人材業界出身者がキャリア選択で考えるべき選択肢とポイント

人材業界でクライアントの採用、求職者の転職などを日々サポートしていても、いざ自分が転職となるとなかなかどのように転職活動をすべきか迷う方も多いのではないでしょうか。

本記事では人材業界経験者が転職においてどんなことをアピールできるのか、人材業界からの転職の場合にどのような選択肢を持つことができるかなどを紹介していきます。

目次

人材業界出身者がアピールできること

人材難の時代であること、またそのような環境下で採用や転職の課題解決を行う人材業界ならではのスキルや知見などアピールできることを以下にてご紹介します。

①採用・転職に関する知見
日々、企業の採用の悩み、求職者の転職相談などに触れる中、どのような業界でどのような課題を抱えているかという広い知見や、あるいは採用・転職が上手くいった好事例などの知見が身についているかと思います。転職市場のトレンドや求職者は転職活動で何を考えているのかの生の情報に触れられる経験は、人事などに転職する際には特に生きる知見といえるでしょう。

②適応力
業界特化型戦略をとっている企業を除き、人材業界全体の特徴としては、不動産や飲食、ITなど幅広い業界の企業、あるいは転職を考える求職者の方に接することになるかと思います。特性の異なる幅広い業界での採用や組織の話に触れるのは、当然ながら簡単なことではありません。例えば何か商品を小売店に卸すようなルート営業のようにある程度対応業界が固定されている営業職に比べて、適応力が培われるのは人材業界ならではかと思います。

③コミュニケーション力
企業から採用したい人物像をヒアリングする、あるいは求職者より自分が転職したいと思う業界や社風の会社をヒアリングするときに、なかなかはっきりと言語化できる人は少ないです。そのようなニュアンスなど抽象的な部分を汲み取ってコミュニケーションをとりながら、言語化のサポートをしていくのは人材業界で身につくスキルといえます。

④新規開拓力
人材獲得難の時代で、有料職業紹介免許の申請は多い時には月に100社以上もの申請があるといわれています。このように人材業界は人材派遣、紹介など問わず競合他社が多い業界のため、新規開拓を中心とした営業力が他の業界と比べると身に付きやすいでしょう。

⑤経営者との商談経験
「ヒト・モノ・カネ」と昔から言うように、いつの時代も経営者は人材に課題を抱えています。特に人材難といわれる今の時代において人材獲得を最重要な経営課題と捉えている経営者も少なくはない中、経営者との商談機会も以前より増えたのではないかと思います。しかしながら、このような経営者との商談機会のある営業職はそこまで多くありませんので、この点も人材業界出身者は積極的にアピールしていく点かと思います。

人材業界から営業への転職

人材派遣、人材紹介、求人広告を問わず、人材業界から営業職への転職というのが最も多く、商品力のあるメーカーよりも比較的、人材業界と同様に、IT・web業界、あるいは保険をはじめとした金融業界のような無形商材・サービスを扱う業界への転職が多い傾向にあります。大手・中堅企業への転職も多いですが、最近ではベンチャー、スタートアップ企業でリクルートグループをはじめとした人材業界の営業力の高さを評価される企業も多くなり、そのような比較的若いフェーズの企業へ転職をされる方も増えてきています。

また業界をスライドさせる形で「HR×●●」のようなサービスを取り扱う企業も知識や経験を活かせる即戦力人材として転職先候補によく挙がります。こちらは例えば労務管理システムなどを展開するHR SaaS、社内の人材情報管理を行うタレントマネジメントシステム、応募者情報管理などを行う採用管理システム(ATS/Applicant tracking system)などがその代表格と言えるかと思います。

営業職に軸足をおく転職活動の際には、先にも挙げた通り、競合他社が多い中でどのような工夫をして新規開拓に取り組んできたか、あるいは営業力が人に依存しやすい人材業界において、人材育成や営業をサポートする仕組みなどで工夫されてきた経験などを中心にアピールしていくのが良いでしょう。

また上記の様に新規開拓の様な部分も重要ですが、大事な社員の採用、人生を決める転職を任せて貰う中、企業や求職者との信頼関係は必須です。そのような信頼構築のためにどのような工夫をしてきたかなどについてもアピールされるのもよいでしょう。

※SaaS(サーズ)は「Software as a Service」の略で、クラウド上のアプリケーションやサービスを、インターネットを通じて利用する形で提供されるビジネスモデルになります。スマホなど月額課金型で利用するサブスクリプション型のサービスの多くはSaaSに該当します。

人材業界から人事への転職

人材業界から採用などに関する引き出しを活かし、人事(採用担当)に転職する方も多いです。人事への転職の場合には自力での転職活動の末に入社というパターン以外にも、営業として取引関係にあった気心知れる企業へ転職を決められる方も少なくはありません。

営業と人事で立場が違えども、同じ「採用」という領域で仕事をしているので、共通している部分も多くありますが、近いようで2つの仕事は異なる部分も多いので面接でのアピールでは注意が必要です。

