MRからの転職成功に向けた押さえるべきポイントとは

製薬業界での仕事を想像したときに真っ先に挙がるのはМRを思い浮かべる方が多いでしょう。高齢化社会が進む中、医療に関する課題は拡大するであろう中、新卒の就職活動でもMRをはじめ製薬業界で働くことを希望する学生が後を絶ちませんでした。

しかしながら、製薬業界は過渡期にあり、そのような中でMRのリストラを敢行する製薬会社も珍しくなくなってきました。今回はそのような環境からの転換を目指すMRの方が考えるべきポイントなどについてまとめました。MRとして医療・ヘルスケア業界に長年携わってきたからこそ持ち合わせている強みやスキル、MRの経験を活かせる転職先などを紹介します。新しい分野で更なるキャリアアップを目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

業界再編期にある製薬業界

2005年4月に山之内製薬と藤沢薬品工業が合併してアステラス製薬が誕生しました。その後も、田辺製薬と三菱ウェルファーマの経営統合により田辺三菱製薬が誕生するなど製薬業界での経営統合は相次ぐなど業界再編が進んできました。

この業界再編の波は現在も続いており、2020年には武田薬品工業株式会社が「アリナミン」開発の連結子会社を米国投資会社へ売却、2021年にはロート製薬株式会社が「ボラギノール」等を取り扱う天藤製薬のM&Aを発表するなど、製薬業界のM&Aや資本業務提携などのニュースが毎月のように発表されています。

そのような業界再編が進む中、買収される立場になった場合に雇用がどうなるかという不安を抱える、あるいは別の会社、別の業界での新たなキャリアを選択肢として考えるMRの方も増えたかと思います。しかし、実際に転職活動をはじめると、どの業界に転職すべきか迷う方も多いのではないでしょうか。

次の章ではMRだからこそ身につく強みやスキルについて解説をしてきますので、これまでのご経歴棚卸のご参考にして頂ければと思います。

MRだからこその強み・スキ

転職活動では、自身の強みやスキルを明確にすることで、より活躍できる分野への転職が可能になります。また面接官からも、自身の強みについて質問されるケースは多いため、強みやスキルの棚卸しは必須作業といえるでしょう。ではMRの仕事ではどのような強みやスキルが培われるのでしょうか。

医療・ヘルスケア業界の知見が豊富

MRは製薬業界の知見に加え、医療現場の実態なども含めた医療・ヘルスケア業界全体の知識が身につきやすい環境です。特にMRは顧客深く関与していく為、医師、看護師、薬剤師などの医療従事者の方が医療現場でどのような働き方をされているのかに理解があることは強みと言えるでしょう。

仮に医療・ヘルスケア業界への転職を希望する場合にはこのような業界動向などの知見、あるいは医療現場の働き方や課題などの理解を強みに、成果に繋げて頂きやすいでしょう。特に医療現場に近い医療機器や医療システムの営業といった医療現場に直接アプローチをかける営業職であれば、商材は違っても活躍が期待できるシーンは多いかと思います。

信頼関係構築力に長けている

MRがやり取りするのは、医師だけでなく看護師や、そのほか医療に従事しているスタッフなど、医療・ヘルスケア業界とはいえ専門が異なる幅広い職種でかつ、多忙を極める中でコミュニケーションをとることのできる時間が極めて短いという制約があることが特徴的です。

このようなコミュニケーション難易度が高い中、信頼関係を構築し、良好な関係を築いていくコミュニケーションスキルは、通常の営業職では身につけることは難しく、MRならではのスキルと言えるでしょう。また厳しい規制の中、医療従事者との接触が難しい状況で営業活動を行っているMRは、限られたチャンスをものにする行動力とプレゼン力が身に付きやすい仕事です。このような経験やスキルは、営業職であればどの業界、分野であっても活かせるシーンは多いでしょう。

このようにMRは業界を問わず、営業職に求められる経験や高いスキルが身に付きやすい仕事でもあり、MRから営業職への転職を希望する場合、未経験の分野であっても活躍を期待する企業は多いです。

MRからの主な転職先

豊富な業界知識と信頼関係構築力を持ち合わせているMRには、どのような転職先があるのでしょうか。ここでは、MRとしての経験やスキルを活かせるおすすめの職種を紹介していきます。

