転職で年収が下がる原因とは?年収ダウン防止対策方法をご紹介!

転職活動をする理由として、キャリアアップや就業環境の改善を目指して転職を考える方も多いのではないでしょうか。しかし、時には転職により現年収より年収がダウンすることもあります。

本記事では転職で年収が下がる原因や傾向、年収が下がる転職パターンの特徴・回避策を基に本当に転職をすべきなのかの判断を正しくできるように解説します。

目次

年収はどうやって決まる?

そもそも年収とはどのように決まるのでしょうか?年収とは、その労働者自身の持つ価値(経験・スキル・スペック・ポテンシャルなど)によって決まる部分と、どのような景況下で・どのような業界・どのような会社に所属するかという環境によって決まる部分があります。転職で年収を下げないためには、自分の持つ価値をあげると同時に、タイミングよく年収の高い業界・会社へ転職することが必要となります。

もちろん転職において年収を絶対視する必要はなく、実際には年収以外の要素を優先する転職者は数多くいらっしゃいます。必ずしも年収が下がる転職が良くないということではありません。

年収が下がりやすい転職のパターンとは?

転職活動を行う中で年収を下げたいと思ってる人は少ないと思いますが、「転職のおよそ3~4割は年収が下がる転職をしている」というデータもあります。では、実際どのような場合に年収が下がるのかをパターン別にご紹介していきたいと思います。

平均年収が低い業界へ転職した場合

仕事内容・職種が変わらなくても、年収の低い業界に転職した場合、年収が下がる傾向があります。年収が低い業界には、いくつかの共通点があります。

まず挙げられるのはサービス業や小売業など、一般消費者向けビジネス(コンシューマービジネス)の業界です。人件費を重要なコストとして捉える業界であり、景気が悪くなると経費削減の一環として給与が圧縮されがちな傾向にあります。加えて、商品・サービスの単価が安く利益率が低い・景気の波に左右されやすいなども、年収が低くなる要因です。

また、歴史のある老舗の日系企業が多い業界では、年功序列の給与形態が残っていることから、入社当初・若年層の給与水準が低く設定されていることが多々あります。例えば地方銀行・信用金庫などの一部金融業、老舗の製造業などがこのケースに該当します。年功序列の企業の場合、長期就業をすれば年収が上がっていく可能性が高いため、1社で安定就業を望んでいる方にはマッチしますが、逆に色んな企業でキャリアアップしていきたい方には転職先として最適とは言えないでしょう。

年収が低い地域へ転職した場合

日本国内の都道府県別で比較した場合、地域によっても年収の格差があることが分かっています。特に日本国内では東京が最も平均年収が高く、続いて神奈川・大阪・愛知・兵庫などの都市部が全国的に平均年収が高いことが分かります。地方は平均年収が下がっていく傾向があります。

そのため、Iターン・Uターン転職などにより、東京・神奈川・愛知・大阪・兵庫などの平均年収が高い地域から、それ以外の県に転職すると、勤務地が要因で年収が下がりやすい転職になる可能性があります。

未経験のキャリアに転職した場合

未経験の業界・未経験の職種に転職した場合も、年収が下がる転職になる傾向があります。特に未経験の職種にチャレンジする場合は、前職とは異なる職種になるため、基本的には活かせるスキル・経験が少なく、企業側としても育成に時間がかかるため、即戦力採用に比べて年収が下がる傾向にあります。

そのため、未経験の業界・職種にチャレンジする際には若手のうちに転職しておく方が大きな年収ダウンにならないため、転職のタイミングが重要です。また、未経験で転職する際は、その後将来的には年収アップが見込めるのかどうかを慎重に見極める必要があります。

前職より役職・雇用形態を変えた転職をした場合

前職で管理職だったとしても転職先で同じポジションに就けるとは言えません。そのため、元管理職の方が管理職以外のポジションで転職した場合や、フリーランスから正社員になった場合などは、同じ業界・同じ職種であっても、年収が下がる転職になるケースがあります。

また、同じ名前の役職であっても企業によって給与基準などが異なっていることもあるため、事前に企業と認識のすり合わせを行っておくと良いでしょう。

転職活動における年収ダウンを回避するには

ここまで転職活動で年収がダウンするケースを解説してきましたが、ではどうすれば年収ダウンを回避できるのでしょうか?本項では年収ダウンを回避する転職方法について解説します。