特に人事の仕事は人材会社との折衝等以上に、現場との社内調整の上、採用や教育などに関してどのように進めていくのか方針を決め、具体的な実行案に落とし込んでいきます。そのような中、社内を巻き込みながら仕事ができるのかどうかといった観点は、人事への転職の際に選考で論点となりやすいポイントの一つです。転職市場をはじめとする採用に関する知見のアピールは勿論ですが、当然ながら採用だけが人事の仕事ではありません。そのような食い違いから人事の仕事がイメージできていない人であると思われてしまい、「営業としては良いのだけれど」と採用見送りとなるケースも少なくありませんので気をつけましょう。

また、採用に関する知見をアピールするときにも注意が必要です。「これまで300社の採用をお手伝いしてきた採用の知見が強みです」というアピールが悪いわけではないのですが、その前に自分が応募する企業の業界特性などを踏まえた上でのアピールをしていくことが大切になります。これまでどのような業界や従業員規模の採用支援を行ってきたのか、人材採用ではどの領域(正社員、アルバイト、派遣社員など)に強いのかなどを整理し、応募企業の業界や抱えている課題と照らし合わせながら、自分のこれまでの経験・知見などをアピールしていきましょう。

そして人材業界経験者で抜けがちなのが、労働基準法や就業規則等の人事に関連する法律知識です。コンプライアンスが年々厳しくなる傾向にある中、人事ではこのような法律知識を確実に理解しておく必要になります。人事職への転職を考えているなら、全てとは言いませんが、今のうちから特に採用や転職周辺に関する法律などをあらためて勉強しながら仕事に取り組むことが大切です。

人材業界からコンサルタントへの転職

経営者、役員クラスの方との商談機会が多いのも人材業界の特徴の一つといえるでしょう。そのような経営者との商談を通じて培った経営視座を土台に、コンサルティング業界へ転職する人も多いです。人事だけにとどまらず財務やマーケティングなど経営全般を支援する経営コンサルティング会社へ転職される方もいますが、多いのはやはり人事領域に特化した人事・組織コンサルティング会社です。

このようなコンサルティング業界に転職を目指す場合、これまでの人材業界でどれだけ経営者との商談の場数を踏んできたか、またその商談の中でどのような会話をし、経営課題解決の提案をしてきたのかといったという商談の中身のアピールが必要となります。

併せてアピールできることとしては人材業界ならではの知見の広さです。メーカー、小売、サービス、IT・web、不動産など幅広い業界でのビジネスの仕組み、組織課題などに触れる経験は、顧客のビジネス理解やどのように経営改善をしていくべきかなどのご提案に生きる部分が多々あるかと思います

人材業界からコンサルティング業界への転職を目指す場合には、言うまでもなく、日々やり取りをしています顧客に深く入りこんでいくことが大切です。経営者との商談機会をもつ、さらにその商談機会の中で顧客の成長につながるご提案をしていきましょう。

起業家への転身

起業家輩出企業で有名なリクルートグループを中心に、独立起業という選択をする方も人材業界では多いです。しかしこの独立起業も大きく3つのパターンに分かれる傾向があります。

①人材業界での起業

現在、上場している企業で挙げますと、人事・組織コンサルティング事業などを展開する株式会社リンクアンドモチベーション(リクート社出身の小笹氏が創業)、転職サイト「Green」などを展開する株式会社アトラエ(パーソルキャリア社出身の新居氏が創業)、あるいは「Offer Box」など新卒領域のサービスを展開する株式会社i-plug(パーソルキャリア社出身の中野氏が創業)のなどが代表格かと思います。人材業界は裾野が広く、まだまだ大手人材会社も手をいれられていない課題の多い領域というのはたくさんあります。そのような中、人材業界の中にいるからこそ見える課題解決を目指し、起業される方がいます。

②人材業界以外での起業

インターネット黎明期を牽引した株式会社サイバーエージェント(パーソルキャリア社出身の藤田氏が創業)を中心にデジタルマーケティングの大手である株式会社セプテーニ・ホールディングス(リクルート社出身の七村氏が創業)などを中心に、人材業界以外の領域で事業を興される起業家の方も多数います。様々な業界やビジネスを見ることのできる人材業界だからこそ、その中で感じたビジネスチャンス、課題などに向き合う形で創業される方が多いように思います。

③フリーランス

様々な業界や従業員規模の企業の採用課題に触れてきた経験を活かし、フリーランスとして人事コンサルティング業などに従事される方も多いです。この場合、人事への転職と同様に、人材業界で営業をしていた取引先のサポートなどから起業される方が多く、その取引先の知人経営者をご紹介いただく程度であまり大々的に広げずに商売をされるケースが多いです。このような背景には、自身の好きな顧客に対し、売上数字などに追われず、密にサポートしていきたい方などがこのような働き方を選択される傾向にあります。

最後に

人材業界からのキャリアには上記以外にもまだまだ選択肢はたくさんありますが、業界、職種によって転職する場合に求められるスキルや知識は異なります。また、職種によっては未経験から自分だけで目指すことは難しい場合もあります。

そのため、自分が目指す業界や職種、企業に精通したプロのキャリアアドバイザーをパートナーに相談しながら進めていくことをお勧めします。Webサイトなどだけでは拾えない、生の情報が得られるだけでなく、自身も人材業界に身を置く人間として業界のことを理解しているからこそ、客観的にみたキャリアアドバイスなどを受けることができるでしょう。

関西ベンチャーへの転職ならビズアクセルエージェントへ

目次
閉じる