MRから医療機器メーカー

同じ医療・ヘルスケア業界とはいえ、医薬品と医療機器で取り扱う分野が違うため、転職先の候補に入れていない方も多いかもしれません。しかしMRから医療機器メーカーへの転職は、これまで培ってきた業界知識だけでなく、病院での立ち振る舞い方なども活かせるため、キャッチアップしやすい業界といえるでしょう。

医療機器メーカーの代表格を挙げると例えばメドトロニック社(アイルランド)、ジョンソン&ジョンソン(アメリカ)、ロイヤルフィリップス(オランダ)などその多くが外資系企業です。日系企業のMRから転職をする場合には、現在の給与水準を維持、アップしやすいのも魅力のひとつでしょう。

ただし、一口に医療機器メーカーといっても、取り扱う機器は多岐に渡ります。そのため、自分の希望する営業スタイルに合った企業を選択することが重要です。例えばMRIのような1台が数千万円単位の高額な医療機器は、最初の商談から成約までには長い時間がかかります。この場合、地道な営業活動、現在導入している医療機器から新たに切り替えるメリットなどを確かな知識をもって提案できる専門性などが求められるでしょう。

MRからヘルスケアベンチャー

日本の医療・ヘルスケア業界は、このままでは現在の状態がさらに深刻になっていくと考えられており、2025年には、団塊の世代(1947~49年生まれ)の人たちが75歳以上になる「2025年問題」が議論されています。厚生労働省が公表している最新の健康寿命は、2016年のものですが、男性で72.14歳、女性で74.79歳です。つまり、2025年には、団塊の世代の人たちが、日常生活に制限がある状態になっている可能性があるということなのです。

そうなると、今以上に、医療機関や介護施設の利用者が増えることが想定され、さらに医療・介護の現場が大変な状況になると考えられる中、医療・ヘルスケア業界は今の在り方のままでは構造的に無理なことが目に見えて明らかです。そのような社会問題を解決すべく、ヘルスケアベンチャーは、IoTやAIなどの最先端技術を用いた挑戦を行っています。

このようなヘルスケアベンチャーとMRは親和性高く、具体的にはMRは普段から医療・ヘルスケア業界の課題に触れる機会が多いため、医療現場の変革などを目指すヘルスケアベンチャーはこれまでの経験を活かしやすく、転職先候補として高い人気があります。

ヘルスケアベンチャー例としては、IoTを活用した遠隔医療・遠隔診断、AIによる電子カルテ解析、医療機関同士の連携サービス、あるいは自身の医療に関わる情報や健康に関するデータを記録したPHR(Personal Health Record)が進む中での疾病予測などのサービスなどがあります。

このようなヘルスケアベンチャーを大きく分類する場合、患者の方に向けたより最適な医療を提供するための事業・サービスを展開するベンチャー、過酷な労働環境を強いられる医療現場の環境改善や生産性向上などに焦点をあてた事業・サービスを展開するベンチャーに分かれます。

いずれにしてもヘルスケアベンチャーはこれまでの医療の在り方を変える大きな挑戦となります。ヘルスケアベンチャーを選択する場合には、自身どのような課題を解決したいかなどを明確にした上で企業選びを進めると良いでしょう。

また、医療・ヘルスケア業界は他の業界以上に仕組みやルールが変えにくい業界の一つではあるかとは思いますが、その分、実現できた際にはマーケットに大きなインパクトを与えることでがでるでしょう。そのような瞬間にはきっと達成感や強いやりがいを感じられることでしょう。

参考情報:医療・ヘルスケア業界のベンチャー、スタートアップ企業のトレンドとは

MRからコンサルティングファーム

コンサルティングファームは、業界の規模が年々拡大しており、人材確保のためにコンサルタント未経験者を積極的に採用しています。MRとコンサルティングファームでは親和性を感じられない方も多いかもしれません。

しかし、今多くの医療機関、医療現場では変革が求められており、医療従事者の苦労、医療現場の実態など、そのリアルを体感しているMRの知見はコンサルティングファームでも活かせるシーンが多いのです。特にコンサルタントの仕事はクライアントの改善案などを提案することにありますが、医療・ヘルスケア業界に限らず、現場実態にそぐわない提案になってしまうことが往々にある中、上記のような観点が評価される傾向にあります。

ただし、コンサルティングファームの選考基準は厳しく、一筋縄ではいかない企業も少なくはありません。コンサルティングファームへの転職を成功させるためには、コンサルティングファームならではの選考傾向を掴む必要がありますが、その際、転職エージェントなどを活用して、応募書類の作成や面接対策などをしっかりと進めていきましょう。