前職の経験を活かす

一番の年収ダウンを回避する方法として、同業界・同職種など経験を活かした転職をすることが一番のおすすめです。これまでの経験を踏まえて即戦力として評価されるため、転職時に年収が下がりにくい傾向があります。

ただし、転職先によって得られる新しい知見・成長機会は減るリスクがあるため、自分で資格取得する・管理職を目指すなどのアプローチで、年齢を重ねても年収の維持ができるように努力する必要があります。また、事前にどのような成長機会・キャリアステージがあるのかを把握したうえで、キャリアプランをしっかりと立てておくと良いでしょう。

高年収の業界・成長産業へ転職する

コンサルティング業界や医療関連業界・一部の商社など、業界全体の給与水準が高い業界に転職することや、実力主義を掲げているベンチャー企業・外資系企業に転職するのも年収を下げないための手段として上げられます。また、成長している業界やスタートアップ企業では、大手企業ほどの知名度・採用力がないことをカバーするために高い水準の年収で求人を出しているケースがあるため、年収アップを図りたい方はチャレンジしてみるのも一つでしょう。しかし、高年収を得るためには高いパフォーマンスはもちろんのこと、短期スパンでの実績を求められるケースもあるため、年収だけでなく、事前にリスクも理解したうえでチャレンジすることをお勧めします。

将来性に期待できる転職をする

次の転職先で年収アップを目指すのも大事ですが、転職活動では長期的な視点を持つことも重要です。自分の経験してきた仕事の年収が将来的に上がるのかどうかを考え、未経験者でも新しい職種にチャレンジ可能な20~30代前半のうちにキャリアチェンジを狙って転職するというのも1つの方法です。

特に生成AI・機械化の影響で、各種求人が影響を受けている中で、やりたい仕事が将来的に需要がなくならないか、年収ダウンしないか、というのを転職を機に考えておく必要があります。一時的な年収ダウンにつながる可能性はありますが、長期的な視点で見た際に、スキルアップやキャリアアップができる環境に身を置くことで、将来的には年収アップが見込める可能性もあります。そのため、短期間だけで意思決定せず長期的な視点を持ちながらキャリア形成・転職活動を行うことが重要です。

転職エージェントを活用して年収ダウン防止

年収が下がってしまうのを回避・防止するにあたって、転職エージェントを活用することも有益な方法として挙げられます。転職エージェントを利用することで得られる業界の深い知識や、非公開求人情報へのアクセス、年収交渉サポートは、自力の転職活動では得がたいものです。

また、転職エージェントの利用方法のコツとしては、まず自身のキャリアプランと希望の優先順位を明確にしておくことが肝心です。エージェントとの初回面談ではこれらの情報をしっかりと伝えた上で、市場感や年収相場などのアドバイスをもらいましょう。また、それに基づいた求人の紹介を行ってもらうことで、希望に近い求人に出会うことができるでしょう。

また、面談後は定期的に連絡を取り合うことで、状況に応じたアドバイスをもらいながら、転職活動を進めることができます。エージェントとの良好な関係を築くことで、より有益な情報などをもらえたり、手厚いサポート・バックアップを受けることもできるため、担当者の関係構築も一つの手段と言えるでしょう。

最後に

本記事では転職で年収が下がる原因と防止方法について解説しました。少しでも良い状況で転職をしたい方が多いかと思いますが、キャリアは何十年も続くもののため、中長期での視点を持ちながら、どのような職種・業界でキャリアを形成していくのか、どのようなスキルを身に着けて行くのかを考えて置くことが重要です。

また、条件だけで急いで意思決定をすることで、入社後のミスマッチを生み出す可能性があるため、条件に加えて働き方や業務のやりがい、スキルなど様々な視点から転職先としてあっているのかを判断することをおすすめします。

この記事を書いた人

岩崎久剛

1984年兵庫県生。関西大学工学部を卒業後、受験支援事業を全国展開する大手教育事業会社にて総務人事など管理部門を経験し、2012年より人材業界に転身。大手総合人材会社にて求人広告、人材紹介など中途採用領域での法人営業を経験し、従業員数名規模のベンチャーから数10か国に展開するグローバル企業まで多様な業界、事業フェーズの企業の採用を支援。2016年よりハイキャリア領域の人材紹介事業立上げメンバーに参画し、関西ベンチャーを軸とした採用支援に従事。その後、ビズアクセル株式会社を起業。MBA(グロービス経営大学院)。

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