまで出資を受けたベンチャー各社が躍進を遂げていることもあり、今後もますます神戸に本社を置くベンチャー企業が資金調達をしていくことでしょう。

海外の企業の誘致に積極的
神戸市は地域経済の発展を促進するため、海外企業の誘致を積極的に行っている街としても知られています。P&Gジャパン合同会社、ネスレ日本株式会社など外資系企業の日本法人が置かれている他、近年は外国人起業家・海外スタートアップ企業の誘致に取り組んでいます。
同市は2019年にシリコンバレーにイノベーション先進地との連携を深めるための拠点を設置しており、2023年には世界6拠点目となるマイクロソフトAIラボの誘致に成功しています。
神戸で注目されるベンチャー企業

ここまででご紹介した通り、神戸市ならではの取り組みなどにより、多くの有望なベンチャー企業が誕生していきました。ここからは神戸で現在注目されているベンチャー企業にはどのような会社があるのかについてご紹介したいと思います。
Acall株式会社
Acall株式会社はオフィスの入退館の管理や会議室の予約システムである「Acall(アコール)」を企業向けに提供しているワークスタイルテック企業です。「Life in Work and Work in Life for Happiness 」をビジョンに掲げ、「Acall(アコール)」はアフターコロナのオフィスワークとリモートワークを支えるインフラとして国内外7,000社以上に導入されています。
2023年にはシリーズBラウンドで23億円の資金調達を実施、累計31億円を超える資金調達を受けており、グローバルで195兆円の規模への成長が見込まれるFuture of Work市場(未来のワークモデルの変革を担う市場)において、国内外のシェア拡大に向けて事業展開を加速させています。


LRM株式会社
LRM株式会社は、2006年の創業以来一貫して情報セキュリティサービスを提供してきた、情報セキュリティのリーディングカンパニーです。2017年に本社を大阪から神戸に移転し、2024年には総額1.8億円の資金を調達しました。
同社の情報セキュリティ教育クラウド「セキュリオ」には、標的型攻撃メール訓練機能、eラーニング機能など、従業員のセキュリティ意識を上げる仕組みが搭載されており、累計1,600社の導入実績があります。日本の情報セキュリティサービスの市場規模はリモートワークの普及やサイバー攻撃の高度化の影響により2025年には市場規模は約5,200億まで拡大すると言われており、今後も成長が期待される企業です。

株式会社Compass
株式会社Compassは、兵庫県神戸市に本社を置くソーシャルベンチャーです。産休からの社会復帰を目指す中で感じた原体験をもとに代表の大津愛氏が2017年に設立し、「誰もが夢を見られる社会へ」というビジョンの下、ワーキングプア層に軸足をおいた就労支援の事業を行っています。
就労支援、転職支援などを行っている事業者は多数存在しますが、ワーキングプア層に特化した事業であること、自治体と提携することによるビジネスモデルを確立していることなどが同社の特徴です。これまで複数の投資家より累計3.3億円もの資金調達をしている他、日経新聞をはじめ多くのメディアへの掲載実績も多数あり、神戸発のベンチャー企業として今後注目すべき1社といえるでしょう。


株式会社Godot
株式会社Godot(ゴドー)は行動科学と機械学習による社会課題解決をめざすスDeepTechスタートアップとして2022年7月に設立された企業です。独自の行動変容AI「NudgeAI(ナッジAI)」をコア技術として様々な課題解決を自治体に向け提案し、市民のがん検診や特定健診の受診率向上に貢献するなど着実な実績を上げています。
同社は2023年にプレシリーズAラウンドにおいて、総額4.5億円の資金調達を実施しました。またGodotの経営陣は全員海外経験が豊富なことから、2023年5月にはウィーンに研究開発拠点を開設するなどグローバル展開にも積極的で、国内外から高い注目を集めています。


株式会社TearExo
株式会社TearExoは「涙1滴、誰もが疾病から解放される世界」をミッションに掲げる神戸大学発ベンチャーです。涙に含まれる成分より乳がん検出する技術「TearExo法」の実用化に向けて研究開発、量産体制の構築に邁進。
同社は2023年に神戸大学キャピタル株式会社より5,000万円の資金調達(シードラウンド)を受け、調達した資金を活用して事業化を推進しています。同社の技術が社会に普及することで、がんの早期発見が見込まれます。


株式会社シンプロジェン
株式会社シンプロジェンは神戸大学大学院発の合成生物学ベンチャー企業で、同大学の山本一彦教授が代表取締役 社長兼CEOを務めています。独自のDNA合成技術を活用したDNA合成・DNAライブラリー構築サービスや、遺伝子治療用製品の設計・開発・分析サービスを提供しています。
2023年には総額9.2億円の資金調達(シリーズC)を実現し、同時に富士フイルムと業務提携契約を締結して事業展開していくことを発表しています。同社が技術はさまざまな用途に活用されており、将来的には、治療困難な疾患の治癒や脱炭素社会の実現など、社会的・経済的価値の創出に貢献することが期待されています。

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最後に
今回は「神戸ベンチャーの特徴とは?神戸で躍進の期待されるベンチャー企業の紹介と合わせて解説!」というテーマで、神戸のベンチャー企業の特徴についてご紹介させていただきました。今回ご紹介した企業は神戸にあるベンチャー企業のうちほんの一部ですが、まだまだこれから新たなベンチャー企業の新興が期待できる都市といえるでしょう。こちらの記事をきっかけにぜひ神戸のベンチャー企業についても多くの方に知っていただければと思っております。