MRから異業種にキャリアチェンジ

MRに限らず医療に携わる仕事はやりがいもある一方、命と隣り合わせにある医療従事者の方々のプレッシャーに毎日触れるピリピリとした緊張感、あるいは医療行為が最優先になる為、商談機会などが早朝や深夜になるなど働き方が不規則になることもしばしばあるかと思います。

そのような中、医療や製薬業界とは関連のない異業種にキャリアチェンジをすることも一つの選択肢です。先述の通り、営業職であれば、どの業界でも即戦力として活躍できる可能性が高いでしょう。

MRから転職を成功に近づける3つのポイント

医療・ヘルスケア業界に関する知識、豊富な経験と実績をもつMRでも、希望する業界や企業に転職するためには、事前に対策が必要です。MRからの転職を成功させるために重要なポイントとして以下の3つを意識して臨むと良いでしょう。

①長期的な市場価値を意識する
②求められていることを把握する
③ 得意とする分野の専門性をアピール

それぞれ具体的にどのようなことを考え、取り組んでいくのか以下より詳しく解説していきます。

長期的な市場価値を意識する

どの業界に転職する場合も、自己アピールに使う材料はこれまでの実績になります。MRとして活動してきた実績(新規営業獲得数、売上数字等)が豊富であればあるほど、希望する企業に転職しやすくなるでしょう。もしもMRとしての経験が浅かったり、目立つ実績がなかったりする場合は、経験や実績を積んで自身の市場価値を高めることを優先し、ある程度選択肢が持てるタイミングで転職活動に臨むことも選択肢の一つといえます。

自身の市場価値を知りたいときは、転職エージェントに相談するのがおすすめです。転職エージェントはMRをはじめ医療・ヘルスケア業界を専門とする、あるいはヘルスケアベンチャーをはじめとしたベンチャー、スタートアップマーケットを専門とするなど転職エージェントごとに専門性や強みが異なります。

自身の描くキャリアプランにマッチする転職エージェントをパートナーにすることで、転職エージェントが専門家の立場からあなたの現在の市場価値、これから取り組むべきことなどを教えてくれるでしょう。

求められることを把握する

転職を成功させるためには、応募する企業がどのような人材を求めているのかを把握することが重要です。例えば製薬会社の場合にはその企業が主戦場とする分野における豊富な医療知識をもつ人材が求められるでしょう。また顧客の課題を起点とした提案要素の高い営業職を募集する企業であれば、市場やマーケティングに基づいた営業戦略を立てられる人材を求めていることもあるでしょう。

これまでMRで培えるスキルなどについて述べてきましたが、MRで培ったスキルの全てが応募企業で求められるスキルとは限りません。企業の採用ホームページや転職サイトなどに提示される募集要項などから、求められている人材を見極め、自身の能力を的確にアピールし、内定を勝ち取りましょう。また、転職エージェントを活用することで社内の雰囲気やどのような課題を抱えているかなどを掴める可能性が高くなるので、転職エージェントに相談をしてみることもおすすめです。

得意とする分野の専門をアピール

専門的で最先端の知識を求められる医療・ヘルスケア業界に挑戦する場合は、MRで培ってきた知見をアピールしましょう。MRは変化の激しい医療・ヘルスケア業界に対応するため、常に新しい情報を仕入れ、知識を学び続ける必要がある職種です。

面接では現段階で有する知識や専門性をアピールすることは勿論ですが、情報収集力や自己研鑽などにより早期にキャッチアップし、顧客と対等にコミュニケーションをとってこられた経験などもアピールできれば、他の応募者との差別化を図れるでしょう。

まとめ

今回はMRからの転職を検討している方に向けて、MRだからこそ持ち合わせている強みやスキル、経験を活かせる職種などを紹介してきました。医療・ヘルスケア業界の豊富な知識と業界ならではのコミュニケーション難易度が高い中、信頼関係を構築し、良好な関係を築いていくコミュニケーションスキルはさまざまな業界で活躍できる能力があります。

自身のこれまでのMRで培った経験を棚卸し、キャリアプランに合った転職エージェントなどをパートナーとして連携することが大切です。特に医療機器メーカーやヘルスケアベンチャー、コンサルティングファームなどで求められることがそれぞれ異なる中、転職エージェントをうまく活用し、高い評価を得られる面接に繋げ、内定を勝ち取りましょう。

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